2006/12/30

日記「フロリダ・ディズニーワールド(1)マジックキングダム」

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■06/12/19(火) □ ただただ眠い移動
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 フロリダ・ディズニーワールドへの旅、オーランドまであと1時間。ここまではとにもかくにも眠くて眠くて、目をつぶりひたすら断続睡眠を取る以外何もできず、写真も Pocket PC も使う気力が湧きません。あとで日記を書こう。

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 バンクーバー空港の出張米国入国管理が大変だった。どういうわけなのか俺のアメリカ出入国記録に不備があるらしく、何回入国したことがあるか? 前回ステーツに来たのはいつだ? と不審な顔をして管理官が質問を重ね、どこかに電話をして記録を調べるのである。10数年前のLA滞在とハワイ旅行以外は乗り換えで通過したのみなので、いったい何が問題なのかさっぱりわからない。尋ねても教えてくれない。まったくワケがわからず、ただただ緊張するのであった(※)。

 荷物検査も非常に厳しく、米国に入国するというのは実にハードなことなのだと実感する。去年日本に行ったときと全然違う。やれやれ、大変な旅である。

(※)米国入国の際は機械読み取りの新しいパスポートかビザが必要という建前なのだと後日教わった。だったらそうだと言ってくれればこれほどいやな思いはしないのに、入国管理官という人種はとことん不親切である。
フライトは時間が短いので日本行きほどつらくはなく、フロリダに着くとすごい湿気。うわ。気温も23~24度もある。素晴らしい。ホテルに着くともう夜だったのだが、萌とイトコのSFはプールでちょっとだけ泳ぐ。クリスマスどきに屋外プールで泳げるのだからすごい。日本に行ったときと同様疲れと興奮で眠れない萌が最後に泣いてしまったが、まずはそんな感じで初日が終了。



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■06/12/20(水) □ マジックキングダム
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 行ってきましたディズニーワールド・マジックキングダム。楽しかった。朝イチでゲートに並んでいると、プワーとミッキーマウスらが乗ったトレインがやってきて、さあ夢の始まりだよーとショーと共に開門する。俺に抱え上げられた萌の喜ぶ顔を見て、のっけから母Mはうれし涙をこぼしていたそうです。

 入場してあの城が見えてくるとさすがにわくわくとする。萌も笑顔が止まらない。しかしこの美しいシンデレラ城に入れないのはなんともったいないことか。せめてテラスくらい上がれるようにせよ。



「カリブの海賊」「イッツアスモールワールド」その他のライドは、20数年前に行った東京版の記憶と同じでお子様向けとしかいいようがないが、大喜びする子供と一緒だととても楽しい。そして地上30mのツリーハウスとか場内周回トレインや白雪姫のママ母なんてのはここにしかないだろうから(日本にもあるのかもしれないが不明)、はるばる来た甲斐があったというものである。白雪姫のママ母は客に囲まれてもニコリともせず、「そなた名前をなんという」「どこから来たのじゃ」といったお妃口調で子供らをあしらっており、おーとしびれるほどかっこよかった。

萌はSH叔母さんに憧れのシンデレラドレスを買ってもらい、顔にはやりたかった猫顔のフェイスペイントをやらせてもらって、夢心地だったようである。ドレスを着る前はきゃーと喜びに走り回っていたのだが、姫になった途端に歩き方がシャナリシャナリとなったのがおかしい。さらにフェイスペイントを見ておおと反応する子供には、皇族風な小さなバイバイで応えていたのだった。まことにあのドレスは姫効果が高いようである。





 そのドレスで乗ったあのゴトゴトと場内を1周するトレインは実によかった。キャンプ用品を思わせるブタンの臭いが漂ってたゆえガス駆動だと思われるが、こういうのに乗りたがる鉄道マニアの心持ちがよくわかる。




 お昼はアーリーアメリカンというのか趣のある建物の中、クマのプーさんがそぞろ歩くレストランで。SFはオフィシャルのサイン帳を持ってサインを集めていたのだが、各キャラがちゃんと Pooh とか Tigger とかサインしていておかしい。おとぼけキャラらしいイーヨーというロバなどはちゃんとスペルを間違えたりしていて、芸が細かいのである。

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前日からの疲れもあるのでいったんホテルに戻り、昼寝を取って夜の部。昼間よりもさらに急げ急げとライドからライドへの大行進で大変だったが、その甲斐あって心残すことはないほどライドに乗れた。暗闇に浮かぶキャッスルにいろんな光が照射され美しい。窓明かりを見て「中に誰か住んでるの」と問う萌に、「キャラクターを着てる人が着替える部屋があるのみ」とMが答えておった。いつも直球勝負な人だ。

 最後に乗った「ジャングルクルーズ」というのも、電気動物が水からぐおうと出てくる中をどんどん進むというラチもないものだったのだが―――実際ディズニーランドのだし物は、可能な限り大量の客を一気に消化するためにすべてこの形式になっている―――、ガイドの女の子のダジャレ親父ギャグ道中が芸として非常に楽しめた。萌はジョークがわかってないだろうと、「あの子はジョークを言ってるだけだよ、(わからなくても)大丈夫」と横からささやいていたのだが、実は全部わかっていたらしく、船から下りるとガイドの言ってたジョークを言って盛り上がっていた。

そして花火とパレードを見て夜11時近くにすべてが終わる。ステージでの劇や最後のパレードを見ていて気がついたが、萌はミッキーマウスにはさほど思い入れがないのであった。実際現代の子供が見るディズニー映画にミッキーマウスは出てこないもんな。映画で見たピーターパンやフック船長にはかなり喜んでいた。やっぱ映画としてはジブリのほうがはるかに入れ込んでるので、コナンとかナウシカが出てきたらすごかっただろう。萌は生まれてこれまで最高の日だったと言いながら、帰りのバスに向かって歩いていた。よかったよかった。

2006/12/17

日記「話すことなんかないよ!」

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■06/12/05(火) □「話すことなんかないよ!」
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 萌は今日学校へピックアップに行くとえらい機嫌が悪く、友達と遊びたいピアノなんか行きたくないと、車の中で泣き喚きシートを蹴ったりしたのであった。叱っても効果がないしそうするエナジーもなかったので静かに対応し、半時間ほどして落ち着いたところで話をしようとする。―――「まずさ、車の中で窓を蹴ったり椅子を蹴ったりしたことについて、何かいうことは?」と切り出すと、萌はきっと音がするほど表情が締まり、「なによ? 話すことなんかないよ!」とまた部屋にこもってしまったのであった。これはちょっとしたドラマのような見ものであった(苦笑)。

 さらにもう一段落ち着いたところで、行きたくないなんてワガママな理由で学校やピアノをスキップしたら、今後友達と遊ぶなんてことは絶対できんと説明し納得させたのだが、実際スイミングが入ってから月~木が全部習い事というのはかわいそうだと俺も思う。このレッスンが終わったら水泳は俺が空き時間に連れて行くことにして、もっと友達と遊ばせてやりたい。結局行けばピアノレッスンはちゃんと楽しむのだが。

 しかし萌は最近俺に対して妙に意地が悪いことをいいがちで、日本語も使わず俺をゲンナリさせる。学校でも友達と口げんかしたりするという。相手がイジワルなのだと萌は言うがそんなものは両成敗に決まっており、子供同士がお互いにこういう態度で接してけんかにもなるのだろう。うーむ。

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■06/12/08(金) □「北の零年」
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 萌の先生との懇親会があり、萌のクラスでの交友関係が一番の関心事だったのだが、先生が見る限り誰かと仲が悪いなんてことはないとのことだった。まあ最近の俺や友達に対する萌のパンと物怖じしない態度を見ていれば、クラスでもああいう普通の子の強気な態度で遊んでるんだろうとわかる。キッズ社会に順応すればするほど失われていくものもある。それはどうしようもないことなのだろう。

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 録画しておいた映画「北の零年」を見る。北海道開拓史に基づく「風とともに去りぬ」みたいな面白い映画だったのだが、とにもかくにも吉永小百合が出ているという時点で映画のテーマはもう決まっており、そしてその通りなのでうんざりさせられる。彼女が雪の中で遭難しかけるシーンやラストのセリフなどあまりにも吉永小百合的(つまり日本映画の「ドラマチック」シーンの粋)であり、もう昔見たよとしか言いようがない。これが別の女優だったら感情移入できるシーンも多々あったが、せめてもう20歳(笑)若く吉永小百合的ではない女優だったらなあと違和感を感じるばかりなのであった。日本映画人にはこういう、古風に耐えて芯の強い女の一生を描くことこそニッポン映画だという信仰めいたものがあるのかね。

 と調べるとこの映画の行定監督はこないだ TV Japan でやった「春の雪」の監督でもあり、その前にやった「世界の中心で、愛をさけぶ」の監督でもあると判明して笑ってしまった。日本映画の陳腐という特質を極めてるような人なのでした。

 アニメは面白いのになあ、日本映画。アニメには吉永小百合が出てこないから良い (^-^)。

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■06/12/15(金) □ 大風
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 夜中にとんでもない風が1時間ほど吹き、屋根に大枝を落としおった。今年は俺がカナダに来てから一番天候不順である。山際の萌の学校は被害も甚大なのか、休校となった。

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 ●21:46 旅行前の仕事が終わったー。ふいー。ぐったり。

 夜ニュースを見て、昨日の風で市内で木がバンバン倒れ家屋を叩き潰していたのだと知りたまげた。うちに落ちた枝と同じような枝が屋根を貫通しているケースもあり、うちはタテに落ちなくて本当に助かった。

 しかし日本の台風に比べればまあ突風というレベルにしか感じなかったのだが、60年代に来たハリケーン以来最大級の被害だったとのこと。驚きである。やはりこれはグローバルウォーミングでBCが受ける気候の激しさが前とは変わったせいなのであろう。いつも強い風が吹いていれば枝も大きくもろくなりすぎる前に落ちていたのだろうが、木にとっても想定外の突風に見舞われてるのだろう。川も同じことで、大雨で河川敷がある日本の川よりもBCの川は、水位差に弱いのだと思われる。

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■06/12/16(土) □ やっと Coolpix で夜景に成功
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 仕事が終わったが萌にまとわりつかれてなかなか休めない。やっと旅行のことを考え始めたが、朝7時の飛行機なので空港には遅くとも4時半に空港に入らねばならんとか(無茶苦茶)、いろいろ考えねばならぬ困りごとが多い。フロリダという行き先にも燃えんしなあ。まあ半分は萌のため(ディズニーワールド)で半分はM父のためなので、仕方がない。

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 夜萌をKT家からピックアップして、クリスマスライト撮影に挑戦する。狙い通りのいい絵が撮れた。えらいぞ Coolpix 4100。こうして本領を発揮してくれると実にうれしくなる。しあさってからのディズニーランドで夜景を撮るのかどうかわからんが、どんな場所でもこれでなんとか撮影できると信頼感が湧いたのであった。

2006/12/09

サカタ萌日英仏イラスト




これは従来からの流れを汲む、悪者につかまった姫を助けに来る少年という感じの絵。「さかたひめ! ぼくがいまいくからね!」。なんか構図がすごくダイナミックで、よいです。


これは仕事のストレスに消耗してるお母さんに書いたカード。こういうカードを量産して仕事机にそっと置いていってくれるので、父母は元気付けられる。「デザイン・イット・ユア・ウェイ」といった、まだスペルを習ってない言葉を(彼女はフレンチクラスなので英語はあまり習っていない)工夫して書いているところがえらい。



そしてこれは学校の絵日記に、歯が抜けたセンセーションを劇画調にバババーンと書いたもの。すごい歯だ。隣の友達は、最初に抜けた歯をペンダントにして持ってるらしいです。こうしてフランス語で日記が書けるということが恐れ入る。「歯が抜けました」と書いてあるらしいですが、合ってるかどうかはサッパリわかりません。

2006/12/01

日記「景色能力だけは文句なしのニコン」

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■06/11/20(月) □ カメラが届くが今ひとつ
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 と、届いた! 待ちに待った2代目デジカメ Nikon Coolpix 4100。震える手でバッテリーを入れ、まずは外の景色を撮る。―――暗い。裏庭でもトライ。―――げ、どれもこれも暗い。暗いBCの冬とはいえこんなに暗く写るのか?

写真の内部情報を見て、どうやらAE(自動露光)が判断に失敗しているらしいともう一度トライすると、今度は見たままとほぼ変わりなく撮れた。そっとシャッターを押さないと、AEがきちんと働かないのだろうか。 屋内モード(スロー発光)は逆に、明るくしようとシャッタースピードを落としすぎる。前のカメラならオートフラッシュ 1/30 秒で十分撮れる明るさで、1/5 秒なんていうとんでもないスピードに落としおる。当然ブレブレになる。屋内でもフラッシュなしで撮れる程度の明るさはあるわけで、スロー発光とはいえこんなにスピードを落とす必要はないではないか。うーん。

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萌を迎えにいきつつ学校周辺の景色を撮る。これは予想以上によく撮れた。帰ると一瞬日が射したので、夕焼け景色を撮る。するとついに出た、サンプルサイトで見たような美しい風景写真。見事。ほんの少しでも太陽があればいい絵が作れるのだった。

 夕方からはベストの室内露光を求めて、同じショットをいろんなモードで試しているのだが、ヒット率は低いなあと実感する。まあ普通にオートでフラッシュの届くところから撮ってる限り普通に撮れるのだが、背景が真っ暗ないかにもデジカメのしょぼいフラッシュ写真になってしまう。かといってスロー発光にするとシャッタースピードが 1/10 秒以下に落ち、100% 手ブレになってしまう。2つしか測光の選択肢はないのかお前は。情けなし。

 前のオリンパス 2000 年式カメラのデータを調べると、フラッシュを炊けば 1/30 に固定されていたようだ。あいつはそんなにシャープな絵は撮れなかったが背景真っ暗も手ブレもなかったわけで、実用オート性能ははっきりと下がってしまった。前は撮れた写真が撮れなくなったのだから、家族にも申し訳ないと思うのである。家族にこっそりコーナリング性能を求めてスポーツミニバンを買い、乗り心地の悪さで皆が車酔いするみたいなガックシであります。

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■06/11/24(金) □ 景色能力だけは文句なしのニコン
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 萌を学校に送ると裏山がもう雪をかぶっていたので撮影。俺はこのニコンを、旅行サイトの風景写真のシャープさと色に感動して選んだので、屋外風景だとさすがに期待通りの絵が撮れる。空の青さと雲をきっちりと捉えつつ、前景の家々や車もつぶれていない。うちの前の通りを撮影して、サッカー場の芝に日が射しているのがわかる。200m先の光をちゃんと捉えているのだ。俺がこれまで撮った写真で間違いなく最も画質がよい。

 しかしなぜか買った当初よりも、暗い屋外には明らかに強くなっている。最初は雨の庭が暗く撮れて愕然としていたのだが、もう屋外では夕方の悪条件でもちゃんと撮れる。カメラにも慣らし運転ってあるのだろうか。CCD に光が当たって具合がよくなったとか。

 この景色能力は文句なしなのだが、屋内がなあ....。明日のLSの美容院パーティが公式戦デビューとなるのだが、まだどのモードで撮ろうか解決案が出ないのだ。というか解決案はなくて、どれに妥協すれば一番まともに撮れるかというレベルの低さなのである。

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■06/11/25(土) □ ヘアドレスパーティ(ニコン公式戦初戦は 60 点)
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 パーティはヘアドレスアップで大盛り上がりで、ガールズパーティとしては最盛況という感じであった。萌は1人だけクラスが違い年も下なのだが、全然ものおじせずにいたのが意外だった。ちょっと本来の性格よりも気が強く出ており、メイキャップの順番をめぐって意地悪っぽい子と軽く口論していたりした。やっぱ学校に1年半もいて毎日もまれており、こうした場面での押しが強くなっているんだなあと思う。クラスでもこういう態度で、それでクラスメイトと口論したりするらしい。



 萌は実際最近俺に対して意地の悪いことをすぐいう傾向があり、日本語も使わず俺を怒らせる。こういう萌の態度がクラスメイトとの口論の原因じゃないかというと、萌は違うよ関係がないよと主張するのだが。まあ前は押しが弱く順番を取られまくられ心配してたのだが、強くなったらなったで複雑な気持ちであります。

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 ニコン Coolpix 4100 公式戦初戦は、60 点くらいのデキであった(10 枚撮って6枚くらいが納得のデキ)。やはりスロー発光の Indoor モードなどはシャッターを押してから撮れるまで時間がかかりすぎてタイミングが掴めないので使えず、ほとんどの写真をオートで撮る。どれもまあまあ部屋の隅まで光が届いていているが、何枚かはやはり背景が真っ暗な俺の嫌いな感じの写真になってしまっている。[Night Portlait] は後からデータを見たら 1/13~27 秒 と十分に速かったので、もっと使えばよかった。これで撮ったガールズ全員の写真など、やはり明るくていい感じである。


 実戦を経験してついに、Coolpix 4100 に愛着が湧いてきた。室内ではこうしてまあ普通以上のことはできないが、外に出れば大風景写真が撮れる。そういうカメラなのである。

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■06/11/27(月) □ カナダ式スポ根理論
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 ●09:20 ひゃー、雪で車のドアがカチカチに凍りつき、キーが入らずドアが開かず、お湯をかけて15分格闘。エンジンさえかかれば雪のスバルは無敵で、滑る気配ゼロの雪の帝王走りであったが、とにかく車の中に入るのが大変だった。カレッジ大学はすべて閉鎖だそうである。カナダのくせに悪天候に弱いBCなり。

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 ◆夕方萌のスイミングは相変わらずというか、深いところでの恐怖克服というのを半分の時間やっている。この辺が、Mも持っている「泳げないとイザというときに大変なことになるからレッスンを取る」というカナダ人の生真面目な水泳観を表している。まだ泳げないのだから足がつかないところに行くのは怖いのが当たり前で―――俺だって足の付かないカナダ式プールに入るのはイヤである―――、泳げるまでは行かなければいいではないか。

 泳ぎの技術と恐怖克服を同時にやるというのは、このメソッドが使ってるスポ根理論にしか過ぎず、必然性などないと思う。自転車だって先に補助輪を取って恐怖を克服させるなんてことはしないのである。萌が嫌がったらこのレッスンをやめさせて、俺が一緒にプールに入ってやろう。

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外は大雪となった。張り切って夜景モードにトライすると、美しい。露光2秒のすごい写真が撮れる。目で見るよりも明るい夜景が撮れる。ありがたし。


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■06/11/28(火) □ オフ
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 昨日の夜中にファイルを仕上げて送り、久方ぶりにまともにタイピングできないほど疲れているのだが、やりたいことがありすぎて目が覚めてしまった。

 昨日は時間がないと顔をしかめている俺に、萌が「あーあ、こんな仕事を取らなければよかったのに」といい、つくづく悲しく思ったのであった。―――「しかしお金がもらえるんだよ」「違う仕事をすればいいのに」「どんな?」「バンクの人とか」「んー(笑)、しかしそういう仕事をしてたら家にいないから、お父さんは萌の世話ができなくなってしまうぜ」「そうか」。

2006/11/19

日記「中国音曲底力」

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■06/11/12(日) □ 中国音曲底力
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 明日Mがクラスの人々を招待したので何年かぶりのパーティ主催となり、一家総出で大掃除。これほどきれいになったのはいつ以来か記憶になし。

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パーティが1時間遅れて始まる。カナダ人と外国人が半々の面々だったのだが、チャイニーズの女の子が「中国南西部舞踊」というものを披露してくれた。太極拳と剣舞とタイ・インドネシアダンスの交じり合った感じのものなのだが(南西部だから地域的にタイとも近いのだろう)、もう圧巻の素晴らしさ。すごい。こんなすごいものを市井の人が踊れるのか中国では。恐れ入りました。



 後からMに聞いて実はただの「市井の人」ではなくてカナダにおける中国舞踏研究の第一人者というべき人なのだと判明し、道理で! 激しく腑に落ちる。道理ですごいわけだよ。しかしこういうのを見てしまうと、もともと俺にはサッパリわからない日舞はもちろん、アイリッシュやらスパニッシュやらを含めても、何も知識素養がない人の目にこれほど心地よい踊りが南東アジア以外にあるだろうかと思う。日本にもこんな踊りが伝わればよかったのに。

 そのダンスのためにもう1人のチャイナの方が中国笛を吹いたのだが、ひょうたんと竹でできた笛でスライドバーもついてないのに、スラーで無限諧調音階が出て中国音階になっている。いったいどういう仕組みかと聞くと、中に金属のリードが入っていて呼気でスラーが出るのだそうだ。こんなのも見たことがない。こういうその国独自の楽器がたくさんあって、こうして市井の人(こちらの方は本当に市井の方であった・笑)が弾けてしまうのだから、中国の音曲底力はすごい。中国文化に快感をもって圧倒された一幕でありました。

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■06/11/14(火) □ 「3丁目の夕日」
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 MSさんからお借りした「3丁目の夕日」を見る。昭和30年代(20年代?)の車とか路面電車とか町の風景をよく作ったなとびっくりする。あれはみんなCGなんだろうか。俺が見て育った風景ではないので特に懐かしいというわけではないが、主人公の女の子が本当に吉永小百合みたいで、そっちのほうにノスタルジアを感じて楽しめた。しかし吉岡秀隆(ジュン)って、「北の国から」でのティーンエイジャー役以外のことは何もできないんだなと改めて思った。もっと本当にしょぼくれた役者で見てみたかった。

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■06/11/15(水) □ 嵐のBC
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 今日もひどい雨。というか今日から嵐が本格化するらしい。横殴りのひどいひどい雨。デッキの萌のキッチンが風で横倒しになった。これは停電になるかもしれんのでライトやランタンを準備する。やれやれ。BCの秋冬は駄目だ。雨が降りすぎる。温暖化のせいも大きいのだろうが、それにしてもである。風速 48 km/h、瞬間最大 67 km/h。

 Mがこの雨の中ドクターアポイントメントで出かけねばならず、気の毒。こんな悪天候の中文句も言わずに、全身カッパで身を包みしょうがないと笑いながらバスに乗って行くMは偉大だと思うので、そう言ってほめてやる。カーラジオからは倒木・停電・悪路のニュースががんがんと聞こえてくる。

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 夜、萌の下前歯がついに抜けた。もんのすごく喜ぶ萌 :-)。これは写真を撮らないわけにはいかないのでMKのカメラを借りて撮ったのだが(うちのはこないだのハロウィーン時に死亡)、全部ピンボケになってしまった。どうやらボタン半押しをしないとちゃんとオートフォーカスしないらしい。最近のカメラはなかなか気難しい。はやく当家の新カメラが届いてくれ。

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■06/11/19(日) □ バンクーバーアートギャラリー
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 M萌はバンクーバーアートギャラリーのキッズイベントへ。俺は久々に留守番オフ。しかし買い物雑用を済ませ、さてと思ったらもう2時を過ぎている。早い。はー。雨が上がったので落ち葉かきをまた続行せねば。はー。

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 萌はアートギャラリーが楽しすぎたよと興奮して帰ってきたが、最近ほんとに日本語を喋らなくなってきた。英語のほうが話している時間が長いのだから、どこの移民家庭の子もいずれはそうなるのだが、うちは家族が英語3人に日本語1人だからよけいに難しい。ここまで日本語が完璧できているのに、それを失ってしまうのはあまりにも惜しい。どうしたものかとほんと悩みます。

2006/11/09

日記「ランチ問題発生」

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■06/11/01(水) □ 歯がグラグラ
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Mと買い物に出かけていた萌が、「サプライズがあるの。歯がグラグラしてるの」と車の中から電話してきた。えーほんとかい。虫歯はないけど乳歯はやっぱり抜けるのか。その後も買い物中行く先々から萌は電話をしてきて、なぜだか電話ではずっと日本語を喋ろうと努力していた。えらい。

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■06/11/02(木) □ ランチ問題発生
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 朝萌を送っていくときにランチを作り忘れ、あわててピザを解凍していると、「....お父さん、AUがね、ランチのときに『くさくて気持ち悪いジャパニーズフード!』っていうの」という。あー、ついにきたか。

 NRさんのところのKDも、小学校に入ったときにそう言われて傷つき、おにぎり等を持っていかなくなったのだそうだ。KTは逆に、「いいんだ、誰がなんと言おうと僕はヤキソバが好きなんだ!」とファイトを燃やしてヤキソバ弁当をかっくらっているのだそうだが(笑)。

 「じゃさ、『そういう風にいうのはルード(失礼)だ、あんたが食べるんじゃないから関係ないでしょ』って言ってごらん。それで駄目なら先生に言うしかないけどさ」「....うん」「カナダの子(というのもやや語弊があるが)はジャパニーズフードを食べたことがないからさ、知らないんだよ。萌だってこないだチャイニーズレストランで『うええ』って言ってお父さんに怒られたじゃん。それと同じだよ」「うん」。

 しかし海苔の匂いなんて気になるのかな。ツナサンドやチーズの方がよほど臭うと思うのだが、これはカナダ食で育ってみないと体感できない。これは文化うんぬんと言っても相手の子供には通じんし、弱ったことだ。とにかくどんな食べ物にも貴賎はないのだという真っ当な態度を萌に持たせてやるしかない。

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■06/11/03(金) □ ランチ問題自力解決
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 萌を迎えに行く。「またAUが気持ち悪いジャパニーズフードって言ったよ」「あー (-_-)。それで? ルードだっていった?」「うん。だけど知らねえよって」「ぐあー」「それに私の花の絵も変だ、下手だって」「それで先生には言ったの?」「先生はいなかった」「モニター(先生の不在時に下級生の世話をする上級生)は?」「うん、それでモニターにいったの。そしたらAUは謝って、それでその後のランチのときね、『自分が食べるんじゃないからジャパニーズフードも問題ないよね』って言ったの」。

 「ちゅうことは問題が解決したってこと? AUがナイスになったの?」「そう!」「すんげー。萌、それはすごいよ。自分でそんな難しい問題をハンドル(処理)するなんて。ブレイブだよ。勇気があるって、知ってる?」「トンネルの探検とかできるってことでしょ?」「そう。お父さんだったら怖くてそんな風にできないよ。すばらしい!」。まったく実に、えらい。

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 夜、萌がアニメを作ってMS先生に送ると、なんと添削指導というか改作したプロの作品が届いた。これは憧れの漫画家に色紙にサインをしてもらったのと同じ感動であります\(^o^)/。

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■06/11/05(日) □ やる気なしチアリーダー
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 Lちゃんのバースデイで大雨の中 PoCo のジムへ。このジムにははじめて来たのだが、体操ではなくて地域で有名なチアリーディングのジムなのだそうだ。チアリーディングといっても男女半々で、大勢の男女がひたすらバクテンの練習をしていた。これをフットボールのハーフタイムに披露するという趣旨なのだろうが、こっちはパーティをやってるというのにえらい大音響で音楽をかけてるのが不親切である。バクテンの練習に音楽などはいらんではないか。

 パーティの世話をしてた2人の女の子も徹頭徹尾やる気のないバイト感まるだしで、萌の昔の体操のナマケモノ先生を思い出させる。チアリーディングを教えてくれたのだが前に教えた経験もないらしく、振り付けも曲もその場で相談しながらちんたらとやっている。子供らは体を動かすより2人の相談終了を待ってる時間のほうが長くて、体が冷えそうであった。こういう対人で人を楽しませずして平気な感覚というのは、小心な俺には理解できん。

 ま、子供たちはハッピーだったですが、この遊具施設にプリスクールの先生みたいな熱意があれば、子供たちが忘れられないくらい楽しいパーティになるのになとずっと思っていた。

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■06/11/06(月) □ 栗をむく
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 コリアンスーパーで買ってきた栗を昨夜のうちにゆで、朝萌の学校スナックにとむいてやった。栗をむくとどうやっても指が痛くなる。シブ皮のアクのせいかもしれない。自分の母親はこんなにめんどくさいことをやってくれていたのねえと、親のありがたみを感じつつ一生懸命むきました。

 今日もやまぬ雨。ついに洪水警報が出た。2年前の洪水時に比べればまだマシかと思っていたのだが、ハイドクリークがあふれており、Mは萌を学校で降ろした後ボランティアで通ってるサーモンの孵化場へ寄り、池からあふれて側溝へ逃げたベイビーサーモンの救出をしてきたそうである。うちのドレインを全部点検、万全なり。

2006/11/06

アニメ「かわいいモデル 」

萌が最近ご執心の「モデル」を題材に、またアニメを製作。



そしてそれを玄人のお師匠に送ったところ、なんと添削指導があったのです。感激 :-)!


2006/11/01

日記「なぜだか静かなハロウィーン」

「『Mさん仕事をするの図』製作」「冬の庭仕事」ほか。

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■06/10/26(木) □ 「Mさん仕事をするの図」製作
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 昨日調子がいまいちだったのに学校に行かせたのが失敗で、萌は午後から声が出なくなり、今日はついに休。かわいそうなので久々に粘土細工で遊ぶ。

萌は途中でリタイヤして横になっていたのだが、「コンピュータを使うかわいい女の子」を作ってくれというリクエストに俺1人で取り組んでいると、なんかこれは我が妻に似てるなと気が付く。それで燃えてきて、結局「Mさん仕事をするの図」を作ってしまった(笑)。もちろん実在の人物に人形を似せる技術など俺にはないのだが、こんな髪の毛なんだよな、鼻はこうで....とマンガ的にディテイルを積んでいるとそれなりに似てしまうところが粘土は面白い。



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オシム第4戦イエメン・日本

 現時点の日本代表サッカーにはかなり悲観的になってきたが、送ってもらった DVD 最後のイエメン戦を見る。この試合はサウジ戦ほど日本選手の技術的拙さは目に付かない。ピッチが日本の小学校みたいなハゲハゲの芝でボールが跳ねているが、さほど問題なくボールコントロールをして組み立てている。これは単に相手がサウジより弱いからだろうな。空気が薄くて走るとしんどそうだが、選手の動きは暑かったサウジよりもいいし。

 アイデアと速さで再三チャンスを作り出している達也が完璧なクロス、フリーの巻がはずす! 巻はこの中東遠征で一度もヘッドをクリーンにヒットしていない。体がぶれているのは明らかで、なぜオシムはこんな状態の巻を使うのだろう。後半初めて巻が脚でシュートを打ち枠に行ったのだが、アジアレベルで3試合で数本しかまともなシュートが打てないFWがレギュラーというのは、見ていてつらいものがある。今年前半のようにリーグで切れに切れているときに呼ばれるのはわかるが、この状態で使い続けられる理由がわからない。川渕会長が巻が下手だと愚痴った気持ちもわかるのである。いまは播戸に期待するしかないか。彼にはカズ中山の匂いがするしな。実際うまいというイメージがない中山でも、巻に比べればボールを打つ技術は格段に高かったのだ。

 結局最後は巻の落としをガナハが押し込んだのだが、こういう巻の使い方を見ていると、やがては高いというだけで平山を使い続けるようになるのではないかと不安に感じるのであった。

 風間八宏さんがサウジ戦後、

オシム監督はサッカーを「パスゲーム」と考えており、現時点でのパスの「出し手」よりも「受け手」に質の高い動きを要求している。「個」ではなく、「方法」を前面に出した結果、ジーコジャパン時代と比べて、個人能力の低い選手が集まったように感じる。

 と評していたが、このほかに選手の能力についてうんぬんしている記事はあまりないのが不思議である。

 ―――うわコマーシャルに中田が出ている。トヨタのミニバンの宣伝をしている。何をやっているのかねキミは。お前さんがいないからこんな思いをしているんだよ、俺たちは(泣)。

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■06/10/30(月) □ 冬の庭仕事
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 昨日萌は風邪がやっと良化してHNバースデイパーティへ行って思い切り楽しみ、今日は学校へ復帰。

 サマータイム終了の昨日の朝大風が吹いて雲が消え、それで午後から1週間ぶりにピカリと晴れたのだが、同時に気温がドカンと下がった。夕方6時にはもうデッキに出るとグワ寒いと痛感するほど冷え込み、夜には5度を割り、今朝は当然霜が降りていた。おそらく氷点下になったのだろう。冬だ。

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 大風と雨で家の回り一面に降り注いだオークの葉を、晴れて空気が冷たい中をざっと掃除する。しかし庭のあちらこちら日が当たらない場所の芝は全部死んで、コケに場所を取られてしまった。このコケがはげると黒土がぼろぼろっと出て非常に汚らしくなる。芝というのは非常に手間のかかる植物だ。

 ついでに、大雨浸水時に排水パイプを埋め換え約2年が経ったフロントドレインのサンプ(ため穴)も掃除。25cm ほどの泥がたまっていたが、パイプ自体には泥はまったくなくきれい。これなら排水がうまくいっているはずである。よしよし。

 仕事中ヘッドフォンで井上陽水の最近のアルバムを流す。陽水って喉と唇で実にいろんな音を発している。言葉や語尾の面白さを音として追求するセンスと技能がある。同じ男声高音系でスティングあたりと比べても、陽水の方が才能があるんじゃないかと思う。スティングはポリスという3ピースバンドを発明したことが偉大なのであって、ソロ歌手としては陽水のほうがやってることは面白いだろう....などと思いつつ泥をゴリゴリ。

 萌は元気に帰宅。これで明日のハロウィーンも大丈夫。よかったよかった。

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■06/10/31(火) □ なぜだか静かなハロウィーン
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 今朝も一面の霜。さ、寒い。

 学校のハロウィーンパーティへ。着付けに行くともう皆が着替えており、萌はじれて「遅いよお父さん」とじだんだ踏んでいる。すまんすまん。俺よりも遅くお母さんがきたCHに到っては、一人取り残されすでに泣き出しているという興奮状態。子供にとってはまことに一大事なのである。



 萌はカオナシになった。これはシンプルながら傑作だと思うのだが、昨日まで風邪で機嫌が悪かったので試着が済んでおらず、マスクがうまくフィットしない。鼻がつぶれて痛いというのである。まあ仕方がない、夜の本番にはもう一度作り直そう。クラスメイトは当然誰もカオナシを知らなかったが、うわ何それコワイじゃんと、いい感じにウケていた。



 ところがそのコスチュームをまとったパレードは、数百人の子供らがぞろぞろと校内を練り歩くだけで、さほど盛り上がりもせず。ありゃりゃ。ジムに入る瞬間くらいは「なんとか先生のクラスの入場でーす!」とかいって盛り上げりゃいいのに、そういう楽しい方面にはあの校長の知恵が及ばないらしい。そのくせ彼は俺たち父兄の姿に気が付くと、例の今にもこちらに駆け寄り握手を求めそうな政治家スマイルを投げかけてくるのだった。苦笑。

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 今年のハロウィーンは俺が留守番キャンディ配布係りになってしまった。カオナシのコスチュームがうまくできたので、撮影しながら歩きたかったのだが。

 しかし今年は去年の半分もキッズが来なかったような気がする。1時間半を玄関でぽつねんと過ごし、10分に1組やってくるという感じで50人以下。ありゃりゃ。どうしてだろう。近隣の子供の数が減ってるのかな。うちの前のサークルでの花火大会も参加人数はわずか。もちろん個々の子供たちは仮装とトリックオアトリートを十分に楽しんでいたけれど、全般になぜだか静かな今年のハロウィーンであった。

 しかし3軒隣のSMがうちのドアをノックし、俺の顔を見て「あなたのこと知ってるわ! 萌のお父さんでしょ!」と言ったのがおかしかった。当たり前だろう、いつもうちに来て遊んでるではないか。興奮のあまりどの家のドアをノックしているのかわからなくなっているらしい。子供にとってはまことに一大事なのである、ハロウィーン。

2006/10/25

日記「独裁校長」

「かなしいメリーさん」「日本語はクールなりの波が」「オシム3戦目サウジ・日本」ほか。
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■06/10/10(火) □ 日本 VS イエメン
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 掃除をしながら日本から届いた DVD でサッカー観戦。

 ◆日本 VS イエメン:前戦と違い、えらい遅いチームになっている。相手が弱くて下がりすぎているため、日本の選手はボールを持つたびにさてどうやって崩そうかと考えてしまっている。こういう相手がゴール前に構えているときこそ1・2で裏を突くなどのひらめきがほしいのだが。遠藤がゲームメイカーでは攻撃の仕掛けが遅すぎる。

 まったくのJリーグレベル、それも夏場の消化ゲームかと思うようなひどさでハーフが終わり、オシム監督もウンザリという表情。だったら途中で修正すりゃいいと思うのだが、相手が弱く失点の危険はないこともあって、選手による対応を待っているという感じなんだろうか。後半は交代選手の動きによって多少よくなったが、最初からあれくらいやってくれなければまじめに見る気がせんというのが正直な試合であった。

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■06/10/14(土) □ 大ロック論議
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 萌をKT家に連れて行きお茶をいただいていると、MSさんと大ロック論議になった。

 MSさんは彼が支援している友人のバンドがなぜ売れないのか、年輪を重ねたゆえの味わいはロックでは評価されないのだろうかと苦悩しておられる。しかしまあ、古今東西年寄りで見てくれが悪くてもいいバンドはいくらでもあるが、歌が悪くても若くカッコいいから最高なんてバンドは存在しないわけで(どんな美形バンドも才能がなければ必ず消える)、前者でさえあれば幸せではないですか。現代はアマチュア革命の時代で、プロを目指すなんて目標の意味は希薄だし。

 というわけで、とにかくサンボマスターのビデオを見よと力説しておいた。僕とあなたの時代は! ここまで来てるんですよ!

 その間子供らは楽しく遊んでくれており、よい日でありました。

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■06/10/16(月) □ 「かなしいメリーさん」
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 萌は昨日ひいた風邪の回復がいまいちだったようで休み。午後からは元気になったので外で遊んだりした。

 彼女はピアノで先週やった「かなしいメリーさん(の羊)」に凝っていて弾きまくっている。両手でオクターブを弾いたり、自分でベース音や和音を拾って足したりと、インプロバイゼーションであらゆるアレンジを試みている。右手で全音符を伸ばしたまま左手でメロディを入れたりするカンのよさが素晴らしい。ピアノで俺が一番心配する運指については、できるだけ234の指を均等に使ってくれ(全部の指がいずれ動くように)とサジェストすることしかできないのだが、リズムキープとコードという歌楽器的には最も重要な部分を自発的に身につけているのがよし。俺もギターで加わり、「かなしいメリーさん」バンドのレコーディングをした。

「かなしいメリーさんバンド」

オルガンとギターのアンサンブルがめっちゃいい(笑)。

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 夜、録画してあった映画「春の雪」を見る。三島由紀夫ってこんなもんなのかという感想だけが残る、普通のロミオとジュリエット型ストーリーであった。まあこれが三島の作品中いいものなのかどうかも知らないし、映画で原作を判断しては悪いのだが、ストーリー自体がつまらないし主役の2人にも何の感興も湧かない。太宰はこんな陳腐な話は書かなかったわけで、なんで三島ってあんなに高名なのかしらといぶかしむ。こないだデーモン閣下の朗読で聞いた谷崎潤一郎の盲人の話もつまらなかったし、どうも日本の昭和文豪趣味というのはよく分からんのであった。これらの文豪はエキセントリック性が突出しているが、エキセントリックなものに日々惑わされ神経を痛めつけられている現代人から見ると、それはげんなりさせられるのかもしれない。

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■06/10/19(木) □ 漢字で文通
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 今日も萌は体調不良で欠席。まあ調子が悪いときに終日学校にいる萌を心配するよりは、俺も手元に置いておいたほうが気楽なんだけど。

 いい機会なので漢字の練習をさせる。萌は最近中国系のALと漢字で文通したがっており、ネットで中国語会話のページを探して、「ニイハオ」の漢字を紙に写し取ったりして学びました。こうして興味があるうちに、日本語学校でも早く漢字を習わせてやりたい。

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■06/10/20(金) □ 夢の砂山
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NRさんの旦那さんがトラックでどーんと庭砂を持ってきてくれたので、最後の落ち葉かきをしながら萌を砂山で遊ばせてやる。大盛り上がり。砂山は最高の遊び場で、できることなら場所を変えて山のまま残してやりたい。だが砂場はどうやっても猫とラクーンのトイレになってしまうのだよなあ。



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■06/10/21(土) □ サーモンを見に行く
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 昨日は昼にコキットラムリバーへKT家とサーモンを見に行き、帰ってからはKT・HNを迎えて砂遊びとゲームをするという盛り沢山な日であった。天気もよく、サーモンたちが奮闘する川はなかなか美しかったです。



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 TV Japan で浦和・川崎戦。むっちゃくちゃ面白い試合であった。去年はガンバがらみの試合の放送が多くあまり面白い試合はなかったのだが、個人技と組織のバランスを個性的な形で身に着けている2つのチームの攻め合い守り合いは実によい味わいだった。Jの名勝負といえば98年前後の磐田鹿島時代がピークだったと思うが、浦和は金と人気をふんだんに使って非常に面白いチームを作ってくれたわけで、他チームは今日の川崎のごとく浦和を倒すために努力すればいいわけである。ありがたいありがたい。

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■06/10/23(月) □ 日本語はクールなりの波が
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 昨日は借りた一輪車でついに砂の運搬をし、今日はさすがに筋肉痛。だがまあたいしたことはないので、最近体調がいいなと思う。体調がいいのは毎朝食べてるバナナのおかげだと思われる。

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 夕方買い物。スーパーにパフィの人形が売っていてぶったまげた。アニメになって人気だとは聞いたが、カナダのおもちゃ売り場の棚一面にパフィがあるというのは、信じがたい光景である。

 しかしバンクーバーでライブを見た頃まではすごい期待感があったが、こうして本人たちとは全然関係のないところでアニメキャラとして人気を博している「パフィ」というものを見ると、音楽現象としては結局評価されているとは思えないし、もう奥田民生も作曲に関与してないだろうし、興味を感じなくなってしまったな。

 このアニメ「パフィ」はカナダではやってないと思うのだが、最近なんかTVからやたらと日本語が聞こえてくる。国際的な IT 商品などのCMで日本の顧客とのやりとりがそのまま使われていたり、日本のおもちゃのナレーションが「なんとかななんとかダア!」と字幕付き日本語になっていたりして、日本語の響きが面白がられているのだ。メルが見てるドラマ「ヒーローズ」なんか、日本人オタクとその友人が超能力ヒーローとして出てきて延々と字幕付き日本語会話で話を進めるし(日本人役者が素人だし、プロの脚本家が書いたとは思えない米国人役者の日本語セリフも不自然だしでなんか面白い)、どうもこれは日本語はクールなりの波が本当に来たらしいな。フフフ。

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 それから皆でチャイニーズレストランに行ったのだが、萌は意外にもカタ焼きそばを食べられなかった。「上海風」というソースが駄目なのだという。野菜炒めもダメ。まあ確かにこういう真性チャイニーズフードはうちで食う日本食&洋食とはまるきり違うぬたっとした味がするし(日本の中華料理とも全然違う)、化学調味料が多くて後味は悪いのだが、萌は好き嫌いが非常に少ない子なので普通に食べるかと思ったんだけどな。

 まあ好きじゃないものは食べなくてもいいのだが、最近は嫌いなものを口にするとうえーっうあっと吐く真似をする。前はこういうことをしなかったのだが、やれやれいよいよカナダの小学生らしくなってきたなあと思う。食べなくてもいいから、声を立てるのはやめなさい。

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■06/10/24(火) □ オシム3戦目サウジ・日本
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 サッカー日本代表の各世代の試合に客が入らなくなってきたらしい。これは黄金世代によるバブルが、WC惨敗という最悪な形で弾けたということだろう。ジーコ時代、俺は試合のテープが借りられそうでも「じゃまた今度機会があれば貸してください」という感じで日本代表のサッカーに対する関心を失い、ただただ本番でチームのいいところが出てくれと祈っていたのだが、日本のサッカーファン全体にそうした気分が定着したのだろう。

 こないだのオシムの2試合目のイエメン戦がジーコ時代みたいなゲームだったが、ああいうしょぼい代表戦を見るよりは浦和・川崎戦でどっちかを応援してるほうが圧倒的に楽しいわけで、今後オシム日本が成熟してエレガントさを身につけ大きな大会に臨むまでは、盛り上がらなくても仕方ない。

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 ◆サウジ・日本:というわけでオシム3戦目を見てるのだが、これもあまり面白い試合ではない。さすがにイエメン戦よりは日本もぴしっとしているが、率直に言ってサウジ選手のほうがうまいのである。きれいにファーストタッチでボールをコントロールし、浮きだまで相手を交わして進んで行ったりする。観客大盛り上がり。こうした意外性のあるプレイがまるで出ないから、オシム日本の試合は(今のところ)つまらないのだ。

 サウジはうまいのにあまり全体は押し上げてこないので、序盤のオタオタが落ち着いてマークが定まると危険なシーンは減り日本ペースにはなったのだが、相手のボールさばきのほうが見ていて楽しいのは悲しいことだ。オシム日本のこの不器用なサッカーを見ていると、日本人はサッカーに向いてないのかとすら感じてしまう。無論田中達也レベルになれば十分に華麗で、達也の突破→遠藤のダイレクトシュート→相手のGKの美技といった流れには満足できる味わいがあったが。

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 サウジが砂漠の省エネカウンターを仕掛け、勤勉な日本選手がそれをつぶすという展開で前半が終わる。今の代表と前の代表を比べてみれば、【見ていて楽しい選手=海外クラブが目をつけ買っていく選手=ジーコが好きな選手】という図式があったのかなあと思う。今はオシムの方針で海外組を呼んでないわけだが、そういう選手を除くとこうして労働者だけになってしまい、機能的だが魅力のないチームになってしまうのだろうか。前代表の海外(経験)組を戻せばもっと輝くのだろうか。わからない。

 後半達也が下がる。あー。巻の方がコンディションが悪く、体が切れず役に立ってないのだが(ヘッドで競っても全くクリーンヒットしていない)。残り25分あたりで全員の脚が止まってきて見どころがいよいよなくなり、こぼれ球を押し込まれる。残り時間は高校サッカーみたいにオーバーコーチングな大熊コーチの怒声とともにダラダラと過ぎておしまい。

 負けたことはたいしたことではないし(達也のシュートが入って勝っていても不思議はなかったし)、オシム戦術うんぬんも今はまだ語れる状態ではないと思うが、とにもかくにもJリーグのトッププレイヤーがサウジ選手よりもこれほど見劣りするというのは、ショックを受ける試合であった。今日出ている選手で、見ていて心地よいレベルの球捌きをしてくれたのは、達也と加地とトゥリオだけ。遠藤は判断速度とアジリティが低すぎて、パスを出す瞬間には方向も強さも全部わかってしまい、決定的な仕事をする攻撃的MFとしては使い物にならないし。

 まあしかしこれも現時点の我慢我慢。ひどいスケジュールでコンディションが悪かったんだし、なによりも選手たちは鬼のオシム監督に試されてるという意識が強すぎて、実戦で遊びの部分など発揮する余裕がないのだと考えよう。そうしよう。

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 しかしこのDVDでは「2011年で地上アナログ放送は終了します」というCMが頻繁に入るが、これは本当に既存のTVは映らなくなるという意味なんだろうか。本当にあと5年で1億台の中古TVをゴミに出すつもりなのか?チューナーを国民全員に買わせるのか? そんなことが可能なはずがない。中古電気製品を売ってはいかんという法律をこないだ作っていたし、日本政府のやることは無茶すぎる。どんな理由があろうが、かかる金と環境負担が大きすぎる。

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■06/10/25(水) □ 独裁校長
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 萌がよくできましたの表彰を受けるというので Recognition Assembly(生徒集会) に来たが、前より一層長く退屈になっている。前から子供よりも自分の出世が大事で、教師にならなければ政治家を目指してたであろうことがあけすけだった校長が、今年度は右翼性丸出しの独裁者になっている。子供の入場時から別にうるさくもないのにしーっと必要以上に静粛を求め、自分のスピーチ時には「なぜ静粛にするかというとそれが相手を敬うということだからです。わかりますか。人が話すときに静粛にしないことは失礼に当たるのです。わかりますか」などと延々と話す。それが教師にも徹底されており、各担任がクラスの子たちの私語に目を光らせているのであった。一言でも喋ればしーっと来るのである。こりゃやりすぎもいいところである。日の丸君が代に起立しない教師をリストに載せる東京都の教育委員会などを思わせる。

 そしてさらに、「11月の徳目は『思いやり』です」などと言い出した。「『思いやり』とは人の気持ちを理解することで....」などと、製作した『思いやり』ポスターを掲げて道徳的なことを延々と話し続ける。そんな話をこんな公衆でして、子供がそうだそうだと心を打たれるとでも思ってるのだろうか。こういう退屈な長話を子供にすること自体が『思いやり』の欠如といえる。だいたい子供のクラス発表と表彰がこの会の主旨じゃないなら親を呼ぶなよ。

 前からポーズがハナにつく校長ではあったが、どうやらこれは根本的に学校の方針が変わったらしい。Mは、「子供を管理(しやすく)することが教育だっていう方針を唱える愚人がこの地区の教育委員にいるんだけど、この校長はその女の崇拝者で、去年ミーティングにも招待したのよ。ついにそれを実行に移したってわけよ。最後は『ハイルヒットラー』とでも言いたいんじゃない?」と憤慨する。なるほどそういうカラクリか。

 その教育委員とMはそのミーティングで激論したのだそうだが、その人自体に現場の方針を決める権限はなくて、校長の方針でこうなったらしい。しかし校長がどう言おうが教師にも意思があるわけで、必要以上にしーっとやっている数人の教師は校長の方針に合意しているのであろう。カナダの教育理念は日本よりリベラルなのかと思っていたが、大差ないなあと思うのであった。MがメンバーであるPTAは、こうした方針を議論はできても、決定には影響力は薄いのだそうだ。やれやれ。

 まあ子供はこれで別段影響は受けないだろうが(―――イジメ気質の子は、こういう権威型の大人が回りにいるとよりカサにかかる傾向が強まるかもしれないが―――)、毎月の Recognition Assembly が生徒集会というよりは校長の説教傾聴会と化し、より長くより退屈になりただただ気の毒である。

2006/10/18

萌画伯の絵「悪役ミレディ」ほか


    「悪役ミレディ」

最近ピアノなんかに忙しくあまり絵を描いてくれない萌画伯ですが、これはかなり傑作。TV Japanで放送している80年代アニメ「三銃士」の悪役ミレディさんです。いじわるそうな表情と、ぷっくらした怪しい唇が見事に捉えられている。美しい。



    「わたしのカット」

8月の末に転んで怪我をしたことを詳細に記した日記。地面がデコボコ、ここで転んだらそりゃ痛いに決まってる。

グレイド1(小1)になった最近は、やはり学校で使う英語のほうが日本語よりはるかに上達しており、文章も英文和訳風になることが多いです。「くるまをパークした」とか「すべってころんでカットがありました」なんてのがそれにあたります。日本語教育担当の私もいろいろと努力をしておるのですが、やはり学習機会が足りないなあ。どうしたものか。



    「ジーナとわたし」

一番気に入っているジーナと名づけたぬいぐるみについて、もらった頃はちょっと遊んでなぜか飽きてしまったが、今はお気に入りであるということを書いています。内容はともあれ、こんなに長い文章を書くことは最近なかなかないので、よしよしとほめてやっております。これは絵もなかなかよろしい。

2006/10/08

日記「I'm Not Like Anybody Else(レイ・デイヴィス)」

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■06/09/27(水) □ 英日仏読み書きむすめ
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 今日Mが萌の担任のカリキュラム説明を聞いてきたのだが、音楽を組み入れたカリキュラムが秀逸だと絶賛している。もともと音楽が専門の先生らしい。すばらしい。

そして萌はすでにフランス語で短文を書いている。彼女のフランス語能力は、すでに本学年(グレイド1)読み書き目標に到達しようかという勢いなのだそうだ。担任によると、1つの言語で読み書きができる子は、他の言語もある時点でルールが分かればたちまち理解しできてしまうのだそうだ。たしかに萌はひらがなの書き方がまず最初に来て、やや遅れて読みがき、そして英語の読み書きはあっという間にできるようになったのだが、フレンチでも同じことが起きているということらしい。すごいな。まあそれよりも絵のクリエイティビティと音楽性のよさのほうが俺はうれしいのだが。

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■06/10/01(日) □ ディープインパクトの凱旋門賞
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 ディープインパクトの凱旋門賞を見たくて早起きするが、どこでも放送はなし。Youtube などにアップロードされるのを待ってる間に結果が分かってしまった。ふー。まあ仕方がない。

 やっぱ有馬記念で力を出し切れず負けたことがある馬なので、現地で一度もレースに出ずに本番を迎えたのが失敗だったのだろう。日本の一流馬は世界レベルにあるのはもういろんな馬が証明してくれているのでショックではないが、サンデーサイレンスという名馬の子供が日本から生まれ世界を制すというシーンは、どうしても見てみたかった。

 天才馬は負けるときはこういうアレレなことが多い。オグリキャップらは負けてもものすごい競り合いの上で負けていたのだが、それがディープには、まだないのである。オグリ中田とディープ俊輔という感じでしょう(←安直なたとえ)。

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 などと思っていたら、夜になって映像が見つかる。結果を知っているのに、最終コーナーからゴールまでは体がガチガチに堅くなってしまった。―――あいつがこんなに頑張ったのか。結果だけを文字で知り安易な想像をした俺は馬鹿だ。この映像をリアルタイムで見ていたら、泣いていたかもしれない。悔しい。あいつがこんなに頑張ったのに負けたのか。悔しい。

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■06/10/03(火) □ オシム第1戦・トリニダッドトバゴ戦
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 ピアノレッスン第2回:萌は課題のドリルが退屈であまり熱心にやらなかったのだが、そのドリルから始まった。やっぱりうまく弾けない。もっと課題をちゃんとやらせないと駄目だな。宿題はやれば終わることだが、課題は上手にできるようになること(&そこをパスしてサクサク次に進むこと)が目的であって、一回できれば OK ではないのである。反省。

 次いで「メリーさんのひつじ」。これは萌がすでに弾ける曲だが、正しい指使いでやるとなると話は全く別で難しかろう。俺自身が指使いはテキストでしか分からないので、家でどうして教えてやろうかと考えてしまう。

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 日本から届いたオシム第1戦・トリニダッドトバゴ戦を見る。をを、速い!選手の動きもボールもジーコ時代の 1.5 倍である。長谷部が素晴らしく強く速く正確なグラウンダーを送り、ピタっとトラップした達也がつなげていく。この 1.5 倍速が90分できるとは思えないが、トバゴがこのスピードにまだ対応できていないせいもあって、ありとあらゆるところからチャンスを生んでいくチームになっていた。素晴らしい。2点目が入ってからは日本のスピードが落ちトバゴも対応が定まったようで膠着してジーコ時代と同じになってしまったが、序盤の速さは今までに見たことがない日本代表だった。

 しかし個々の選手を知らないので見分けがつかないというのがあるのかもしれないが、遠めで見ていると全員が敏捷さを誇る似たような感じの選手で、小粒の粒ぞろい、「U-23?」という感じがしなくもない(笑)。全体にセカセカしている。これだけセカセカしていてもちゃんとボールがつながるので、日本にはこんなに速くてうまい選手がたくさんいたのかと驚くが、どこかちょっと味わいが足りない気もする。森島の全盛期をも上回るかと思う達也ら数人を除くと、トルシエ時代で言えば藤本や望月といった、好選手だが代表には定着しなかったレベルの選手が揃っている感がある。セカセカしたゲーム展開ともども、Jリーグ選抜という感じが濃厚にする。それは悪いことではないのだが。

 前代表、前々代表のスター選手たちと彼らとでは、いったい何が違うのだろうと考えながら前半の残りを見ていた。予測をはずすエレガントなプレイがないから見ていて飽きるのかな。みな読みと繊細なボールタッチで敵を交わしボールを奪うのではなくて、駆け引きは省略して常に脚力勝負にかけている感じがする。その動きはアスリートとしては優秀だが、特別なサッカー選手という感じがしないのである。中村を入れてほしいとは思わないが(※)、ここに私のアイドルの彼がいたらどうだったろうなあと思う。
(※)こないだのマンU・セルティックも見たが、点を取ったシーンの前後以外はジーコ時代の中村と特に変わりなしという印象であった。セルティックは想像してたよりもずっと中村を使うチームで常にボールをもらっていたのだが、俊輔自身がマンUの厳しいプレッシャーを避けてハーフライン付近でプレイするので、まったく前に危険なボールを出せなかったのである。T&T戦に関してはアレックスが攻撃的MFとして素晴らしいデキで、彼は前線まで走り抜く走力も守備力もそこそこあるので、中村が代表レギュラーに戻るにはあのマンU戦のFK1発では全然足りない。

 しかしオシム監督は、小手先の技を使わずまずは即断直球勝負で行けという方針なのかもしれないな。トルシエもここまで極端ではなかったがボールを持つ技巧派を嫌っていたのは確かだし、今はわざとジーコの正反対に札を張っているのかもしれない。

 中盤はややペースが落ちたが、交代選手が出始めると皆パリパリに張り切っているのでまたチームのペースが上がり、後半は佐藤寿人のワンタッチを中心にいいプレイがまた続出した。いいではないか。最初の25分が素晴らしくてそれ以後は駄目だったという評が多かったが、後半に作った数々のチャンスだって、ジーコ時代に出ていればうひょーこんなことができるのかと驚くような、見事なオートマティズムだったのは間違いない。時間をかけて、もう少しエレガントさも香る代表に育ててほしいものである。

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■06/10/06(金) □ 「タワーリングインフェルノ」
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 最近古い映画チャンネルを見つけて50~70年代映画をちょくちょく見ているのだが、今日はなつかしの「タワーリングインフェルノ」を見てしまった。何度見ても恐ろしい映画である。2階以上の家には絶対住みたくないと思う。

 しかし調べるとこれは俺が中1の年に公開されている。たしか長野の封切館まで見に行ったのだが、田舎の中学生がこんな映画をわざわざ見に行ったのはけっこう不思議なことだ。少年マガジンかなにかの雑誌で、このタワーのスゴさを知って見に行ったんだよなー。あの頃のマガジン等のマンガ誌は、サブカル情報誌でもあったのである。

 と思っていると夜NHKの趣味の番組「熱中人」に、少年マガジン・キング・ジャンプ・サンデー・チャンピオンを30年分保存しているという人が現れた。ゴダイゴのボーカルの人なのであった。俺が興奮した「タワーリングインフェルノ」特集号も持っているんだろうなあ。

 この番組は毎週最高である。若いアイドルの人が出ていて、この人が毎度毎度「どこが楽しいのか理解できない」という顔をするのが勤めとなっていて無用だが(民度の低い人が他人に無理解なのは仕方がないが、趣味人・無趣味人と極端と極端を並べるのは無粋で趣味が悪い)、どんな趣味の人も幸せそうでいいなあと思う。

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■06/10/07(土) □ 「I'm Not Like Anybody Else」
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 午前中萌とのんびり過ごし、午後は庭仕事を一緒にやり、休憩に入ったところでRBが誘いに来てくれた。よしよし。

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 夜、レイ・ディヴィスのショーがあった。字幕のおかげで歌詞がよくわかりありがたい。キンクスじゃないので名曲はあまりやってくれなかったが、非常にいいライブだった。「I'm Not Like Anybody Else」をやったあとで「Next Door Neighbour」というソロ曲をやったのだが、この歌のメロディと歌詞がすばらしい。レイは、本当に誰とも違うなあと思う。

"Next-Door Neighbour" (Ray Davies)

お隣の Mr.ジョーンズ
もう生まれたときから知ってるみたいだ
しばらく会いませんでしたね
皆さん元気? きれいな奥さんも?
夢をみんな忘れてなけりゃいいんだけど
踏みにじられてなけりゃいいんだけど

健康に気をつけて
お金も大切にね
しっかりしてくださいよ
ジョーンズさん、ぼくのお隣さん

 彼は誰とも違うのだが、みんなと同じ場所にいるのだ。スタジアムコンサートに特化してしまったストーンズ(90年代以降はその反省も見られるけど)、パーティ好きの芸能人と化してしまったその他のロックグレイツとは、作る歌もギターの弾き方もぜんぜん違う。イングランドの曇り空の下、家でギターを練習し歌を書いている光景が目に浮かぶのである。

2006/09/26

日記「ピアノレッスン開始」

「初めてのピアノレッスン」「作曲「China Japan」」ほか。
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■06/09/19(火) □ 初めてのピアノレッスン
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 萌は風邪で学校を休んだのだが、鼻水以外は超元気。俺と同じ夜型ゆえに、体調が上がる午後には学校で使わなかったエネルギーが大幅に余ってしまい、ひゃーひゃーと興奮して大変であった。

 夕方初めてのピアノレッスンへ。これには非常に期待しているのである。萌が望む「千と千尋」などが弾けるようになるようにと、日本人の先生を紹介してもらったのだ。

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 先生はやさしく明るい感じの方で、初日は自己紹介と進め方の説明のみであったが、自分のバンドでビートルズをやることがあるというので、リクエストして「オブラディ・オブラダ」をやってもらう。うぉー素晴らしい。クラシック(?)の方の弾くビートルズミュージックというのは、ギターで弾くロックンロールとはかなり違う。ピアノ用に簡略化されたアレンジなのだと思われるが、レコードを聴いてそのコードとノリだけを大雑把に掴もうとするギター弾きとは、まったく別のアプローチをしておられた。

 それでは来週から本当にレッスンです、お願いします。先生によれば、萌がやりたい音楽がポップスでもクラシックでもスタートに変わりはないとのことだが、望みのジブリ音楽にたどり着くためには、それらの音楽が分かるこうした日本人先生につく道が一番合理的で近道なはずだ。

 しかし近道といっても配布された教材を見るとえらい気の長い道のりで、1年で両手を使って曲を弾くところまではいかない様子である。萌はすでにメロディをかなり弾けるので、ドンブリ勘定ギター野郎的センスでは正しい指使いを覚えつついきなり課題曲習得へとジャンプするのだが、規律正しいピアノ世界ではそうはいかないだろうなあ。

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■06/09/21(木) □ スポーツデイ
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 今日は萌は学校でスポーツデイ。雨が上がって助かった。迎えに行きどうだったと聞くと、お父さん、今日は悪いことばかりだったよと、トクトクと説明し始めた。グラウンドで何度も転んで痛かったし、2人3脚って知ってる? あれでボーイズが私の足を強く縛りすぎて、痛くてブルーズ(あざ)ができちゃったのホラ。それにマス(算数)クイズもあって、当たるとプライズがもらえるんだけど、私はどうしても当たらなかったの。あーあ。

 んなことを言いつつも全然悲しそうじゃなくて、なんか充実した小学生ライフでよいなあと思った。

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■06/09/22(金) □ DI来訪
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 NCがはずせない所用でDIを預かる。DIは両親の離婚その他気の毒な事情でお母さんへの依存が強く、今日もお母さんからなかなか離れがたいという様子であった。しかし友達がきて超うれしい萌が早く早く、なにして遊ぶ? とうまい具合に盛り上げてくれて、二人は元気にトレインで遊び始める。よしよし。

 NCが心配したとおり、DIは偏食でライスと野菜以外何も食べてくれん。「とにかく食べられるものを増やしたいので日本のものを勧めてみてくれ」といわれていたのだが、ダシや海草の入ったフリカケとかおにぎりとかは当然だめであった。ライスにしょうゆをかけて食べたのみ。MKやKVが小さいときや今のSFと同じである。まあ仕方がない。とにかく量だけはたくさん食べたのでよし。カナダ人(英国人もそうだった)は大人でもたまにこういう人がいて、普段食べてない東洋の食べ物に対して恐怖心に近いものを抱いている感じがする。

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■06/09/23(土) □ 作曲「China Japan」
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 天気がいいので萌を連れて久々に公園。うまい具合に5歳くらいの子と一緒になり遊ぶ。昨日DIたちと遊んでいるときにも思ったが、萌は学校生活を通じて子供同士のコミュニケーションが非常にこなれており、誰とでもすぐに仲好くなることができる。よかったよかった。

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 夕方萌がキーボードから音を拾って東洋風のメロディを完成し、自分で曲を作ったといって興奮している。たしかにジャパンの「カントン」に似たなかなかいいメロディだ。チャイナか日本の歌みたいだねというと、「China Japan」というタイトルがつけられ、俺が床を踏んでスティーヴ・ジャンセン風のドラムを入れて録音し完成した。

china_japan.mp3

 最初は黒鍵だけを弾いてるとなんか日本っぽくていい感じのメロディになると作り始めたのだが、弾きたいメロディにするには白鍵も必要になるのでそれをちゃんと入れており、キーからはずれた音は排除している。音に長短があるし、自分で拍子を取って間をきちんと取ってるところなど、曲も演奏もしっかりしている。えらい。ピアノの先生に聞かせてあげようといって盛り上がる。

 俺は小学校から歌は好きだったし、中学でギターを始めてからはメトロノームなんかも導入したが完璧なリズム感はついぞ身につかなかったので、独学(字や絵と同じく俺は萌が詰まったらヘルプするくらいしかしていない)でここまでしっかりした音感とリズム感を持っている萌には驚いてしまう。楽器と歌は間違いなくうまくなるだろうと思う。

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■06/09/26(火) □ ピアノレッスン開始
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 ピアノレッスン:ついに本当のレッスンが始まる。萌は先週と同様無茶苦茶照れているが、レッスンの冒頭に例のオリジナル曲「China Japan」を披露してみせた。上がっているので普段よりリズムが走っているが、きちんと弾けた。先生の反応もよくて、すかさず低音部で伴奏をつけてくれる。そういうところはバンド経験者らしい反応のよさ。よしよし楽しいではないかと、隣の部屋から壁に耳をつけてこっそり聞いてました。

 それが終わると指の名前や音の高低といったピアノの基本の説明、知ってる歌を使っての歌唱、ピアノに合わせてメロディをなぞる声楽的ドリルと、盛り沢山な内容だった。のっけからトトロの歌なんかも歌っている。理想的な展開だわ。この先生を紹介してもらってよかった。30分じゃ短い。もっとやらせてやりたいぜ。

 帰ると萌は、作曲をほめられたことが火をつけたらしくて「China Japan」の続き、つまりサビ部分の作曲に着手する。先生が伴奏をつけたのを意識しているのか、左手で和音のようなものを入れたりしていた。途中で行き詰まってやめたが、サビまで完成したらすごいな。子供の独創性には限りがない。すばらしい。

2006/09/18

日記「放浪者の悲哀」

「ついに萌が終日スクールの日々」「萌の英仏力」ほか。
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■06/09/06(水) □ ついに萌が終日スクールの日々
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 ついに萌が週5日フルタイムでスクールの日々がやってきた。初日はなんか、俺が夏休みになったみたいな気分。とりあえず掃除をし、仕事関連であちらこちらに連絡を取る。PCも絶好調だし頑張ろう。

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 午後萌を迎えに行くと、仲のよかった子の多くと離ればなれらしく、あんまり望み通りとはなっていなかった。だがまあ熱心そうなおばあちゃん先生が担任となり(Mの大学院でのクラスメイトだとのこと!)、それがなによりである。

 帰りに校庭でNCに会い、萌とDIのクラスが離れてしまった残念だという話をし、放課後に遊べるよう話をつける。NCは離婚に伴う引っ越しで、夏休み中は大変だったらしい。いい人なのにほんと気の毒。

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■06/09/07(木) □ 精神の波長
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 萌は学校が始まった前後から英語での物言いがぞんざいになってきていて、特に俺に対してきついことをいう。「萌、おもちゃを片付けな」「No, YOU do it!」という感じ。

 それをとがめて、今のは日本語で言えば『いやだ、お前がやれ!』ということだろうと直訳してやり、「日本語ではそんなイジワルな言い方を絶対にしないじゃん。なんで英語だとイジワルになるのよ」とたしなめる。「ごめん。わかってるんだけど、スクールがあるとエキサイトしちゃって、コントロールできなくなっちゃうんだよ」だそうだ。まあ英語キッズ同士のものの言い方が乱暴なのはそういう文化で仕方がないのだが、萌の精神の波長は新しいことの始まりに、ガタガタゆれているようである。

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■06/09/09(土) □ レガシィ・ラン
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 萌は金曜で毎日学校のペースに心身が慣れたらしく、無駄な高揚が収まりちょうどよくなった。よしよし。去年の今頃は終日学校の水曜は放課後疲れ気味だったのだが、今はさすがに体力的にも問題ないようだ。

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 ディナーに呼ばれSH家へ。着くとま新しい BMW 325 ステーションワゴンが。聞けば3年落ちの中古だが、ディーラーに行って試乗もせずに「これください」と買い、今日納車されたのだそうだ。お金がある家はうらやましい。BMW など欲しくはないが(中身は最高なのだろうがスタイルはうちのレガシィのクラシカルさが勝つ)、俺も燃費のいい車を「これください」と買いたいぜ。

 しかし今日は久々にレガシィの走りを楽しめた。最近乗り心地に不満があるのだが(※)、タイヤが堅くなった分、アウトサイドに必要なだけの荷重をベストなタイミングでかけて曲がるといったコントロールが効く。運転手が下手なのでいつでもできるわけではないのだが、うまくいい姿勢を作ってコーナーに入ると、ボディにピーンとテンションがかかって4輪がビシっとつながり均一に路面を掴む、絶妙の気持ちよさがある。この完全バランス状態が作れると速くコーナーを回っても乗員がラクだし、バイクのコーナリングに近い気持ちよさがある。今後の人生レガシィよりも速い(2.5L よりも大きなエンジンの)車に乗るとは思えないので、今はこの味を楽しみたい。

(※)最近はエア圧を上げていないのにゴツゴツと乗り心地も悪いし、Kumho ECSTA HP4 716 タイヤが2シーズン目にしてすでに劣化が始まり、あの絶品の乗り味が失われてるのだとしか考えられない。初期性能はよくても2年弱で素人にわかるくらい経年劣化があるのでは、歴史のない韓国製の弱さとしか言いようがない。もう1つの美点である対雨雪性能だけは落ちないことを祈るぜ。

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 今日はなぜかSTが俺や萌と話をしたがって、自分が興味のあることや学校のことをペラペラペラと話しまくっていた。俺も適当に相槌を打つのだが、ティーンエイジャーというのはたいてい喋り方がモゴモゴして早口であり、何を言ってるのか半分くらいしかわからない。たまに相槌のタイミングがずれたりして呆れられた。すまんすまん。俺にはティーンエイジガールの扱い方なんてまだわからんのだよ。

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■06/09/11(月) □ 単独大買い物行
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 久々に単独大買い物行を挙行したのだが、いろんな探し物が見つからなかった。カナダには雑貨屋がないので、大手スーパーにないものはどこを探せばいいのかすらわからない。きっと都会に行かないと見つからないのだろうなあ。田舎の買い物は難しい。

 とりあえず買えたのは萌と遊ぶ Silly Putty という粘土と車洗い用のホースをつなげるブラシで、このブラシを試してみると5分で汚れがほとんど取れ、とりあえずワックスがけはもう1月先でいいやという感じのクリーンさになってしまった。しゃがまずに洗えるので膝がラクだし、これは典型的なもっと前に買っておけばよかったシリーズの1つである。

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■06/09/13(水) □ 萌の英仏力
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 学校が始まりグレイド1でついに本格フレンチの書き方を開始した萌が、先生に作ってもらった「今日私はALの家に行きます」という宿題の例文を書き読み上げている。俺にはフレンチはちんぷんかんぷんだが、あの喉にひっかかる音がきれいに出ているのだけは分かる。あれは英語のLと同様ネイティブの人にしか出ない音なので、すごいなあと感嘆する。

 また、フレンチで書けない単語は英語で書いてるのだが、もうスペルを俺に聞いたりせずに「Heart」なんていうややこしい単語をすらすらっと、しかも文頭をちゃんと大文字にして書いてるし。日本語力もすごいが、英仏力もうーんと唸るしかなくなってきた。

 しかし毎日萌は弁当を残しており、聞けば先生に「早く食べ終えて遊びなさい」と急かされるのだそうだ。急かすなよ、体に悪いではないか。プリントにも「15分で食べ終え残りの休み時間を遊びに使う」と明記されており、萌は元々食べるのが遅いので間に合わないのだ。だいたい俺は毎晩手間隙かけて、15分で食べ終わるような弁当など作ってるわけじゃないのである。子供が15分で確実に食い終わるものなんて、ピーナツバターサンドイッチとかの軽食しかないだろう。よそのお母さんはそうしているのかなあ。どういうことなのか先生に聞かねばならぬ。

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■06/09/14(木) □ 日本語学校2年生
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 昨日の夜から雨になり、寒い。ついに電気ストーブを導入し小仕事。

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 午後、日本語学校2年生クラスが始まる。萌のクラスの先生は前に見たことのない女の方であった。KTとYJがいて、萌は興奮しすぎている。別室で Pocket PC で仕事をしながらときおり窓から覗くと、教室の前に出て一人ずつ朗読かなにかをしているようで、なかなか盛り上がっている。よしよし。

 HNも久しぶりに会ったが、意外に問題なくキンダーに行ってるのだそうだ。プリスクールのときは泣いて泣いて大変だったのに、成長しているのであろう。えらい。

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■06/09/17(日) □ 放浪者の悲哀
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 俺の週末の風邪は本格化せず過ぎたのだが、萌が風邪をひいた。夏の始め以来2ヶ月以上ぶり。やっぱり夏の間は風邪をひかないが、寒くなるとてきめんだ。たいしたことはない鼻風邪だが、一日静かに過ごす。最近萌は絵をあまり描かないが、クラフト力が上がっており、まったくの単独で美しいものを作ったりしている。



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 父さん母さんが今日金婚式だというので、久々に電話して、いろいろと近況を聞いた。カナダサカタ家は超平穏無事というか変化がない日々だが、日本の親戚にはいろいろとあるらしい。うーん。うちの親戚はドラマチックだからなあ。

 母さんは、2階に積まれた俺の荷物を整理したいという。とにかく次に帰るとき俺がいらないものを大々的に捨てるから待ってくださいと懇願する。子供の頃から母さんの手にかかると、大事な雑誌などが捨てられて泣いたものなのだ。

 しかし「あたしらが死んだら置いておけないよ」という話になって、そうすねえショボンという感じ。あそこが俺の「実家」なわけで、それがいずれなくなると思うと、心寒い。衣類家財はもうあきらめるとして、本や楽器やテープやレコードやキャンプ道具、日本に残したままのそれら愛したものたちを、将来どうしていいのか実際分からない。これは放浪者の悲哀である。

2006/09/04

日記「PNE乗りまくり」

「Athlon 2000+ マシンに移行」「PoCo 市サマーミュージック連敗続き」「ウォーターパークで歌とハーモニカ」ほか。
 
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■06/08/17(木) □ なんとXPがクラッシュ
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 朝起きるとXPが夜中の Windows Update に失敗しており、なんとシステムがクラッシュしていた。起動不能。こんなことがあるのか。

 とりあえずMのマシンでメールをチェックし仕事がきてないのでほっとしたが、今日は何年かぶりの修復の一日となる。

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 ほかにいろいろ家事があったりディスクが見つからなかったりで夕方まで時間がかかったのだが、結局インストールディスクから修復コンソールに出て CHKDSK をするだけで Windows が正常に起動してしまった。なんだったんだホントに(泣)。

 なにはともあれこうしたときにもっとラクに修復できるよう、レスキューCDを速攻で開始する。Win ドライブそのもののコピーを作るのは相当に難しく時間もかかるゆえこれまで3年放置してあったのだが(XP自体が頑丈なのでこれまで必要もなかったし)、XPディスクよりも手軽に起動できる復旧用CDを作るという PE Builder が推奨されていたのでトライ。

 するとほんとにCDからブートした。これは自分の環境を保存するのではなく臨時の簡易XPを新規に立ち上げるというもので、日本語も使えるしネットもつながる。CDだから起動や動作は遅いが、今後はどんなトラブルが起きてもこの状態をまず立ち上げ、自分のファイルやプログラムを使いネットで情報を調べつつじっくりと修復を行えるのだから、これは実にありがたい。よし。

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■06/08/19(土) □ Athlon 2000+ マシンに移行
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 MKがSHのオフィスから不要となった古PCをもらってきて、これが 1.6Ghz だというので俺がもらうことにした。今週はなぜか偶然PCいじりウィークとなってしまった。1600/1242=1.28 倍なので大幅な向上ではないが、無料なのだからありがたい。

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 XPインストール自体はすぐに終わったのだが、予想以上に元の環境に復帰するのは大変そうだ。各種ドライバはまあ仕方がないとして、重ね書きインストールなのになぜかレジストリの設定が消えているのが散見される。やれやれ、週末でよかった。スピードは Athlon XP 2000+ (1.675 Ghz)。やはりパワーは間違いなくある。ベンチを走らせると計算能力は 1.65 倍見当となっていた。クロック差以上の力が出ている。やっぱり世代の新しいチップはいいわねえ。

 夜になって完成。いままでカクカクしていたビデオがらくらくと見れる。ありがたやと今まで見てなかった寅さん Mpeg 映画を見て涙した。こういうチップがオールインワンのマザーは性能的には低いはずなのだが、やはり製造年度が10年も違うと比較にならない。ビデオもオーディオも USB 2.0 も全部オンボードになって、ケース内に挿すカードはゼロなのである。ガラガラですっきりしてよい。もし新しいマザーを買うことがあったら、絶対こういうのにすることだろう。

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 俺の旧 1.2Ghz は当然Mマシンとなる。Mはこれまで俺の日本/バーナビー時代のパーツで組んだPCを Win 95 で使っていたので、パーツは8~10年も働いたことになる。最後まできっちり役立ち音を上げずえらい奴らであった。Win 95 もこれがおそらく最後の生き残りだったろうなあ。

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■06/08/20(日) □ PoCo 市サマーミュージック連敗続き
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 PCいじりでたまっていた掃除を終わらせ、残り時間萌と公園にまた音楽でも聴きに行こうかという感じ。今日は「ブラジリアンミュージック」ということで、おそらくボサノバだろう。しかし友達と一緒じゃなきゃつまんない、音楽がまた boring(退屈)なんじゃないのと萌は言う。

 そりゃそうなんだが、今日はほかに案もないからさと無理やり連れ出すと、おじいさん6人組のギターとマンドリンとボンゴのセットだった。ヨイヨイなのか単に下手なのか、メインギターのじいさんがチューニングがボロボロに狂ったギターでペンペンと拙くメロディを弾く。下手だがまあこないだみたいに上手くてつまらんよりはいいかと思うも、萌はやはり2曲で飽きた。歌が入らないと確かに飽きるよなあ。なんでこの PoCo 市芸人はみんなインストルメンタルなんだろう。喋りを聞けば明らかにブラジル移民なのだから、ポルトガル語でほいのほいのさ~と歌えば楽しいのに。歌は下手でも楽しいが、楽器は相当うまくても見所がない。

 仕方がなくプレイグラウンドで遊び始めたのだが、ラッキーなことにフレンドリーな兄妹が現れて萌とずっと遊んでくれた。時間が来てさて帰ろうかというとその父親が、「君たちG通りに住んでるだろう」というので驚く。へ? なぜそれを。「うちもG通りなんだよ。君のことを見たことあるよ。君の家から8軒くらい隣の家かな」というのであった。するともしかしたらこの子らと萌は、いつか一緒に遊べる友達になれるかもねとときめくのであった。

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■06/08/21(月) □ 水泳とサッカーでお疲れ様
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 今日は萌の水泳とサッカーが両方ある日。子供にはちとハードかもしれん。午後のサッカーは暑く、そして明らかに現役のサッカー選手によるえらい技術志向な内容で、去年みたいにスポーツ好きなお母さんが盛り上げながらサッカーで遊んでくれるキッズサッカーとは全然違う。今年も一緒のKT少年はいつも通りに一心不乱にやっていたが、萌は終始シラケ気味であった。前の週から連続して取っている大きな子が多くてレベルにも大きな差があり、そのうちの1人が萌の脚を蹴ってボールを奪ったとかで、萌はよりいっそうやる気をなくしていた。まあ仕方がない。

 6歳になってからはどの習い事もこのように、ファンタイムが激減してしまったなあ。学校もそうだが、5歳と6歳クラスの間にはえらい隔絶がある。子供らは変わってないのに、どうしてこう大違いにするのだろうとカナダの学童観への違和感を感じる。

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夜MKの親友LOが、こないだ買ったというスズキのVツイン650というモーターサイクルを見せに来た。おー今はスズキもVツインなんて作ってるのかい。しかしフィンがない自動車みたいなエンジンに仮面ライダーのサイクロンみたいなカウル類がついており、なんというかあまり面白そうなバイクではない。音も聞かせてもらったが、昔のSRXシングルとあまり変わらない、ドローンとしたエンジンらしい。

 しかしこれを眺めていても、全然乗りたい気持ちがわいてこないなあと考えていた。俺にとってバイクは、絶滅した2ストロークエンジンのカナキリ声とともに完結してしまったことなんだなと思う。こうした4ストロークマシンにどれだけ馬力があろうと、2ストロークエンジンがパワーバンドに入る瞬間のめくるめく思いは味わえないだろう。レスポールでテレキャスの音は出ないように。

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■06/08/22(火) □ 親切なアシスタントコーチ
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 サッカー2日目:今日はスイミングがないうえに気温が低く、体力万全で萌の気分が乗っており、さらにアシスタントコーチの女の子が付きっ切りで小さな子にコーチしてくれて、非常にいい感じでレッスンを受けられた。正しいインステップキックの蹴り方レッスンだったのだが、萌はきちんと踏み込みバックスイングを取ってばしっと蹴れるようになり、きれいにキックするたびに俺のほうを見てニカっと笑う。スポーツの楽しみを味わっている。よしよし。

 しかしメインの男性コーチは華麗にリフティングを見せる凄腕プレイヤーだ。きっと市内じゃ名のある選手なのだろうが、両足でボールをドリブルして外足でボールを横に出しつつうまくターンし(DFの足が届かないところにボールを寄せる動き)、インステップでパスを出すなんていう高度なドリルを子供にやらせている。どう考えてもこのレベルの子供たちにはレベルが高すぎ、これはクラブで真剣に上達を目指す子供らにするような指導なのだろうと思う。彼はほんとはこんなキッズサッカーはやりたくないんだろうな。まあアシスタントコーチが今日のように、初心者の手引きをしてくれればよし。

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■06/08/23(水) □ プールで火災警報
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 スイミングレッスンの最終日、達成度チェックをしたあと滑り台で遊ぶというのが恒例のパターンなのだが、チェックの最中にファイアアラームが鳴り響いた。全員建物内から退去となる。どうせカナダでよくある誤警報なのだろうが、チェックが終わるまでは中に戻ることはできない。今日は曇りで気温が低い。俺はタオルと着替えを持っていたので萌をカバーして待ったのだが、半分くらいの子供らはタオルなしに気温18度の中立ち尽くすという気の毒なことになってしまった。まあカナダの子供はそれでも平気なのだが。

 職員は異常を発見できなかったのだが15分ほどして消防車が到着し、そこでレッスンの時間はオーバー。仕方がないのでそのまま帰宅、萌に熱いシャワーをゆっくりと浴びさせた。やれやれ。まあこれは天災みたいなもので仕方なし。

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 サッカーの方も今日はえらい退屈な内容で、ドリブルでコーンを回る練習を2人ずつ延々と30分以上やらされ、個々の子の待ち時間がえらい長くなってしまう。アシスタントコーチも昨日の熱意と親切さはどこへやら消えてしまった。

 後半試合になればボールに触れるのは体が大きくフィジカルコンタクトを恐れない3~4人だけなので、60分でいったい萌たち初心者は何度ボールを蹴れただろうという空しいレッスンであった。昨日とは大違いである。なんだこりゃ。

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■06/08/24(木) □ 萌の怪我4針縫合
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 7時すぎにやっと帰宅。サッカーの帰りに石ころだらけの駐車場で、萌が転んで額に怪我をしてしまったのである。落ちていたボールを習ったばかりの正確なインステップキックで蹴ろうとして脚を振り上げたとたん、軸足がずばっと滑って前のめりに転んでしまったのだ。たいした転び方には見えなかったのだがなんとも悪いことに額が地面についてしまい、右眉のすぐ上がスッパリと1cm切れてしまった。


 傷はかなり深くて縫ってもらう必要があり、病院へ。ER(緊急病棟)はいつものことだがひたすら待つ。急患や見るからに苦しそうな病人がどんどんと運ばれてくるので、怪我はしていても血も止まり元気にしている萌は次々に後回しになる。これはどうしようもなく、ただ待つ待つ待つ。

 結局2時間少々待ってやっと診察室に入り麻酔クリームを塗ってもらい、そこからさらに45分ほども待って縫ってもらえたのであった。痛みに完全に慣れてしまった萌が終始明るくしており、縫っている最中もドクターと話ができるくらいしっかりしていてくれたのが救いであった。4針も縫う怪我であったのだが、えらい。夜麻酔が切れた頃に痛まねばいいが。

 はあ、疲れた。萌は注意深く怪我の少ない子だが、今日のは完全に不可抗力だったし、どれだけ注意してもこれからも怪我はあるのだろう。サッカーなどをしているのも身のこなしの良化を助け怪我を防ぐことに役立つわけで、気をつけつつ暮らしていくしかありません。

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 ちなみに今日のサッカーレッスンは、昨日よりさらに内容が悪くなってしまった。体の大きさも技術レベルも、さらには気の強さもまるで違う集団に、1対1のボール奪取練習なんかやらせてもうまくいくわけがないではないか。昨日のドリブル練習もそうだが、コーチは子供らに何をさせるか思いつかず、クラブサッカーと同じメニューをただやらせているのである。萌やKTはサッカーにおいて相手からボールを奪ってもいいのだということ自体わかっておらず、ボールを持つたびに蹴り飛ばされ、なんてひどいことをするのだという顔でショックを受け唖然としていた。

 途中で萌は興味を失い花を摘んで遊んでいたのだが(レッスン内容が馬鹿ばかしいのでそれでよかった)、KTはアグレッシブで手加減できない子に競り合いで服を掴まれ倒されボールを奪われて、最後は泣いてしまう。今日はMも初めて見に来たのだがなんだこれは単なるシゴキではないかと憤り、こんなものはやめてしまえというのだった。たしかになあ。子供らの熱意は日々変わっているわけではないのに、コーチたちの指導力は加速度的に下がっている。明日は萌の傷が痛むかもしれんし、もうどうでもいいわ。

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■06/08/25(金) □ サッカー最終日
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 萌の傷は全然痛まないそうで、行きたいというので元気にサッカー最終日に向かう。子供の体は不思議だ。あれだけの傷を頭部に負えば、俺だったら今日なんかうんうんうなってるだろうと思う。

最終日の今日は、コーチがもう教えることを完全に投げ出してすぐに試合にしてしまった。KTは「絶対に泣かない」とお父さんと誓ったとかで最後までボールを追って頑張っていたが、萌はただただボールを追うだけの「試合」に飽きて俺のところに来、別グループでやろうと言う。OKといってしばらく一緒にボールを蹴る。こうして遊びにしてやると、萌は楽しげに俺からボールを奪ったりもするのだった。

 こうしてファン組とアグレッシブ組との2つに分けてやるとか、コーチが試合に入って下手な子をアシストするとか、いくらでもやりようがあるのにどうしてトライしないのだろう。それがバイトユースの熱意の限界なのだろうなあ。彼は根っからレイジーだった体操のナマケモノ先生と違って引け目は感じるらしく、ボールに触れない萌たちに時折PKを蹴らせてゴールだすごいぞなんてはやし立てていたが、子供たちもバカではないのでそんなことで喜んだりはせず、全員シラケて無反応なのであった。やれやれ、このサッカーは失敗でありました。

 帰り道、KTは最後まで頑張ったねと声をかけると、「そうさ、俺はもう絶対泣かないって決めたんだフンフンっ!」と、少年はえらい鼻息であった(笑)。

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■06/08/26(土) □ 晩夏のブラスミュージック
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 萌とBRおばあちゃんを図書館に置いて、俺は買い物を済ませてから合流して、この夏最後のシティホールミュージックを聴きに行った。今の夏のコンサートはみんなはずれだったが(踊れるような音楽が皆無だった)、今日のは静かめなブラスのクオルテットで、BRら集まったお年寄りにとってはちょうどなつかしい年代のミュージックだったそうで、晩夏の涼風に合いなかなか快適であった。

 萌の傷は初めて絆創膏を取ったのだが、すでに治癒し始めている。子供の体はすごいなあ。病院で縫う前からMが「スティッチ(縫い目)がついたらみんなに自慢できるわよー」と萌をはやし立てていて、何を言ってるんだこいつは思っていたのだが、萌はそれが効いたのかほんとに鏡で傷を見てうふふと喜んでいる。これがカナダ式精神ケアなのらしい。

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■06/08/27(日) □ PNE行きを楽しみに
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日曜日、萌は自分でDVDをかけたりして静かに過ごしている。明日PNE(遊園地)行きと決まったので、それを楽しみに心静かにいられるらしい。

 工作をしたいというので、久々に一緒にクレイ人形を作った。最近再び家庭内でブームを巻き起こしているムスカ! かなり上手にできたのだが、しかし萌はこのムスカをえらい気に入ったとかで、かわいいかわいいと大切にして、ベッドに寝かせ布団などかけて世話を焼いている。あれれ。




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■06/08/28(月) □ PNE乗りまくり
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 萌が1歳のときから毎年来ているPNE。今年はもう萌がライドにたくさん乗りたいであろうと、乗り放題チケットを買った(最低額のチケットと5ドルくらいしか違わない)。それで萌は回転ブランコ、モーターサイクル、メリーゴーラウンド、縄梯子タワー、ボート、超大型滑り台、トリックハウス、ゴーカート、迷路、象ゴーラウンド、ヘリコプターと、計15回もライドに乗る。去年までは迷路などの見るからにつまらんのはパスしていたのだが、フリーパスがあればもったいなくないのでなんでも乗れ、気に入れば何度でも乗れるわけで、これで正解だった。



 毛布に乗って滑る超大型滑り台が一番楽しかったとのこと。1度目は見ていて怖かったが(上の係員が全然手助けしておらず、毛布からお尻が半分出たまま滑ってしまい、バランスを崩しそうになり顔面がこわばっていた)、2度目はウイーッと声を上げて滑っていた。




 着いて早々のライド乗りまくりで興奮しすぎたせいか、昼飯後しばらく綿あめを買ってくれといって萌がワイニーになり、ベソをかき言うことを聞かなくなり、みなげんなりする。が、ダンスを見たりマーケットをのんびり見て回ったり車にいたずらペイントをしたりといったPNEらしい午後を楽しんでいるうちに機嫌は直り、マジックショーを見て晩飯を食べホースショーに喝采し、最後にもう一度ライドに乗って終了。暗くなり肌寒い中PNEを後にした。お疲れ様でした。PNEはお金がかかるが、やはり欠くべからざる夏の風物詩なり。

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■06/09/01(金) □「フォークの達人」
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 夜、NHK国際で「フォークの達人」という番組があり、なんと遠藤賢司を1時間半もやった。こんなに趣味的な濃い音楽番組を1時間半もやってくれるとは、NHKえらい。カナダにいて鈴木茂のギターが聞けるとは、耳福である。遠藤賢司が好きか嫌いかはともかく(「ワッショイ」と「不滅の男」しか知らない)、非常に面白い番組だった。

 しかしこないだ陽水の特番で同世代のフォーク歌手たちを見たときにもつくづく思ったが、あの頃のミュージシャンはどえらい変人が多い。いまどきの日本のミュージシャンは―――Jポップなんかはまあ音も言葉も凡としかいいようがないがロックミュージシャンでさえも―――、こんなにゴツゴツと変な音を出し、本人にしかわからない心持ちを長々と歌っている人はいないのではないだろうか。

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■06/09/03(日) □ ウォーターパークで歌とハーモニカ
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 向かいのRB一家と午後ウォーターパークへ行く。RBはピュアでシャイなスマイルを持ったいい子なのだが、両親の離婚でバンクーバー住まいになってしまい、父親と過ごす週末しか PoCo に帰ってこないのが非常に残念だ。

 父親RKにいわれてギターを持っていき、子供らを見ながらビートルズセッションをする。彼はがっしりした体躯と低い声に見合った肺活量によってハーモニカがうまいのである。そしてすごいビートルズ好きらしく、リクエストする歌う曲も「レイン」とか「You Gotta Hide Your Love Away」とか、えらいシブイ。

 「レイン」は歌もハモりもバリっと決まり衆目を浴びる。ビートルズネタ切れした後半はサイモン&ガーファンクルをやってくれ、ビリージョエルをやってくれと、まるで俺はカラオケギター屋さんとなってしまったが(「ピアノマン」なんて、流行った25年前にラジオで聞いたことあるという程度でしかないのにそれなりに伴奏できてしまった)、楽しかった。ギターの弦を換えてやらんと。完全に死んでいて張りがゼロです。