2007/06/21

日記「RZ時代に近づく」

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■07/06/10(日) □ コンパクトカーの小回り性
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 昨日の続きで掃除をし、午後はLSを呼んで手が空いたのでMKの手伝いも少々する。電気配線問題はMKとMが着々と片付けてくれている。外の排水システムの仕上げは雨が上がり次第俺が完了させる予定。しかしこれだけ毎日雨が降っても、家の周りのドレインには1滴の水も見られない。冬の長雨とは雨量のレベルが段違いなわけで、いつまで経ってもテストができん。

 LSと萌が遊んでいると気楽でいいなあ。LSは素直で子供らしく、俺に対する反応もよくて気を使わずに済む。反抗的な子なんかが来ると疲れるのだ。

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 コンパクトさと安さとかわいさで超惹かれているスズキエリオの評を、相変わらず俺は読みまくっている。「渋滞の中を、よく削った鉛筆のような正確さで抜けていける」「あまりにも素早く小さいので、パーキングでブレーキターンをしてスポットに入れたくなってしまう」といった誉め記事を読むと、うーん乗りたいと思う。sharpened pencil かー。いいなー。

 小型車ハンドリングでは常にフォーカスが絶賛されていて一時は心がゆらいだが、フォーカスで得られるだろうハンドリングはレガシィと同系の高速フラットライドだと思われ、やっぱり今はそれよりも低速で軽くくるりと曲がれるコンパクトカーの小回り性がほしいのである。

 レガシィのハンドリングはもちろん優れていると思うが、この車で快感を感じるほど気持ちよく曲がれるのはある程度高いGがかかる PoCo 裏の高速S字のような場所に限られ、タイトなS字や交差点では外輪にトラクションがかからないまま曲がってしまう。それで別に問題はないが面白くなく、かといって町中で外輪に十分な荷重がかかるほど速度を上げると危ない。エリオやフィットのショートホイールベースならば、ああした低い速度で自転車やバイクのRZのように十分なトラクションが得られるだろうと期待するのだ。

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■07/06/12(火) □ サイドバック結合
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 萌は今日も休み。やっと晴れたので、俺は裏を終了させるべく3時間頑張り、やっとサイドバックの排水パイプを結合した。穴を掘り砂利を入れ最後にクレイパイプを2本戻そうと思ったらなぜだか入らず、仕方がないのでそこだけポリパイプを切って入れる。大変だったが、まあこれでより排水はよくなるはずなのでよし。ふー。

 明日以降は砂利入れだが、一輪車が入れない場所なのでバケツで一杯ずつ運ばねばならず、これが超きつい。今日は 1/4 でへたばってしまった。なんとか一輪車から直で入れる方法はないかなあ。

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 ピアノ:先週苦労してたパートが一週間の自習でできるようになってしまったので(やはり好きな曲は練習も進むよな)、今日はさらに先へ。萌のペースは相当に早い方ではないかと思う。

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■07/06/13(水) □ ドライブウェイに道を作る
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 萌は学校へ復帰。小雨だが、俺は軒下の穴掘りを続けよう。風邪を引かぬよう気をつけつつ。

 ◆11:31 よし、パイプ回りを掘ってクロスを張り砂利を入れた。これでパイプの位置が決まり泥侵入は防げ、機能としては完成である。あとはひたすら砂利を入れていくだけ。ふー。午後もう少し頑張ろう。

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 午後もう1時間半頑張り、サイドバックと裏に8割がた砂利を入れ、同時に砂利の山で2月もふさがれていたフロントドライブウェイに、メールマンが通れるよう貫通道路を作った。ひはー、しんどし。

 カラテ:今日は初めてサプ先生となった。萌とLSと共に初めて型を最後まで教えてもらう。これを暗記するというのは大変なことだが、ひとつひとつの技の動きはけっこう様になっていると思う。GL先生のレッスンはやや変化に乏しかったので、これはこれで楽しい。

 小さい車に乗り換えたいが、しかしレガシィでのクルージングはやはりよい。バスデポ出口などの90度ターンでは、なかなか出口に向きが変わらない回頭性の鈍さがあり、こういうところはもっとクイックにターンしていきたいと強く思うが、その代わりに荒れたところをハイペースで飛ばしていきガガガとターンするような場面では、心底すごい安定性を感じ文句なく気持ちいい。実際レガシィはオフロード車アウトバックと兄弟なわけで、こういう車なんだよなあ。こういうグリップの確かさでは、庶民が買える車で右に出るものはないだろうと思う。サスがソフトだというエリオだと腰が砕け怖いかもしれない。

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■07/06/14(木) □ ついに買い替えを決定
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 昨日頑張りすぎて、夜から筋肉痛でにっちもさっちも行かなくなった。今日は掃除とシーモンキー世話とサッカー鑑賞の静かな日とする。

 今日は日本語学校の卒業式、小6のお嬢さんたちはみなきれいだなあと思った。日カ2文化を兼ね備えて育っているところが、物腰になにか特別なしなやかさを与えているのかもしれない。

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 Mと一緒にエリオを見たら買い換え話を切り出してみようと考えていたら、夜迎えに行く往復で2台のダークブルーを見てしまった。「これがほしいんだよ。小さくかわいくレガシィと同等にルーミィで、燃費は当然大幅によいのだ」と説明すると、そのつもりならお金は用意してあるわよといわれる。うーん。しかしこの決断は、実に重い。まだ今後レガが壊れると決まったわけではないし。

 レガの整備記録も見直してみた。やっぱマメにケアしてたよな。金はかけられなかったが手はかけてやっていたんだぜレガよ。実際消耗品を除く純粋な故障はオイルもれとブレーキキャリパーと CV ジョイントだけで、丈夫な車でもあった。不幸だったのは下手な修理屋でやってしまった2度のブレーキ修理と、今回のハブ固着で維持費が跳ね上がってしまったことである。あと1年以上保持するとプラグ交換、エアコン・ジェネレータベルト交換、バッテリー交換、ATF フラッシュとどんどんメンテスケジュールがやってきてしまう。もうこのレガには維持費をかけたくないので、やはりそれまでには絶対にけりをつけてしまいたい。

 MKに「小さな車に買い換えたら、もうドライウォールなど大物家修繕資材を運べんのだが...」と相談すると、節約したガス代でデリバリーをペイできるじゃんと簡単にいう。たしかに計算してみると、1回の給油で $15 以上節約できる。―――そ、そうか。これはもう決定的なり。Mにもそう話し、エリオの写真を見せる。小さくかわいく燃費がよく安全で安いのだよ。決定だ。レガの整備を進めよう。あと数日、頑張れレガ。

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■07/06/17(日) □ レガで最後のキャンプ
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 雨中レガシィ内部のゴミと私物を全部出し、萌も一緒に中をきれいに拭き掃除した。はずしてあった純正ものも戻し、あとは雨の切れ間にアーシングをはずし洗ってやれば、売れる状態になる。

 レガの荷室に萌を寝かせたのは初めてだったのか、萌は非常に喜んで枕をつくったり寝床をセットしたりしている。じゃあ午後はキャンプしてみよう。ためしに俺も横になってみると、荷室は全長 170cm で俺には足りないのだが、畳んだリアシートをうまく枕にすれば大人2人はなんとか寝れるのであった。これは知らなかった。



 午後は本や飲み物やカルタやウクレレを持ち込んでキャンプ。萌はものすごく喜んでいた。実際キャンプに最適な車だったのに、結局一度も行けなかったなあ、かわいそうなレガよ。

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 車はリッチモンドの某メーカーディーラーにある、距離が非常に少ないものに狙いをつけた。カナダの中古価格相場表 VMR というサイトもみつかり、ありがたし。これが必要だったわけで、表示価格と相場の差は大きいが、不人気車ゆえ相場まで落とせないということはないだろう。これを元に考えよう。

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■07/06/18(月) □ エリオ交渉難航の気配
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 朝イチでワックスなどいろいろと買い出しをし、リッチモンドに電話すると、相手は中東系と思われるえらいタフなおっちゃんネゴシエータであった。あのスズキなら興奮するようなディールをあげるよというのでなんだと聞くと、別の買いたがっている人がいるがそいつより先に来れば、「なんとあの車は君のものだよ!」だそうだ。.....あーそうですか (=_=)。

 レガの下取りでいくらを希望するかと聞かれ相場の下限あたりを答えると、「(下取り相場を)よくわかってるね、しかしそれだけ距離がいってると価値があるかどうかは調べなければわからない」とこれまたタフそうである。車の値段が相場近辺まで下がるならレガの下取りが多少落ちても諦められるが(実際オイルもれなど不具合はあるわけだし)、こちらの希望価格が得られそうな気配はゼロな電話交渉であった。なんだかはるばるリッチモンドまで行く気をなくした。やれやれ。まあまだ乗ったことのないエリオの状態のいいやつに試乗だけでもでき、レガの査定もしてもらえると思えば、行く価値はあるかな。とにかくレガにワックスをかけてやろう。

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 カラテ:萌は先週初めて型を最後まで教えてもらったのだが、今日は皆と一緒にそれなりにできるようになっており、しかも初めて皆の前でソロ演技を取る栄誉に恵まれた。ソロではさすがにまごついたが、わずか二度目にしてソロを取るとは立派である。ハイキックで足が軽がる頭上まで上がる体のやわらかさとバランスも他の父兄に誉められていた。あんまり運動神経がいいというタイプとは思わぬが、萌は体の動かし方のコツのようなところがなかなかわかった子なのだと思われる。舞踏などの世界に進んだら非常に合っているだろう。

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■07/06/19(火) □ さよならレガ、ようこそエリオ...となるか
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 Mのラジオの音で7時に目を覚ます。車の件で神経が高ぶっているのか、毎朝物音で目が覚めてしまうのである。

 最後のレガチェックを行い、埃を落とし、久々の素晴らしい青空の下写真を撮ってやる。とにかく燃費に悩まされた6年間だったが、買い替えの決心をさせた CV ジョイント故障はお前のせいではない。よく走ってくれた。礼をいうぞ。

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 ◆12:25 契約してしまったエリオ、現在車屋で待機中、フリークしてます。
 ◆14:17 走ってきましたリッチモンドから PoCo まで。面白いです。

 テストドライブではあれれこんな感じなのか、こりゃレガと違いすぎるなと思う。スポーツカー的に低いレガから乗り換えるとポジションはもんのすごく立ってるし、軽くどんどん加速するが想像したようなグローンというトルクはないし。ボディはしっかりしているが全体に日本で乗ってた軽バンみたいで、とにかくレガとは違いすぎるのである。ブレーキにパルス(ジャダー)が出てるのも気がついて、こりゃやめとこうかなと思う。

 短い試乗を終え、いろいろと外観メカ付属機能をチェックしつつ考え(ブレーキに溝やスポットなど見た目でわかる異常はない)、まあポジションについてはいろんなインプレから見て慣れればいいだけのことだろうから、値段が折り合えばよし、折り合わなければすっぱり諦め帰ろうという考えで交渉に入る。

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 テストドライブは気弱で正直そうな中華2世のお兄ちゃんが担当で、メーカーディーラーだったので俺が「ここはランサー Evo をインポートしてるの?」と水を向けると、「いや今年から始まるんだ、BC 全体で 30 台だけの割り振りなんだけど」「すごいね、あれは日本最速でしょ」「スカイラインの R32 だってけっこうインポートされてるよ、すごいよ」といきなりインポートカー大好き野郎になって盛り上がり感じがよかったのだが、値段交渉は彼を押しのけコワモテ本流中華親父の出番であった。

 で交渉は、レガはマイレッジが多すぎてうちじゃ売れないが、希望通りの額をつけるといわれ、車両価格の値引きはなし。これでどうだという顔を中華親父はする。んーじゃやめときますわと演技ではなく荷物をまとめると、いくらなら買うかと問われる。あまりにも差額が大きいので言うのも恥ずかしいからやめとくと言ったのだが、いいから言うだけ言ってみてくれといわれ、それじゃあまあとこっちの用意した上限を提示。するとなんのことはなく総支配人からOKが出たとかですんなりと通ってしまい、一件落着してしまった。だったらもう 1000 低く提示して昨夜決めた目標まであと 500 粘るべきだったが、やはりそこは最初に「とても折り合わん」と思わせた相手の技術が上であった。

 ブレーキはパルスが出てるから研磨が必要じゃないかなというと、いやいやいやうちのメカニックがちゃんと計測してこの通りシートにしてある、ローターにもパッドにも問題はないはずだと検査表を見せられる。なるほど、これはしっかり検査してあるようだ。んー、じゃー走っているうちにパッドとローターがこなれて直るかなと期待しよう。結局 VMR の相場まではわずかに届かなかったが、ちゃんと検査証明のついた車だというのはありがたいからこのくらいの誤差は許せるか。保険転送が $23。

 そしてレガに何度も何度も何度も別れのパットをくれてやり、路上に出た。お前との6年間は悲喜こもごもであったが、とにかくここまでともに頑張ってきたのだ。誰かに買われていって、バルブがもげるまで走り続けてくれよレガ。さらば。

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┃ ◆スズキエリオ初乗り      ┃
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 リッチモンドハイウェイに乗るまでの5kmくらいで新しいポジションとステアリングその他のコントロールに慣れ始め、ハイウェイに乗る頃には自信を持ってきゅっきゅっと走れるようになる。町中ステアがレガよりもクイックで気持ちがいい。ハイウェイは快適で、ゆっくり踏んでいくとさほどの加速感はないのだが、気がつくと 110km で走っていてびっくりする。目線が高いからなのかスピード感がレガよりも低いのだ。高速安定性と快適性はまったく問題なし。風の影響はもっと強い横風が吹かないとわからない。110km/h のうねった高速ベンドではレガのほうがやはりフラットだなと感じたが、それ以外はまったくレガ乗りから見て不満のないハイウェイランだった。ちょっと追い越しをかけようとするとすぐにシフトダウンしてくれるのが実に気持ちいい。

 ハイウェイジャンクションの高速ツイスティな部分ではロールを感じるが、アンダーはない。ここはレガで初めて走ったときは慣れなくてけっこう怖かったものだが、当時よりも運転の腕前が上がっているので、マージでの他車のさばきもすぱっとできそのときの姿勢は安定している。そしてハイウェイを降りる頃には感覚のアジャストが完了し、速めにコーナーに進入して遊び始める。Tossable(振り回せる)という評がよく当たっており、適当に速めに放り込んで、コーナーの中でステアとブレーキで姿勢を整えスワーッと出て行くことができる。むむむやはりこの軽さが楽しくなってきた。

 ニューウェストの急坂では、レガよりも軽々と坂を登っていくギア比のよさとエンジンの軽快さに喜びを感じる。レガはATのギア比が悪くてここの急坂が苦手なのだが、エリオの2Lエンジンは回転が圧倒的に軽くATのつながりがいいので、とにかく踏んでいけばしゅーんと上がっていってくれる。このATは加速時にギアがスパっとつながる高性能な心地よさやダイレクト感は感じないが(その分ATショックを完全に消している)、とにかくすぐにシフトダウンして質のよいトルクを引き出してくれありがたい。なんか 96 レガシィとは時代が違う感じ。

 しかしニューウェストの丘を抜けていくうちに、やはりブレーキのパルスはあるなーと気になり始めた。場合によりけっこうクックッとなる。うーん。これはローター研磨かと心配になる。

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 Lougheed を車線をさっさっと縫いながら軽快に抜け、ついにレガが最も得意としたPoCo 高速S字へ。もうこの頃にはエリオが手の内に入っており、レガとまったく同じペースで回ってみる。―――右・完璧―――スピードを落とさずこのまま行ける―――左・完璧―――、速い。レガほどぴたーっと正確にラインを切る感覚はないが、ステアは十分に正確で気持ちよく、そしてまったくアンダーは感じず自信を持って曲がれる。よし。レガと同じスピードでロールは大きいのに緊迫感がレガより少ないのは、ハイウェイと同じで視線が高くスピード感が低いからだろうか。不思議だ。もっと速度を上げられるなと思うのである。絶対的コーナリング性能は高くないだろうが、心地よいスピードで振り回せる楽しさがある。剛性の低いフレームがぐわーんとしなりつつ気持ちよく曲がっていくRZと、まさに同じ感覚が味わえる。

 家に帰りとにもかくにも胃にものを入れてから―――興奮と緊張と時間がなくて昼食を取れなかった―――、Mに報告。レガとものすごく違うが、同等に快適だよ。ブレーキのパルスさえなければ完璧だが、これはこれから調べてみるよ。

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 そして萌をピックアップしピアノレッスンへ。萌ははじめて見たときにかわいいと言ってくれたが、まあ乗ってしまえばなんでも同じである様子。後ろからラジオの音がするとも言っていた。荷室にスピーカがあるらしい。窓枠のバイザーやアラームなどのオプションも入っていることに後から気がついた。アラームはいらんが(※)、バイザーはレガでもほしくて買えなかった装備だから実にうれしい。

(※)ショックセンサーなんぞで夜中にサイレンがなったりしたら大変なので止めようと思ったが、どうやら車体をゆすってもアラームは鳴らないようなのでまあ使っていても大丈夫か。ショックアラームの誤動作はカナダ中で常に響き渡っていて、あんなんになったら困るのだ。


 ドライビングポジションに慣れてしまうと、ステアの直進時の重みと切れのバランス、ライドのやわらかさとしっかり感がよくできている。Lougheed を流しているときにはこのステアの感覚が心地よさに直結しており、その部分でレガシィはまことによくチューンされた車なのだが、エリオはステア、アクセルの踏み心地、シートのポジション、足回りのフラットさとどこを取ってもレガより全然チープなのに、全体にはそこそこバランスが取れていて気持ちよくなっている。シートも非常によい。

 そしてやはり速い。3000 以下では出足の軽さでトラフィックからすーっと抜け出す程度だが、50km あたりから踏むとすごい勢いで加速を開始する。みしみしと力が出てくるレガの EJ25 エンジンも好きだったが、あれにはこういう高回転のパンチはまったくなかったので、速い! と実感する。レガは SRX 400 みたいな淡白なエンジンだと思ったが、これはまさにハイカム GSX-R だわ。

 Mがハイドクリークまで乗っていったが、「本当にかなり慣れが必要だわね」という感想。慣れればほんとイイよ、俺はもう楽しんでるよ。しかしこの車の走りの味は、時間をかけないとわからないよなあ。車屋で試乗しただけじゃ、アップライトな軽バンみたいな車で終わってしまうと思う。この小さな車を振り回す面白さを語る試乗記事を読んでなかったら、俺だってレガとの違いにびっくりして拒絶感しか感じなかっただろうと思われ、そしてそれで結局この車は売れなかったんだろうなあと思います。

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 【1日目の結論】ブレーキパルスには実に参ったが、車はよくできている。レガが最も得意とする Lougheed と PoCo 高速S字で劣るところがない味を持ち、町の使い勝手で上回るのだからえらい。ドア上のグリップが畳まれてダンパーが入っていたり、リアセンターシートベルト用らしきループが備わっていたり、手を抜いたところがないのがえらい。

 触ってチープに感じるのはドアオープナーとパワーウィンドウレバーだけという感じ。他に現在不満なところは水温計がないところと、やはりデジタルメーターはヘンであること(タコメーターは動きが速すぎて読みにくい)、スバルと違いエンジンを切っても自動でヘッドライトが消えない(警告は鳴る)という仕様。メカ的には発信時にATがサイレンみたいな唸りを発生すること、クルーズコントロールのセット時に速度が決まるまで時間がかかることくらい。

 しかし、とにもかくにもブレーキが。危ないわけではないが、とてもこれでは気持ちよく走れないのである。明日電話しないと。

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■07/06/20(水) □ RZ時代に近づく
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 昨日の中華親父に電話して交渉してみる。むろん希望は薄いが、俺がブレーキの問題を持ち出したのに大丈夫だといったのはあの中華親父なので、同義的な責任はある。

 いや、安全なのはちゃんと検査で確認してあるからうちは責任は持てないと親父はいう。スタッフ価格でなら作業をしてやれるから、もう2~3日乗ってみて決めてくれといわれた。ふむ。まあそうしてみよう。結局リッチモンド2往復になるのだから、やはりその場で直す交渉をしていっぺん帰るべきであった。馬鹿な俺である。情けない。

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 ホイールの締め付けトルクがアンバランスだとパルスが出るという記事があったので、萌の空手の待ち時間にフロントホイールをはずしてきっちりとローターを点検してみた。左右とも指で感じられるほどの異常は感じ取れない。しかし見るとレガとはえらい違いの貧弱なハブ周りである。ほんとに軽自動車みたいで、これで10万マイルとか持つのかしら。

 とにかくホイールをていねいに付け直してみると、ありがたいことに若干良化した。信号でのフルストップではまだ出るが、コーナーへの減速ではほとんど感じられなくなる。ほっ。早急に修理は必要だが、これなら当座は普通に走れそうだ。

 うれしくなって狭い道でUターンをくるりっと決め(快感!)、帰りは萌を乗せてひゅーんと走る。Coast Merridian から Prairie への左ターンは完璧に決まり、なんとタイヤがキキっと鳴いてしまった。グリップ王者のレガでは絶対にありえなかったことで、これはまあ高性能を示すことではないのだが(むしろ逆)、車でタイヤが鳴いたのは人生初めてのことなので、ハングオンして膝を擦ったときのような喜びを感じてしまう(笑)。Prairie からG通りへのターンもくるり。気持ちよい。

 この 30~40km での低負荷ターンが楽しいところが求めていた小型車のおいしさで、レガよりも低いスピードで十分にトラクションがかかる。町中で同じ低スピードならば、レガよりもエリオのほうがコーナリングフォースがちゃんと出て気持ちがいいのだ。燃費とともにこれがほしかったのである。絶対スピードが低いので横Gやロールで乗員にストレスもかかることがないし、視点の高さもあって安全だ。やわらかいサスと楽なポジションとクイーンとくるエンジンでどこを曲がっても楽しかった、あのRZ時代に近づいてきたぜ。

 そういえば俺がこれまで唯一スズキに乗ったのは、RZR が盗まれて RZ を買う前にちょっとだけ乗った RG250E であった。あれも脚が柔らかくてフレームがぐわんぐわんでバンク角が全然なくて限界が低いのに、エンジンだけはやたらと元気で面白いという、エリオと同じようなバイクであった。あいつは峠を攻めてるときにオイルを切らして焼きつかせてしまい(あまりにもボロでオイル警告灯が切れててオイル量がわからなかった)、バイク屋まで押していってそこで廃車にしてもらったというかわいそうな奴だったが、今度は大事にしてやらないと。

 コミュニティセンターのパーキングに止めたエリオを見ると、やはりイエロースズキはかっこいい。LSの父親が俺たちを見つけ、「なんだそのイエローのやつは! お前はスバル野郎だったんじゃないのか!」と驚いていた。いやスバルは高いからさ、買い替えなんて無理だよ。まあ彼のカローラ 1.8L には燃費で完敗するのだが、このかわいさにはかなうまい。

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