2010/12/29

日記「叱られクリスマスコンサート」

「LD家カルカソンヌ大盛り上がり」「クリスマス欝」「『原始の営み』感想」ほか。

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■10/12/14(火) □ クリスマスプレゼントいろいろ
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 クリスマスプレゼントで小型掃除機を買ってもらった。絨毯をやるときは今あるビルトイン(壁埋込み式)掃除機を使うのにやぶさかではないが、長大ホースの出し入れと扱いが大変で、もっと小回りの効く普通の掃除機が長年ほしかったのである。

 アメリカ・カナダの工業製品はなんでもそうだが、思いつきはいいがアプリケーションが悪い。ビルトイン掃除機なんてのも排気を屋外に出すというアイデアは素晴らしく文句ないが、ホースがあれほど長いと実に使いづらいし、そしてあれだけ長くても家の中にはホースが届かない場所がたくさんあるのだ。うちは上下階1つずつしか排気コネクタがないのだが、2部屋に1つくらいつけておいてもらいたい。


ロボット掃除機。赤外線センサーやら
オートチャージャーやらを動員して、
1部屋1時間もかけてノロノロお掃除
義母BRが1階で使ってるロボット掃除機も、オートでマッピングして床中くまなく掃除するというアイデアを思いつくのはいいが、実現されたロボットが1部屋の掃除に1時間もかかるのだからバカげている。人間がやれば3分で終わる仕事を、ギーコギーコというノイズを轟かせ1時間やってるのだから、作った人も使う人もアホかとしか言いようがない。BRは超耳が遠いので気にならないらしいが、あんなものが周りにあったらあまりの無駄とうるささに俺は気が狂うだろう。いくらロボットでも 10 分かそこらで終わるようにしとけよな。米加の技術者というのはかようにことごとく、作ってテストし改良するというマインドがないのではないかと疑うのである。

 ともあれデパート Sears の新掃除機だが、日本製に比べると大きさとノイズが 1.5 倍、吸引力とヘッドのデキは 50% といったところ。しかしカナダで手に入るものとしてはこんなもんだろう。今日はクリスマスツリーを入れたので、落ち葉吸い込みに大活躍であった。

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 夜、今度はLDに頼まれてプレゼント用のアコースティックギターを一緒に買いに行く。こないだ楽器屋で試し弾きした FG-200 はまったく昔の FG-200 と同じしょぼい音だったのだが、この店には FG-350 が百ドル台、FG-700 が2百ドル台である。ヤマハの価格構成は数字x万円と明確だったのだが、ポリシーが変わったのだろうか。

 聞けば中国製だそうでそれが安い理由なわけだが、ともあれこの FG-700S がなかなかいい音で、ぱらんと弾いただけでLDと俺の表情がぱっと輝く。低音のディープさに欠けるので俺みたいな乱暴な弾き方には合わないが、プレゼントするLDの兄貴はニール・ヤングやサイモン & ガーファンクルみたいのが好きだそうだから、こういうコードバランスがよく高音が繊細なギターは喜ばれるだろう。こないだの FG-200 とは2万円分くらい音が違う。LDは想定予算を超えていたので悩んでいたが、他の兄弟からもカンパを募って買うわと決定して購入を決定。きっと喜ばれるよ、これはいいギターだ。

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■10/12/15(水) □ 叱られクリスマスコンサート1
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 萌は今日クリスマスコンサートの第一部だったのだが、友達と後方でふざけていて観衆の面前で教師に痛罵されたのだとえらい動揺して帰ってきた。萌たちの態度がどれだけ目障りだったのかわからんからなんとも言えんが、「すぐにグレード5は下の子の模範なんだからっていうけど、そんなパーフェクトになんてなれないわ!」などと言う。

 「いや見てないからわからんけど、コンサート中に静かにしてろなんてパーフェクトというほど大げさなものでもないだろう、普通にちゃんとしてろってことだけでしょ」
「でも怖い顔で怒鳴りつけたんだよ!」
「いやたしかに教師っつーのはヒステリックな人が多いと思うけど(笑)、まあ子供がふざけて大人を怒らせるのは事実でさ、それはしょうがないんじゃないの? お父さんだって毎朝ちゃんと支度しろって萌に怒ってるじゃん、同じことだよ」

 萌はそれでも納得できないようだが、最近萌はつまらぬ口答えをするようになってきたし、やや反抗期に入ってきたのだろうな。ま、ふざけていたら叱られてくれ。そして反省してくれ。

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■10/12/16(木) □ 叱られクリスマスコンサート2
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 萌の学校のクリスマスコンサート2日目。「世界のクリスマス」という寸劇を曲間にはさんだ凝ったもので、その寸劇が長くて説明臭くて全然面白くなかったのが残念だが、とにかく力の入れようは前の学校とは大違いであった。音楽に熱心な先生が全クラスを指導したらしい。だからどのクラスの出し物も演出は似たり寄ったりではあったが、まあともあれどこもデキはよかった。

 しかしまた萌がどやしつけられて泣く。歌が終わった後バックステージで友達と談笑していたら昨日と同じ教師に萌だけが叱られたのだそうで、そりゃ昨日の件で萌はそのヒステリー教師に目をつけられているのだろう。「どの先生なんだ、昨日の件はちゃんと家で話し合って反省してるんだ理解してくれって話すよ」と萌に聞くも、萌は対立が怖いのかその教師のところに連れていってくれない。

 結局そのまま迎えに来たMの車に乗ったのだが、Mは「教師なんてそれくらいの誤解はいつでもするわよ、たいしたことじゃないわよ」と笑い飛ばしている。そうかなあ。俺はその教師のところに行って、「なるほど、友達と話して笑うことすら許されないのがあの、校長がコンサートでさかんに言っていた『クリスマスのラブと思いやりスピリット』ってやつですか」と言ってやりたかったぜ。まったく教師のいう思いやりなんて上辺だけだな、世界中どこでも。

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■10/12/18(土) □ LD家カルカソンヌ大盛り上がり
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 LD家のファミリーパーティへギターとカルカソンヌを持っていき盛り上がった。DVとその彼氏CKが熟練カルカソンヌ・プレイヤーで、初めてオフラインで大聖堂フルルールを使った本気カルカソンヌとなる。

 5人だと取れるタイル枚数に限りがあるので、大きな町を開いてしまうとクローズできない。だから俺は小ぶりの都市を作り、後半MKが作っていた大聖堂シティにマージしてシェアに成功する。しかしメインの大草原に俺だけが入っていけなかったので負けたと思ったが、うまくつないだロングレイクロードが効いてCKと1点差で俺の勝ちとなった。楽し :-)。

 俺はそれで疲れたMとBRのためにカルカソンヌを置いて帰ったのだが、その後はDVとKNも混じって大盛り上がりだったらしい。MKがメールで写真と実況を送ってきた。ああ俺も残っていられたらなあ。残念。

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 ちなみにこないだ頼まれてLDの兄貴KNのために買った YAMAHA FG700S は、ショップで指で弾いたときはバランスがよく粒が揃ったいい音だったのだが、ピックで弾くと音が想像したよりもかなり堅かった(店ではピックを使えなかった)。まあKNが弾き込んでくれたら馴染んでもっとよくなるだろうと思うが。ギターというのは自分の家とか、エレキならばバンドで使ってみないと本当の音はわからないものだ。楽器屋の試し弾きで選ぶのは難しい。

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■10/12/23(木) □ ハードボイルドな破壊者
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 BrettspielWelt オンライン・カルカソンヌで Tom.** という戦績やや格上の人と会い、開始数手でこいつは自分で町や道を作らない他人の町破壊専門業者だと判明。そこでトラップされないよう慎重に打ちながら、おもむろに話しかける。

「君は典型的なタイプだな」
「何が?」
「町を作ることに興味がない。ただ相手のコマをトラップしたいだけだ」
「そうかもね(笑)」


 このようなハードボイルドな会話で皮肉られても彼は全然めげずに破壊活動を続け、ついに俺の大都市の出口真ん前に障害物を置かれてしまう。くー。

 しかししばらくして、この障害物はこれはこれで町として完成できるなと気がついた。そこでさささとタイルを寄せてその町の外郭を閉じ、あとはこのシティを俺の大都市に切断か接続か、どちらかのタイルを引けば大得点という状態を見事に作り上げる。我ながら惚れ惚れする腕だ。

 そしてこんなダーティな奴とフェアに戦っている俺にカルカソンヌの神も微笑んだのか、たった1枚残った分割タイルが俺に出た。この1枚で 24 点+38 点の2都市が見事完成、大逆転勝ちとなった。この手の破壊業者に勝ったのは初めてである。うれしー\(^o^)/。

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■10/12/24(金) □ クリスマス欝
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 今年もクリスマスプレゼントを巡り欝になる。Mが俺に必要ないものを買おうとしたのでいらんと言いケンカになったのだ。クリスマスだからといって必要がないものを「買ってもらう」というのが俺は苦痛なのであって、人に買ってあげることは苦ではない。必要ないものを持ちたくないという俺のこの精神は偏屈なのだろうか。

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グリコのおまけみたいなコマがついてます
MKたちがクリスマスディナーに来て、「フォービドンアイランド(禁断の島)」という新しいカードゲームを持ってきた。「洪水を遅らせ宝を取って逃げる」というもので、これがまたこないだ彼が持ってきた「フォーミュラD」と同じで、「クレバーなシステム(複雑ながら論理的整合性がきれいに取れているルール)」だけがあり、ゲーム性がない。

 ゲームが進むほど洪水が早くなるルールシステムになっており、それで危機感を煽るのがこのゲームの「クレバー」さなわけだが、全プレイヤーがやることはまるでバケツリレーのように浸水扱いのカードを元に戻していく地道な作業ばかりで、教室で危機回避の図上シミュレーションをやってるような感じである(実際「パンデミック」という人気危機回避ゲームの簡易版らしい)。

 ルールもまったく直感的ではなく、ルールブックを読むMKの指示通りに皆が粛々と動くだけ、俺と萌が知恵を絞る要素はからきしない。思考と決断とその結果の報酬や失敗の味わいがゲーム性なのであり、リーダーの指示(―――というかルールの論理から導き出される最善手―――)に従うだけでは単なるドリルなのだ。どこへでも飛べる万能ヘリコプターカードなどが登場するいかにもアメリカっぽい格調の低さも合わせ、うーんという感じ。

 MKが盛りあげようとしてるので俺と萌も相槌を打つが、結局静かにゲームは終わった。こういう水が迫ってくる、逃げろというゲームはアクションゲームにはどうやったってかなわんだろう。MKってなんかゲームの面白さというものに対するセンスが俺とはえらい異なっているなと思う。「クレバー」ならばなんでも評価するようだが、クレバーで面白くなければ意味ないではないか。やっぱ Linux なんちうクレバーな傍流を本業にする奴は変わっとる(笑)。

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■10/12/25(土) □ 「原始の営み」感想
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イソップ童話をもらいました
クリスマスの朝。萌ももうほとんどティーンエージャーなのでおもちゃをもらうということもなく、例年通りたくさんの本と服と、友達とのディナー券(子供だけでレストランに行くというアイデア)などスペシャルイベントのチケットをもらった程度で、プレゼント的には静かなクリスマスだった。


カルカソンヌ2・城と道が森と川に
俺たちと同様にカルカソンヌにはまっているMK夫妻には、俺が「カルカソンヌ 2 - Hunters & Gatherers (原始の営み)」を贈呈した。さっそくやってみるとやはりオリジナルと絵柄があまりにも違いすぎて、どこがつながり終わっているのかよくわからずみな戸惑う。森というファジーな特徴が境界線を曖昧にしていてよくないのだろう。どういうタイルがあるのか全くわからないので、あまり野心的な建設はできないという感じで恐る恐る森を作る。1にはないので期待したボーナスタイルも別に盛り上がるイベントはなく、初回はルールを確認しながら淡々と終わった。全員「ふむ、なるほどね」という反応。やっぱオリジナル・カルカソンヌがあったらいらんかなあというのが正直な感想である。

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 しかし1回じゃよくわからんのでMKとサシでもう一度やってみる。するとこれはやはりカルカソンヌで、地形が見えてきていつも通りの思考が働き始め、MKも俺も盛り上がってきた。やっぱりカルカソンヌには、絵柄やルールが変わっても変わることはないほど強靭な面白さのメカニズムがある。

 そしてこの2は川(オリジナルの道に相当)が最高で、川の両端が池になっており、その両方の池の魚の数だけポイントが加算される。だから魚4匹とかの肥沃なレイクを引くと非常に盛り上がるし、得点した後も池は次の川につながるのでつないでいけば同じ池の魚からどんどん点が取れる。このおかげで双方に手頃な得点機がこつこつと途切れず、1よりも非常に生産的なゲームになる。水系に置く魚取り小屋ポイントも含め川が楽しく思考が進むのだ。

 草原も動物の多いタイルを自分の草原に集めていくという、オリジナルとは違った方向での開拓が面白い。ボーナスタイルもゲームを左右する強力なイベントは2つだけだと分かってしまえば当初の期待はずれ感もなくなり、出たタイルを「建築士」ルールのエクストラタイルと同じ感覚で自分の町や草原の得点アップにサクサクと使える。

 2回目をやって、これは大丈夫だ面白いと確信した。絵が好き好きとはいえベース・カルカソンヌより間違いなく面白い。俺は拡張セットを持ってるのでこれを欲しいとまでは思わないが、家族パーティにMKが持ってきたら俺はどんどんやりたいと思う。

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 【追記】(Jan 2011) その後MKと何度もやったのだが、やや弱点も感じられる。まず、誰が勝ってるか盤面から全然わからない。おそらく絵柄的にどこにどのサイズの町ができているか見えづらいことに加え、池に池をつなげばタイル2枚で8点とか取れたりするので、プレイしたタイル数や戦術的積み重ねと得点にかなりのズレがあるのだろう。考えてみると川は最短2枚で点が取れてしまうのだから、運だけで点が取れすぎるような気もする。もうちとレイクロードのように自分の工夫戦術努力によって点を取ったほうが面白い。

 その戦況の曖昧さに加えタイル5~6枚以上のでかい町があまりできないのが、このバージョンが楽しいけどやや盛りあがりに欠ける原因だろうな。タイル構成を見てみると3面タイルがオリジナルよりはるかに少ない。だから町が拡散せず3~4タイルですぐ閉じてしまうのだ。これは川同様サクサク点が取れクローズ不能が起きにくいというメリットはあるが、森を完成したときの達成感はなくあっさりしすぎているし、閉じるのが早いのでマージや乗っ取りの機会自体が少なく丁々発止のやりとりが全然発生しない。

 川の点は上記の理由でランダムだし森の争奪もないとなると、どこで知恵を絞り相手と競っているのかが微妙で、だから全体に平和的で楽しいけど個々が黙々と点を積み重ねる静かなゲームとなってしまう。

 こうして見るとやはりオリジナル・カルカソンヌの、でかい町と豊穣なファームが一目瞭然に育っていき、それを巡る攻防が自然と発生し明暗がクッキリつくというシステムは、シンプルで本当に偉大だなと実感するカル2感想であった。

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【追々記】(Nov 2012)その後オンライン戦で熟練者と戦い、考え直しました。これは名作です。これは森ではなく川の魚と草原の動物を育てるゲームなのだと。追記事「カルカソンヌ2は名作だった」

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