2011/02/04

日記「カルカソンヌ・ロボットを発見」

「サンクトペテルブルク」「クニッツィアのサムライ」「アジア王座奪還」ほか。

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■11/01/27(木) □ サンクトペテルブルク
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 デモ版カタンが期待はずれだったので何かPC相手にできるボードゲームがないかと探してみると、「サンクトペテルブルク」というカードゲームのフリーPC版があった。いろんなサイトの感想を読んでみると、あこがれの生産開発ゲーム「プエルトリコ」のカード版「サンファン」にプレイ感が近いとある。完璧ではないか。

 これは覚えるしかないとルールを見ながらやってみると、ゲームは割合簡単である。安い職人や農民を買って働かせ、稼いだお金で高価な貴族や建物を買いポイントにするというゲーム。同じカードを取ると1ルーブル安くなるとか、お金がないときは後払いのツケでキープできるとか、アップグレードカードは差額だけ払えば手に入る(売買感覚が楽しめる)とかのルールは軽くて楽しい。

 だが役を揃えるゲームじゃないのでカードを取ること自体が今ひとつ盛り上がらない。町を作るゲームなのかと期待したのだが、これはつまり序盤は農民で金を作り、後半タイミングと配牌を見てそれを建物でポイント化するというリソース配分ゲームだな、大筋で。その部分はしっかりと面白いが得点を最大化すること以外にゲーム性はなく、なにかを作るという面白さは希薄だ。いろんなカードがあるが要はどれも数値なので、やってるうちにだんだんカードの数字にだけ注意を払うようになってくる。最高価格の宮殿を買っても女帝をゲットしても、大きなポイントが入ってくるだけで安いカードとの違いはないのである。

 中期以降に職人や貴族でお金がザクザク入るようになるのはうれしい。しかしそれで建物を買うのは単なるポイント還元作業で、初期の資金稼ぎに比べたらさほど楽しくないという結論になる。町を作りその町で何か別の愉しみが得られたら、もっと面白かっただろうなあと思う。まあルールはよくできているし、何度もやって勝てるようになるとだんだん滋味も感じるようになってきた。このPC版はフリーなのに十分楽しめてまったく文句ないです。やり続けます。

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■11/01/28(金) □ クニッツィアのサムライ
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 PC版ボードゲーム探しは続くが、見つかるのはチェスとポーカーと麻雀ばっかりだ。ああいうクラシックゲームはコンピュータ化しやすいらしく、フリーウェアがゴマンとある。この手は研究の歴史もあり AI を作りやすいんだろう。ボードゲームは思考がより人間的でコンピュータ AI を作りにくいのかな。カタンの AI 作成はコンピュータサイエンス学生の研究主題になってるのだそうだ。


実に信長の野望的な盤面
 おお、「クニッツィアのサムライ」デモ版を発見。陣取りゲームらしい。面白そうだが、今俺がやりたい生産とはぜんぜん違うか。

 やってみると陣取り的な楽しみはない宝取り競争で、限られたタイルで効率よく宝を取るにはいろいろ考えどころもあるのだろうが、全然考えなくても侍タイルがあれば宝は取れるぬるいルールなので、イージーで全勝、ノーマルでも2回目に勝ってしまった。んー。

 COM を強く設定すればこんな漫然打ちでは勝てなくなるだろうが、面白ければそうするがそうでないゲームをハードにしたいとは思わないのである。ちなみに英語圏最大のゲームサイト BoardGameGeek じゃこんなゲームがカルカソンヌ (76th) やチケットトゥライド (64th) より上の 62 位にランクされている。世界のボードゲーマーの価値基準がわからん。ちなみにカタン 58 位、サンクト 102 位。「サムライ」よりはサンクトペテルブルクのほうが構築の面白さはあるよな。

 これは没だがともあれ、日本地図での陣取り(風)というこのゲームを見ると、「信長の野望」ってすごいよなと思う。生産の面白さと陣取りが完全に一体化してるのだ。武将コレクションという「デッキ構築」も、歴史背景を知る日本人にはこれ以上はあり得ないだろうという形で完成している。ひょっとすると俺が望むボードゲームは、「信長の野望」のような総合的な面白さを対人かつ短時間で味わえるように出来上がったゲームなのかもしれない。そんなのってあるのかな。実は「信長の野望」がPCでできれば、俺はそれで満足するのかもしれない(昔やった Playstation 版はさすがにもうやる気はしない)。

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 「How To Train Your Dragon(ヒックとドラゴン)」は「アバター」に続きまたもや宮崎映画焼き直しモチーフ満載で、飛行シーンや、主人公だけがドラゴンは邪悪ではないとわかりそれを隠し父親に (以下略)...というあたり全部ナウシカだなあと思った。そのドラゴンが猫と犬とツンデレの女の子とポケモンという子供が好きなかわいいものセットから合成されてるのがなんとも安易である。まあかわいいけどね。

 ハリウッドのアニメクリエイターは志が低い。動物が喋る話かこういう焼き直しばかりだ。人物も「アバター」的怒れるマッチョアメリカンと、こういう《うろたえ臆病で弱いが本当は勇気があるいい人》の2種類しかないではないか。Mも主人公の声が嫌だと言っていたが、そのあまりの個性と魅力のなさに苛立っていたのだろう。

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■11/01/29(土) □ アジア王座奪還
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 【アジアカップ決勝】普通にやれば負けるはずがないのだが、日本の守備陣の足並みが揃う前に2発シュートを打たれる。パスもつながらない。フィジカルの劣勢で中盤でボールが保持できない展開が続く。日本は疲れがあるのだろうか。豪はキューウェルとケーヒルにボールを飛ばし、シンプルにガツんと攻めてくる。イングリッシュな感じの豪の崩しに次々に好機を作られ、よくない流れが延々と続く。

 35 分、ようやく日本がパスをつないで崩そうかと試みるが、引かれると自分のほうがミスをしてボールを失ってしまう。好機はまったく作れず前半終了。これはどうも、予想外な展開だ。これまで試合に出てなかったのでこの苦しい展開に対応できず攻撃にも守備にも効いてない藤本を替えるのは当然だが、劣勢は彼のせいではなくとにかく日本のパスと動きのスピードが上がらないのだ。香川がここにいても同じことである。

 日本のデキが非常に悪いのもあるが、豪が WC 予選時より強くなってるのも事実である。あの頃はピッチのどこでも日本のほうがうまく、アクシデントがなければ負ける気がしなかったのだが、このチームはシンプル確実なハードワークが見事に機能しつけ込む隙がない。オジェックは結局いい監督だったのか? 昔彼が監督だった頃のカナダが同じようにシンプル確実なハードワークからアクシデント的得点でゴールドカップに勝ってしまったのだが(当時俺が書いた記事がまだスポナビに残っている)、この豪はそれに加えカナダより人材が揃っている。キューウェルなんか年をとっても本田よりうまい。

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 【後半】藤本に替え誰が入るのかと注目していると、答えは岩政。3バックにして両サイドを上げるのかな。この策は見事に効き攻守とも安定したが、しかし両ウィングバックの攻撃力頼みというのが日本のベンチの苦しさを表している。内田は突破するまでの切れはないし、長友も動きはいいけれど組み立てのアイデアは不足している。クロスを入れても真ん中で勝てないしなー。

 あ、今野が左SBに入っての4バックか。―――あそうか、長友をもうウィンガーとして前に出しているんだ。わかった。なんという大胆な采配。そしてそれは完璧に効いている。さすがは玄人監督。しかし双方決め手なく延長へ。

 延長前半、李が入る。入って早々に落ち着いたいいプレイでボールをキープ。相手の脚が止まったこともあり日本がボールを持つ時間は長くなっているが、双方散発的にチャンスを迎えゴールには至らず前半終了。フォーメーション変更以後は日本が劣勢というゲームではないが、豪のほうが得点機はより近いというバランスは変わっていない。うーん。

 そして長友のあの突破から李のクリーンゴールとなったわけである。結局苦しい試合は個の力で唐突に決まるのだ。しかしなんで李がノーマークだったんだ(笑)。まあよかったよかった。アジア王座奪還だ。

 とにかくよく失点しなかった。これはDFたちと川島の勝利である。みんなえらい。日本は夜中だがめちゃ盛り上がっているらしい。俺も町に出て車のクラクションでも鳴らしたいところだが、ユーロならアリだろうがアジアカップは韓国人街にでも行かないと俺のこのうれしさはわかってもらえないだろう。いつかアジアカップも世界から注目されますように。日韓豪は見るに価するサッカーをやっているぞ。

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■11/01/30(日) □ カルカソンヌ・ロボットを発見
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Java が入っていれば Win でも Mac でも
Linux でも動くカルカソンヌ・ロボット

 英語圏ゲームサイト BoardGameGeek にPC版ボードゲームという長大なスレッドがあり、そこでなんと Java のカルカソンヌ JCloisterZone が見つかった。UI 的に BrettspielWelt オンラインよりかなりしょぼいのであまり期待せずに試してみると、―――うわ強いぞこのカルカソボット、初戦はなんとドロー (^-^;。

 都市乗っ取りの攻防では攻守ともにからきし下手なのだが、草原はちゃんといいところを取ってくるし、なによりブロック&トラップ的な置き方が実にうまく、こっちがリスクを考えずに打ってると簡単にトラップされてしまう。うまい。たぶん敵が』の字、コの字地形にいたらトラップするという基本戦術がプログラムされてるのだろう。そういう危険な地形を作らずにプレイするという練習にちゃんとなるのだ。たいしたものだ。

 相手がPCだと俺も驚くほど豊富に相手をトラップするアイデアが浮かんでくる。それこそどんなタイルでも相手の妨害に使え、自分はしっかりと点を取りつつ相手を毎度数個トラップできる。やっぱ無慈悲になるとこのゲームは強いんだわ。人間相手にもこういう冷酷な打ち方ができるのが、オンライン BrettspielWelt の破壊者たちなわけだ。俺は人に対してはそこまでできんが、PC相手なら嫌なプレイをすることは勉強になるし、けっこう楽しい(笑)。

 いやーこれは素晴らしい、これでいつでも速攻で歯ごたえのあるボットとカルカソンヌがやれます。待ち時間がないので対人の半分の時間、10 分そこそこでできる。拡張タイルも揃っている。ありがたやありがたや。

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