2011/12/21

日記「1学期の通知表」

「レイソル修業あるのみ」「昔の日記読み」「欝なクリスマス準備」「悲しい輪廻」

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■11/12/11(日) □ 1学期の通知表
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萌の中学最初のレポートカードが帰ってきた。俺もMも成績など気にしちゃいないのだが(萌が各科目で自分がやってることを理解していればそれでよい)、成績は思ったよりよかった。

しかし各科目に対する生徒自身のコメント欄があるのだが、ここに萌はなんと、「問題が的外れ(数学)」「教科書のコピーばかりで有意義ではない(科学)」と書いていた。―――うわ。俺とMが宿題を見て家で言ったことそのまんまだ。俺たちが各科目の指導についてどう思ってるか、先生にモロにバレてしまった(汗)。

子供が学校や教師に盲従せずある程度批評的になるのはいいのだが、親の思想が安易に感染ってしまうのはそれはそれでよくない。しかもそれを人に伝えられてしまっては超マズイ。ほんと俺もMも冷や汗もので、こういうことは先生に言ってはいけないと萌に諭す。子供の前でしゃべることは、親もほんと気をつけないといけません。



しかし10月くらいまでは萌の宿題が本当に多く終わらなくて、一緒に手伝いながらひいひい言っていたのだが、3者会談で先生に宿題量の相談をした時点からガタっと減った。あれ以降1時間を超えたことがないと思う。これは俺の苦情が効いて宿題の量が減ったわけではなくて、あのとき以降クラス時間中先生が萌の課題進捗に目を配り集中させ、家に持って帰る課題の量が減るよう指導してくれたんだろう。ありがたい。助かった。

こないだクリスマスコンサートのときにFNのお母さんと話したのだが、FNはいまだに2時間かかっているそうで、宿題があるからろくろく親子の時間が取れないと嘆いていた。それは先生と相談したほうがいいですよ、相談すれば子供の負担を減らす方法はきっとなにかありますよと、萌のケースを詳細に教えアドバイスしておいた。しかしFNの担任は宿題が多くて評判の先生だそうで、相談しても無理かもしれないとお母さんは気弱げ。そういう教師のさじ加減で子供の生活が大きく左右されるというのは倫理的に間違ってると俺は思う。お母さんはとにかく担任と協議し、FNのクオリティオブライフが宿題のためにどれほど劣化しているかを訴えるべきだ。

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【坂の上の雲】203高地の攻防、高橋英樹がすごかった。歌舞伎や旅芝居を見る快感を極めた感がある。それにしても戦争。あんな寒いところに行くだけでも嫌なのにそこで戦うなんて地獄の沙汰で、死んで死んで死んで最後は肉弾戦。戦争は本当に無茶苦茶だ。言葉を失うとはこのことだ。

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■11/12/13(火) □ レイソル修業あるのみ
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【クラブW杯:柏・サントス】組織プレイでは柏が大きく上回り、しかし相手のシュートが馬鹿げてるほどすごかったという試合だった。柏がシュートを打つには最後のディテイルの技術がわずかに足りない。しかしわずかだ。何度も何度も攻めていけばわずかな違いが掴めるはず。若い攻撃陣が相手との間合いをどうやって取り、いかに短い時間で正確にやるべきことをするか感じ取れば、シュートは打てるはず―――と期待したのだが、後半出た北嶋と澤も含め、ついに点は取れなかった。
kaizokuhide: 毎日の小テストを一生懸命がんばっている柏レイソルと、試験の前だけポイントを押さえて高得点を取っているサントス。そんな感じがして、非常に腹立たしい。けどこれがサッカー。対応せねば

たしかにそんな感じのゲームだった。取れたのは酒井のヘッドの1点のみ。酒井は欧州のどんなクラブに行ってもやっていけるだろう。

これほどメンタルが鍛えられた柏でも、勝負どころでほんの僅かボール処理を早くしようとしてタッチがブレてしまう。だがそうしないと取られてしまう。修業あるのみだな

バルサもこうして攻めて攻めて、そして点をしっかり取るんだろうな。今まで見たトヨタカップの南米代表より弱かったような気がする。それとも柏が強かったのか。

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■11/12/16(金) □ 昔の日記読み
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補聴器調整で婆様を専門店へ送る。これでかれこれ10回目である。「心ゆくまで調整してもらえるのよ」と婆様は喜ぶが、何度調整しても納得いく音がせんと言ったほうが実情に近いのではないだろうか。

しかも先週と今週はなにか新しい付属品をトライするはずが2回とも不良品で、完全な無駄足となった。「なんだその壊れてますまた来週というのは、ガキの使いじゃないんだぞ」と運転手の俺は怒るのだが、婆様本人は平気。気が長い。補聴器の調整が出る前に天寿をまっとうするかもしれない。

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思い返すことがあって昔の日記を引っ張り出す。大学を出た頃の日記を読むと、センスは今と変わりないけどアタマ悪いなあオレと思う部分が多い。この頃もう少し賢ければ、当時入りたかった世界にも行けただろうな。俺が今ぐらいの知的レベルに達したのはレコードデビューしたバンドで苦労したこの時期だろうと思っていたが、それよりずっと後、もっといろんな奴らとバンドをやりいろんな人と出会った後だったんだなと改めて認識した。

しかし自分の日記というのは面白い。読み始めると面白くて止められず、夜中まで読み続けてしまう。忘れていたことも本当にたくさんあって、胸がドキドキする。烏山・吉祥寺での青春が甦る。

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■11/12/17(土) □ 欝なクリスマス準備
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クリスマスの飾りをするのかと思ったらMが重箱の隅掃除を始め、俺がちゃんとやってなかったと激怒モードに入ってしまった。いややっとけと言っといてくれればちゃんと時間を調整してやっといたのだが......(言い訳)。

クリスマスというのはまったく大変な行事で、大量のプレゼントを考え探し買わなきゃならないし、遠方へは送らなきゃならないし、家事を済ませてないとこうして怒られるし、どの家でクリスマスディナーを食べるとか誰を呼ぶかとかで毎年紛糾するし、初年度からずっと俺は、カナダのクリスマスは大変だという思いしかない。

萌になにかいいプレゼントを買ってやれるときだけはうれしいが、もう iPhone だの PS3 だのといった高価なものしかほしくない年頃なので、今年なんかほんとにプレゼントが思いつかないしな。Mはブーツだとか服を買ってやるそうだが、俺はなにもいい案がない。よわった。

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■11/12/20(火) □ 悲しい輪廻
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用足しとクリスマスショッピング。萌と一緒に久しぶりにペットショップに行ったのだが、ハムスターを触り手にとり喜んでいる。萌はもし可能ならクリスマスプレゼントでペットが一番ほしいわけで、うちはアレルギー持ちの家族がいるので猫は無理としても、限定されたスペースで生活するハムスターなら飼えるんじゃないかと思う。だが、あとでMに聞いてみるとやはりハムスターもアレルギーの原因となるのだそうだ。残念。



7歳くらいのボーイズ2名がペットショップにいて、ハムスターやウサギを叩いたり巣箱を持ってひっくり返したりしていたぶっていた。俺が見かねて「ヘイ何やってんだよ、そんなの嫌がるに決まってるだろ」と小声で叱責するとすぐに逃げていったが、しばらくすると戻ってきて同じことをする。

いったい親はどこにいるのだと見渡すと、小さな気弱そうなおばあちゃんが遠くから口出しせず2人を見守っていた。これを見てなんとなく、ああ親が養育放棄状態の子供らなんじゃないかなと想像してしまった。こういう子供らは自分たちも暴力を受けて育ったのかもしれない。

自分が親となって他の子供やその親と知り合うと、馬鹿は遺伝するとつくづく思う。馬鹿な親は自分の子供の成長度合いなど気づかないので放置し、子供らは言葉を覚えるのも社会規範を学ぶのも普通より遅くなる。そして身につけた言葉やモラルの質自体が劣る。暴力的な親からはこうして暴力的な子供が生まれ、そのまた子へと悲しい輪廻をつないでいくのだろう。嘆息。

2011/12/12

日記「物足りぬクリスマスコンサート」

「オースザンナ」「カーネーションが壮絶」「J リーグの誇り」

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■11/12/03(土) □ オースザンナ
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こないだ見つけたなつかしの久保田麻琴と夕焼け楽団の「オースザンナ」を聞いていて、これはもともとアメリカのカントリーを日本語にした歌なんだよ、日本の子供なら誰でも知ってるんだと萌に説明する。お父さんは高校時代にバンドでコピーしたんだよ。カナダは日本みたいなカチッとした古典音楽教育はしてないので、クラシックや世界民謡の知識は日本の子供より薄いのだが、萌もこの歌はさすがに耳にしたことはあったようだ。

で「あ! ちょっと待って」とクラリネットを持ってきて教本を開き、「わたしゃアラバマからルイジアナへ~」とあのメロディを吹いてくれた。うお! この歌がたまたま萌の教本に載ってたのは驚かないが、萌が初見でいきなりその歌を吹いたのには驚いた。感動。


ヘタ歌サイコー
そういえばこの歌の英語版って俺は1回も聴いたことがないわと Youtube で検索してみると、さまざまなバージョンが見つかり実に楽しかった。バンジョーやギターでズンチャカズンチャカ弾いてるバージョンはまさに俺がイメージする通りの「オースザンナ」だし(↑この歌詞を覚えてない2人組のやつが絶妙w)、高校生がへんてこなアレンジで3声合唱みたいのをやってるのも見つかり、萌と一緒に大笑いしながら次々に見た。

Youtube は音楽鑑賞革命だな。聴きたいものが直ちに見つかる。聴きたかった以上のものが聴けることもありまくる。iPhone や iTune が画期的とは思わないが、情報のシェアを爆発的に拡大した Youtube とツイッターはイノベーションだと思う。

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ともあれ、俺が知ってたのは戦後すぐに出たボニージャックス版らしい。この詞を英詞と比べてみて、訳詞のよさに改めてびっくりした。

I come from Alabama with my Banjo on my knee
I'se gwine to Lou'siana my true lub for to see.
It rain'd all night de day I left, de wedder it was dry;
The sun so hot I froze to def -- Susanna, don't you cry.
Oh! Susanna, do not cry for me;
I come from Alabama, Wid my Banjo on my knee.

私ゃアラバマから ルイジアナへ
バンジョー持って 出掛けたところです
降るかと思えば 日照り続き
旅はつらいけど 泣くのじゃない
おおスザンナ 泣くのじゃない
バンジョー持って 出掛けたところです


これが俺みたいな凡庸な訳者なら、「わたしはアラバマーからバンジョーかかえー/ルイジアナの恋人に会いに行くー」みたいに訳していただろう。なんてセンスがないんだ(笑)。日照りの時は熱く雨のときは冷たいとかの冗長なディテイルを、「旅はつらい」と一句でまとめてしまうところもすごい。津川主一さんという牧師さんが訳したのだそうだ。昔の人はえらいわ。

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■11/12/07(水) □ 物足りぬクリスマスコンサート
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クリスマスコンサートの合唱部
萌の合唱部はクリスマスソングを5曲も歌唱。例によって前列6~7名がマイクを使う合唱なので音程は取りづらいのだが、前回のリメンバランスデイ集会での発表よりかなり出来がよかった。昼の部よりも夜の部ではさらによかった。バンドマンがそうであるように子供らも、モニターが悪く自分の声が聞こえなくても、喉の張り具合で体感的に自分の音階が取れるようになってきたのだろう。元気なクリスマス感が出ていてなかなかよかった。

続いてこっちも萌が所属するビギナーバンド。全員が担当楽器を初めて半年で一応曲を演奏できるんだからなかなかえらいと思う。しかし1年半以上やってるはずの上級生のアドバンスドバンドの方が、この半年バンドと大差ないのがなんというか。一緒に見ていたFNのお母さんは日本で吹奏楽をやってたそうで、「日本の中学の吹奏楽なんか厳しい先生に猛特訓されてめちゃくちゃ厳しいですから、そりゃ比較できませんよ」とのこと。そうですよねえ。

まあカナダじゃ生徒たちもそんなに真剣に楽器に打ち込んでるわけじゃないし、贅沢を言うつもりもないのだが、上級になったらせめて楽器のチューニングくらいきちんと指導してくれたらなあと思う。ビギナーもアドバンストもチューニングが悪すぎて、何の歌を吹いてるのかよく分からないのである。

合唱をマイクで歌わせるのも、実のところ音楽関連の全てを担うこの元バンドマン先生が自分でエレピを弾いてドラムを入れ、得意のポップスっぽくやりたいからそうしてるんだろうと思う。音楽の授業も合唱部もこのバンド形態だから、子供らは普通の合唱らしい二部合唱すら体験することができない。音感学習機会の喪失でもったいないことだ。子供は好きな歌をマイクで歌えるだけで喜ぶからそれでよしとなってるんだろうが、喜ぶからとご飯の代わりにキャンディを与えるようなものだ。

というわけでまあ音楽的な不満を言い出すとキリがないが、想像通りのコンサートだった。想像と違ったのはコンサートが吹奏楽と合唱部だけの発表だったことである。小学校のクリスマスコンサートは全校各クラス全員が歌っていたのに、中学ではどっちにも入ってない子は見てるだけで、みんな歌いたかったんじゃないのかな。ちと気の毒な気がする。

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■11/12/09(金) □ 「カーネーション」が壮絶
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NHK 朝ドラ「カーネーション」が壮絶である。面白く胸を打つシーンばかりだった序盤から、戦争が始まると苦しいことばかりになってしまった。それが戦争なのだと教えてくれる。戦争ノイローゼになってしまった勘助に出しゃばって、近所づき合いの関係を駄目にしてしまった糸子が安岡のおばちゃんに罵倒されるシーンなんて、朝ドラ史上に残る悲しいシーンだったろうと思う。人が死ぬとか別れとか、人の不幸をお手軽ドラマチック要素として使う創作者は、糸子と一緒に叱られて頭をたれるべきである。

今週も旦那の勝さんの出征と浮気疑惑という、これまたつらい話が続いた。勝さんがいい人なのか悪い人なのかわからない、出征を悲しむべきなのか無視すべきなのかわからないとグルグルになっているところに、さらに砂を浴びせる理不尽な戦争翼賛婦人会。糸子の悔しさやりきれなさがビンビン伝わってくる。一緒に叫びたくなる。壮絶。こんな血を吐くようなシーンが延々と続く朝ドラがあったろうか。この「カーネーション」をアジアや中東に発信してほしいなあ。日本の一生懸命さや愛嬌や愚かさが詰まっている。

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■11/12/10(土) □ J リーグの誇り
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【クラブW杯・柏-モンテレイ】序盤柏の DF 陣がちょっとやられすぎな感じ。全体としては意外に落ち着いて持ち味が出てると思うのだが、単純に DF 陣の能力負けか。攻撃では柏がいいところでボールを持てても、前がかりにはならない相手が堅実にプレスをかけてきて狭いところに追い込まれてしまう。レアンドロがマークされ力を出せないところがつらい。レアンドロはイラついている。

しかしチーム全体としては徐々に相手に対処できてきて、ピンチは減ってきた。試合展開としてはもはや五分である。ここからが勝負だというところで前半終了。悪くない。全然国際経験のない柏が、これほど強い相手と初めて当たり、それでもここまでできるのが J リーグの誇りであります。

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後半早々、こぼれ球に追いついた田中がそこで安易に打たず前に弾いてスペースに持ち出し、折り返したところをレアンドロがボレー、ゴール! 完璧! 美しい。田中えらい! レアンドロ素晴らしい! これでレアンドロもイライラがすっかり消えたさわやか顔 (^-^)。

しかしわずか数分後に裏ポンで簡単に振り切られ折り返しスアゾがゴール。なんであれで裏を取られちゃうのか。先制点で気持ちがイケイケになっちゃってたのかな。

田中は思い切りの良さが売りだけど、今日の試合無理っぽいところでは安易に打たないでしなやかな体幹を生かしつないでるのが好感度高い。レアンドロにアシストしたのも、凡庸な FW だったら可能性がないところからシュートを打ってただろうと思う。あそこで前につっかけたから相手 DF は意表を突かれ対応できなかったので、非常に価値が高いプレイだった。こうしてボールを無駄にしないで丁寧にプレイしていれば、いつか彼自身もズドンと行けるはず。

田中だけじゃなくサイドの橋本らも、安易に前に蹴らずつなぐかコーナーを取ろうとしている。相手が格上だと、ボール扱いに自信のない選手は奪われるのができるだけ早く放してしまいたがるが、柏はどの選手もできる限りコントロールしている。ボールを無駄にするなとネルシーニョが指導してるのかもしれない。これだけの、これまで戦ったことがないほどの強敵を相手に柏がちゃんと力を出せているのはそこにある。ボールを無駄にしてないのだ。

酒井のクロスが完璧に田中のヘッドに入るが、強く打とうとして GK 正面に行ってしまった。田中は今オフヘッド練習死ぬほどやるべし。やればやるだけ優秀なストライカーになれる。後半終了、ふー、いい試合だ。

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【延長】レアンドロが前に上がりゲームを決めようとしている。それはいいことなのだが、中盤に残った大谷と栗沢が攻撃にまったく持ち味がないのがつらい。レアンドロが相手ボランチを引き付けているので大谷と栗沢の前方には大きなスペースがあるのだが、2人はドリブルも前へのフィードもミドルシュートもできないらしく、そこで縦への速い攻撃という選択肢がなく停滞してしまう。延長はもうずっとモンテレイが攻める力をなくしており柏ペースだったのだが、柏の中盤にも違いを生むだけの力がなかった。

しかし試合全体での優勢をそのままに、柏は PK 戦でしっかりと勝利。やりました。これだけクオリティの高い相手に、序盤以外はきっちりとゲームをコントロールしての勝利。J の勝利。えらい。おめでとう!

柏ブラジル衆はうれしいだろうな。出稼ぎに行ってるところでちゃんとクオリティの高いことをやってんだぞと親戚に見せられる。今日の試合を見れば、柏の中盤と守備陣が力不足なのは明らかで、南米チャンピオンを完封することは不可能だろうし点を取ることもそうそうできないだろうが、岡田日本(ジーコジャパンではなく)がブラジルと戦うくらいの抵抗は十分期待できると思う。

2011/12/05

日記「日本語の習い方」

「韓国型の成功について」「柏の栄光」

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■11/11/28(月) □ 韓国型の成功について
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昨日「KPOP はアジアの顧客の嗜好を調べ尽くしタレントを教育し戦略通りに成功している」というツイートが流れてきたが、韓国型の成功はまさになんでもそういう成功だから、リスペクトする気になれないんだよなと改めて思った。

カナダにおけるテコンドー道場の流行っぷりとか、韓国人なのに日本料理レストランを開きまくるところとか、なにかにつけマーケティング第一にしか見えないのである。テコンドー道場はトランポリンなどの体操器具を使ったり、子供が憧れる飛び蹴りや板割り(あれは危険だろう)をやらせる総合カンフーアトラクションにしているし、日本料理は「好きなんじゃなくてただ流行るからやってるんでしょ、本物を食べたことないのでは」と思うレベルの日本食モドキを出す。


ホンダにもトヨタにも見えるキア

ヒュンダイ製シビック。けっこう
俺の好みなのが悔しい
カナダで売れまくっている韓国車はトヨタとホンダと BMW とメルセデスのラインを見事に踏襲している。最近は日本製スーパーカー・オロチやマツダ的なオーガニックなラインも取り入れている。恥ずかしげもなくデザインをパクり、日本車がちょっと手を控えてしまうところをより大げさにガバリとえぐった現在の韓国車のデザインが、実はかっこいいことは認めざるをえないが(※)。
(※)ちなみにヒュンダイがかつてのシビックハッチバックそっくりの車を売ってるのなんか、セダンしか作らなくなってしまったホンダが悪いのだと思う。いまだ街中に 20 年落ちのシビックハッチが走ってるのに新車では手に入らないのだから、似たものを作ったもの勝ちだ。

お金もうけ的に見たら韓国式が日本式に連勝中な現在なのかもしれんが、人がお金もうけが上手かどうかなんて俺も俺の妻も俺の子供も興味はないのである。1曲聞いただけでこれはモノが違うとノックアウトされるような歌を作る人を、これはすごいとリスペクトせざるをえないモノなどを、輩出してからそれを自慢してもらいたい。お金もうけが上手なことを韓国民が自慢に思ってないのだったらすいませんだが、「KPOP は~戦略通りに成功している」というのはドヤ顔の自慢話に聞こえる。

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【映画「なくもんか」】なんかこの浮わついたノリってあれかな、例によって宮藤官九郎という人のノリなのかなと調べてみたらやっぱり脚本が彼だった。ふざけるのはもちろんいいんだけど、話や言葉が別に面白いわけではない。

阿部サダヲという人のマンガ的演技も、マンガほど自由な肉体を持っているわけじゃないのでそんなに面白くはない。「大人計画」をめぐる人々ってなんでそんなに人気があるのかなと思いながら、一度も笑わず見終わった。まあ「大人計画」自体の芝居は面白いんだろうけど、芝居小屋から出てきてこうして映画やテレビで大衆を巻き込むような芸ではないんじゃないかと思う、脚本家も役者たちも。

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■11/11/30(水) □ 日本語の習い方
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萌の日本語学校のワークブック(課題帳)が、残念なデキのものに変わってしまった。前年度までのワークブックは、「漢字の英語語義」+「点線をなぞる練習ドリル」という、カナダの日本語キッズにとってかなり実用的なワーク課題構成だったのだが、今年度の「中学生版(※)」はその両方がなくなり、「画数調べ」+「熟語語義調べ」の2本立てになっている。授業では国語辞典を引いて新字の画数を調べ、その字を使った熟語の語義テキストをまるまる書き写すという、実にめんどくさい作業をやらされたと萌は訴える。コピー? マジかよ。
(※)カナダ日本語学校の学年は地域の小中学校とシンクロされており、萌は6年生で中1クラスになっている。

このワークブックおよびテキストコピーという作業はいかがなものかと学校側に問い合わせると、「中学生だから辞書を使って語義を調べ自助学習するのが望ましいからこういう形態にしている」みたいな回答が返ってきた。いや、これじゃ自助学習にならんだろう。たとえば俺が日本語学習者で本屋でドリルを探していたら、このワークブックは買わんよ。作業項目だけが書かれ、学ぶべき情報が何も書かれていないんだから役に立たない。辞書の定義コピーなんて生まれてこの方やったこともない。

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さらに、「日本語と英語は違うので、日本語だけで学習するのが望ましい」とも学校側はいう。日本語でも英語でも仏語でもこうした、母語を排し対象言語漬けにすることが最良の言語学習法だという説は強いが、俺はそれにまったく同意できない。もちろん会話訓練ならばその言葉だけを使うのが一番に決まっているが、言語学習というのはなにも会話訓練だけではないのだ。会話の基礎には理解と記憶が必要で、それには対象言語と母語を併用するのが一番効率よいと、俺は自分の経験から思う。

たとえば萌は「寄付」の語義を、「公の仕事のためにお金や物を~」という辞書文をまるごとコピーしつつも結局「あげること」と覚えていたが、これは理解として正しくはない。ここで donate という言葉を使えば、ただの「あげること」とは質が違うよと、よりインスタントで正確に深く理解できる。子供が持つ知識と知性を使い、短時間で最大の効果が出るのである。あとはこれを忘れないよう応用定着すればいい。

萌と宿題をやり語義を覚えてない部分を俺が説明すると、萌はその言葉の下に英語で語義を書き記す。これは俺がそうしろと言ってるわけではなく、彼女の学ぶ心が自発的にそうさせているのだ。つまりそれが萌にとってナチュラルな学習法なのである。だから萌の場合、「寄付」の語義欄は「きふ-donate/donation」と自分の英語知識を利用し簡単に済ませ、例文作成に力を入れることがこのワークブック8のベストな利用法だろう(というかそれ以外利用価値がない)。

このようにすでに身についた母語という素養をフル活用し、学習対象言語と組み合わせ自分に最良な学習法を構築するのが、最も自然で効率がよい学習法だと俺は経験上も論理上も考える。対象言語だけを使うというのは不自然で非効率で非柔軟だ。授業と宿題で英語の使用を許さぬ萌のフレンチエマージョン(公立フランス語科)すらも、フランス語学習法として別に優れているとは俺は思っていない。時間量的にフランス語学習法として最強なだけである。

例文作成は生産的創造的作業だし、断片知識ではなくさまざまなことを関連づけてパッケージ記憶にする作業でもあるから、楽しいし身につく。今回萌が書いた例文も、多少間違ってはいてもどれも味があってよかった。「日本がじしんあったから、おかねをきふする」と書いたことを、萌はきっと忘れないだろう。

しかしテキストのコピーになど何の意義も感じない。国語辞典を引く面白さや意義は理解できるが、テキストをコピーすることは労務的機械的で非生産的すぎる。そんな《言葉を知ること》よりは、その《言葉を使うこと》の方に時間と労力を充てたほうが、有意義だしやり甲斐があるし身につくだろうと言いたいのだ。

まあ最終的に現場は授業をする先生に任せるより他ないわけで、こうしたことをできるだけ明瞭に書き述べ、あとはお任せしますと学校側に送っておいた。We'll see。

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あとでMにあらましを話し、「これまでこの作業内容で学校に苦情がきたことはないんだって。俺はなんでこういうことが我慢できんのかな」とこぼすと、「自分が正しいと思い、それに反することに屈従できないのは、私とあなたの最大の共通点だ」と言われた。たしかにそうだ。それでしょっちゅう夫婦ゲンカもしてるわけですw。

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■11/12/02(金) □ 柏の栄光
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【Jリーグ最終戦・浦和-柏】バンクーバーの柏サポ氏と同時ネット観戦。
◆ う~む、外国系サッカー中継サイトは軒並み urawa vs kashimaになっている。。。困ったもんです。
◇ なんで困るんですか?
◆ mではなくてW
◇ あ\(^0^)/
◇ これは、軽んじられてますね柏。

浦和はあの天才小兵 MF 山田直輝がトップで、序盤はこれが少し効いて柏が様子を見ている感じだった。しかしそれも時間の問題で、じきに浦和の状態を見切った柏の一方的な攻勢となる。柏はどこを取ってもいい動きだが、レアンドロというブラジル人の巧さに驚いた。何度か見て、よく走りよく働く優良ブラジル選手とは思っていたが、この試合ではタダモノではない美技を連発している。Jリーグでは久しぶりに見るボールの足への吸い付きっぷり。「Jの歴史でも指折りなほどの外国人選手」とアナが言っていたが、たしかにそう思えるくらい素晴らしい。

そしてピンボールの如き先制点。すごい。ポストに当たってあそこに転がってくるとは。それをそのまま蹴り込むとは、ワグネルという選手も強烈だ。

このブラジル人2名に劣らず、柏全体がいい。全員インターセプトがうまいし、ボールさばきもパス出しも自信とスピードに満ちている。U-22 代表の酒井などはまことに大物感あるし(体が大きいので切り返しで相手からガバッと距離を取れ、いいクロスを送れる)、俺が全然知らない選手もみんな確信に満ち迷いがないので素晴らしいプレイぶりで、大谷など代表チームの中軸ボランチと言われてもなるほどねと思うくらいの冴えまくりだ。これは柏全員のレベルが上がってるとしか思えないな、ほんと。シーズンを通して1位をキープするなんて経験には、そういう効果があるのかもしれない。同じ素質と技量でも、試合中にどれだけ確信を持ち落ち着いてそれを実行できるかで効果がまったく違うんだろう。追加点も取り完全に圧倒して前半終了。

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後半選手を入れ替え反撃を開始した浦和が得点。しばらく浦和が優勢となったが、再度柏はペースを握り返し、しっかりと追加点を取って突き放し、あとは怠りなく丁寧にゲームをクローズして終了となった。やっ・た。やりました。おめでとうございます\(^-^)/\(^-^)/\(^-^)/!

会場がやや静か過ぎる優勝セレモニー。こういうどアウェイでのセレモニーというのも、なかなかぎこちないですな。この静かさはチト残念だが、浦和としては自分のチームが屈辱にまみれ相手は栄光に浴してるのだから、そんなに盛り上げてあげる元気もないんだろう。Jリーグが組織として場所に関係なくドカンと盛り上げてほしかった。

ホームで決められなかったことは柏にとって気の毒だったが、しかし文句ない優勝だった。今日の強さを見れば、この優勝をサプライズだなんて誰も思わないだろう。柏の全員がこんなうまくなり機能しているということがサプライズなのだ。この監督ならこのままの勢いをクラブW杯に持って行ってくれそうで、楽しみになってきた。遠藤や玉田をクラブW杯で見れないのは残念だが、レアンドロ率いる柏の連動組織が世界を驚かせてくれたら、それも小気味よいのである。