2012/05/18

日記「俺も Google フォン入手」

「ティーンエイジ Wifi ライフ」「アンドロイドと PPC は大違い」「指タップの謎」「アンドロイド OS は低性能?」「日カ UI 観の違い」

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■12/05/04(金) □ 俺も Google フォン入手
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初代 Google フォン(HTC G1)
なんとBRばあちゃんがなくしたセルフォン(アンドロイド携帯)が見つかり、すでに彼女は新しいのを与えられているので、今回紛失→見つかった携帯は萌が使えばいいとの通達が元締めオーナーのMKからある。―――! ということは。萌が今使ってるあの初代 Google フォン(HTC G1)は………とお伺いを立てると、もちろん好きにしていいと言われた。かくして俺も突如アンドロイドフォンユーザーとなる。すごい。

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しかしこの紛失したほうのセルフォンを取ってくるのが大変だった。「モールのカスタマーサービス」と言われてモールに連れて行き、見つかった電話を取りに来たとBRが告げるとそんな電話はないという。でBRが「なんですって!? ここはどこ?! ローヒードモールじゃないの?!」とカナキリ声を挙げ、ここで俺が連れていくモールを勘違いしてたのだと判明。電話をなくしたのは至近のコキットラムモールではなく、3町向こうのローヒードモールだったのだ。がっくー。道中も駐車場でもモール内を歩いていてもBRは間違った場所にいることに気づかなかったわけである。がっくし(笑)。

脱力笑いしつつ改めてローヒードモールに行きカスタマーサービスに行くと、今度は感じの悪いオバちゃんがニコリともせずに、「このカウンターにはない、何日になくしたのだ、あなたに電話したのは誰だ」とBRを責め立てる。BRは質問に答えられないので動転し、どうしてよいのかわからずソーリーソーリーと謝るのである。俺はBRの袖を引っ張り、

「謝るこたあない。誰が電話したかなんて知ってるワケがない。向こうの内部連絡が悪いのであって、あなたのせいではない」

と難聴のBRと受付オバちゃんの両方に聞こえるように大声で怒鳴る。これでオバちゃんの態度がやや改まり、やっとあちこち電話して調べてくれた。こういう「私はあなたのために働いてるわけではない、他の社員のミスも自分とは一切関係ない」という態度を見せる人はカナダじゃよくいるが(アメリカじゃもっと多い)、だったら裏方をやっていてくれよ。人前に無愛想な顔を晒さないでほしい。

でようやく別のカウンターにあることが判明したのだが、そこで「どこの会社のセルフォンだ」と最後の謎解き関門があった。BRはここでまた絶句したが、俺が「会社はわからんがアンドロイドフォンだ」と答えると、「あああのサムソンね、じゃあなたがBRだね」とようやく解決となった。やれやれ。

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かくして回収した電話は萌のものとなり、初代 Google フォンが俺のものとなった。自分のものになるならばと前とは違う熱心さでいじってみるが、最初に萌の Gmail アドレスを入れるのに1時間かかったように、やはりこの OS は操作ロジックがわからない。アプリの操作はメニューとバックボタンの2ボタンしかないらしい。この2ボタンの組み合わせてさまざまな用途をこなすわけだが、これまで使ったどんな OS とも違ったロジックなのでとにかく戸惑い思うように操作できない。タスク管理バーはなく、いっぺんバックグラウンドに回ったアプリはフロントに戻せない。なにが裏で開いてるかも不明。いろいろと不便な OS である。

アプリはモノトーンなデザインで全体的にアップルっぽい。ビジュアルはいいが使いにくいというのが初日のアンドロイド感想。コンピュータ世界は簡単な仕事がめんどくさくなる方向に進んでるよな。しかしとにかくめんどくささを我慢して一旦設定さえ済ませてしまえば、Google マップと Wifi ネット環境とカメラ・ビデオが手に入る。日本語入力は弱いだろうから Pocket PC との併用になるが、頑張ろう。

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■12/05/05(土) □ ティーンエイジ Wifi ライフ
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萌がもらったサムソン・アンドロイド携帯は俺の Google フォンより世代が相当に新しく高性能で、キビキビ動くし動作するソフトウェアも多い。萌は「とにかくセルフォンでテキストしたい」と言っていて、携帯電話アカウントはないのでいわゆるテキスト(携帯メール)はできないからどうしたものかと思ってたのだが、一番の親友のSRも幸いアンドロイドフォンだったのでお互い標準装備の gTalk で Wifi 無料テキストしまくれる。小さなキーボードですごいスピードで打ちまくりケラケラと笑っている。よしよし。

さらにこのアンドロイドフォンを Skype 化しての Wifi 会話にも成功した。Skype は驚くべき高音質で、ラグはあるが完全に実用になる。友達もペアレンツに頼んで PC や Ipod にこれを入れてもらえば、お金がかからず皆バーチャル個人電話だよと説明すると、身を震わせて喜んでいる。夢が広がるティーンエイジ Wifi ライフ。

アンドロイドフォンで驚くのはオフにしていても、Skype や gTalk がくればちゃんと着信することで、こうなると Wifi 環境にある限り完全に携帯電話だ。スマートフォンってオフにしていても Wifi は生きてるんだな。使ってみて初めて知った。道理で電池が減るわけで、萌は半日使ってカラっぽになったが。

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【FIFA09 Wii】英エバートンで全タイトルを取ったので、もう一段弱いチームで他のリーグをやってみようと、スペインのエスパニョールを試してみる。せっかくだから史実通り俊輔を入れてみようと購入すると、初戦レアル戦でいきなり彼らしい左足一閃のロングアシスト。中盤に置けばプレス力が弱く、サイドに置けば突破力がなくて厳しいんだが、ドタドタとボールを追い、ボールを持てば小味の利いたパスを出す俊輔を操作していると愛情を感じてしまった :-)。

エスパニョール俊輔2戦目は2アシスト。FW がちゃんと決めてくれればあと3点いけたという好パス連発であった。やっぱり俊輔に預ければいいボールが出るとチーム(俺)もわかり、彼にボールが集まる。そして俊輔が1人交わしてパスを出すと、見事に味方が走り込んでいる。FIFA ではパスの正確さに加え、走る味方がどれだけ見えているかというのも選手のパス能力となる。俊輔は監督(俺)がはっと驚くようなところにいいボールを送り込んでくれる。これまで使った中でもモントリーヴォに並ぶワールドクラスだわ。怪我がなければやっぱり当然ここでも十分にやれたわけなんだよな。

―――ああ、このよくできた FIFA で中田も使いたかったな。俊輔に 83 と高い評価がついてるんだから、最盛期から相当に落ちた 2006 年頃、ボルトン時代の中田でも十分働けるだけの能力はあっただろう。ボルトンのアラダイスはけっこう酷な監督だったので、中田はプレミア中盤としては平凡な守備力が強調されるポジションしか与えてもらえなかったのだが、持ち味を知るものが使い所を考えてやれば引退まであと数年プレミアで十分働けただろうと思う。それをやってみたかった。

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■12/05/06(日) □ アンドロイドと PPC は大違い
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萌のアンドロイドフォンは順調なのだが、俺は PPC/WM (Pocket PC/Windows Mobile) と同じ環境にしようとしてうまくいかずにいる。携帯デバイスのキラーアプリである手書きメモとボイスレコーダーが標準でないのが痛い。アプリを探せばいろいろあるが、どれもデキは PPC/WM デフォルトに劣る。この2つをハードウェアボタンに割り当て、ボタンを押しただけで録音、手書き(線画入力)開始できるのが PPC の便利極まりないメモ取り機能なのだが、アンドロイドではどうしても実現できない。Pocket PC より世代が 10 年近くも新しいのに、こんな重要で単純なことができないとは意外であった。

アプリの出来が悪いのではなく、常時ロックがかかり、ハードウェアボタンが少なく、その割付もできない(v1.6 で動作するボタン割付アプリは結局1つもないので、OS に制約があるのだろう)アンドロイドのアーキテクチャが、こうしたメモ取り機器として使おうという用途を阻害してるのである。

まあ2日いじってわかったが、設計思想が違うとしか言いようがないな。「ファイルを持ち出して出先で思うがままにいじれるマイクロ Windows +(上記の)速攻完璧メモ取り機能」というのが Pocket PC/Windows Mobile の骨子だったのだが、ファイル転送すらできないというか、ファイラーが入ってないんだから「ファイル」という概念すらないのがアンドロイドなのである。つまりこれは「ネットコミュニケーション機能が万全な電話」なのであって、俺が Pocket PC で追求していた携帯読み書き機器ではないんだな。

しかし PC のない1階で FIFA をやりながらMKとチャットし、メモを自分宛に送っておける(Google トークに送っておけば PC とアンドロイドをシンクする必要もない)んだから、こうして携帯からネットに安定してつながるというのは実にありがたいことだ。Windows Mobile はブラウザは出来がよかったが、チャット機能は実用になるアプリがなかったのである。

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萌は今日午前中は俺と一緒にセルフォンで遊び、午後はSFが来たのでいい日で、夕方散歩しようと誘ってきた。自転車で久しぶりに走り回る。萌は最近スポーツにちょっと熱心になっており、自転車で普通に移動しながら立ち漕ぎやホップに挑戦している。


この電話のカメラ/ビデオは暗くて超低性能だが、
携帯していればこそこうして撮れるなと
ありがたみを感じる瞬間
で公園についたら見せたいことがあるといって自転車を止め、公園の低いフェンスをひょいっと片手つきの背面跳びで飛び越えてみせた。おお。簡単なことだけど、運動神経が鈍く臆病な萌がそんな軽業をやるので驚いた。どうやって覚えたのかと聞くと、「スリープオーバーのときSRが教えてくれた。ポリスに追いかけられて、これで逃げたんだって」なんていう。ポリス.....(^_^;。こないだ誕生パーティでお父さんやお母さんとジャムセッションさせてもらった音楽一家のSRは、他の子たちとはちょっと違った個性であるようである。

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■12/05/07(月) □ 指タップの謎
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アンドロイドチューンの日々は続く。最初に iPhone に触ったときにも思ったけれど、なんで指タップにしたんだろうこれ。唯一考えられる利点は「ペンがなくても操作できる」だけど、DS だって Pocket PC だってペンがなくても爪で操作できるじゃん。実際 DS の画面を指でタップするのと同じくらいの精度だろう、アンドロイドのこの指タップ式は。だからメリットが1つもわからない。

Palm のグラフィティ、Pocket PC の手書き認識、DS でのあらゆる操作と十分に定着していたペン操作を全部ナシにして、指タップなんていう不合理な操作体系がハンドヘルドのスタンダードになってしまうとはなんという無駄だろう。誤タップによるフラストレーション世界総計はすごい量なんではないか。

―――あそうか、指フリック(ページフリップ)というカッコ気持ちいい操作性を実現するために指操作にしたんだな。iPod の最初からその操作CMをバンバン流してたもんな。指フリックはまあたしかに気持ちいい。だがそのために他の不便を全部受け入れるというのはなんなのか。それにアゲイン、ペン操作だってフリックは完璧にできるわけで、これも指タップを正当化するものではない。

アローキーとペンがない操作系ゆえ、テキスト選択&コピペ、ページめくり閲覧という基本編集操作性は MS-DOS 以前というか、コンピュータ黎明期のラインエディタに近いくらいにまで落ちている。そういえばテキスト編集時のえらいめんどくさい選択操作なんかは、MS-DOS 以前の Unix Emacs に似ているな。

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それに Mac からの影響なのだろうが、Delete がなくてバックスペースだけだという UI にも参る。昔の Mac がこうだったが、BS(アンドロイドの Del)は「たった今打ち間違えた箇所を消す」というタイプライター的な単機能キーであって、その他のどんな編集作業でも役に立たんではないか。消したい箇所ではなく消したい文字列の終端までまずカーソルを持って行かなければ削除が始められない。そしてマウスやアローキーのないスマートフォンでは、このカーソル移動自体が大苦労なのである(※)。
(※)この初代アンドロイド OS(1.6?)はさらに画面タップにバグがあって、対策を施してあるアプリ以外は全部、編集画面をタップした瞬間カーソルがファイルの先頭に飛んでしまう。こんな大バグを持った OS を出すんだから Google いやはや。

スマートフォンに限らずカナダじゃ学校でも PC/Windows での削除方法を教えておらず、萌なんか Windows なのにマウスで削除したい部分を選択して BS を押す。Shift+アローでテキスト選択という操作すらしない。こんな馬鹿操作をやらせているカナダ学校のコンピュータ教育の阿呆さにも恐れ入る。

こんな面倒な UI や操作性を放置してる北米人が作った操作体系が世界基準となり、見た目はしょぼいが操作系は万全だった NEC モバイルギアやカシオは市場から消えてしまったんだから腹が立つ。モバイルギアで動いてた DOS の DoDiary なんて、いまだに史上最高のスケジューラ/小規模データベースだったと思う。Google アプリ群なんて比較にもならん。

スティーブ・ジョブズがどれほどえらい人なのか俺はよくわからないのだが、どれほどえらくてもこんな UI をスマートフォンのスタンダードにしたことで、マイナス 30 点くらいつくのではないか。

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■12/05/08(火) □ アンドロイド OS は低性能?
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引き続きアンドロイドチューン。ホームに出すアジェンダ、天気予報、手書きメモ、クリップボード履歴などを入れて、徐々に Pocket PC に近づいている。長文テキストが快適に読めるテキストエディタ、Jota も見つかったので、萌を学校に送りながらもう Pocket PC は持ちだす必要がないかなと思っていた。

Jota は WM 時代からあるソフトウェアで素晴らしいデキなのだが、アンドロイドの制約らしくどんなアプリも一度に1枚しかファイルを開けないのに困った。バックグラウンドに回ると他のアプリとのメモリー兼ね合いでランダムに閉じてしまうし、アンドロイドのマルチタスク性能は異常に低いと感じる。実際アンドロイド OS は、Linux 云々という割にえらい低性能だよな。初代 Google フォン自体のハード性能が低いのだとしても、俺のカシオ Pocket PC 2002 より6年は新しいはずなのに、なにをやらせてももっさりなのである。

日本語入力はシメジというのが高精度で驚いた。語彙は不足しているが予測変換までしてくれるので、Google 日本語入力よりも POBOX に近い。これとハードウェアキーボードの組み合わせは強力である。―――まあとはいってもアンドロイドというか指で触るスマートフォン全体がカット&ペーストすらまともにできない環境なんで、そんなに書き続けることなんてヒトの集中力の問題として不可能なのだが。

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■12/05/09(水) □ 日カ UI 観の違い
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買い出し。アンドロイド上に作った買い物リストを手にスーパーをシャカシャカと歩いていると、やっぱり手元からスルリと落としそうで怖い。なんでこんな落としやすいものにストラップ類がつけられないのかワケがわからない。萌はすでに一度ガッチャンと木の床に落としている。スマートフォンは辻褄の合わない事だらけだ。

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出かけたついでにうちのアンドロイドフォン群の元締めオーナー(アンドロイドアプリ開発者でもある)のMKのところに行き、アンドロイドについていろいろと話す。Pocket PC/Windows Mobile のほうがいいデザインだと思うが(ちょっといじれば完全にキーボードなしの Windows になるから)、オフでも gTalk などが着信する Google のインテグレーションは素晴らしいというのが俺の感想。MKは Windows Mobile をチューンして使い良くするなんていうことをするのはトモみたいな凝り性なやつだけで、そんな奴はそんなにいないから PPC/WM は普及しなかったんだ。世界の大多数は買ったものをそのまま使いたいわけで、それには iPhone、アンドロイドがよくできてるのだとのこと。

俺が最大の欠点だと思う指タップは、従来のタッチスクリーンは硬度が不足し必ず傷が入ったが、この指式はガラスだからその心配がないとメリットを挙げる。それにしたってこんなドゆるい精度がスタンダードになるなんておかしいだろうというと、「慣れたら押し間違えはしないしそんなに気にならなくなる」との意見だった。俺だって1週間いじって慣れたけど、操作性はペン操作の足元にも及ばないという気持ちは最初から変わらない。

奴は俺がすでにカスタマイズしまくってる Google フォンを見て、「ぼくはこんなに変更したことがないよ」と笑っていた。MKみたいな真性ギークでも、スマートフォンのチューンアップなんてしないものなのか。そのへんに操作性を改善してやまない日本人とカナダ人の違いがあるのかもしれないな。奴の Linux 操作もコマンドライン中心で、相当にめんどくさいことを厭わずやってるしな。

ストラップの欠如については、「落としても壊れないから大丈夫」との見解。感覚が合わんー (^_^;。

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