2013/12/29

日記【マウイ旅行①】風景写真の難しさ

「飛行機映画はコリア圧勝」「コンデジ活躍」

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■13/12/12(木) □ 飛行機映画はコリア圧勝
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 【マウイ行き】なんと1時間飛んでから「通信機材の故障」とかで飛行機が引き返した。まあ飛行機材故障じゃなくてよかったが、1時間かけて戻り飛行機内で1時間待機し部品を換え、再出発。都合3時間遅れである。着いたらすぐ晩飯にしようと考えていたのだが、昼過ぎから午前0時まで飯抜きとなるわけだ。果てしなく空腹でげんなり。


この低層民家群の屋上で友情と活劇が展開する(解説)
飛行機内では韓国映画【隠密に偉大に】が大変に面白かった。最初は北朝鮮スパイという悲劇的かつ滑稽な存在を扱った軽いコメディかと思ったらだんだん国家と家族と友情的な話になっていき、最後はスケールのでかい大活劇となって終わる。昔見た韓国ドラマはくだらん古いと思ったが、この映画はまことに面白かった。

 普段は愚か者を演じる主人公が夜スパイの本性を表し、ソウル(?)の民家の屋根をわたっていくシーンがカリオストロのように美しい。あんな低層の民家群は日本の都市にはもはやなくて、いい景色だなあと思う。役者陣も当然知らぬ人ばかりだが皆魅力がある。ボーイズラブ味も濃厚に入ってた。

もう1本の韓国映画【監視者たち】も、「隠密」ほど面白くはないがよくできたサスペンスであった。表情の堅い女優にアジアの魅力あり。俺は心情的にコリア製品をライバル視し軽んじたいところがあるのだが、韓国サッカー代表やこれらの映画を見るとやっぱ力があるなあと感じ入ってしまう。

 徴兵があるせいなのか、韓国映画にはコンバット式に人を無機的に殺すシーンがやけに多く、趣味が悪い。そうしたグロへの鈍感さが韓国映画の欠点だと思う。あとドラマにも映画にも必ず「アメリカで成功する」という夢や言及があるのがビンボくさい(笑)。しかし機内の中国映画では3本とも悪役として日本人が抜擢されていたのだが、そういうのとはまるでクラスが違うなと思う。



 ―――というかフライトシステムに3本入っていた日本映画はあれはなんだ。「謎解きはディナーのあとで」「真夏の方程式(ガリレオ)」「俺はまだ本気出してないだけ」。前2本の日本スターシステム映画を外国人が見るだろうか。日本人はあれを見てもらいたいだろうか。「監視者たち」の女優に比べたら、北川景子なんか 1/10 も魅力ないよ。

 【俺はまだ本気出してないだけ】だけを俺は見たのだが、主人公に愛嬌を感じなければ明確に笑えるところもないぬるいコメディなわけで、それを感じるには堤真一に親しんでいなければならない。彼を知っている場合のみ、ただ怠惰な男の描写では終わらないだろうとどこかで信じ見ていられる。

 オチがないのは日本映画の常道で俺はまあ楽しめたが、これを輸出しても仕方がないと思う。カナダの乗客がもし「隠密」とこれの両方を見たら、どっちを評価するかは明白である。かけられる予算が違うのは明白だが、「スターシステム」か「低予算小味」しか選択肢がない日本映画は弱い。小味で勝負するのはマンガでできる。映画ならば低予算でもちゃんと面白いストーリーで勝負してほしい。

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 着いてレンタカーを借りスーパーで食べ物を買ってホテルに飛び込み食って寝た。お疲れ様。

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■13/12/13(金) □ コンデジ活躍
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 朝7時に起きビーチを散歩、食材の買い出しに行く。俺と萌にはカメラ天国なのだが、俺は PEN E-PM1 につけるレンズに迷っている。



どちらも防水コンデジTG-630
朝はズームは萌の TG-630(防水コンデジ)に任せて単焦点シグマ 19mm をつけて行ったのだが、画質はパーフェクトなものの画角がコントロールできないのがちょっとやはり、人と一緒に歩くリアルタイム撮影には難しい。ズームはほしいし換算 38mm は広大な景色を撮るにはやや狭い。暗くなると SIGMA のほうが絵は明らかに良くなるのだが明るければ大差ないし、午後出かけるときは MZ ズームでいこう。

 TG の画質は予想以上に良い。濡れても大丈夫だというのはやはり海辺で最強で、波の打ち寄せる砂浜でローアングルで写真を楽しんだ。

 今日は時差調整とあれこれ買い出しのみのスローな日となり、夕方ビーチに脚だけつかる。暗い中脚まで水に浸かり TG で撮ったのだが、素晴らしい絵になっていた。拡大 1.5 倍くらいまでならノイズも見えないだろう。これはいい買い物であった。これまでのところメイン機である PEN E-PM1 はまるでいい写真を生産していない(笑)。だがまあ観光はこれからだから。

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■13/12/14(日) □ 風景写真の難しさ
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車載娘カメラは旅情ある写真をたくさん撮ってくれる。

火口写真でようやくE-PM1の出番、レンズは標準ズーム
15年ぶりのハレアカラへ。前回は寒くて大変だったのだが、好天に恵まれ海抜ゼロから富士山頂相当までのんびりと登っていくハレアカラ登山ドライブは最高であった。高低差 3000m である。

 萌に TG-630 を持たせ、道中車内からガンガン写真とビデオを撮ってもらう。こないだ車内用に作った Aiko/イエモン CD が萌に大ヒットで、「Boyfriend」「ラブラブショー」をとわーと歌いながら気分よくドライブアップ。「ラブラブショーの頑張っちゃうもんねってなんかダサくない?」と萌。いやイエローモンキーはカッコいいのに軽薄なところがいいんだよ。「中央フリーウェイ」も入っている。中央フリーウェイ、右に見えるキヘイ湾。左はハレアカラ山。

 しかし火口につくと、こういう絶景というのは写真の撮りようがないなと思った。どこからどのアングルで撮っても美しいので、どれがベストショットなのか全然わからない。撮影していて思うことは「こんな一生に何度かしか来れない絶景で露光や設定に失敗していたらエライことだ」というようなプレッシャーに近く、設定を変えながら何枚も同じものを撮ることになる。後悔をしないために写真を撮っているというか(RAW で撮ればカラー設定くらいは後から変えられるのだが、実際はオリンパスの現像ソフトが激重でやってられん)。


空気の薄い中決然と火口を降りていくM母さまシリーズが
よかった(構図アドバイスbyエルゲラ先生)。

何枚も同じショットを撮っていると、俺が撮ってるこんな写真なんてパンフレットの写真と変わりないよなとやや虚しくもなってくる。カメラの達人はこんな絶景の中からも、さらに自分だけのアングルや光を汲み取るのだろうけども。

空気が薄くて歩くとハアハアになる中、Mは下まで行きたいと歩いて行った。俺と萌は頑張ってくださいといってその写真を撮る。クレーター内に降りていくこのM奥様の一連のショットはよかった。 やはり同行した人が入っていると自分にとっての意味が出る。こうしてあとから眺めると、2枚目なんかトレールのカーブがMたちとかぶらずきれいにフレームに収まっていればきっと気持ちよかっただろうと思うが、撮ってる時はそれにまるで気づかんのである。なぜだ(嘆。場数を踏むしかないのか。あとわざと近くのものを撮り背景をボカすとかそういう、何かを狙い能動的に撮ったものはおおと感じるけども。

 いつも思いがけないいい写真を撮ってくれる萌画伯も、景勝を前にすると俺と同じアングルの写真しか撮れないようであった。しかしさすが画伯で、モノクロで何枚か撮ってくれており、これが変化となっていてよかった。とにもかくにも風景写真は構図が難しい。

 帰路CD 曲が尽きるとラジオに切り替えたのだが、ハワイのラジオは選曲がいい。知らないバンドのいい感じの音楽がどんどん流れてくる。バンクーバーにはこんなセンスのいい局は1つもないぞ。ロック局は60代の青春懐メロとしてZep/フロイドのヒット曲を流すばかり。80 年代ロックすら流さないんだからな。



夜、プールで初めて水中撮影のテストをした。こういう防水カメラはパッキンにゴミが付着したくらいで浸水してあっという間に死ぬと読んだのでけっこう緊張していたのだが、新品なので当然ながらまったく問題なし。

 しかし水中でかっこよくポーズを取った写真を撮ろうという意図なのだが、何枚撮っても溺れ死にそうなアカン人にしか見えない。腹が痛い。

日記「日本ポップロック・インベージョン」

「姪と『ラブレター』」「サブカメラの画質」「『ラブレター』の説明法」「初雪写真」「目立ちたがる先生」

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■13/11/25(月) □ 姪と『ラブレター』
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この日本版も買ってしまいそう
昨夜連泊した姪SFが「ずぶんは『ラブレター』で負けたことがない」と豪語するので、君ねこのゲームは日本製だよ甘く見てもらっては困ると挑戦し、7-3で粉砕された。つ、つよい。人の心が読めるのか? このゲームはやる気のない萌Mとしかやったことがなかったのだが、勝負に来ているゲーマーとやるとやっぱ最初から笑ってしまうくらい楽しい。SFは英日イラスト版を両方持ってるが英版よりも日版の絵が好きだとのこと。大臣/愛人ルールはどっちも面白さがあるのだそうだ。

「ラブレター」を英語でやる場合、相手の職名を当てる兵士は「you are…a prince!」という感じで出すのだが、やってるうちに「you are…a racist(人種差別者だ)!」「you are…a traitor(裏切り者だ)!」と三文芝居みたいになってきて笑った。

 SFはうちの「空中庭園」も気に入ってくれ、今日も1戦して帰る。バス停まで送ると「家族がゲーム好きでほんとうにうれしい」と言っていた。そうだよなあ。まあ家では親もKV兄もボドゲをやらないのだが、こうして親戚と会うたびに存分にやれるもんね。

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■13/11/28(木) □ サブカメラの画質
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 奥様の誕生日&年末のマウイ旅行用にプレゼントした防水カメラオリンパス TG-630 は、防水ゆえレンズが暗く夜はノイズが厳しいと判明してるのだが、朝車の中から風景を撮ると、晴れていれば色も出るし精細感もありちゃんと写る。12 月に行くマウイでは PEN が風景を撮るわけで、こいつの本職である水中ではちゃんと頑張ってくれるだろう。

 かつてスバルレガシィを買って突然カーマニアになったように、俺は PEN を買ってからいきなりカメラマニアになった。だから PEN に続くこの2台目も長所短所がよくわかる。TG-630 を使ってると長いズーム(換算 28-150mm、PEN 標準ズーム MZ14-42 の約2倍)はいいなあと思うが、気が付くと車の中から撮ってる写真は画角とシャッタースピードの兼ね合いで 70-80mm くらいになっている。つまり MZ14-42 とまったく同じ距離。MZ はなかなか絶妙な設定なわけだ。もっと長い望遠はほしいが、あの安くてバカ長い 40-150mm はいやなのである。MZ14-42 くらいの大きさで 14-100mm がほしい。

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■13/12/01(日) □ 「ラブレター」の説明法
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 ボードゲームデイ。前回なかなかよかった「ドミニオン拡張・異郷」は公式セットを使ったのにカードの相乗効果が弱くてなんと75分もかかり、前回3人ではけっこう楽しかった「キャメロットを覆う影」も4人だと人数が多すぎるのかゲームが長くて疲れた。3ラウンド先勝でやった「ラブレター」だけがクイック&ライトニングで楽しかった。

 【キャメロット】パンデミックもそうだが、協力ゲームって危ない箇所を淡々と修復するお仕事感が強い。良効果のある白カードでいいものが出ない限り、いい手を思い描く工夫の余地がない。俺は1時間半の間ただ聖杯を守っていた。萌はゲーム途中で抜けてしまったが、それでも別に問題なく続いてしまうのも協力ゲームが基本お仕事たるところ。アーサー王の聖剣伝説というお題は素晴らしいので、これこそ RPG 仕立てにしたらよかったろうな。装備を揃え、敵や竜と戦うというような。

 【ラブレター】は「あなたは姫にラブレターを渡すため、より位の高い人に手紙を託したい…」と設定を説明しても、「ハァ?」という感じで誰も食いついてこない。これはいい舞台設定だと思うのだが、言葉で説明するといつもこんな感じ。もっとうまく一言でこのゲームを表せる文句がないものか。
『姫にラブレターを渡すため城に忍び込み、毎ターン2つ選べる職業から1つになりすまし、他方をダマして操ることでライバルを追い出すゲーム』―――次からはこんな説明がいいかも。手紙を届ける当の姫を指名して脱落させることもあるわけだが、プレイヤーはみな同じく忍び込んだ平民であり、姫もなりすましのニセモノだからですよオフコース! と説明できる。2択というプレイ手順も同時に説明できる。

 説明は今回もうまくできなかったが、しかしゲームが始まればみんなすぐにニヤニヤし熱くなれる。やっぱり相手を指定し窮地に陥れる行為は楽しい。やられたらやり返す、ラブレターだ。僧侶で身元がバレたターンにそのカードを当の相手に押し付けるといったカードのアヤも順調に発生して盛り上がった。

 MKがこないだ立てた「レジスタンス」はメカニクス的に推理を働かせるための手がかりが極限まで削られている(作戦実行に賛成したか、作戦が成功したかの2つだけ)ので、二度とも全員が「ん? いまの作戦結果の意味はナニ?」と思っているうちに終わってしまった。皆がロジックの構造を掴めば推理が加速し盛り上がると思うが、あの感じではもう卓は立たないような気がする。

 一方「正体隠匿」で共通するこの「ラブレター」は半分が運で残りが思考、記憶、カードのアヤくらいの塩梅でゲームができており、当てずっぽうで進みながら引いたカードでひらめくものがあればそこで「ホレこれを喰らえ!」とプレイできるので、複雑なロジックを要さず誰でも最初から戦える。「レジスタンス」「お邪魔もの」など他の正体隠匿系より嘘をつく楽しみは少ないが、同系の面白さをあっという間に味あわせてくれる。

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ゲームがやや退屈だったので俺と萌は写真を撮っていたのだが、最近うちでヒットしているモノクロで撮ったラーメン萌の写真の画質が素晴らしくて、PEN と SIGMA の性能に惚れ惚れしてしまった。スープがからんだ麺をくっきりと質感豊かに写し、そのわずか向こうの萌の顔がボケている。素晴らしい。

 このカメラのモノクロはただ色を抜いただけではなく、モノクロームフィルムで撮り紙に焼いた写真になっていると思う。昔カメラマンの友達がくれた大判紙焼き写真にそっくりの質感なのだ。今思えば彼が使っていたあの古いレンジファインダーカメラは、ライカとかそういう銘品だったのかもしれない。

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■13/12/04(水) □ 日本ポップロック・インベージョン
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 こないだ「外国人のど自慢」でダイアナガーネットさんのヒステリックブルー「春」を見、萌の日本音楽マインドにやや火が灯った気配なので、ここぞと洗脳用日本ポップロック CD を作り車でかけまくる。

1 閃光少女
2 Boyfriend (Aiko)
3 くちびる
4 そばかす (Judy & Marie)
5 春
6 Remember me (くるり)
7 今夜はブギーバッグ(小沢健二)
8 SPIRIT (スガ シカオ)
9 黄金の月
10 ラブラブショー (Yellow Monkey)
11 So Young

てな感じ。いやー日本ポップロック強力 :-)。この CD のおかげで萌が部屋でも日本ポップ&ロックを聞き出した。「春」を爆音で流し歌っている。よしよし。

 俺は毎日の移動中カナダのラジオ数局を渡り聞き、興味をひく曲があれば耳を傾け、娘経由で米加のヒット曲はすべて強制的に聞かされているが、こっちのヒット曲のクオリティはスティービーワンダーやプリンス時代から考えられないくらい下がっている。日本は下がっていないし、バラエティが爆増している。こうして両方聞かせてしまえば、どっちの音にクオリティがあるかは自明だ。

こないだに M ステに出たカナダの歌姫アヴリル・ラヴィーンが、「M ステにはもう9回も出ており、毎度インスパイアされる」と社交辞令を言っていたが、啓発されてたら CAmFG みたいな曲ばっかり作らんだろうと思う。いまの米加のヒット曲はジャニーズレベルである。ただ歌がうまいだけ。

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■13/12/10(火) □ 初雪写真
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 昨夜のうちにさらに3~4cm 積もったので朝イチで雪かき。気温は思ったよりも上がっており、今日は降っても雨だろう。萌はMが乗せていき、タイヤを中止してたのだがフレッシュスノーではきれいに排雪して万全のグリップだった。今日はどこもかしこもスラッシーではどうだろうか。

せっかくの初雪だからと写真を何枚か撮ったのだが、曇天ゆえ溶けかけの雪でただ白いだけのつまらない風景となっており、まったくインスピレーションが湧かずいいものは撮れず。

 しかし夜になってから外を眺めたらなんかイイ。北欧フィーリングというか(笑)。こういう暗いところをきれいに撮れるのは SIGMA の力。

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 SIGMA 19mm を愛用していたブロガー写真家読み書きさんが、2年目からオリンパスの廉価版標準ズーム MZ14-42 を使うようになっている。どうしたかと思ったら、それまでは持っていなかった M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm Ⅱ R を買い足したということらしい。E-PL3+MZ となると俺の E-PM1 と中身もレンズも同じである。

新品のE-PL3+M.ZUIKO DIGITAL 14-42mmⅡRを格安で入手した。以来、使用頻度トップの座を保っている。操作簡単でよく写る。
(レンズはMZよりも)やはり、単焦点のSIGMAが2ランクくらい上の写りがするような気がする。このズームは、望遠側のほうはもうちょっとがんばってほしいが、広角側は、これくらいでも、まっいいかと思った。


 と、「けっこう使える」と感じておられるようだ。そうだよなあ。こんなに目の超えたベテランと、腕と設定を除けば同じ画質で写真が撮れているというのはうれしいこと。マウイが楽しみ。MZ は昼間屋外ならシャープでいい絵が撮れる。インドア&夜景では今ひとつになるが、そこは SIGMA で補える。海辺や水中はこないだ導入した TG-630 水中カメラがある。マウイで写真を撮るのにもう万全な状態ですよ。

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■13/12/11(水) □ 目立ちたがる先生
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 【クリスマスコンサート】リメンバランスデーコンサートから数週しかないので、ブラバンはどの曲も完成度が低かった。合唱は今回も歌唱は素晴らしかったが、萌らギター陣は部員の背後で完全に陰になり音量も小さすぎ、姿も見えなければ音も聞こえないという残念な状態になっていた。萌も自分の音が聞こえてないことには気づいていて、戻ってくるとすぐに「ギター聞こえた?」とつまらなげな顔で尋ねてきた。うーん、あまりよく聞こえなかったのだゴメン。

 何ヶ月も練習してこれじゃギター担当のキッズが気の毒すぎるだろう。顧問のミスターBTは熱心な先生だが、いつも自分が弾きすぎるところが決定的に難点である。この合唱では指揮をしながら自分もギターを弾いているので、子供たちのギター音量が小さいことにリハで気づなかったのだろう。学校に音楽を分かる人は他にいないので、「指揮者がギター弾いてちゃオカシイ」「ブラバンはチューニングが合ってない」と誰も指摘できないところがいかんともしがたい。

 さて、これで学校は終わり。早く寝て明日は出発です。

2013/12/07

日記「初のグレイト合唱」

「子どもとの英会話」「SONGSポールマッカートニー」「防水カメラ導入」「キャメロットを覆う影」

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■13/11/07(木) □ 初のグレイト合唱
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 【リメンバランスデー】萌中学の戦没者追悼式。セレモニーは毎年似たようなものなのだが、今年は合唱部が素晴らしかった。音楽ド素人で曲のテンポに指揮を合わせられなかった合唱部顧問のマダムCが今年なぜか指導を降りてくれて、音楽教師 Mr Bt が指揮を取ることになったので期待してたのだが、期待通りによくなっていた。

 元ジャズマンである Mr Bt はブラバン指導は今ひとつなのだが(専門はサックスだそうで、自分が弾けない楽器やクラシック系の曲は指導できないんだと思う)、さすがにズージャマンで歌ものはこなれており、大きなアクションでキューを送るのでキッズの声が以前の倍は出る。声のタイミングが揃うし声量が倍なので、ダイナミックレンジが昨年比4倍。この合唱部は前1列だけがマイクを使い後列はマイクなしという馬鹿げた方式なので、以前は後列の声は聞こえず歌うだけ無駄だったのだが、今回は全員の声がマイク音量を上回りちゃんと分厚い声となって聞こえた。これこそ合唱だよな。よしよし。

萌は今回歌わずに裏方としてギター演奏に専念。反抗期で俺にあれこれ言われるのは嫌がるのでギター指導はできず、「とにかく照れてにやけるのはよくない。自意識過剰にならずクールに音に集中しろ」とだけ言っておいたのだが、非常にクールにやれていてかっこよかった。音も聞こえたしね。後でビデオを見て自分でも喜んでいた。俺がいい演奏に喜んでいることにも喜んでいた。



 同じく Mr Bt が指導するブラバンも、合唱部サクセスとの相乗効果なのかいつもより音が大きくパンチが効いており、楽器のチューニングも前よりもだいぶ合ってきてよかった。これまで見た中で最高だった。終わった後俺は Mr Bt を捕まえ、今日の音楽はどれもグレイトだったですよミスターと声をかける。BGM に「When September Ends」を使った演劇も簡潔でドラマチックで美しかったし、3年目にしてこれまででダントツな皆のパフォーマンスだった。やっぱりいい演奏って波及するよな。

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■13/11/14(木) □ 子どもとの英会話
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 iTunes の阿呆さのせいでまた萌とケンカになった。iTunes と iPod の組み合わせは、俺がこれまでいじったコンピュータ機器で唯一動作ロジックがわからないシロモノで、シンクさせたいものがせず、させたくないものがする。あれこれやってると萌が手間ひまかけたプレイリストが消えたりするのである。

 ケンカしたあと、「私も萌も英語で話すと言葉がキツすぎる。これからは日本語だけで話そう。日本語だと私らはキツイことを言えないから」と決めた。俺も萌も日本語だとこんなキツい言い方はしないという言い方を英語だとしてしまう。俺は外国人だから言葉がこなれてなくて硬すぎ、萌はティーンエイジャーだから言葉が粗雑すぎ、ガチガチぶつかって音を立ててしまうのだ。萌はもう英語8日本語2くらいの語彙バランスになってるので会話を日本語に限定すればよけいに会話は減るが、お互いが不愉快な思いをするよりマシである。

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 英語というのは子どもと会話する上であれこれ不都合がある。たとえば子供は母親を「mom」と呼ぶのだが、子供との会話内で俺が妻をマムと呼ぶことは文法慣習上できないので「your mom」としか言いようがない。自分の妻を「your mom」と呼ぶ以外会話ができないというのは変な話である。

 逆に妻が「your dad にこう言って」と俺への伝言を話してるのをまた聞きすると、なんか離婚した夫婦が子供を伝言役に使って会話しているみたいだなと異様な感じがする。日本語の「お父さん」「お母さん」にはそうした相対性を表す言葉ではなく、家庭内での位置を表す便利な言葉だと思う。

 また子供に「ユー」と言われると、英語に上下ポジションはないのだと理屈はわかっていてもいい気持ちがしない。たとえばなにか失敗を「お父さんがやったんじゃん」と言われたらそうかと思うが、「you did it」と言われると直截的で身もフタもない。せめて「you did it、お父さん」といってほしい。

 英語人でも大人はそういう気持ちの機微がわかり、you を使うときはそこに必ず名前やハニーを添えてクッションとするわけだが、ティーンエイジャーはむやみに自己主張が強く、言葉を和らげる努力をしない。日本でも同年代だと似たようなものなのかもしれんが、日本語ならばこんなつまらん会話のアヤでカチカチ火花が飛んだりはせんと思うのである。

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■13/11/21(木) □ SONGSポールマッカートニー
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 俺がずっと一緒にやっていたビートルズ狂のドラマーが、ポールマッカートニー in トーキョーの曲目解説をメールでしてくれた。ビートルズのことなら彼に聞くのが一番楽しい。



 俺も NHK 国際で【SONGS ポールマッカートニー】を見た。ラスベガスのライブ映像の「マジカルミステリーツアー」でポールがベースを弾くのを見ると、うわーとフレットを押さえる右指を見てしまう。ほんとにあんなベースラインを弾きながら歌えるんだ。いまでも。伝説は本当で、今でも本当のままなんだという感動であります。


 続いてリンダとウィングスの映像。ウィングスでベースを弾くポールの姿は圧倒的にカッコいい。いま気づいたんだけど、若きポールは音の2倍速で体がリズムを取っている。黒人ソウル的。ウィングスの他のメンバーは1倍速。やっぱり違うな。音楽の神と相思相愛だよ。

 俺は若い頃ディスコでボーイジョージみたいに踊りたくて踊れなくて、クラッシュでパンクな縦ノリしかできず(笑)悩んでいたのだが、プリンスのビデオを見て彼が音の2倍速でリズムを取ってることに気づき、以後どんな曲でも1倍パンクか2倍プリンスの選択で気持ちよく踊れるようになった。

 しかしカナダの人々はリズム2倍速取りなんてまったくせんので(腰を落としてツイスト風に踊る人が多い)、こっちのディスコで踊ると俺だけ頭がひょこひょこ群衆から飛び出してしまう。それでお前のダンスはヘンだと笑われ、わかってないのはお前らだ愚かなるカナダの衆よと憤っておりました。ヘイ見てみなよ。ポールマッカトニーも2倍速なんだぜ。

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■13/11/22(金) □ 防水カメラ導入
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愛機 PEN E-PM1 は手ブレ補正不調で保証修理中なのだが、カメラを持って家を出るのが習慣となってしまい、なにもなしでは心もとないので久々に隠居状態だった Powershot A530 を持ち出した。こんなにフォーカスが遅かったっけと驚く。

 撮ったものを見てみると、やっぱこれもいいカメラだな。6年落ちのコンデジではあとから見てはっとするような絵が出ることはもちろんないけど、壊れることもなくよく頑張ってくれた。

 Mが誕生日に防水カメラを買ってくれと言ってるのだが(週末のボート漕ぎや旅行でのダイビング用)、これが健在なのにさらにもう1台は必要ないなあと感じる。買うならば防水に加えなにかもう1つウリがあるものがほしい。望遠とか、超絶マクロ性能とか、PEN にないものが。

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 調査すると、いまカナダで手に入る機種中でうちに向いてるのはやはりオリンパスとなった。

オリンパス TG-630 Tough
28 - 140mm (F3.9 - 5.9)
WATERPROOF 5M
Super Macro Mode: 〔3cm〕
Magic Filter

 決め手はスーパーマクロがあることとなによりも【オリンパスの最強アートフィルター】が PEN 以上に完備してることで、この2つがあると実際これが萌のメインカメラとなるかもしれない。ズームも長いし、景色がちゃんときれいに撮れるようなら修学旅行のケベックにもこれを持って行くことになるだろう。

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 【TG-630】店でいじってみた感じモード選択なんかは評判通り超やりにくいが、オリンパスのモード体系は PEN で慣れてるのですぐに操作できた。フォーカス速度や撮れる絵は万全という感じ。140mm は前のキャノンと同じなのでそんなにズームはしないが(防水カメラは超望遠は無理)、手ブレ補正もあるので前より使い出はあるだろう。

 3cm のスーパーマクロは楽しい。ラフモノクロームフィルターがないのだけが残念だが、それと操作性以外に欠点は見当たらないので決定。プレゼントなのでまだ開けられないが、けっこう楽しみである。

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■13/11/24(日) □ キャメロットを覆う影
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【MK 家ゲーム会】今日はリクエストして大作【キャメロットを覆う影】を出してもらった。迫り来る悪の魔手から城を守る俺たち騎士の協力ゲーム。「僕は聖剣を回収してくる」「私はピクト人を退治してきますわ」と各所に散って仕事をする。

 派遣先で騎士として気分よく活躍していると、すぐにその仕事に必要な白カードが枯渇してしまう。白カードは城に戻らないと取れないのだ。めんどくさいのうといいつつ城に戻ると、悪の黒カードがまた聖剣を沼の反対に押し下げてしまったりする。おのれ。とか言ってる間に気がつけば城は投石機に囲まれ、これ以上黒の悪カードで投石機かピクト人を引いたら負けという事態になってしまった(写真はその状態)。なんでこんなことに。

 「仕方がない、俺は黒カードを取らないために命を削るヒロイックな行動を取る。誰かその間になんとかしてくれ!」という感じで盛り上がりました。結局敵に負けたけど。

 例によって英語圏産ゲームにつきもののカードの長文効果テキストがもっと簡潔だといいなあと思ったが、これは英語の説明文というもの自体が持つわかりにくさかもしれない。俺は協力ゲームは工夫の余地がない義務的行動が多いように感じ好きではないのだが、これはなかなか面白かった。

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 続いて「ドミニオン拡張・異郷」。MKはドミニオンを持ってないしやったこともないのに、なぜかこんな拡張を買ってきた。こいつはゲームは好きだが買い方がおかしい(笑)。俺と姪のゲーマー娘SPがドミニオンを知ってるので、いい機会だからとインストプレイ。

 拡張なのでどのカードも効果がひと捻りされておりテキストを熟読しないとわからないが、ドミニオンの効果テキストは他のゲームよりは簡潔なのでそんなに苦労はしない。数順するとゲームカンがいいマイクは手順をすぐに飲み込み、雑魚カードを捨て圧縮を始め、ゴールドばかり買うようになった。ドミニオンで強い戦法である金買い戦術にすぐに気がつくとはさすがである。

 「お前そんな金ばかり買って、金が金を生む世の中なんておかしいだろう、もっとクリエイティブに実業をやれ」と非難するもワッハハーと笑って取り合わず、俺が後から猛追したが彼の勝利。

 ドミニオンはオンラインと PC 版のソロしかやったことがなく本物は実は初めてだったが、他のプレイヤーがやってる間にカードをシャッフルしながら順番を待ち、自分のデッキからいいカードを引いて回していくのは、これはやはりほんとに楽しいなあと思った。この拡張よりも効果がシンプルな基本セットのほうが間違いなくいいけどね。

 今日遊んだ 20 歳のSPは「ラブレター」の大ファンだという。デザイナーは日本人でツイッターにいるよと教えると、ぜひメッセージを伝えてくれと頼まれた。「ラブレターは最高、大好きで拡張も買ったのよ、I love it!」だって。

2013/12/06

【カメラ日記】ビーナスアンドムーン


byムスメ、MZ14-42 @14mm/28mm

by父、SIGMA 19mm
BC州は好天が続き日中もほぼ零度と冷え込んでいる。夕焼けがきれいだから窓から撮ってくれよと学校帰りの車で娘にカメラを渡し、帰って見たら彼女が最近気に入っているモノクロに切り替えて撮っていた。わ。美しい。電柱とビルの間に金星も写っている。ビーナスアンドマーズareオールライトトゥナイト。

2枚目は俺が昨日撮った、お隣の家の頭上にかかる月と金星。これもきれいだと思ったんだけどなー。モノクロでくるとは。また負けた。

 ◇


これもbyドーター、林は流れてるが月は止まっている。
MZ @25mm/50mm
ひと月前にレンズ SIGMA 19mm を買ってから、ずっとそれをつけっぱなしにして単焦点の絵のよさを楽しんできたのだが、日常の行動範囲内で 19mm(フルサイズ換算 38mm、以下面倒くさいので 19/38mm と併記)の距離で撮りたいものはもうなくなってしまった気がして、今日久しぶりに標準ズーム M.Zuiko14-42mm II R をつけてみた。やはり3枚目の写真のように少しでもズームできると楽しい。遠くを撮りたくなる。

 しかしこの標準ズームも最長わずか 42/84mm なので、SIGMA の2倍にしかならない。コンデジの75/150mm くらいまでズームできたらいいんだけどなあ。マイクロフォーサーズのその上のズームは 40-150mm と一気に長くなってしまい、これは $200 以下と廉価だしいつかは買うけども、最短で 40/80mm では長すぎて屋内では使えないのだ。不便ズーム。

 屋内でも使える距離のズームは、LUMIX 14-140mm $750 と突然バカ高くなってしまう。14-75mm くらいのちょうどいい廉価なズームがないのがマイクロフォーサーズの弱点だよなあ。俺みたいにコンデジから初めて一眼を買う人はレンズのシャープさに驚くけれど、そのズームの短さにも驚くのである。

 コダックも来年マイクロフォーサーズのカメラを出すそうで、このコダックにつくレンズが換算 28-112mm と刻印されている。つまり 14-56mm か。んー、大差なし。しかしこれまでのマイクロフォーサーズ勢2社が3社になれば、サードパーティ製のレンズも増えるかもしれない。それまでは標準 MZ14-42 で我慢かな。

2013/12/03

【カメラ日記】帰ってきた PEN と SIGMA のすばらしさ

無事 IS(手ブレ補正)ユニット交換と調整が終わり、うちの PEN E-PM1 が帰ってまいりました。修理2日返送1日と超早かった。最近カナダの物流になにか変化があったのか、通信販売のものが届くのが従来よりずっと早い。ありがたい。問題の IS ブレは完治はしてないが、修理と調整で購入時より発生頻度が大幅に低下している。修理に出した甲斐はあった。


高 ISO フィルムみたいなラフクローム

普通のモノクロームも質感が良好。
娘は PEN の留守中防水コンデジ TG-630 にはまったく興味を示さなかったのだが、PEN が帰ってくるとまた写真を撮りはじめた。やはり彼女のシグネチャースタイルである近接撮影時のボケ(英語カメラ世界でも bokeh と呼ばれている)がコンデジでは得られないので、アート魂が喚起されなかった模様。そして彼女は PEN の「ラフクローム」フィルターが超お気に入りなのだが、TG-630 には残念ながらこれがないのである。

ラフクロームは強烈なコントラストで細部を省略しクールな写真を量産できるのだが、写真によってはちょっと粒子が粗すぎるように思う。そこで PEN は普通のモノクロもきれいなのでぜひ使ってくれと娘に推奨すると、あれやこれやとシャープな写真を撮ってきた。このモノクロはただ色を抜いただけではなく、モノクロームフィルムで撮り紙に焼いた写真になっていると思う。昔カメラマンの友達がくれた大判紙焼き写真にそっくりの質感なのだ。今思えば彼が使っていたあの古いレンジファインダーカメラは、ライカだったのかもしれない。

カメラをシャープネス+1に設定してあったせいもあり PEN+SIGMA 19mm の切れ味に惚れぼれするが、しかしこのシャープさで人の顔を撮るとシャープすぎ、写りすぎて問題がある(笑)。そこでカメラのモノクロ設定はシャープネス-2、コントラスト0に落とすことにした。オリンパスはどのカメラも標準でシャープネスが強めにかかってるんだそうだ。




各種カラーモードを比べてみると、「ナチュラル」を基準にして彩度とコントラストとシャープネスを上げると「Vivid」になり、シャープネスを下げると「ポートレート」になるのだと思われる。だからポートレートはふわっとするのだ。なるほどね。

そのふわっとした「ポートレート」で花を撮ってみた。やわらかくていい感じ。SIGMA 19mm の使い方も最近こなれてきて、やはりいいレンズだとしみじみ思う。不得手な開放近接撮影もフォーカスする場所を考えてやれば(上・センターの細かな花に AF がフォーカスするのは難しいので、右の花弁にフォーカス)、自然でいい感じに撮れる。下のように絞ってやれば(F5.6)小気味よくカリッとフォーカスする。だんだんと思ったように撮れるようになってきた PEN+SIGMA。ベリーナイス。

2013/12/01

「のどじまんザ!ワールド」の驚き

【のどじまんザ!ワールド】という番組が日本語TVであり、よくみんな歌詞を覚えられるなあと娘と感心しながら見てたのだが、ビブラート歌い上げ系の歌は外国人がうまくても当たり前な感じがしてあまり盛り上がらない。ああいう歌唱法は西洋が本家、だって歌謡曲歌手はアメリカへ修業に行くじゃん。ああいうスタイルはフィジカル的にも白人と黒人が有利な気がするしな。

 B'zをやった男子とか山口百恵女子とかNokkoを歌ったウェイトレスとか、そういう日本にしかない種類の音楽をやってくれるほうがいいなあと思う。上手い下手じゃなくて聞いてて楽しい。のど自慢の醍醐味。

 で決勝でまったく西洋音楽的じゃない、日本の女の子のようなぴーっと細く伸びる美しい声でヒステリックブルー「春」を歌った子がいた。これはすごいセンセーション!! と思ったら見事優勝し、そして検索したらすでにプロになってた(笑)。ダイアナ・ガーネットさんとおっしゃる方。すごい。

 審査員テリー伊藤が「『うまい』と『驚き』は比べられないと思うんだけど…」と、俺と同じことを述べていた。外国人が歌うまいのは驚きではない。しかし外国人が日本ポップロックの結晶のようなこの歌をこんな声で歌ってくれるなんて、センセーショナルではないか。外国人なのに日本の歌がうまいから聞きたいのではなく、この子の声で日本の歌が聞けるなら聞きたいと思わせてくれる。ダイアナ・ガーネットさん、ヒステリックブルーの「春」、すばらしいです。


Haru ~Spring~ / Diana Garnet by nodojiman

2013/11/29

【カメラ日記】E-PM1 工場行き、防水カメラ導入


庭のキノコ。SIGMAのクローズアップも好きになってきた。

こういうスロー時の自然な手ブレは気にならない。
晩秋BCの暗くウェットな朝がちゃんと撮れている。

これがISブレ。瞬時にセンサーが数ドットずれる。
SIGMA 19mm のクセも把握し納得いく写真が撮れるようになってきたのだが、寒い朝に外で撮っているとカメラ E-PM1 本体がおかしくなってしまった。オリンパス PEN シリーズのカメラには、ブレるわけがない 1/125s 近辺のシャッタースピードでしばしば手ブレ補正(Image Stabilization)がランダムに誤作動し輪郭が二重になる持病があるのだが(※)、このいわば IS ブレが全部の中速スピードで出るようになってしまったのだ。
(※)手ブレの補正が効かないのではなく、補正機構自体がプレを生成してしまう。ないブレを補正しようとしてオーバーシュートするということらしい。頻繁に出る個体とほとんど出ない個体があるそうで、メーカーは公式に認めていない。

IS ブレはどのメーカーのカメラでも多少は出るらしく、俺の個体はどちらかというと出やすい方だったのだが(1/125s 近辺の写真 10 枚に1枚くらい)、全部に出るようになったのだからこれは故障であり、要修理となる。やれやれ。何度テストしても同じ結果となったので、画像を添付して保証修理に送る。まあこれでランダムに IS ブレが出る頻度が下がってくれれば、修理に出す甲斐はある。帰ってくるまで我慢しよう。



でPEN が手元を離れたからというわけではないのだが、ボートやカヤック用に奥さんが前からほしがっていた防水カメラを、彼女の誕生日プレゼントに購入することになった。防水ならばどこのでもいいだろうと思いながら軽く調べると、オリンパスの防水カメラはムスメが使いまくっているあの最強のアートフィルターが PEN 以上に完備している。これしかない(笑)とオリンパス TG-630 を購入。小さくて防水でストラップにはフロートまでついてます。


TG-630 ISO 800等倍。線がギザギザ。

これが7年落ち5Mキャノン。暗所性能は低いが
線が汚くはない。
スペックやユーザーの撮影サンプルを見るとこれがあれば PEN がなくても当分遊べるなと思ったのだが、屋内で写真を撮ってみてノイジーなことに驚いた。防水仕様でレンズが暗いため ISO800 と高感度を常用するプログラムになってるのだが、この感度では等倍にすると輪郭がノイズでギザギザになっている。あちゃー。昼間屋外の低 ISO 写真は当然問題ないけれど。

7年落ちの前コンデジ、キャノン Powershot A530 は解像が甘くぼんやりしていることが不満で、暗くなるとシャッタースピードが落ちて全然撮れなかったのだが、こうしたノイズや輪郭の汚さはなかった。その A530 と PEN の中間くらいのクオリティを期待してたのだが、全然想像してなかった絵が出てきて驚いたわけである。

これはよく言われるように、いまどきの安いデジカメは極小のチップで画素数を無理に上げてるからこうなってしまうんだろう。もともと微弱な信号を増幅してる感じがすごくするギザギザな描画。コンデジは画素数を上げないで高感度だけなんとかすればよかろうに、そうはいかないのだろうか。

このカメラの写真を見て、マイクロフォーサーズ PEN E-PM1 の力を再認識した。同じ 12M ピクセルでも等倍で見て気持ちいいマイクロフォーサーズは、趣味カメラとしてやっぱ段違いなわけである。センサーサイズがこういうコンデジの9倍だもんな。一眼レンズの値段が高いのも、こういうカメラのレンズ解像力を見ると納得できる。

結局いろいろ試してみて、TG-630 は画素数を最大の 12M にせず 8M で使うことにした。非拡大(PC モニターでの全体表示)ではどちらも見分けがつかないが、12M の高 ISO 写真の等倍は見るに耐えないのに対し、8M だと等倍でも拡大率が 3/4 になるのでノイズの粗さが減り、ギザギザも抑えられ鑑賞に耐える。これなら A530 からのディテイルと感度で進化したと感じられる写真になる。8M がこのカメラは最もバランスがいいと思う。




ギザギザな画質に目が慣れ、こういうものだと思えばノイジーな絵はだんだん気にならなくなってきた。PEN と比較しては駄目だし A530 とも違う、ノイズはあるが高感度が使えズームが長い高速作動カメラとして楽しめばいいのだ。

そうだこのカメラにしたのはアートフィルターがあるからなのだったと思い出し、一眼よりはるかに強い接写能力(スーパーマクロ付きで最近3cm!)を生かし、クローズアップしてガンガンフィルタをかけると面白い絵が出る。ノイズが出ても気にならない。とにかく寄るのが楽しい。このカメラの良さはこれだな。

 だんだんこのカメラを使うことが楽しくなり、するといい絵が出るようになった。カメラって不思議だな。どんなカメラも人間のほうがアジャストし、やがて少しずついい絵が出るようになるような気がする。

2013/11/18

【カメラ日記】SIGMA 19mm の被写界深度

 SIGMA 19mm F2.8 EX DN は相変わらず通常距離は万全で、屋内接写ではイマイチな絵となっているのだが、まじめにマクロ撮影テストをして傾向がわかった。平面のものを撮るなら SIGMA の近接フォーカス/描写にも問題はない。フォーカスが合っているセンター付近は開放 F2.8 でも悪くない。しかし曲面があるものを撮るのが、標準ズーム M.ZUIKO 14-42mm II R より難しい。

たとえば 25cm(MZ の最短撮影距離)でトランプを撮り比較すると、SIGMA も F4 まで絞れば端までシャープになりほとんど区別できない。ところが同距離で草花を撮ると違いが出る。この草は下の葉にフォーカスしていて真ん中の葉は1センチ少々突き出ているのだが、同じ F4 で MZ(左)はそこまでフォーカス内に入り、SIGMA は外れている。SIGMA 19mm は同じ F4 でも被写界深度が MZ よりずっと浅いのだ。このため接写をすると、フォーカス外部分の多いぼやけた写真ができやすいわけだ。

ものさしを使って調べてみると、20cm 開放 F2.8 だとフォーカス幅は 1cm 弱。MZ(下)は 20cm だと最短撮影距離より5cm 短くテストとしては MZ に厳しいのだが、それでも開放 F3.5 で1センチ半はある。そして絞るにつれ差は広がる。SIGMA は一段絞って F4/16mm は確保しないと接写は厳しいなという感じなのだが、MZ は開放でほぼ同深度になる。だからマクロでそんなに苦労しないわけだ。なるほどね。

 しかしまあ最も厳しい条件でも 20cm でも 1cm 弱 はジャストに合ってるのだとわかると、それほど SIGMA 接写力も捨てたもんじゃないかなとも感じる。手が動いて1mm でも前後にずれたらもう失敗かと感じていたが、それほどむやみにシビアではないわけだ。『開放で合うのは1cm、一段絞って約 2cm』と心得ていれば、うまく撮れるようになる気がする。接写以外は SIGMA のほうがはるかに良いので、MZ は最近つけてないんだよな。SIGMA でばりっといいマクロ写真を撮りたいのである。



―――と、俺がこれほど接写フォーカステストに心血を注いでいるのに、娘は今日も10cm くらいで寄りまくり撮っている。うわ無理無理―――と言って見てみたら、撮れてた写真がこれだからまた負けた。昔俺が粘土で作った小さなラピュタのロボット兵なんだが、こんな色と構図で撮るとは。フォーカスが合おうが合うまいが、作りたい絵を意図した目には関係ないな。

2013/11/12

【カメラ日記】カメラとエフェクター

秋も深まり花は枯れ葉は散り果て、俺はもう家まわりで撮る写真が思いつかないのだが、娘がデッキで撮ってきた写真にまた唸らされた。カメラのエフェクトをかけて撮った枯れた花。デッドフラワーズ。カリカリカリと葉っぱがこぼれ落ちそうだ。





これは窓の外から反射もろともキッチンを写した図。外から中を撮るなんて目からウロコだ。俺はいかに見たままを写すかといったあたりに血道を上げてるのだが、子供はエフェクターをつないだギターのようにカメラを自在に使い、ブリリアントなイメージを作ってしまう。「ドラマチックトーン」はファズギターみたいな音がする。◆

2013/11/11

日記「カメラを持ち歩く楽しさ」

「『あまちゃん』総集編」「久々のゲームナイト」「ハロウィーン専門店」「2個めのシグマは夜景無双」「モールで SIGMA テスト」「ボードゲーム会2」

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■13/10/11(金) □ カメラを持ち歩く楽しさ
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うちから100kmほど彼方の名山、マウントベイカー
(84mm、切り抜き拡大約1.5倍)
先週車の整備時に、長い待ち時間をカメラを持ち歩き回った。カメラを持つことは楽しい。前からやろうと思ってたがわざわざ寄り道してまではやれなかった陸橋からの町の景色撮りとか。退屈しない。カナダと米国の国境にある US の名山、マウントベイカーが美しかった。E-PM1 の標準ズームの換算 84mm 程度じゃ大きくは写せないが、シャープに撮れてるので拡大しても鑑賞に耐える。高いところから撮るのは楽しい。まわりは徐々に雪山が増えてきた。冷えてまいりました。

そして今日はM母の用足しで一日中あちこち送迎をし、そのため朝の日本代表セルビア戦も見れなかったのだが、用足しを待つ間ピットリバーまでがーっと飛ばして霧が晴れたばかりの朝の川を撮影してきた。行った甲斐がありヒットが出た。水鳥がいる朝の空気がキンと写っている。美しい。カメラを持つことは楽しい。この小さなM4/3カメラがいつもカバンに入っていることのありがたさよ。

 標準レンズ M.Zuiko 14-42mm II R はこのように、明るいとほんとよく写る。屋内や暗い日にはそのヒット率が落ち、シャープネスが出ずゆるい絵ができてしまうのだが(つまりコントラストが弱いと描画も AF 精度も落ちる)、経験と工夫でヒット率は当初よりだいぶ上がっている。

 それに前は外れると「何故だなぜだ」と考え込んだのだが、最近はまあカメラとはそういうものだという気もしてきている。特に思い当たる理由もなく意図した絵が出ないこともあれば、意図した以上の絵が出てはっとすることもある。だから細かいことはあまり考えず、フォーカスや光的に難しそうなショット、手ブレするかもしれない距離(※)とかは何枚か撮り、外れたのは淡々と捨てヒットした方だけ残していく感じになってきた。デジタル写真とはそういうものなんだろう。
(※)オリンパス PEN シリーズの手ブレ補正はスローは強いのだが、1/125s あたりで微細なブレが出やすいという弱点がある。手ブレというよりもブレ補正機構の過剰補正らしい。

 より良いレンズを買えばヒット率は当然上がっていくはずであり、だから屋内&暗い日に MZ よりも強いだろう SIGMA 19mm がほしいのである。

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■13/10/19(土) □ 「あまちゃん」総集編
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 今週も萌とケンカしつつ、ポッドキャスト「バイリンガルニュース」を使った日本語ワークショップ。お題は iPod 等のデジタル機器から離れることを恐れる人々の話。萌が面白いと感じるようなトピックを選んでるんだから、イントレスティングだしためになると実証してるのだが、萌は相変わらずやる気なく反抗的な態度を見せる。「これが嫌なら漢字ドリルをやれ」というと渋々やる感じ。

 しかしまあノートに書いた文章と語彙(ふりがな付き)は毎週完璧に覚えているので、学習効果は高い。漢字ドリルはやらせてないので漢字単独で読むことはできないが、文脈の中で意味はしっかり覚えている。日本語のマンガその他に興味がない子供に漢字ドリルをやらせても一切記憶に定着しないのは7年間の日本語学校通いで実証されており、この番組のマイケルのように耳から聞きわかる語彙を増やしていくのが現実的な落とし所だと思う。

 東京育ちだが英語がネイティブで日本語が第二言語のマイケル君が番組内でたまに自然な日本語を話すのを聞くと、はっとする。何故だろう。「I'm talking about 台風、大島ヤバかった台風で」みたいな英日まじり語は、英日両方のいい感じをコントラストで浮き立たせるのかな。「こういうふうに喋れたらいいと思わない?」と話すと萌も同意する。日本語も英語もきれいだから、両方使ってほしいんだよ。でないと本当に日本語をなくしてしまうよ。

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 あとは「あまちゃん」総集編を流し見しながらのんびり過ごす。本編放送時、アイドル編あたりからは俺はややピークが下がり落ち着いて、普通に楽しく見ていた。ユイのあの声のバカでかさと水口のバンド経験を活かしてロック系アイドル方面に出口を見つけ突破するといったスポーツマンガ的展開を期待してたのだが、なんとなくゆるく上がっていくアキの運気がなんとなくコトをうまく運んでしまうのがやや肩透かしで、ヤンキー春子社長が出れば出るほど水口と音楽のミラクルへの期待はすぼまっていった。

 もちろん中盤以降もずば抜けたセンスのシーンが毎日山盛りで(――音楽的ミラクルもちゃんと用意されていた――)、実に楽しかった。あれくらい全員が乗ると、ストーンズやビートルズの海賊版を聞けばボツ曲までもがめっちゃカッコいいのと同じで、「あまちゃん」のビートはもう止まらない。三陸トレイン・ケプトアローリンで、どこまでもいい音を出し続けてくれたのである。

 だからライブ満足度では過去のどんなドラマも凌駕していた。最高のライブだった。もう十分に楽しませてもらったので、こうしたアンコール(総集編)の必要も個人的には感じないのであった。

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■13/10/20(日) □ 久々のゲームナイト
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新ゲーム大量入荷でMK家にゲームナイト招集、「キングオブトーキョー」と「ドクターフー」をやってきた。キングは噂通り盛り上がる。ダイスのいい目をキープしほかを振り直して進んでいくというシステムは「ロールスルージエイジス」と同じでわかりやすい。自分がキングかどうかで出したい目がガラリと変わるところが面白い。そして点を削られるときはびっくりするほど一気に削られるので、ゲーム開始10分ほどですぐに白熱するところがベリーナイスであった。

 振った目で通貨をためて買い物(効果カード)をすることもできるが、各種カードの利用価値までは1回ではわからない。そこがわかるともっと面白くなるのだろう。

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 カードゲーム「ドクターフー」はまたワレスのやっつけゲーという感じ。ちゃんと遊べるけどやっつけゲー。「あやつり人形」みたいに自分の地所を作っていくゲームなのだが、計画と読み合いの「あやつり」に対し、来たカードから適当に選んで攻めたり守ったりを繰り返すゲームだった。

 ドラフトで3枚+ドロー2枚の新カードを次のターンに使うのでテンポが良く、面白くないことはないが、来たカードを適宣使うだけなので選択は単調でゲームは長い。「あやつり」より簡単だが、その分面白みは薄い。そこをうちの死蔵ワレスゲーム「ディスクワールド」(2回しかプレイされていない)と同じく、例によっての山盛りテキスト特殊効果カードで補填している。

 メカニクスではなく特殊効果カードで多様性を足すのはゲームスピードと戦略性を削ぐ。ドラフトによってスピードの欠点は消してあるが。「キングオブトーキョー」は単純なメカニクスだけで面白い上に特殊効果カードを買うことが戦略の1つとなっており、カードを買わずとも勝てるんだしな。


この絵でファンはそんなにうれしいのか…
土地人物カードに元ネタの名称が使われているのがキャラゲーの魅力なのだろうが、実際はどんなキャラ能力もこじつけた数値でしかない。「城を持っていれば防御力+1」というルールなら考えずともわかるが、たとえば「写真右端のなんとか助手を持っていれば水系の攻撃が無効」なんてのは、その都度確認しなければならない。そういうところにげんなりするわけである。こういう企画ものはほんと俺はダメだ。

 MKは新しいボドゲを買うことが大好きなのだが、彼が通うショップがメインで売ってるのはこういうキャラと細部パラメータとテキスト効果と味のない写実画で出来上がった米英系ユーロなんだよな。日欧のゲーマーからはまるで評価されてないタイプ。俺は日本で人気のある、メカニクスで新しい面白さを切り開いていく独仏チェコ系ユーロをやりたいのだが、彼の購入ゲームとはほとんど重ならないのが残念。

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■13/10/26(土) □ ハロウィーン専門店
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 木曜のハロウィーンに向けて、家事手伝いで稼いだお小遣いをため込んだ萌がコスチュームの買い物へ。なんとハロウィーン専門店というものができていた。店内怖いものだらけで客もぎっしり。やっぱこれはカナダ最大唯一のお祭りだよな。

 でケープを購入し今年はバンパイヤだそうです。バンパイヤというか、黒い森の館のミストレスという感じ。今年からティーンなのでもうトリック&トリートはできないしきたりなのだが、友達の家でハロウィーンパーティをするとのこと。いいわねえ。

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■13/10/31(木) □ 2個めのシグマは夜景無双
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SIGMA 19mm F2.8 EX DN が届く(※)。前のよりマウントが渋い。起動がかなり速い。絞り音は小さい。これはいいかも。
(※)先週このレンズを購入したのだが、近距離 20~35cm あたりでフォーカスが合わない不良品だったので交換となった。つまりこれが2個め。

 なにはともあれ前のでは壊滅状態だった開放×最短撮影距離をテストすると、前のよりはずっといいがまだ 20~30cm の近接距離はやや甘い。開放でもセンターはシャープなのだが、周辺がソフトになってしまう。 標準ズーム MZ では開放で端までシャープなのだが。



 なにはともあれ今日はちょうどハロウィーンなので、子供らに応じつつ玄関まわりであれこれ撮りまくる。MZ ではフォーカスが合わずカメラが断念してしまうような暗さで悠々と写るのがすごい。花火までフォーカスが合う。光量的には MZ よりわずか 2/3 段明るいだけなのだが、レンズの解像力が高いので、AF のために必要なコントラストがセンサーにとっては大違いになってるわけだろう。暗いところで写真遊びが楽々とやれる。すばらしい。

 萌を迎えに行くときに途中で丘の上のモールに寄り、下界を撮るとここでもフォーカスが合い手持ち 1/4 秒で撮れてしまった。街灯が明るいパーキング側はもう見たまんま 1/25s くらいで余裕で写る。すごい夜景性能になってしまった。問題の近距離フォーカスについては週末にテストをちゃんとやってみよう。

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■13/11/02(土) □ モールで SIGMA テスト
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センターの精細さは開放でも万全

フォーカスすっぽ抜け失敗の図

最短距離ではセンターしか合わない感じ
朝イチで SIGMA を三脚に据え厳密に最短距離 20cm 試験。開放 F2.8 でシャープなのはレンズのセンターから画面半分、F3.5~4.0 で全体がしゃっきりする感じ。

 日本のカメラサイト価格コムにサンプルを上げてこんなものでしょうかと聞いてみると、「開放で最短距離だなんてテストとしては厳しすぎ、これで文句を言われたらメーカーはやっていられない」と、なんだか叱られてしまった。そういうものなのか。実際に同レンズを使うユーザーも、「海外テスト結果の数値を見ても、開放なら周辺はこんなもんだろう」とのこと。そうか。

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 まあもうとにかくテストはやめて実用してみて判断するしかないと持ち出し、町やモールであれこれ撮ってみる。レンズのセンターだけを使う花のクローズアップは開放最短距離でも素晴らしい精細さ。そして一歩離れると開放でもレンズ端まできっちりシャープになり、木を撮れば葉っぱのわさわさ感が素晴らしく、雨粒まで1つ1つ写っている。やはりこのレンズの解像力は素晴らしい。物を撮ってヒットした時には画面の中にその物がある感じ。前後のボケもあるので立体感がある。

 しかしモールでクリスマス飾りを撮りまくると、近接距離での弱さをやはり感じる。近くのものを通り越してその向こうのものにフォーカスしたり(これは同レンズの他ユーザーも報告していた)、ぬいぐるみの羽毛などはフォーカスが合った部分でも描写がぼんやりしている。やはりクローズアップ時は意識して絞らねばならんのか。めんどくさい。

 というわけでモールテストは、一歩下がれば絶品の絵が出るが、クローズアップ能力にはどうしても不足を感じてしまうという結果であった。うーむ。

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■13/11/03(日) □ ボードゲーム会2
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 MK家ゲーム会その2、人狼系名作と評判の【レジスタンス】をやる。序盤は誰がスパイなのか手がかりがないので、作業員指名、認可投票、妨害、開票というやることの大部分に特に意味がない。ここで過ぎゆく意味なき行為をメモリーに貯めていくと徐々に意味を持つわけだが(――「ミッション1と3で破壊行為が出たので、両方に関わったA君が怪しい」的な――)、そこまでに本家人狼のプレイヤー除外みたいなスリルはないので、萌などはやはりグダる。

 自分がスパイだった時のドキドキはもちろんあるが、序盤はスパイも何をすればいいのかよくわからなかった。序盤から即破壊すべきなのかどうか、正体を隠したほうがいいのか。同じスパイ系の「お邪魔もの」ならば、どこでこうやって邪魔しようと計画ができカードを捨てて調整なんかもでき序盤から楽しいのだが。

 終盤になると「ここでB君を選ぶと絶対ミッションを破壊される」と予測がつき、スパイは身分が明らかになっても破壊せねばならぬとモチベーションが湧き盛り上がるが、二度やってどちらも盛り上がりはそこそこであった。このゲーム会では「お邪魔もの」もこんな感じで、正体隠匿系は全員がロジックの構造を理解しカリカリ推理して勝つために会話で丁丁発止しないと、そんなに盛り上がらないんだよな。これはロジックだけでゲームができあがっており、非ゲーマーやロジックパズル系を好物としない俺みたいな人向けのファン要素が足りないと感じた。

 これは論理ゲームなのでMなど論理パズルを好む人は喜ぶかもしれん。もう古く手順がかったるいから誰もやらないが推論の流れは古典の「クルー」と同じで、「クルー」の方が個々が独自のメモパッドを使い推理し早い者勝ちで答えを出していくので、推理の面白さは高いような気もする。

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 初回プレイヤーでもインスタントに盛り上がる「キングオブトーキョー」をはさみ、最後に Fluxx というカードゲーム。「Fluxx ウィザードオブオズ版」というもの。これはスーパーで Uno なんかと並んでよく売ってる北米定番ゲームらしい。1枚引いて1枚プレイするという「ラブレター」方式なのだが、プレイするカードの効果が千差万別で、これによりゲーム中に引く/プレイするカード枚数、勝利条件などがコロコロ変わる。人の場札を盗んだりもできる。

 勝利条件が変動制(2枚のカードの様々な組み合わせ)なので、自分の手札の組み合わせで勝てる勝利条件のカードをあの手この手で手に入れ、プレイ枚数が3以上のときに該当カードを2枚をプレイし最後に勝利条件をプレイして上がるコンボが最強の勝ちスジとすぐに理解できた。そのためにあと2ターンで勝てるとゲームの流れが読め、内心盛り上がる。


面白いけどこの文字量がたまらない
それはいいんだが、手札が5枚とかになるともうテキストを読むのが苦痛で、ゲームはスローダウンし俺も萌も集中力を失う。なんで英米人はゲーム内の長文テキスト読みをかくも苦にしないというか、こういうかったるいデザインのゲームをよしとするのであろうか。

ゲームのテンポとか、シンプルなルールを深く読んで考えていく楽しみとか、どうしてそっちに行かず膨大なテキストでバラエティを付けたがるのか。俺は途中からもう待ち時間中に全部の手札のテキストを読むのはあきらめ、効果のわかったカードだけを使いテキトーにやっていた。コンボ構築は面白いとはいえ、仕事でもないのにこんなに大量のテキストを読まされるのはウンザリである。

 途中で「まあわかるけど、コンボだったらこんなんよりドミニオンのほうが全然いいじゃん、テキスト読まなくて済むし長考にもならんし」と声を上げていた。非ゲーマーがいるパーティだったのでドミニオンは結局出てこなかったのだが、「ラブレター」を持ってくべきだったな。複雑なルールが嫌いでボドゲには参加しないALも、ラブレターなら楽しんでくれたんじゃないかと思う。なんで思いつかなかったんだろう。失敗した。




甥MKのかわいい娘さん1歳半。
うちの娘はピースサインだけ参加
クローズアップ撮影力が低いので SIGMA にはやや失望しており、MK家でもあまり写真を撮る気がせずベイビーたちの記念撮影だけやる気なくカシカシ撮ってたのだが、帰ってきて見ると、数枚なにげに撮った F2.8 開放のポートレートが素晴らしい写りだった。精細さ、色、柔らかさ、グラデーション、自然なボケ、絶妙。

←手前の萌ピースサインに合焦した写真では、ピントが合った部分は画面端までくっきりと写り、向こう側がやんわりといい感じでボケている。これは実は写真の左半分で、右側は萌の顔どアップなのでカットしたのだが(笑)、元版を見た萌もすごいと声を上げていた。これぞマイクロフォーサーズ+SIGMA の力といえる写真だろう。ALがキャノンのAPS-Cで撮っていたが、この数枚は俺が勝っただろう(笑)。

 萌がALのデカイレンズを「うらやましいでしょ」と言っていたが、カメラとレンズで E-PM1+キットズームの寸法体積3~4個分はあると思われ、あんなものを持ち歩けるわけがない。全然ほしくない。マイクロフォーサーズはこれだけの性能を持ち歩けるから素晴らしいのである。

 萌が「なにこのレンズ、ズームしないじゃん stupid」と言っており、たしかにズームしないしクローズアップも弱けりゃ多少シャープでも単焦点なんて意味ないかもなあとそのときは考えていたのだが、この数枚の描写を見てやっぱり単焦点はイイと気が変わった。近接の弱さは絞って補い使っていこう。