2013/10/19

ビートルズが存在しなかった世界

カナダ国営ラジオの視聴者投票で、ピンクフロイドがビートルズを下し「史上最も偉大なバンド」に選ばれた問題なのだが、昨日ラジオで司会者(カナダの渋谷陽一みたいな人らしい)が動揺に震える声で(笑)分析をしていた。彼は「ビートルズに決まってるが、でなかったらクラッシュ」と言っていたのだ。

カナダ陽一いわく、「ビートルズがすべてを変えたのは間違いないが、いま現在の音楽への影響という点においては、フロイドがビートルズをしのぐのかもしれない……(ギギギ)」。?? いまの音楽へのフロイドの影響なんてあるか? と俺は考える。パンクがイの一番に過去に追いやったのがフロイドではないか。

考えてみると今ヒットしている「レディオアクティブ」という歌が、そういえばフロイドっぽい。『灰が降り注ぎ化学物質が肺に流れ込む。新世紀へようこそ。俺は放射能に冒されている』なんて陳腐サイバーな世紀末を1970年代ならともかく311後に歌うなんてイモ! と俺は即座に思ったし音も興味ないが、欧米人はこうしたスローでべたーとヘビーな音やSFテーマがみょ~~に好きなんである。そのSF好き、深刻好き、重い音好きというところが、なるほど現代ノースアメリカはフロイドとつながってるのかもしれない。

そして日本のロック音楽は今でもビートルズコードが溢れているが、米加音楽にはたしかにビートルズの影響がまったくない。美しいコードやはっとするようなメロディというものがまったく欠落している。俺はラジオやムスメの聞くポップを聞きながら、ビートルズが存在しなかったパラレルワールドに暮らしてるようだと思う。こんなに凡庸なコードとメロディだけでどうして暮らしていけるのかいと感じる。カナダ渋谷陽一と俺は、同じ悔しさを感じているのです。

0 件のコメント:

コメントを投稿