2015/08/27

永遠のビーチボーイズ(ライブ2015)

バンクーバーの夏の終わりのフェアPNEで、なんとビーチボーイズを見てきた。ビーチボーイズですよ。スゲエ!


(C) Serena #PNEConcerts

いやーよかった。なにせおじいちゃんだしオリジナルメンバーが何人いるのかも定かではないんで見るのが不安だったんだけど、ボーカルのマイク・ラブが歌いだすと声は同じ声だからさ、やっぱり感動しちゃうよね。「カリフォルニア・ガールズ」の本物が聞けちゃったよ。涙。

実のところバンドは40代くらいの腕利きミュージシャンで固められ、オリジナルメンバーはマイクラブとブルース・ジョンストンだけ。しかし昔90年代に TV で見た時はオリジナルメンバーがおぼつかない手つきで演奏をしててよくなかったんだけど、今日のバンドは当然しっかりしてて才気ある音で気持ちよかった。サポ若手の達者な演奏とコーラスに乗って、マイク・ラブが年をとってもとにかくかわいいあの声で「ゲット・アラウンド」「グッド・ヴァイブレーション」「サーフィンUSA.」と超名曲を歌ってくれちゃうんだからしびれましたよ。


Wouldn't it be niceキターと感涙中の筆者
心配はなにしろ年寄りなんで声出るのかということだったんだけど、年寄りに出ない高く澄んだパートは若いサポメンバーにバリっと歌わせながら、しかしビーチボーイズサウンズに不可欠な声として常にマイク・ラブの声が聞こえ続けていて予想以上によかった。高いパートはサポメンバーに歌わせ、超名曲「Wouldn't it be nice」もやってくれてほんと感動した。

コンサートの半分が全米年間第一位ヒット曲級の曲なんで、やっぱ盛り上がりがすごい。1曲リードを取ると休んで若手が歌うという構成になってたけど(笑)。構成もさすがに長年やってるんで北島三郎歌謡ショーみたいによくできていて、ステージに映す早世したカール・ウィルソンの映像に合わせ「God Only Knows」をやって泣かせてくれたり、ジョージ・ハリスンとの思い出を語ってからジョージに捧げる歌をやったりとツボを抑えている。

「サーフィンUSA」で盛り上がりきってライブが終わりアンコールはどうするのかと思ったら、俺が中学の時初めて彼らを聞いた「ファンファンファン」! くわー! たまらん!

娘はデビッド・リー・ロスがカバーしたので有名な「カリフォルニア・ガールズ」以外はまったく知らなかったんだけど、曲と演奏があまりにいいので乗りまくっていた。そして狂喜する俺を笑って写真とビデオを撮りまくっていたのです。

◇    ◇    ◇

家に帰ってから娘に「Wouldn't It Be Nice」「California Girls」「God Only Knows」あたりを聞かせると、こんなにすごい曲だったんだとメロディとコードの見事さに驚いていた。そうなんだよ、ビートルズと影響し合っていたくらいすごかったんだよ。

うちの奥さんはアンチアメリカンなのでビーチボーイズを脳天気サーファーポップと思い込んでたようなんだけど、「God Only Knows」なんかポールに「これまで聞いた最高の歌」といわれ、ボウイにカバーされてるんだからね。



「God Only Knows」

I may not always love you
 But long as there are stars above you
 You never need to doubt it
 I'll make you so sure about it
God only knows what I'd be without you

『君のことをいつでも愛してるとは限らない
でも空に星があるように
これはもう疑う必要もないこと
念を押して言っておくけれど
君なしでぼくがどうなってしまうのか、神様しか知らない』

ステージの明かりを落とし、誰がリードを取ってるのか定かではない状態(たぶんセンターにいたブルース・ジョンストンはちゃんと声が出てない)にしてこのビデオを映していた。亡くなったカール・ウィルソンとそこにはいなかったブライアン・ウィルソンへの、マイク・ラブからのトリビュートという感じのステージだった。

「God only knows what I'd be without you」の輪唱は、音楽の永遠の具現化だな。この名曲を歌うサポメンバーはビーチボーイズなのかと問うと疑問が首をもたげる。そこを音楽が超越していく夜だった。美しかった。◆

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