2016/11/18

青春のペイン




いろいろと悩み多き年頃の娘にディランやジョン・レノンを聴かせ、サリンジャーとか読ませようとあれこれ画策している策謀家の父である俺。おのおの、抜かりなく。

娘に読ませたいおすすめ図書を借りてきた。「なんすかこれ」。ライ麦畑のキャッチ君だよ、有名だろ知らないのかよ。市営図書館の司書さんは、『これを課題で読ませる高校があるのよ。議論を呼ぶところよね』と眉をひそめていた。保守寄り司書さんなのだろう。私はこの図書館のおしゃれ司書さんとウクレレ部リーダー司書さんのファンです。

ライ麦畑のキャッチ君はロック詞のようにリズムがあり読みやすい。それこそこれを近年訳したという村上春樹を読んでるがごとくすいすいと読める。しかしペーパーバックは日本の文庫本よりも紙質が悪く、字と地のコントラストが低いので読みにくい。文庫本で読みたいですわ。



こないだ聴かせた「マインドゲームズ」に娘はピンとこなかったようなのだが、今朝かけた Mother、Isolation、God の「ジョンの魂」主砲3発は届いた気がする。助手席の彼女の顔を伺ったりはしなかったがこの歌詞の一字一句が、青春のペインに届かないわけがないなと思った。

「Mother」を聞きながら娘に話す。「私は子供の頃、ジョンのソロはよくわからなかったんだ。彼が亡くなったとき友だちのフォーク野郎がわーわー泣いてね、彼の家でこのアルバムを聴かせてもらったんだ。なんだかわからないがすごい歌だと思ったよ」。

数年前帰郷したときに、そのフォーク野郎父娘と夏祭りで出くわした。髪ボサボサで若干フーテンな俺をいぶかって彼の娘が「誰なの誰なのー」と訊ね、俺が代わって答えた。「私とお父さんはバンド仲間で、君のお父さんはカッコいいフォークシンガーだったんだよ」。嘘だーと娘さんうれしそうだった。

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