2006/07/16

日記「誰か中田を止めてくれ」

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■06/06/24(土) □ 1年ぶりのウォーターパーク
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 昨日の時点ではデシャン、オジェック(つまらんサッカーといわれて浦和とケンカ別れしたお方を今さら雇うのか?!)という名前が新聞に挙がっていた次期日本代表監督が、寝て起きたらオシムになっていた(まだOKは出ていないのに、ジーコ批判を交わすために川淵会長が公表してしまった)。「ジーコの流れを絶やさない」と川淵はいうが、ジーコと正反対の走るプレスサッカーではないかとサッカーファンは皆思っていることであろう。

 オシムになったことはめでたいが、2年遅かった。それにこれから4年後を目指すのだから、数年前に心臓疾患だかでジェフをやめたがっていたオシム自身の体が大丈夫なのかと心配だ。それにこういう姑息なことをする川淵会長の下で働いてくれるのだろうか。川淵会長が代表には一切口も手も出さないという条件でオシムが引き受けてくれたらいいな。


 Argentina vs. Mexico:格下メキシコの超ハイペースな立ち上がりから双方一瞬もボールと人が止まらないものすごい展開で5分でメキシコがゴール! 3分後にアルゼンチンがFKから追いつく! これはどえらい試合になった。

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それを見たかったが今日はゴージャスな真夏日。ビデオをまわし萌とHNを連れて、1年ぶりのウォーターパークへ。二人を遊ばせて木陰で眺めていると、実にありがたい人生なりという気分になる。帰りに萌は車の中で、「I think I'm the luckiest girl in the world」と言っていた。「どうして?」「昨日は(学校の)フィールドトリップだったし、今日は友達とウォーターパークで一杯遊べたから」「そうか。夏はいいよね、お母さんにもあとでそう言いな、喜ぶから」。



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 ここまでで最高にきっぱりさっぱり分かりやすい原博実氏のWC日本代表総括 (mp3) が出た。

▼日本からは負けたくないという戦う気持ちが伝わってこなかった。中田だけだった。
▼中村なんか明らかにコンディションが悪いのに出続けているからチームがまとまらない。
▼今野など守備がうまい選手がいれば、豪戦はケーヒルとアロイージをビシッとマークして終わりだった、ジーコ采配は本当にチグハグだった。 
▼FWや中村があれだけ疲れてるのに交替しなかったのは、サブの選手たちは「俺はそこまで信頼されてないのか」とショックだっただろう。
▼日本(ジーコ)はテクニカルなパスの出し手ばかり評価しすぎる。
▼(ブラジル戦)巻がこぼれ球を追いかけてるのが新鮮で、それくらい他の日本選手はこぼれ球を追っていない。
▼中田が孤立してたのは練習を見ても事実だが、チームの気持ちがそうして分裂しているのならば監督が介入し、中田のように全員戦わせるか中田をはずすかすべきだった。

 こんなにきちんと物を言える人の言葉が、スカパーやネットでしか聞けないというのは惜しい。NHKや民放でこれと同じことを話してほしい。

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■06/06/26(月) □ 萌がダブル表彰
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 イタリー豪戦を見るために早起き。イタリーはさすがに全体的には豪の相手ではないが、バイタルエリアでの決定的なプレーがなかなか出ないのはアメリカ戦から続いている。トッティも不調で出ていない。しかしイタリーがボールを支配してはいても、ゴール前で混乱を作られるとこぼれ球から危ないシーンは出てきてしまう。豪のこういうサッカーに日本が負けたのは本当に悔しい。

 双方決定的な仕事が出ないまま、後半マテラッツィが退場。まずい。しかしイタリーにはネスタの次のDFはこのダーティ・マテラッツィしかいないのだろうか。不思議だ。豪の猛攻が延々と続く。まだ 40 分もある。

 デルピエーロに替わりトッティが入る。盛り上がるイタリーファン。ここをしのげば次はスイス/ウクライナなのでクォーターファイナルまではおそらく行けるのだが。この後ヒディンクはFWを投入してくるだろうから、実に厳しい。

 ロスタイム、1人少ない状態でこのフィジカルな相手に延長を戦ったら絶対に持たないというところで、イタリーは起死回生の猛攻からPKを得る。トッティ、これを蹴れるのか。決めた! 同時に試合終了。ふうー。この試合は、チーム全体は駄目でもDFのしつこさとここ一発の攻めの切れでなんとか命をつなげたイタリー、という感じであった。次の試合の相手が比較的ラクだろうから、そこで息を整えQファイナルでアルゼンチンとすごい試合をしてほしい。といってもなんか、セリエAスター軍団という感じでもなくなってきたけどなー。イタリーがビッグクラブのスターだけでスタメンを埋められた時代は過ぎたわけだが、しかしそれくらいが枯れていいサッカーをできるのかもしれない。

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萌が2度目の表彰を受けるのでリコグニションアッセンブリ(生徒集会)へ。「キンダーの水準をはるかに超えたフランス語力」と、こないだ休んで表彰を受け損なったドローイングコンテストの2つを表彰された。時節柄にぴったりなブラジルシャツを着ていったこともあり、「私はまるで学校のスターみたいだったわ」と喜ぶ萌。

 今日は昨日よりさらに気温が上がり、風がないので光化学スモッグ警報が出た。萌は暑さ負けで、帰る頃には機嫌がガタガタになっていた。週末猛暑の中遊び狂ったからなあ。来年から萌は毎日終日学校なので、暑いときなど気をつけないと大変だなあと思う。

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■06/06/27(火) □ フランスの強さが復活
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 風と雲が出て昨日までの3日よりは過ごしやすい夏日。

 ブラジル・ガーナはガーナの猛攻をブラジルがいなしてカウンターでラクをして試合を決め、注目のスペイン・フランスは、なんとフランスの強さが復活してきたのであった。ジダンもなんか長い手足がゆるやかに風に流れジャイアント馬場みたいだけど点を取っちゃって、すごかった。

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■06/06/28(水) □ ライオンズパークで卒業式
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 萌をフィールドトリップでライオンズパークに連れて行ったMから、また車のエンジンがかからないと電話で起こされる。バッテリーのターミナルを締め直すだけのことなのだがなあヘロヘロと、バスに乗ってレスキューへ。

 調べてみると今回はマイナス側に白い粉が吹いていた。こないだ充電したときにターミナルのラバーを噛んで締め付けがゆるく、そこにガスが入り込んで粉を吹いたらしい。つまり俺の責任であった (^_^;;)。

 しかしこの粉を防ぐ方法はないのか帰ってから調べてみると、
そしてもう1つは錆、腐食によるターミナルの接触不良です。バッテリーの周りが、粉がふいているように見えた事はないでしょうか?あれがいわゆる錆、腐食でして、溜まってしまうと通電しなくなりトラブルとなってしまいます。これも上記同様解決策は簡単でして、粉の溜まっているところをお湯とハブラシなんかで清掃してやればきれいになります。あとは、CRC やグリスといった油分をかるく塗ってやれば錆止めになります。

 と、プロはグリスを塗って対策しているのであった。知らなかった。さっそくサンドペーパーできれいに磨いて、WD40 をかけてから締める。WD40 の油分で前よりきちっとネジがしまり、完全にタイトになった感じ。これでときおり締め直してやれば大丈夫であろう。やれやれ。

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 ライオンズパークのフィールドトリップは、卒業式を兼ねていて、1人1人の生徒のいいところを皆でポイントアウトしながら卒業証書と記念品のかわいいペンが与えられた。好天だしさっぱりしていていいよなあ。

 帰って休んでから今度はKT家へ。そして帰りがけにRBとも遊び、ディナーを食べてから庭でサクランボを取り、それから寝るまでジャンピンフラッシュをやって(ついに1順目を終了)、「ちょっと今日はすごかったね、こんなに遊んで」という楽しみ山盛りな一日であった。

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■06/06/30(金) □ 終業日
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 萌の終業日。迎えに行くとまだ「タレントショー」という学芸会をやっていて、少年がドラムを叩いていた。

 それが終わって教室に戻り、レポートカードを渡して全部おしまい。マダムEは感極まっていて、目をこすりこすり一人一人の生徒を抱き締める。萌の番になったときに、Mのアイデアで買っていった花束を渡させたのだが、萌は花束を先生に渡すと何も言わずにくるりと振り返り、俺の肩でうっうっと泣き出してしまった。

 「どうした?」「うっうっ」「さびしいの?」「マダムEと、うっうっ、もう会えないから、うっうっ、悲しいの」「そうか」「うっうっ」。萌を抱き上げてもう一度マダムEのところに挨拶に行く。マダムEも涙をぬぐいながら、「萌はラブリイな子だわ。きっと素晴らしい人生を送るに違いないわ」と言ってくれた。泣き止まない萌をなぐさめながらゆっくりとゆっくりと帰ってきて、残りの一日は家で静かに過ごしました。

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 ジーコのコンディショニング失敗について、このあいだ「7試合を戦う計算で体を準備した」という、コンディション担当コーチの説明があった。つまりブラジルと同じくグループリーグは地力で突破し、ベスト8あたりでピークに来るようにジーコは考えていたらしい。そんな無茶な。まあ今頃分かっても遅い。どうして誰も止められなかったのか、現実感覚の希薄さに泣きたくなる。

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■06/07/01(土) □ 奇跡のフランス
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 イングランドが苦戦している。エクアドルをFKでどうにか破ったイングランドは、オランダを実力で破ったポルトガルの敵ではないという展開が前半から延々と続き、50分でベッカムが怪我でベンチで泣き、まだどちらにもゴールは入っていないのだが終戦ムードが漂っている。

 しかしベッカムに替わって入ったドリブラーがチャンスを作り、そこからゲームが動き始めた。やはり膠着した場面では狭いところに突っ込んでいけるドリブラーが効くという見本のような交替策だ。日本は松井か大久保が必要だった。

 あ、やっと反撃ムードが出てきたところでルーニーがラフプレイで退場。こっれは駄目なり。たとえここを何かの僥倖で勝ち抜いても―――守備だけは堅いので、間違って1点入れば楽々逃げ切れる―――、ルーニーとオーウェンなしでセミファイナルなど戦えるわけがない。心情的にはイングランドに進んでほしいが、そんなセミを見るくらいならデコが戻るポルトガルに進んでもらったほうが当然いい。ポルトガルはこうして常に試合を荒らすダーティなところがあるが、やっているサッカーは素晴らしいのである。

 はあ。英にとってはつまらないWCになったものである。これは試合後フーリガンが暴れるのは間違いない。機能しない1トップを最後まで引っ張った(でオーウェンのサブに結局使えなかった17歳のFWを連れてきた)監督は、ヘボ監督度でジーコに並ぶ。黄金世代台無し度では日本を上回る。英国に批判の嵐が吹く。

 しかし早く息の根を止めてやってくれという祈りも空しく、英DFの堅さと奪ったら攻め上がる不屈の闘志、そしてポルトガルの疲れにより、とうとうPK戦へ。WCのためにはイングランドが勝ってはつまらなくなるが、攻め切れなかったポルトガルもストライカー不足でセミに進むには役不足だなあと思う。そして英国敗退。無念だろうが、うちと同じく監督選びに失敗した協会を恨みなされ。

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 カナダのWC放送でつまらないのは、試合前にフォーメーション図を見せてくれないこともあるが(これも文字より耳を重んじる文化なのか)、最大はこの試合後のエモーショナルな瞬間をきちんと味あわせてくれないことで、日本戦の頃なんかは終わった瞬間にスタジオトークにカメラを切り替えており、ひどかった。中田の10分ベソかきなんてまるっきり見れなかったのである。今日はさすがに優勝候補の敗退ということで、映像はしばらくそのまま見せてくれたが、スタジオからコメントを被せるのがまた興ざめなり。カナダはやはりアウトサイダーだからコメントが他人事&冷静すぎる。それにはっきりいって、解説者もフォレストも言ってることは戦術&サッカー的につまらんしな。試合後は5分くらい現地英国アナウンサー音声のままにして、「なんてことだ」感を伝えてほしかった。

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 午後、Brazil vs. France は、すごい試合だった。自分はいま奇跡を見ているのだと、心拍が上がった。ジダンがピッチに君臨し、あれほどの名手を揃えたブラジルにシュートも打たせずフランスが完勝してしまったのである。スペイン戦で勝負強いフランスが突如復活したのだが、今日のフランスは まるで 2000 年のユーロのときのように強かった。これは間違いなくサッカー史に残るゲームである。

 前回ブラジルはクジ運に恵まれて、というか強豪が全部絶不調で消えたおかげでさほどすごいチームではないまま余裕で勝ち抜いたわけだが、今回もあのときと同様特に印象も残さないゲームを続けており(力尽きた日本をいたぶったあの後半だけが華麗だった)、そこでこの奇跡のフランスという本当に強いチームにぶち当たってしまったのが不運だった。フランス戦の前にもう1試合あったなら、もっと戦えていただろう。

 ジダンの美技がリプレイで再生されまくる一方で、ほとんど何もできずただドリブルで突っかけてはボールを奪われていたロナウジーニョが気の毒だった。ロナウジーニョはシーズンの疲れが抜けていなかったのだろうか。最後のFKをはずしたのは我が俊輔のようであった。バルセロナならばロナウジーニョのために皆が動くのだろうが、そういう彼をフォローするという動きもチームに皆無だった。今日チームで最も有効な武器だったのが太っちょロナウドのドリブルで、他には何もできなかったのだから、ブラジルはこの先勝ち抜けるはずもなかったのかもしれない。

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■06/07/03(月) □ 誰か中田を止めてくれ
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 中田を必要としていないのが明らかなフィオレンティーナ強化担当のコメント報道を数日前に目にし、これは中田が引退してしまうかもしれないとここ数日心配していたのだが、それが現実になってしまった。

 なんてことだろう。ベンゲル監督

「アーセナルの監督として、私は日本人に常に強い興味を持っている。豊富なスタミナと高いスピード。短距離での機動力。そして、規律正しさを持っている。これらは欧州で成功するために重要な要素だ。すでにアーセナルにはアンリ(仏代表)らアフリカ系のアスリートが多い。彼らの武器であるパワーとスピードは、日本人の長所とミックスすると、チームはより向上すると信じている。弱点はフィジカル的なパワーだが、成熟すれば技術や経験でカバーできるものだ」

 という言葉を読んだときには、フィオやボルトンには必要とされなくても、もしやベンゲルが絶妙な使いどころを用意してくれるのではという、淡い期待も湧いたのだが。

 あと4年ものあいだモーティベーションを維持するのは正直難しいとは思っていたが、中田のいるオシム日本をちょっとだけ味わうことすらできなくなってしまった。なんてことだろう。中田の最後の4年間を、日本代表はこんな形でしか表現できなかったのか。なんてことだろう。

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■06/07/04(火) □ イタリー快勝
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 1日経ち中田引退についての文章が爆発しているかと思ったが、WC開催中でタイミングが悪いせいもあってか、あまりない。「中田英寿が引退!?・・ちょっと待ってくれよ!」という湯浅さんの言葉が、やはりさすがである。サッカー評論家を代表して無駄走りとアグリーの湯浅さんが、選手を代表してカズとデルピエーロ(電話して説得するよと言ってたらしい)が、ファンを代表して武藤文雄さんが、そして再雇用先からベンゲルが、チームを組んで説得に向かってほしい。

 もうあの頃の力がないのは分かっている。だけどジダンだってあの頃の力はないのに、あんなに素晴らしいサッカーをしてブラジルを倒したじゃないか。デルピエーロだってあの頃の力はないのに、もう何年も脇役で頑張ってるじゃないか。あの頃の力なんてなくたって、ちゃんとしたチームで戦えばまだ輝けるに決まっているのである。ちゃんとしてない日本代表じゃ、たとえデコが入っても同じ結果しか出せなかったよ。そんなに一人で絶望しないでほしい。お願いだ。

 これほどの喪失感は、全盛期のカズをWCへ送り込めなかったドーハ時以来だ。ドーハ以来のサッカーのつらさが押し寄せる今日この頃である。

 名波の中田への惜別の言葉が出ていた。思いとどまるよう説得してはくれないのかよ。うう。

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 Germany vs. Italy:イタリーが技術でボールを支配し、ジャーマニーが怒涛のがぶり寄りから怒涛の全員上がりで前へボールを運ぼうとするという熱く面白い試合。

 ピルロとトッティが揃って調子がいいので、伊の攻撃は非常によい。速攻時はトッティが常にワンタッチで裏を狙い、遅攻時はピルロがリズムを整えてくれる。2人のパスが恐るべき正確さでドイツの隙をえぐる。トッティが今大会ワールドステージでついに力を発揮しており、完全に左へ蹴るフォームで右へ長いパスを送ったりしている。ピルロも、あの体格とプレイスタイルで守備がいいわけがなくガットゥーゾとの組み合わせでなければ機能しないのだろうが、あの位置で素晴らしい仕事をする。ユーロの頃はまだ危ないところでボールを奪われたりしていたのだが、そんな危うさは全然なくなっていた。

 最後は攻撃カードを3枚切った伊が押し切った。胸のすくようなゴールが2つ決まる。見事。素晴らしい試合をこれ以上ない形で制して、これは決勝が楽しみである。

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■06/07/05(水) □ Portugal vs. France
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 Portugal vs. France、フランスはブラジル戦に比べたら全然よくなくて、攻めるのは主にポルトガルの役目だったのだが、小兵1トップがかく乱して作った隙にMFが外からシュートを打ちまくるというサッカーでは、フランスは破れないのであった。逆にフランスはビッグチャンスは作れなくても、アンリの超長い足にボールを収めただけで、彼の超絶反転を止めようとしたDFの足がかかってPKをもらえてしまう。

 その後はポルトガルがどんなに攻めても隙を見せずフランスの勝利。つまらなかったが、これはフランスが決勝を控えての省エネ走行状態であろうから(30を超えたメンバーが毎試合ブラジル戦みたいなすごいゲームをできるわけがないし)、決勝ではまた奇跡のフランスが戻ってくれることを祈る。イタリーが攻めて攻めて崩せず老獪なフランスの一発に散るという決勝は、見たくないよなー。

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■06/07/09(日) □ 残念ファイナル
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 決勝開始、1分でアンリが倒れなかば意識を失ってしまった。カンナバーロとぶつかったようだが何が起こったのか誰も分からず。嫌なスタートだ。これが双方のパフォーマンスに響かなければいいが。

 うわ、そしてどちらもまだリズムに乗れないうちにフランスにPK。悪名高いマテラッツィだから取られたという感じの非常に軽いコンタクト(しかもリプレイを見ればマテラッツィは脚を引っ込めている)で無用なPK。大事な決勝でこんなのを取るなよ。この試合が台無しになっていきそうな気配が濃厚に漂う。がっくし。伊にはちゃんと攻撃力はあるが、かっちり守るだけであればフランスはその上を行くだろう。

 そこからは想像通りに伊が攻めては仏が跳ね返すの展開が延々と続く。いかんなーというところでマテラッツィがヘッドで追いつく。ほっ、助かった。ここまではなかったことにして、さあここから試合をリスタートしてくれ。

 アンリらがやる気を出して攻め出すも地力で上回る伊がゲームを支配し、やっと想像されたようなゲームになって来た。しかしややワンサイド過ぎ、あまり面白いゲームではない。ピルロと後方選手たちのボール奪取と回しが素晴らしすぎる。仏は孤立しているアンリ以外は1対1で相手に勝てるプレイヤーがいない。ジダンはピルロとガットゥーゾの間で消されている。2人にはさまれているジダンになんとかしてくれとわざわざボールを渡すフランスチーム自体も、他に打開策を見出せないでいるのは明らかだ。

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 しかし点は入らずハーフ。伊はボール支配率が高すぎて(フランスが上がれず)自然と遅攻になっているので、速攻からクロスのために置かれているデカいトニを下げて、細かいところで仕事をできるFWを入れてほしい。インザーギを入れれば絶対に点は取れるだろう。

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 と思ったら後半はまるで別のゲームになった。アンリの神業が次々に飛び出しフランスに火がついている! すごい圧力! とわー。

 フランスに押し上げる力が出るととアンリとトニでは格が違いすぎ、アンリに渡すだけでチャンスを作れる仏が有利になる。伊は完全にカテナチオ展開になってしまった。ペロッタに替えてイアキンタ、そして前半から全然ゲームに絡んでなかったトッティが下がりデロッシが入る。延長が濃厚なのでもう1枚を切るのは難しく、トッティの不出来は伊にとって誤算だろう。伊は中盤から前はもともとしょぼいのだがもう無名選手だけになってしまった。CLにも出たことのない選手たちがWC決勝で点を取るというシーンは、ちょっとイメージできない。

 残り5分、仏が決めるか延長戦になるか微妙なところ。伊に何かができる気配はゼロ。あ、カモラネーシに替えてデルピエーロ。耐えて3トップに渡し勝負を託すのか。しかし前に持っていけるのか。

 この采配が効いて、伊はややボールをキープできるようになったがそのまま延長へ。ふー。しかしこれ以上は伊は打つ手はない。選手に頑張ってくれというしかない。

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 延長後半、脚が吊っていたアンリが下がる。―――あ、ジダンが退場? なにがあったのだ。あ! マテラッツィに何かを言われて頭突きをしている。あちゃー。こりゃマテラッツィの方が悪評をさらに高めたシーンであった。場内マテラッツィに対するすさまじいブーイング。しかしそれで伊が攻勢に出る力が残っているわけでもなく、94年以来のPK戦となる。残念。

 結局PKでイタリーが勝ち、94年と00年 Euro 決勝の悔しさが晴れたのはよかった。3大会合わせ技で優勝という感じ。フランスはジダンと共に決勝まで来ればそこそこ満足感があるだろう―――という程度の、実にアンチクライマックスな決勝となってしまった。フランスはブラジル戦、イタリーはドイツ戦がクライマックスであった。決勝は90年から5回見て拮抗し白熱した試合はなかったので(94年はバッジョのおかげで最後まで面白かったが)、WCの決勝とはそういうものなのかもしれない。

 しかし前後半でどうしてあんなにもイタリーのデキが違ったのだろう。後半からアンリのスーパープレイが続いてフランスが力を出したのは事実だが不思議だ。単に前半攻勢のうちに飛ばし過ぎたということなんだろうか(※)。フランスだってビエラとアンリが疲労から交替してしまったわけで、支配度にこれほどの大差がつくほどの体力差があったとは思えないのだが。双方体力が落ちると、アフリカ系のフィジカルが優位に立つということなんだろうか。

(※)ドイツ戦の疲れが残っていたのだろうと、後日後藤氏の診立てがあった。たしかにフランスは準決勝を省エネ低調サッカーで乗り切ったが、イタリーはフルパワーで素晴らしい試合をしたからなあ。(※)さらに、デロッシを入れピルロをトップ下に上げたゆえに、相手のマークでピルロが有効にボールを触れなくなったのだという武藤さんの分析を見て、あーなるほどと納得がいった。その辺の戦術オタクな解説は、カナダ放送向けアナウンサーはやってくれんのだよなあ。

 フランスはジダンの退場で後味が悪いだろうが、退場が勝負を左右したとは感じないし、悪役はマテラッツィなのは明白かつ世界中が分かっていることである。あれほど攻められなくなったイタリーにとどめを刺せなかったことが、敗因とは言わないが勝てなかった原因であって、結局アンリが奮闘しているその横にトレゼゲを置けなかったのが残念だった。それはイタリーも同じことで、1試合に数度相手より高い打点でヘッドを打てるというだけ(トーナメントを通じてそうとしか見えなかった)のトニの1トップでは、劣勢を切り崩す力はなかった。伊仏双方とも、WC決勝を勝つだけの力はなかったのだというのが、正直な感想なのであった。やれやれ。

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■06/07/10(月) □ テニスボーイの息切れ
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 今日はWCのためたまっていた用足し日で、モールやスーパーを駆けずり回り、夕方はMS一家に誘われてテニスをやるという活発な一日であった。テニスなど高校の昼休み以来20年ぶりにやったが、ちゃんと打ち返してラリーをやれるので我ながら感心した。しかし2年前のユーロのときにクロアチアの子供とサッカーをやったとき同様、肺活量が足りずヘロヘロになりました。MSさんは毎日20キロを走るという超人なので勝負にならず。

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■06/07/12(水) □ Football Manager 2006 日本代表
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 久々の雨。小仕事をしながら風邪が抜けない萌と静かに遊ぶ。萌は音楽というか楽器にすごく目覚めていて、キーボードは毎日やってるし、今日は俺がギターを弾き萌がスティックで空き缶などを叩いて、「Living Thing」を演奏し盛り上がった。やっぱりピアノレッスンを取らせてやるべきだろうなあ。マジでNRさんに相談してみよう。

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  久保 大久保
俊輔 今野 中田 松井
浩二 中沢 闘莉王 加地
    川口

 Football Manager 2006 で、たとえば↑こういう潜在能力ピカいちだがジーコが試してくれなかったメンバーを揃えて理想の日本代表を作りたいのだが、FM 2006 には日本選手が入っておらず(協会がコナミなどに日本選手名の専売権を売ってしまったのだろう、バカめ)、これをやることができない。うーむ。

 いろいろ考えて、バーレーンの全代表を日本代表選手に書き換えるという無茶をやる。名前を変え能力を 130~135 に揃えただけで細かい能力まではエディットする手間はかけられないのだが、これでアジア予選をやらせてみると華麗なパスサッカーから久保と田中達が決めて、4-0 でトルクメニスタンを破ってしまった。す、すばらしい。

 このスタメンで俺が作ったFWとDF選手には特別な能力は与えていないのだが、もともと(欧州でプレーしているため)ゲームに入っている俊輔・稲本・中田・小野だけで、アジア国など問題にせずパスで崩せてしまい、日本代表クラスのFWでも簡単に点が取れるのであった。やはり黄金の中盤はすごかったのである。これは興奮する。各選手の「速い」「強い」「ポカがある」といった特徴だけを最低限与えて、WCを戦ってみよう。

 と思ったら、プチ豪州であるカナダとのフレンドリーで苦戦。やはりフィジカルが強い相手だと中村・大久保・田中達らが完全に抑え込まれてしまう。アジリティだけでビッグプレイをするのは難しい。選手の能力をいじることなく、戦術で彼らに仕事をさせることができるだろうか。

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