2026/05/15

【まとめ26年4月前半】自転車:セメタリーの丘を登る

「サッカー日本代表への薄い思い入れ」「日本現代小説フィーリング」「朝ドラ不発」「日本の平和と破滅を見たアインシュタイン」ほか

■4月1日                サッカー日本代表への薄い思い入れ

【サッカー】英国vs日本を見た。英が世界最強レベルのインテンシティで崩しに来ても、日本は全員無意識に最善手を打ち対応してる感じで、この考えずに体が動く反射が海外でやってる効果なんだろうな。

ゴールを決めた三笘のクールさよ。昔から本山とかドリブルがうまい選手はいたけど、これほどの相手にあれほどクールにトドメを刺すプレイは、たしかにフェーズが変わったなと思う。前回W杯と同じく、運が向けば勝ち進める国となっている。

工藤、ムスメ、俺。2016

しかし俺にとっては大久保あたりまでが、日本代表に夢を見る牧歌的時代だったなと思う。「日本にもすごい選手がいるんだ、見てくれ」というJリーグファンの見果てぬ夢とファンタジーは薄れ、国内で無名のうちに欧州Bクラスのリーグに行き、着実な実績を積んだ知らない選手たちが4年ごとに集結し、日本も強くなったなあと感心させる代表となっている。Jリーグ時代から有名なのは三笘と伊東だけだろう。

工藤壮人がバンクーバーでプレイしてからもう10年なのだと知った。彼をあれほど応援したのは、まさしくJリーグの、ネット越しにACLでの激闘を見ていた柏レイソル代表だったからだ。あんなに選手個人を応援したことは俺の人生で、中田英寿と工藤壮人だけだな。


■4月1日                日本現代小説フィーリング

Amazon Audibleの無料トライアルを終了した。Audibleは「成瀬」シリーズのように朗読うまい女性やおじさんだと悪くないが、下手だと苦痛であった。ある男性声優の朗読はほんとひどくて、女性の台詞を1オクターブ上で喋るとか、そういうレベルであった。彼は落語も見たことないんだろう。 

「成瀬」シリーズを聞いたので、日本の近年ヒット小説が大量にAudibleに出てきた。10篇近く試聴したが、どれも身の回りのものや人への観察眼はシャープで筆致は巧みでありつつ、社会の批評と人間への想像がごく狭く、根本的に文学ではないと思った。面白いツイートを延々読んでいるという感じである。そういうものが現代は求められているのだろう。

Audible時間切れまでカート・ヴォネガット『スローターハウス5』を聞いた。やはり文章も翻訳もすごい。朗読野口晃も秀逸で、戦争の不条理と人生の滑稽さをごたまぜに味あわせてくれる。現代のビリーのふとした回顧の断片から、ドレスデン爆撃描写が始まる前から怖気が走る。やはり文学はすごい。 

学生時代読んだときと違い今俺は英語が分かるので、朗読を聞きながら原文ではなんと書かれてるのだろうとクセで逐一考える。そして原文はおそらくごく簡単な言い回しだろうと気づき、伊藤典夫という人はなんと翻訳がうまかったのかと、今更ながら思うのである。そういうものだ、So it goes。

ということを「日本のSF好きは優秀な翻訳に恵まれていたと、今更ながら気づいた」と超本好きの奥様にも話した。伊藤典夫の日本語には品格があるのである。


■4月1日                  アメリカが責任を取れ

【トランプ氏、米撤退すればホルムズ海峡は「自動的」に開く、と語る】 bloomberg.com/jp/news/articl… は?何言ってんの? かつてこれほど「フィクション作品でしかお目にかかれないような、無能で傲慢で無責任な」アメリカ大統領が居ただろうか? まさに、怒りを超えた驚きがそこにある。

トランプは「イランを【彼らにふさわしい】石器時代に戻してやる」とも言った。イランの橋や発電所を攻撃するのは戦争犯罪ではとジャーナリストに問われると、「やつらは動物だ」と言った。あまりのド直球人種差別が憚られ、NHKニュースはトランプ発言を訳していない。 

トランプのすることは、すべてが「大統領のヘイトクライム」なのだ。そして公人ががこんなことを言っても、アメリカは罰することができないのかというアメリカブランドの暴落がある。

トランプは、アメリカが嫌われる理由の権化である。彼をニ度も選んだのから、アメリカ人はいい加減責任を取ってもらいたい。

原油価格がとんでもないことになり、世界の庶民が払う天文学的なガソリン価格は結局、ガソリン価格の上下で稼ぐ資本家に流れていく。人の命もお金に代わり資本に吸い上げられていく。アメリカとイスラエルが補償しろという話である。


■4月5日                今年初の自転車ラン

 【サタデー自転車】晴れてようやく気温が上がり、今年初の自転車ラン。町のあちこちで桜や花を探しながら走る。あー気持ちがいい。プレイリーアベニューの名物マグノリアは満開だ

 

カメラはGF10にLM20mm、PL5にLUMIX G 35-100mm F4.0-5.6をつけていった。

LM35100は期待通り、自転車からちょっと遠くを狙うクイックスナップに最高だった。50mmあたりにしてぶら下げて走れば、森の中のナイスな瞬間がサクサク撮れる。素晴らしい。

【サタデー自転車】終点は、毎年桜を見に来る川上の小学校だ。カレンダーに書き留めておいた日付通りの満開であった。すばらしい。

 

ピクニックシートを広げ花見をしている子供連れのアジア系家族もいて、とても良かった。カナダでもみんなもっと花見をすればいいのにね。


■4月7日              朝ドラ不発

今のところ新朝ドラ【風薫る】は笑いもないヒロインの志望動機説明だけで、見上愛さんひいきの俺はツライ。自作花瓶を斜めから見るような素の彼女のよさは、「目を見開いて驚く」みたいなト書きのディレクションでスポイルされている。目鼻眉がクッキリしすぎて人形劇みたいになっちゃう。今のところはね。 

2週目もこのクソな世の中で…と二人の志望動機説明だけをやっている。生まれに恵まれなかった英語悪態娘と、家のためなら笑って好きでもない男に嫁ぎ子を生む自我の希薄な娘が、やがてナースとして自立するのですという分かっとるわなあらすじを2週間見せられているだけだ。二人の魅力は相当にスポイルされている。

いいなあこの狭さ、色合い、アジア❤️ x.com/HabuChan6/stat…

マレーシア クアラルンプール LUMIX G100 LUMIX G VARIO 12-32mm f3.5-5.6 #Lumix #G100 pic.x.com/bM8NJT0hXy

■4月9日                 関東ふしぎ発見・府中編

#アトロク #スーパーササダンゴマシン 「関東ふしぎ発見・府中編」のハイライトは、90年代に俺が警備員、すなわち無人の廃墟の主として君臨した【米軍府中基地跡】の話だった。あそこはほんとすごかったですよ。我ながらすごい場所を職場にしていたものだと思う。#utamaru 


■4月10日           セメタリーの丘を登る

 

【自転車】で郵便局へ。春なので乗ると気分よくて、ついつい坂を登ってしまう。ムスメが通った丘の上の小学校をハアハアと過ぎたところに素晴らしいマグノリアがあった。歩道へのはみ出しが芸術的だ。よちよちの赤ちゃんと若いお母さんもこの木の下で、写真撮ってました。(Lumix GF10+25mm) pic.x.com/ItjY91NCYm

この家の人は自宅のベランダで花見をするんだろうね。イヤ素敵です。マグノリアすばらしい。ありがとう。 pic.x.com/0wCFcUTScj

 

【自転車】マグノリアの家から上はうちの町の最高地点で、丘の頂上に市営墓地がある。

坂がキツイので車で通り過ぎたことしかないなと自転車を押して初めて行ってみると、花に囲まれた質素な墓地だった。ああ、ピースフルだな。 pic.x.com/T0X99htYS2

 

町の最高地点なので、下界に家々が見える。裏山に採石場があるのも見える。最後は自転車を押したけど、自力でけっこうな標高差を獲得した(自転車用語でなんていうんだっけ)達成感があるのであった。ヨシ🙂 pic.x.com/RBY7DPYjc2

■4月11日            柴犬のタカイチ

中国のトランプ風刺動画にタカイチが出てきたと娘が大笑いしてた。たしかに一目でわかる、柴犬なんだww 「トランプアニキはきっとうまくやってくれるわ」とゴマをするが、とばっちりを受けひどい目にあうという内容。その通りだよ全く。 instagram.com/reels/DWb-0kcj… pic.x.com/uREoHfIgRA

 

■4月11日                クラシックカメラの猛者

 

いつものカメラストアに行くと、すごいカメラを持ち込んでる人がいた。マミヤ・スーパー23(Mamiya Super 23 1967年) だって。見せてもらったネガがL判の写真プリントくらいあったよ。すんげー! 

俺がすごいねと興味を示すとバラバラに分解し、構造を教えてくれた。マミヤは彼のかわいいベイビーなんだろう。鉄のフレームにレンズ部と感光部をガチャと挟むみたいな構造だった。両側にハンドルがつき、持つと操縦桿という感じ。左指で押すシャッターは、ワイヤーで結ばれたレンズシャッターだった。

巨大なロールフィルムで撮るときもあるし、こんな感じの自作の枠にインスタントフィルムを組み込んで撮ることもあるそう。チェキで写した写真を見せてもらうと柔らかな画できれいだった。考えてみればインスタントフィルムは中判フィルムとサイズ似てるね。

マミヤの彼はこういう骨董カメラもデジカメも両方好きで、俺のEM10mk2を見て「俺もOM-D持ってるよ、EM5。こんな古いデジカメをなんで俺はいまだに捨てないんだろうと思いつつ使ってる」と言っていた。OM-Dはあの形が愛着を湧き起こすのかもね。 

ぼくは日本人なんだけど、子供の頃はカメラメーカーが無数にあってマミヤの名も記憶にあるよ。あとはヤシカ、コニカ、ミノルタ、コシナ…」と話すと、カメラ屋店員は当時を知るカメラ翁ばかりなので、懐かしげにうんうんとうなづいていた。マミヤのオーナーだけが中では若造だったな。楽しかった🙂

■4月13日                   平和と破滅を見たアインシュタイン

#アインシュタインと旅する日本 大正の日本を博士は40日も旅していたのか。当初の違和、気づき、理解と受容を彼は仔細に書き残しており、当時の映像ともどもたいへんに面白い。「記者たちのくだらない質問には辟易した」そうだ。大正の『ロスト・イン・トランスレーション』だ。

「人類史上最高の天才」と新聞雑誌が大々的に取り上げ、行動を逐一報道し、各地で熱狂を巻き起こしたという。つまり彼は日本人が初めて見る有名外国人、ヘブンさんだったのだ。

こうして文化花咲く大正デモクラシーから軍国主義の破滅までが、わずか25年。それは平成バブルから令和への(逆)アナロジーだと痛感する。宮島を愛でたというアインシュタインは、番組では語られなかったが広島への原爆投下に深い悲しみと責任を表していたそうだ。


■4月14日             今期朝ドラはハズレだ

逃避行中の家なし母子がメイクつやつやな【風薫る】は、毎朝残念に思っている。全体に毒を消した寓話に仕立てたつもりだろうが、「好きでもない男と結婚即断・翌日出産」も、「婚家から逃げつつ次の嫁入り先を探すりんの人権無知」描写も、笑いごとにはならないのが今の世情だろう。特にラシャメンになることの恐れをあれほど丹念に描いた「ばけばけ」のあとでは。

制作陣はそれが読めていない。可笑しみがない。可笑しみの不足で風に乗れていない。リタイヤしそうだ。リタイヤ朝ドラは「おむすび」以来だ。

庭がいつの間にかヒナギクの森になっている。ヒナギクはデイジー。 Daisy, Daisy, give me your answer do I'm half crazy all for the love of you. 

デイジーデイジーは「Daisy Bell」というイングランド19世紀の古い歌で、奥様がよく歌っている。デイジーデイジー、キミに夢中なんだ。ぼくの自転車に乗りなよという歌で、かわいいのだ。

晴れたので近所を15分ほどダッと自転車で走ると、今年最初のクマと出会ってしまった。第一弾からデカい! 草を食べてる。草なんて食べんだキミらは。迂回。うちの熊撃退アラームのテストをせねば。


2026/05/03

【まとめ26年3月】ばけばけ最終回:素晴らしい日々

「イラン戦争勃発」「ばけばけの絞り出す言葉」「13年ぶりのひな祭り」「日本ヒット小説の拙さ」「成瀬シリーズ完読」「サヨナラEM10mk3」



■3月1日             イラン戦争勃発

いまNHKに「ハメネイ師死亡」とテロップが出て、oh shitと声が出てしまった。イラン政権のよしあしなど俺には判断できないが、なにもかもトランプとイスラエルが思うがままの世界だなんてひどすぎるのである。倫理ゼロの世界。

生涯中東問題など考えたこともないだろう、歴史上最も不道徳な大統領が他国指導者を殺害し、「最も邪悪な人物の一人」と名指す。『壮絶な怒り』という、ブッシュ政権時と同じ独善的作戦名。911がなぜ起きたのかを改めて我々に逆算理解させるような、アメリカの他国への敬意の欠落を感じる。

どの状況分析ツイートを読んでも、トランプが誰も得をしない地獄の釜を開けてしまい、アメリカ支配の戦後秩序を終わらせてしまったのだという見立てだ。なんという愚かな男なのか。ホワイトハウスのTwitterを見れば、米政府全体がイディオットなのか。

しかし日本はどう見ても反撃を受ける米国側。日本のタンカーも多数アラビア湾にいるとのこと…。高市首相はアメリカ外遊予定だが、今行ったらどれだけ戦費を負担させられるのか恐ろしい。リウマチでドタキャンしてほしい。

日本がこうして戦争に巻き込まれるリスクが現実的なトランプ時代に、『高市首相に全権委任は無理』という思いが『戦争止めてくるわ』という投票スローガンだったわけである。なのに今「ホラ戦争止めてこいよ」とせせら笑う、愚か者たちがたくさんいる。 彼らはダブルで愚かだ。救いがたい。

■3月5日             ばけばけの絞り出す言葉

#ばけばけ アイワントゥビーウィジュ(I want to be with you)。おトキとヘブンさんの言葉はカタコトで交わされるから胸を打たれる。たまらない真情が絞り出される。

本日のヘブンさんの「オオ、シカ、デテコナイ」もよかった。少しの言葉で伝わる、かけがえのない気持ち。 

それにしても先週今週の髙石あかりの、体に英語が一切入ってない時代の人演技はすごい。不自然さを感じさせずああ喋るのは難しいだろう。現代人ならマイネームイズ・トキくらい、どう頑張ってもすらっと言えちゃうので。

おトキからは、熟した果実のように感情がこぼれてくる。こぼす涙が毎回天然果汁のようだと思う。一方ヘブンさんの暖かさは、ふかし芋とかそんな感じです。アツイアツイ。

■3月6日          13年ぶりのひな祭り

娘と一緒に、超久々に雛人形を出した。アルバムで振り返るとなんと13年ぶりだった。組み立て方も忘れてたが、出すとやっぱり素晴らしい。うちはフルサイズと木彫りのミニサイズの二段飾りです。 

小さな頃はイトコや同級生を招いて奥様が着付けしてあげてたのだが(6歳/13歳時)、中学頃あまりそういうことに喜ばなくなって、それっきりだったんだろう。

お雛さまを出したからにはひな祭りをしようと、ちょうどうちのムスメが着付けをやめた年頃の親戚ガールズを招いて、奥様が着付けをした。髪の毛セットは娘が担当。

完璧だ。ラブリイ!

三線を持ち出すと沖縄の娘たちに見えてくる。彼女たちのお母さんは中国の方なので血統が近いのかも。ガールズもノッてくれ、イヤサ、ハイヤと奥様も踊りだす。

最後にガールズのヒイばあちゃんも呼んで着物姿を披露し、13年ぶりのよいひな祭りでした。

 

■3月9日                  春の散歩

【春の土手散歩】春いちばんという感じの強風のサンデー、町境の川べりを歩いた。すごい風で川面に白波が立っている。その波のなか頭の黒いスズガモたちが、風と波に逆らい漂っている。すごいねえトリたちは。(PL5+LUMIX G35100) 


農場地帯は美しいが、強風で樹木が大きく揺れ轟々と唸り恐ろしい。土手が延々防風林になっており、川を渡り風が吹きつけやすい地形なんだろう。 ◆散歩用PL5につけていったレンズは 【LUMIX 35-100mm F4.0-5.6】。写り細やかで素晴らしい。

  

LUMIX G35100も以前手放し今回G 25mmとセットで買い直したのだが、25mm同様2個目のほうがアタリで写りがいい。この小ささを活かし自転車ランに持っていくと、スペクタキュラーな景色がパシパシ撮れそうだ🙂

■3月10日          日本ヒット小説の拙さ

奥様がクリスマスに日本の小説『Before the Coffee Gets Cold』をもらった。「面白いところもあったが納得行かないところが多い。それが文化的なものなのかどうか、読んで感想聞かせて」と頼まれ、Amazon Audibile で日本語版『コーヒーが冷めないうちに』朗読を見つけ読んで(聞いて)みた。

あらすじからセカチュー型難病モノかなと想像したが、内容より文体に驚いた。「こんな悲しげな顔は初めて見た」「こんな笑顔は見たことがない」といったフレーズが多用される。俺はこんなクリシェ(紋切り言葉)に満ちた小説は初めて読んだ。語彙が貧しく、誤用も多い。

『成瀬』を読んだときも面白さと共に文の粗(主語やキャラ設定の揺れ)を感じネット小説の書籍化かなと思ったが、今の小説は編集や校正が直さないのだろうか。

文章素人でキャラがつまらぬこの小説がなぜこれがヒットし海外翻訳までと調べ、元は劇作の小説化で、作者の第1作と知る。なるほど文体への違和感はそこかもしれない。「絶望でテーブルに突っ伏す」「驚きに三歩後ずさる」といった記号的表現は、演劇のト書きを書き起こしていくとこうなるのかもしれない。演劇というより脳内アニメの文字起こしだなと思うが。人間は三歩後ずさらないので。

ともあれ奥様が感じた違和感はやはり「なぜ恋人同士が本心を言わないのか」「日本では自己犠牲が愛なのか」といったあたりで、「俺はこの小説の誰にも魅力を感じないし、全員にリアリティないと思う。だから君の違和感は文化的な違いではない。しかしこういう最初から本心を言えば成立しない系のメロドラマ構造と難病ものが、日本では人気なんだよと説明すると納得してました。

しかし「コーヒーを飲む間だけ過去に戻り、後悔を癒やすことができるというアイデアは気に入ったわ」と奥様は言っていた。ヒット要因はそこかなー。

■3月13日                      サリエリ錦織

#ばけばけ あなたはパッションをなくしたのだと幽鬼のようにヘブンを責め立てる錦織は、アマデウスのサリエリのようだった。あれは焚き付けだったのだという優しい種明かしを聞くおトキの顔のうれしさよ。

若き日の志成らなかった錦織の短い人生は、だがしかし文学の友として、あの本の献辞に永遠に刻まれたのだ。


■3月14日                       時代変われど、何度でも

#SONGS 700回SP DREAMS COME TRUE。世の中変わって紅白では彼女らを見ないけど、今もやっぱり歌すごいしベースうまいし、パワーあるなーと思う。

吉田美和は体型を気にしてそれを隠す服装をし、TVにもあまり出ないのだろう。しかしあれだけ歌え踊れるんだから、そんな気にしなくてもいいのになと思う。ミックだって奇跡のようにカッコよかった若い頃のルックスはもうない。だけど爺になってもイイしね。

振り返りで流れた震災直後の「何度でも」には、当時マア泣かされた。音楽のエモーションの力を感じた。あれからもう15年なのかとこの番組でもつくづく思う。世の中変わった。 政治と社会のスタンダードが、あれからこれほど劣化するとは。


■3月14日           映画「スティング」、コンゲーム

TVで映画『スティング』をやってたので、娘を呼んで皆で見た。マアなんて面白いのか、映画史上最強のバディだなニューマン×レッドフォードとほとほと感心させられる。こうしてペラーリと画面が切り替わるあたりの味わいがたまらない。いやークラシック映画って本当にいいですねえ。 

忘れてたところも多く鳥肌が立つ。詐欺の大仕事コン・ゲームとは、Confidence Game(信頼を操るゲーム)のことなのだと英語で見て知った。なるほど。俺は敵の大物ロネガンはトランプみたいな奴だなとずっと思っていた。アレは今、ネタニヤフのコン・ゲームに引きずり込まれている。 

ポール・ニューマンとロバート・レッドフォードは実生活でも親友で、お互いに大掛かりなイタズラを仕掛けてたのだと奥様が言っていた。車好きすぎるニューマンの誕生日にレッドフォードは、事故で潰れたポルシェを手に入れ届けただとか。


■3月15日              成瀬シリーズ完読

宮島未奈『成瀬』シリーズ三部作を完読。面白かった。 ①『成瀬は天下を取りにいく』の成瀬は自閉傾向のギフテッドな少女をかなり理想化した造形に思えたが、彼女に反感を抱く学友もカウンターとして描くバランス感覚が作者は非凡だった。2作3作と描かれる彼女の成長にも裏切られることはなかった。 

①『成瀬は天下を取りにいく』の「ありがとう西武大津店」と「レッツゴーミシガン」でそのまっすぐな地元愛が感動的だった成瀬が、②『成瀬は信じた道をいく』では努力と誠実の天才という感じの存在となり、気づかぬまま周りをエンパワーしていく爽やかな青春群像劇になっていた。(しかしこういう美少女ではないと思うw)

③『成瀬は都を駆け抜ける』では「ぼきののか」という簿記アイドルユーチューバーが登場し、言語感覚すごいな作者と思った。俺は今Audibleで現代日本ヒット小説を片っ端から試し聞きしているが、成瀬三部作は朗読で聞いて抜群に気持ちがいい。成瀬母が語る一篇が感動的で、そこに物語の完結感があった。

成瀬あかりは表紙絵やコミックでは美少女化されているが、観光大使という目立つことをしながら小説内のTwitterではバズってないので、そういう見た目ではないのだと思う。バズったら別な物語となりイヤである。俺は「スキップとローファー」みつみの笑ってないときの顔を脳内で描きながら読んでいた。


■3月20日           トランプ高市会談の日

【ガソリン $2.14】! 2ドル超えは見た記憶ないなー。愚か者トランプよ、世界中が迷惑しているぜ。そういえば高市さんは今頃トランプとの会談終えてるのかな。大丈夫かな。それにしてもひどい雨が続く。

うわ。怖いもの見たさで見てしまった高市総理のトランプおべっか。ニヤケ顔で唇突き出し「ドナルドだけ❤(チュッ)」とやってんじゃん。文字で読むよりさらにヒドイ…。ヒドイ…。

自民政治家には、媚米こそ政治家の力という謎の信心がある。国内人気絶大だった小泉も安倍も、訪米ではアメリカ国民がお笑い番組で取り上げ苦笑するほどのド媚びぶりであった。#媚米の伝統発展継承 としか言いようがない高市総理の「ドナルド❤️」であった。恥ずかしい。

うちの家族はトランプのパールハーバー発言に「アレがこういうこと言うのはサプライズじゃないわね」と言い、高市総理の「世界に平和をもたらすのはドナルドだけ」にはオーマイゴッドと驚いていた。Your prime minister said that? イヤ俺の首相じゃない、俺のじゃ…😔

あの高市総理の訪米をして「商取引も含め百点満点では」と言ってる政権内部の声をそのまま伝えるNHKも、ほんとどうかしていると思う。


■3月22日                 トランプ大迷惑

【トランプ大迷惑】英国の親戚夫妻が予定外のカナダ訪問中で、今日はうちで一日過ごし、俺は天ぷらをごちそうした。二人はオーストラリアの息子宅へ孫を見に行ってる間にイラン爆撃が始まり、豪→欧州便が無期限停止され帰れなくなったのだ。カナダ周りのチケット取り直しとなり、地球丸一周である。気の毒😬 

旦那さんは英公務員だった硬骨のナイスガイで(&カメラ好き)、もとからトランプの不遜・理不尽・人間性欠落を嫌っていたが、直接迷惑を被りえらい剣幕だった。 「日本のプライムミニスターもこないだ会いに行ってたよな。なんか妙なこと言ってたよな!」と笑われた。すいません😔

トランプをドナルド呼びする他国首脳なんていないし、トランプだってMsタカイチと呼んでいる。自民伝統の奇妙なファーストネーム親密仕草はド滑りしていたと英ガーディアン紙は書いたそう。敬意と信義に基づかぬ、日本の外交下手の象徴としか思えない。

なぜアメリカが憎まれるのか、なぜ911が起きたのか、なぜ反米国家が核の抑止力を持とうとするのか、トランプがすべてのアンサーになっている。

■3月24日          アニメ『ルックバック』

週末NHKでアニメを2本見た。『数分間のエールを』 ――今は手書き風の絵をコンピュータ上で動かし、回転させ、複雑なレイヤーで描くことができるんだなとCG技術の進歩を感じた。滑らかでリニアな動き。きっと作業も効率化できるんだろう。

しかし続けて『ルックバック』を見て、手描きアニメや漫画は全てのシーンが「絵」なのだと改めてクッキリと伝わり、シーン1つ1つの絵のよさに感動した。手描きアニメは動く絵なのだ。

  『ルックバック』はストーリーにも泣かされた。振り返る藤野、ついていく京本。振り返る、ルックバック。


■3月25日                   映画が描く戦争の虚しさ

家族で見るクラシック映画、今週は『戦場にかける橋』を見た。ラストシーンは、関わる人たちの誰の思惑通りにもならない戦争というものの愚かしさを、ほんとクリアーに象徴しているなあと感心した。トランプはこういう戦争映画を見たことあるのだろうか。(絵はぴあから。









■3月25日                 サヨナラEM10mk3


右がMk3。グリップの形状が違う。

【EM10mk2にカムバック】昨秋日本行き直前にOLYMPUS EM10mk2が壊れ、急遽代役としてmk3を買った。EM10mk3はいい写真をたくさん撮らせてくれたが役目を負えたので予定通り売り、EM10mk2に戻った。mk2は2台目。今度のはシルバーで、より古めかしくて良い。

EM10mk3はSONY16mpセンサー機の最終形であり、画質はマイクロ4/3の16MP機でベストなのは間違いない。日本ではほんといい写真が撮れまくった。

 

しかし設定を保存できないことに我慢ならんかった。この代から入門機EM10とPEN系はCustom1-4保存がなくなったのである。それはヒドイよOLYMPUS。

EM10mk3の買い手さんから「これは画質いいねえ、普段使いにピッタリだよ、サンキュー」とメッセージが来た。もともとNikon使いで、重さに耐えかねOM-3に移行し、それでも重いとサブにこれを買い足したそう。そう、LUMIX 20mmをつけて日本を撮ると驚異的な写りだったよ。GX9より明らかにいい。OM-3ユーザーをも感心させる画質なのである。

「しかしカスタマイズ項目少ないねえ」と。そうなんだよねえ、それだけがmk3以降の難点。トーキョーの友人宅やストリートスナップも無敵だった。ほんと設定さえ自由に保存だけさせてくれたら、EM10の完成形として使っていけたんだけど、OLYMPUSのカスタマイズ身分格差制開始がうらめしい。俺は自由なmk2でチマチマ設定詰めていくよ。

■3月24日            ばけばけ最終週

#ばけばけ ヘブンさん逝去。ついにそのときが来てしまった。しかしそれが火曜日で、しかもイライザさんが登場したことで、大きな意味を持つエピローグが描かれるのだと分かる。あの心痛を招いた新聞評とは違う再評価がもたらされるのだろうか。海外での不評を察していたかもしれないおトキを、慰めるような。

■3月25日               イライザもサリエリ

#ばけばけ ヘブンは『怪談』が売れたと嘘をついていたのか。それにしたってイライザがあんな常軌を逸したトゲだらけの言葉で、おトキの思い出を壊すとは。 しかし彼女のその熾烈すぎるレフカダへの想いが、おトキの文学・リトラチャーをアシストするんだ。錦織がヘブンを焚き付けたあの日のリプライズだ。

■3月26日                 おトキの悔恨

#ばけばけ 東京での可笑しな暮らしを、悔恨にじむ回顧で見せるのはなぜだろう。酷。 しかしたとえば俺もだねおトキ、もしカナダ人の奥様と出会わず今も日本で暮らしていたらとは、もう想像できないのだ。そういうものなのだ。God only knows what I'd be without you と、後世の詩人は歌ったよ。神のみぞ知る。君なしにヘブンなし。

■3月27日              ばけばけ最終回:素晴らしい日々

#ばけばけ 「ほんに他愛もない、スバラシな毎日だっただない」…あーまいったな、泣いた。絵のようなおとぎ話のような、ヘブンとおトキの日々であった。それが楽しくて我々も毎回朝ドラを見るわけである。イライザさんにもこの本で伝わっただろう。スバラシな日々。

連れ合いが亡くなったあとのエピローグにざぶっと水をかける酷なことをしたのは、「他愛もない、スバラシな毎日」の尊さは、偉大な著作や制作物に劣るものではないとおトキに知らせるためだったんだろう。失望のイライザにもそれを届けるためだったんだろう。楽しかった。お疲れさまでした。◆

私たち海外住んでる勢はことさらに、あの言葉も実は通じていなかったりする「他愛もない、スバラシな毎日だった」にはまいりましたよね。泣いた🙂


■3月29日                ばけばけ見直し

#ばけばけ ラスト週全話を見直した。イライザの詰問は言葉の分からぬ家族みなが敵意を察する度を超したもので、シャーロットさんの演技ともども鬼気迫るものがある(英語の語気は字幕よりなおキツイ)。ヘブンへの過剰な思い入れと、トキと日本への嫉妬が混じったものだったのだろうか。 

そのイライザの言葉でおトキは『呪い』をかけられたのだ。水曜木曜は、最終回までの流れを知っていながら、おトキのあまりの失意に再度胸が詰まる。「悪いことばかりじゃなかっただない」と慰められても「いいことなんかあったかね」と呪いは驚くべき堅さでおトキを縛り、ほどけない。

それが最後、フロックコートの他愛もない想い出笑いによって、慰め言葉はそれまでと同じなのに呪いがシュワワと解ける奇跡が起きたわけである。ディズニー映画のような鮮やかさ。イライザは魔女だったのです。

髙石あかりがこの物語で何度も見せてくれた「ええー?」という言葉にならない、溢れ出す感情。泣き笑い。よかったなあ。

◇    ◇    ◇

【風、薫る】朝ドラ初回はいつも前作クライマックス直後なので気分調整が難しいが、『ばけばけ』はことに最後まで苛烈な暗転と光で描かれたので、3日後こうして語り・舞台・人物・音楽のすべてがちまちました作り物であるいかにもな朝ドラが始まると、場違いで気の毒なくらいだ。大河のように間を空けたらいいのに。

見上愛さんは『きれいの国』でルッキズムに揺れる近未来の少女がめっちゃよかったんで、タイミング的にも役柄的にもカツラ的にも、あーこれはめぐり合わせ悪いかもと思う。気の毒。