2026/07/13

【2026イングランド旅行記①】絵本のようなフェリビー村~城塞都市ヨーク~海鳥の崖

「ピカデリーの災難」「絵本のようなフェリビー村」「城塞都市ヨーク:キリスト教建築と美術のとめどなさはなんなのか」「英国最大級の野鳥景勝」ほか

■5月27日             イギリス大旅行のはじまり:ピカデリーの災難

本日からイングランドの長旅である。まずはイギリス東部ヨークシャーの中都市ハルの親戚宅へ。――しかしAir Canadaのフライトはひどかった。シートは狭く脚が当たり、フードはここ20年で最低のまずさで(パスタがひからびていた)、キャビン温度は20度を割りゴアテックスを着ても寒く(燃料節約のため?)、夜8時発の夜間飛行なのに眠れなかった。Air Canadaオススメできません。

【ピカデリー線の災難】ヒースロー空港からの移動も大変だった。いや災難だった。到着した日は驚異のヒートウェーブ35度で、こりゃ東京だねとまず驚く。

空港からターミナル駅キングスクロスまでのピカデリー線は、遊園地の電車のように古く小さくかわいらしいのだが空調がない。湿気もカナダよりはるかに強く汗タラタラだ。

しかもロンドン都心まで1/4ほど進んだところで止まり、列車が「キャンセル」されてしまった。 

『ENDED』という見たこともない行き先表示に俺たちは呆然とし、次に来た車両に移動するも同じくキャンセルを3~4回繰り返す。そこでようやく「熱波で電気施設が壊れ、ピカデリー線は全線運行停止」と乗務員からの非公式情報が得られた。「駅から出て各自なんとかしてください」。なんとかしろって…。

英国鉄道は不安定でアテにならぬとは聞いていたが、たかだかヒートウェーブで全線運行停止は聞きしにまさる。Northfields という何もない小駅で改札を出て、フライト直後で寝てない頭で呆然としつつどうすればいいのかと駅員に聞くと、「バスでイーリング駅まで行けば、ヒートウェーブでもエリザベス線は動いている」と言われる。…バスですか…。

Googleマップを見てもそれ以外にNorthfields 駅の刑罰を抜け出す方法はなく、ローカルバスに乗り込む。路線バスにトランク2個持ち込みはキツイ。しかし俺たちだけでなく何組もがトランクを抱え、同じバスで同じ苦労をしていた。

さらにバスの降り場も間違え、35度の中スーツケースを引きずり炎天下を15分ほどトボトボ歩く。キツイ。すでにロンドン郊外の町並みは魅力ありカメラで撮りたいのだが、両手が荷物でふさがり暑くそれどころではない。ふー。

イーリング駅→エリザベス線→もう一度乗り換えて、ようやく目的地ハル行きの長距離が出るキングスクロス駅に到着した。ピカデリー線1時間の予定が2時間半かかり、切符を買ってあったハル行き列車はとうに出発していた😔

ハル行きチケットを買い直し(※)、待ち時間に軽食を取り、ようやく一息つく。しかし英国暑いね。湿気もすごい。カナダはやっぱりカナダドライなのだ。

(※間に合わないのはNorthfieldsで確定してたので、出発時刻前にスマホからキャンセルを入れておき、あとから払い戻ししてもらえた)

ようやく目的地ハル行きの長距離列車へ。ロンドン→ハルの鉄道はAzumaという名で、作りと乗り心地がどう見ても新幹線であった。これは新幹線だろとあとから検索し、やはり日立の新幹線だと知る。

山がひとつもなくものすごくフラットな、イギリス東部の美しい田園を親戚宅へと汽車は超高速で駆け抜ける。古い鉄路とローカル駅が味わい深い。ドンカスターという大きな駅を経由していた。ドンカスターカップという有名なレースのある競馬場の町だ。

午後9時、予定から3時間遅れで親戚宅に到着。家を午後3時に出てまる24時間の移動だった。ふー、お疲れ様でした。

■5月27日                2日目:絵本のようなフェリビー村

昨日は疲労困憊だったが、宵から気温が下がったおかげもありよく眠れて、イングリッシュモーニング初日を楽しんでいる。いやーやっぱり英国違うな、ミルクにもユニオンジャックですよ。日本ミルクとかカナディアンミルクなんてないもんねw

この家の猫は庭に住んでいる。屋根のついたベッドがある。イングランドの猫は庭でまったり暮らせるんだ。いやーやっぱり英国違うな、カナダだとアライグマやコヨーテに襲われちゃうもんね。 クマもいないし、ネイチャーが穏やかな国なのだ。

というわけでお国柄いろいろ違ってイングランド面白い。人の家に泊まるのも久しぶりだが、うちのカナダ家族と同じノリで気を使わせない気さくな人たちで(左・奥様のイトコCh)、のんびりと疲労回復させてもらっている。ヨークシャー訛りは半分くらいしか聞き取れないw 

親戚のお宅はヨークシャーの中都市ハル郊外フェリビーという村なのだが、普通の住宅地の家々がやたらと古く美しいのがイングランドすごい。別に高級でも軽井沢でもないのに家が美しい。犬を連れてるご婦人が親戚の知人だった。皆が皆を知ってる郊外ライフ。 pic.x.com/PQQ7w0PZ5M

すごい古い教会が見えてきて仰天すると、ここが親戚の家の教会で、奥様の叔父のお墓があった。

奥様は子供の頃その叔父さんに遊んでもらったそうで、叔父さんのお墓を掃除しながら、久しぶりねと墓碑をさすっていた。日本の墓参りと同じだった。

 

管理人の方がこれまた知人でチャーチの中にも入れてもらえた。田舎だなあ、やさしいな。俺の田舎と同じだな。建物は19世紀、教会は1200年頃創立だって! そんな昔からこんな田舎の隅々にまで、人々の暮らしがあったのだ。日本と同じだな。 pic.x.com/Rh87N6pnuf

この旅の目的の一つである奥様Mの叔母(Chの母)に会いに行く。親族一の超高齢なんで、これが会いに行ける最後だろうという叔母さんはM父の姉で、顔もかくしゃくとしたところも彼によく似ていた。

叔母さんは「あなたが子供の頃の訪問時にこれをくれたのよ」と、思い出の品を出してきた。Mは6歳とかそのくらいのときから何度も英国に来てたのだ。イングランドはうちのムスメ萌にとっての日本と同じ、親の母国で特別なつながりの国なんだなと実感する。その国のすべてが、憧れだったのだ。

教会通りの街角に、当たり前のように床屋がある。「ペニーレイン」じゃんと思わず声が出た。 

Penny Lane, there is a barber showing photographs Of every head he's had the pleasure to know 

行き交う人々が俺にもハローと声をかけてくるんだよ、ほんとに。 pic.x.com/bj3Ui407Zq



■5月28日               ハル散歩  

ヨークシャー州の港湾都市 Hull 散歩もステキだった。奥様の母はここで育ち、ドイツ軍の爆撃も受けたそうだが、旧市街は何百年も昔からのレンガ建物と石畳に満ちている。旧市街は完全にヨーロッパ。石畳の道はローマかアテネで。即物的な俺は、パリとか行く必要ないじゃんと思った。

バーンと登場する大聖堂! しかし観光客がまったくいないのが奇妙だった。なんで観光客が殺到しないのかと不思議に思うくらいの美しい古都なのだが、まあイギリス中にこういう町があるからということなんだろうか。これが日本やカナダにあったら大変である。pic.x.com/ruN2FrM2sH

Hull 市の川の広さにも驚いた。俺が見た最大の大河で向こうが見えない。あとで調べるとかつては英国南部とヨークシャーを分けていた、英国最大の川だとのこと。対岸まで約3km〜4km。

「ハンバー河口はなんとイングランドの全陸地面積の約5分の一に降る雨水を集めて海へと流しています。イギリスで最も大量の淡水を海へと供給している、まさに生命線のような場所です」


イングランドは風力発電があちこちにある。雄大な風景だ。騒音とかで苦情はあるのと尋ねると、いや全然ないな、俺は気に入ってるよいいアイデアだと親戚は言っていた。大河沿いで風がある町だもんね。 pic.x.com/S6TtceKiFt

■5月29日             フェリビー散歩

奥様の一族が暮らすこのフェリビー村は、小さくてほんとうにかわいらしい。今日ものんびり散歩した。道行く人が「Good day!」と声をかけてくる。いいお天気ね。

道の名がアベニューとかではなくLaneなところがカワイイ。スクールレーン、学校小路。ほんと車がすれ違えないような、小路ばかりでできている。 pic.x.com/GsVIEQ7ELf

夜は奥様イトコに、彼女の周りで大流行だという『ファイブクラウンズ』というカードゲームを教わった。ツモとチーと捨て札で回す麻雀そっくりなゲームで(古典カードゲーム『ラミー』が元)、。配牌を並べ替えべどう揃えようかと考えるワクワクが毎ラウンドやってくる好ゲームだ。 pic.x.com/q25Y1pmTbM

しかし捨牌が1山にまとめて置かれるので、直前プレイヤーの捨牌しかポン・チーできない。そこがメカニクス的に麻雀よりはるかに弱いな…とボドゲマニア的なことを考えていると、イトコさんが1~3ラウンドで毎回上がってしまう。俺と奥様は毎回「え…ww」と絶句するばかりであった。面白いのだが、手を揃えている時間がない。

「なんだこれはw コンピュータ麻雀がそういう血も涙もない勝ち方をするよ、アナタは数学的天才ですか」と笑いながら1ゲームを終え、俺はマイナス250点の記録的惨敗であった。

面白いけど、このゲームが好きなら本物の麻雀を覚えるといいよとChにオススメしておいた。このゲームは早上がりで他のプレイヤーにマイナス点を与えるという戦略しかなく、要は確率計算ゲームなのである。運と戦略を絡め、大きな手を狙いじっくり時間をかけられる麻雀のほうがはるかに面白い。

続けて俺たちがお土産に買っていった『ボーナンザ』で俺が勝つ。ヨシ。ボーナンザ気に入ってくれたらいいな。

■5月29日            APS-C望遠レンズ初体験


滞在先の旦那ALもキャノンのAPS-Cで野鳥を撮るカメラ父さんで、滞在中に野鳥を撮りに連れて行ってもらうことになっている。彼のカメラを使わせてもらったが、レンズ重い! 腕が筋肉痛ww pic.x.com/wJf8BKmhRM

そして非マイクロ4/3のカメラはこんなに手ブレ厳しいのかとびっくりした。古いカメラ(EOS 80D)ゆえかレンズISだけなのだが、400mm相当で20枚中2枚くらいしか止まらなかった。マイクロ4/3で昼間のシャッタースピードならISなしでも止まるので、センサーが大きく重いカメラはシビアなのだと知る。野鳥はモノポッドで撮るそうだ。撮れてる写真はすごいけど、スナッパーとしては絶対使えないなと思った。普段持ち歩けないし。 pic.x.com/xmYl49brWb


■5月30日                      城塞都市ヨーク



ヨークシャーの古都、GEMINIによればイギリスの京都というヨークに連れて行ってもらった。中世映画のセットの中を歩いているとしか思えない景色。アンリアル。ハリーポッターとは何の関わりもない町なのだが、街中ハリーポッターグッズだらけだった。日本の観光地はGHIBLIグッズ、英国はハリーポッターグッズなのね。


 そして現れたヨーク・ミンスターの巨大さ! アンリアル! 「北ヨーロッパ最大級のゴシック建築の大聖堂」。


欧州のこのキリスト教建築と美術のとめどなさはなんなのか。

博物館になっていた地下部分の説明をざっと読んだところによれば、このミンスター(寺院、その上がカシードラル・大聖堂)ができた中世13世紀〜15世紀、教会の大きさはすなわち地域の力の誇示であって、こんなすごいミンスターがある場所には攻めてくるなよ。天罰が下るぞという抑止力だったそうだ。

イングランド北部に攻め込んでくるスコットランド軍や内戦「薔薇戦争」の敵ランカスター家に、「我々にはこれだけの財力と神のご加護がある。攻めてきても無駄だ」と見せつけるための巨大な砦が、ヨーク・ミンスターだったのである。日本でいえば室町時代、応仁の乱の頃だそう。織田信長が築いた安土城が、もうかなわないと他国大名たちに思わせたそうだもんね。


ヨークは軍事拠点としての城は持たないが、長大な城壁にぐるりと囲まれた城塞都市だった。

数キロに渡り今も残るその城壁を、延々と歩いていけた。天気もよく暑くもなく、気分がよかった。かつてこの壁を巡り、壮絶な攻防が行われたという。

  ◇    ◇    ◇

 

イギリス郊外を走るとほんと、驚くほどの頻度で風力発電を見る。風車クルクルで電気が起こるんだからいいなあ。太陽光パネルよりはるかにいい景色だと思うし。日本は再生可能エネルギーで、世界に置いていかれてしまった。あのプロペラや発電機すら国内で自作できないのだそうだ。新しい技術を作れないのは夢がない。日立の高速列車がイギリスを走ってるのがうれしかっただけに、新エネルギーを開発してほしい。 pic.x.com/hPelSyod6E



夕方はフェリビー村のあの「スクールレーン」にある親戚友人宅のBBQに招かれた。庭にロキシーミュージックが流れていたので日本でロキシー人気あったんだよと話すと、初めて日本人に会ったという方がよろこんでた。お土産にユニオンジャックをもらった。日英親善できたなと感じる🙂 pic.x.com/EQHMDLbnul 

■5月31日                英国最大級の野鳥景勝地

本日は野鳥カメラ兄貴に英国最大級のトリの名所 Bempton Cliff に連れてってもらった。

英国最大級のトリの名所 Bempton Cliff、すごいところでした。見渡す限りの鳥。

目の隈取りがカッコいいGannet、シロカツオドリ。つがいの鳥たちが首をこすりつけ、愛を確かめ合っている。 pic.x.com/so9sVYIj9q


こんなチャンスはそうないんで、飛び交うGannetにAFを合わせる動体撮影を練習した。古いコントラストAFのEM10mk2+MZ40150mm F4.0-5.6なんで難しいのだが、ヒットしなくてAFスッポ抜けても、鳥たちのいる水面がまた美しい。

やっているうちにだんだんヒットが増えてくる。楽しい。これは日差しがきつくなければ一日中やってやれるな。

キター! 本格的な野鳥撮影は初めてだが、これは楽しい。300mmではやはり短い。これは600mmとか800mmとかほしくなるな。しかしレンズを買っても、カナダBCでこんな野鳥を撮れる断崖なんてないんだよね。

 

野鳥撮影のあとピクニックをした。あーいいなあこのイージーな感じ。キャンプみたいだ。マグカップを持ってくるところが英国的だ。

 このうちの旦那はスポーツ好きでパブでビールをガブガブ飲み、頑固だが気のいい人で、ほんとイギリス人という感じがする。奥様のイトコChはお姉さん気質で、なにからなにまで面倒みてくれるカッコいい人だった。一族共通してボッシー(指図しがち)だが本当に優しい。滞在は今日まで。お世話になりました。 pic.x.com/c0H6OOw0rF



夜荷造りしていると、窓からオアシス・トリビュートバンドDefinitely Oasisの演奏が聞こえてきた。今日はフェリビー村のロックフェスだったのだ。オアシス3連発で超盛り上がっていた。遠くから聞こえる村人何千人かの Don't Look Back In Anger 大合唱が感動的だった。イングランドだなあ。