2019/08/10

【自転車】美しきクロモリのアサマ号

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■19/07/11(木) ■ 自転車愛燃え上がる夏
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6月の家族ノバスコシア旅行中、義母の世話はあるとはいえ家事が減り俺もバケーション状態だったので、ひたすら自転車に乗り自由を謳歌した。車に自転車を積みっぱなしにし、用事で出かける出先で自転車を引っ張り出し走り回ったのだ。いつも車で通りながら、歩いたりしたことのない景色を探して。

(詳細)【まとめ6月】自転車ツーリングの日々: 夏の自転車ツーリング、アライグマベイビーズ、いだてんシマちゃん、ノバスコシアからの便り ...


市営農園そばの沼地地帯。


2つ隣の港町の、海を見ながら走る最高サイクリングロード。


市境の川辺の遊歩道。鴨の親子が泳ぎ、人間の親子が水遊びをしている。


町の線路の向こう側の住宅街も初めて走るときれいだった。


川向こうの絶景ブルーベリー畑にはクマが。


わが町の最高地点までフウフウいいつつ登ったり。

  ◇  ◇  ◇

乗れば乗るほど自転車好きが増していき、もっといい自転車がほしくなる。今乗ってるのは15 年以上前に買ったノーブランドの重たいMTBだが、他人が乗ってる自転車が全部いい自転車に見えうらやましい。個人売買自転車マーケットを眺めると、中古レンズ1本売れば買えるくらいの値段で十分実用的な車体が手に入ると思うのだ。

気になってるのは MTB の車体に細めのオンロードタイヤがついてるクロスバイクというタイプ。俺はロードバイクの軽さと低抵抗に憧れるが、ドロップハンドルに超前傾の自転車に乗りたくはないし、オフを走れないバイクにも興味はない。なのでクロスバイクがベストなんではないかと思っている。





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■19/07/27(土) □ 自転車に乗れる移民の幸せ
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 サタデーバイキング、住宅地をのんびり川まで走る。途中友人宅の近くを通ったので寄っていく。どうもー。あのさ、君なんかいい自転車乗ってたよね。見せてくれない? …おお。やっぱりタイヤが細いクロスバイクなんだ。Norco、カナダのメーカーなのか。いいね、乗ってみせてと頼むとニコニコのいい写真を撮らせてくれた :-)

彼女は通勤に使うこともあるんだそうだ。片道20km! 健脚スゴイw 俺はしかしやっぱり凸凹道も走るので、こんな細いタイヤだとリム打ちでパンクしそうだな。MTBがいいのはタイヤ自体がチューブを守り、パンクしにくいことにあるからな。しかしいろいろと参考になる。

◇  ◇  ◇

自転車を見せてくれた友人LDは日系三世なのだが、彼女のお父さんは戦時中カナダの日系人キャンプに収容されており、所内で争議を起こして待遇改善を成し遂げた闘士なのだった。昔の日系人の話を彼女から伝え聞くと、胸がザワザワする。

彼女はいまも古い世代の日系人とつながりがあって、昨日は老人ホームへ入る日系老人の引っ越しを手伝っていた。「本の処分が大変なのよ、ほしければ持ってって」と見せられたのが、百冊ほどもある岩波のハードカバーの歴史系研究書。圧倒された。カナダでこんなに勉強している日本人がいたのか…。

昔の日系人のことを知って胸がザワザワするのは、自分がカナダに来た頃の心もとなさを思い起こさせるからか。ネットがまだなくて、(拙い英語だけでは)自分の知的欲求を満たすものがまるでなかった。こんなところで生きていけるだろうかと思った。そういう境遇で生き抜いた移民の人生を思うわけである。

ネットがあり自転車に乗れる現代の移民は幸せだ。

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■19/07/29(月) □ 美しきクロモリのアサマ号
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個人売買サイトにアサマという台湾メーカーの美しいハイブリッド車が出ていた。フレームはタンゲのクロモリチューブ! フロントサスはないのだが、ロードをメインに行くならこれは非常にいいのではないだろうか。

 ディレーラーはシマノ XT がついてるので、俺たち兄弟が吉祥寺で乗ってた ARAYA の MTB と同じ 1990 年代ものだ。後輪もクイックレリーズがついていて、構成は完全に俺たちの ARAYA と同レベル。そしてフレームは銘品タンゲフレームだ。

 よし、見に行ってみよう。

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ゲットしました! タンゲ・クロモリチューブのクロスバイク、Asama Rockline Pro。


 美しい。そして軽い! 昔友だちのブリジストンが俺のオーバーサイズチューブの ARAYA より明らかに軽いと思ったが、あのレベルの軽さがある。

 タイヤは後ろがハイブリッドで前はなんとセンタースリックだったのだが、LDのやつよりは太く(1.4x26)、パンクに強そう。今度のはこないだ試乗して状態が悪く買わなかったプジョーと違い、ちゃんと整備してあってメカ的な問題なし。トレールを試走してみてブレーキングでフロントがブレイクする気配はなく、ダートでの乗り味もよく、決定した。

 で帰って近所を一周してみたのだが、明らかに軽く速い。俺の前車やプジョーとは全然レベルが違う。プジョーで妥協しなくて良かったとつくづく思った。段差を超えるたびにショックがならされていることに気づく。ダートを走っても後輪が跳ねずトラクション(駆動力)が非常に高い。これがタンゲ PRESTIGE の味なのね。ボトムチューブを叩くと、キンキンと薄くて中空なパイプのいい音がする。

『TANGE のプレステージチューブと言えば、1990 年頃前後に MTB が好きだった人には憧れであり、伝説であるクロモリチューブ。殆どのハイエンドフレームの素材としてこのプレステージが使われていました。特徴は「粘り」。絶妙で独特な粘りを持ち、オフロードでのトラクションを高め、まるでサスが着いているがごとき路面との一体感をもたらしてくれました。そう、MTB にサスなんか存在しなかった時代のスーパーフレームだったのです』――そうなんですよ、俺も憧れてたのだ。

 帰りに直線に出ると、ひと漕ぎでふわああとスピードが乗るのでうれしくなる。フリクションと走行抵抗を全然感じない。アスファルト走行が気持ちいいので公園のダートを通らず帰った。漕ぐことが気持ちいい、直線が楽しいという魔法がかかっている。これがロードバイクの感覚なんだなと思った。

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1994年頃、多摩湖にて
 夜調べると 1993 年で 1000 ドル級のバイクだった。俺が乗ってた ARAYA 8万5千円と同等のグレードなわけで、必然的にパーツも同じく当時最強のシマノ XT となるわけなのだ。

XT のギアをガツっと数段一気に落とす操作感も、ブレーキの落ちを防止する金具もなつかしい。25年の間を置いて、日本においてきた ARAYA と同じものが手に入ったという喜びがある。あの自転車クレイジーデイズの続きがやっと始まったのかもしれない。うれしい。ほんとうれしいっす :-)

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