2018/07/01

「チェルシーガール」の思い出

「『トム・ソーヤーの冒険』の筆者マーク・トウェイン、ジャニス・ジョプリン、ジミ・ヘンドリックス、ジョニ・ミッチェル…彼らはチェルシーホテルの住人または長期宿泊客だった。そしてパティ・スミスが盟友ロバート・メイプルソープと一緒に住んでいたのもこのホテルだった…」TAP the POP「パティ・スミスとチェルシーホテル」

チェルシーホテルはNYにあったのか。警備員をやってた頃、警備車のカーステレオにニコの「チェルシーガール」が入っていた。ベルベット・アンダーグラウンド好きの同僚が作った超いい選曲のカセットだった。ロンドンのチェルシー住宅街の歌なのかなと思いながら、受け持ちの廃墟の中を巡回していた。

彼は無口なドラマーで、バンドでは何度も音を合わせたが、そんなに話すことはなかった。俺の知らない曲がたくさん入った彼のあのカセットを、それぞれ別の日に警備車で聞いていたことが、一番のパーソナルな思い出になった。カナダに持ってきて、バンクーバーの風景の中でも聴いていたよ。

彼と働いていた、いろんな人と知り合いになったあの頃が、自分にとってのチェルシーホテルみたいなもの。美大生たちがシェアする米軍ハウスへ遊びに行くと、妙な居候がいたりした。「アートと引き換えに部屋を借りられた」パティ・スミスのように、ちょっと面白いバンドやってるというだけのことで俺も、そこに迎え入れられたのだ。

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