カーリングのルールとか覚えて熱中して見てたのだが、たいしたことは書かぬまま最終日。【フィギュアスケート】エキシビションを見た。
宇野昌磨くんが最後に高速スピンをやるのを見て、そういえば本番でこういう昔風のスピンをやる人って今はいないのかと気がついた。反り返りもカッコいい。ポイント関係ないとみんないろいろ違うことをやってくれていいなあ。得点システムってもの寂しい。
イタリアのペア、アンナ&ルカがとてもよかった。ラストパートには胸を打たれる。「チャップリンの映画を見たことある人には、この音楽で思いがこみ上げるのだよ」と娘に話す。これは「街の灯」で浮浪者チャールズが夢見たかもしれない、彼女との楽しいダンスだ。
カナダのケイトリン・オズモンドもきれいだった。試合本番では、この力強く伸びやかな肢体があの高さと速さで跳ぶということが、他のスケーターにはない衝撃だった。
カナダに団体とアイスダンスで2つの金メダルをもたらした、ヴァーチュ&モイア、愛称テサモエ。きれいだな。それにいい歌だな。「ヴァーチュ&モイア、Long Time Running、トラジカリー・ヒップのゴード・ダウニーへのトリビュートでした」。
…あ、トラジカリー・ヒップの歌だったのか。去年ボーカリストが亡くなった、カナダのRCサクセションの。――"Long Time Running、ここまで長いこと長いことかかった。待った甲斐はあったよ"
解説カート・ブラウニング。――友だちのトラジカリーヒップのメンバーに電話したんです。君らの歌をやってくれるテサモエに、何かメッセージはあるかいと。彼は言いましたよ。「他のカナダ人みんなと同じさ。Thanks!」
メドベージェワ。「彼女のスケートはいつもストーリーを物語っている。突然の電話を受け取ったり、列車が駅を離れていったり」と解説。たしかに。他の演者が競技重圧からの解放を寿ぐ中で、彼女はここでもドラマを演じていた。
しかし普段の彼女は明るいらしいので、そういうドラマ性を好むオタクなだけかという気もする(笑)。そうであってほしい。いま彼女がハッピーであってほしい。自分を一番感動させた彼女が銀だったことに、俺はがっくりきたのです。
ザギ虎さんは、何をやりたいのかよくわからなかった(笑)。競技本番でもそういう感じはした。自分が何を表現しているのかという意識など特になく、組み上げられたプログラムを完璧に決めているという感じ。
羽生結弦。(カナダ解説カート・ブラウニング)「あの美しいディレイド・シングル・アクセルは、皆が最初に習うアクセルです。そしてあのトリプルアクセル。彼が史上最高のスケーターだとメディアは言いたがりますが、すべてが終わった今、僕なら、それを否定する理由がない(why not?)と言いますね」
五輪しか見てない俺の印象にすぎないのだが、カナダ解説陣はユズル狂騒曲(プーさん現象とかも含む)にやや乗れないんじゃないかと感じることがある。しかし羽生結弦がこのエキシビションで見せた「静かな、スケーティングと音楽性を見せるショーケース」で、カートのこのいい言葉が出たのであった。
リンクに最後まで残り何度も手を振りおじぎをし去り難そうな羽生結弦を見ていて、彼は偉大なアスリートでスターだけど、同時にえらいひと好きで人気好きでお客さんが好きなんだなあと思った。桑田佳祐とかと似てる(笑)。こういうスターって、欧米にはあまりいないんじゃないだろうか。◆
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