2018/06/10

カナダ高校の卒業式―「仰げば尊しはペアレンツにも言え(笑)」



今日はムスメの高校卒業式。日本の卒業式とはだいぶ違って、まず人数がすごい。なんと卒業生500人! それに加え全父兄が集まるので学校の体育館とかじゃ人数が収まらないからなのか、バンクーバーの有名なホールを借りてのセレモニーなのだった。

そして日本と違って在校生がいない。「卒業生のお兄さん、お姉さん、おめでとうございます!」って送辞をやらないわけですよ。教科の先生たちもおらず、立ち会いは校長ほか役職者と来賓の市長のみ。つまり卒業式の趣旨が日本とぜんぜん違って、お別れの式ではないわけ。



ではなんなのかというと、ここまで幼稚1年小学5年、中学3年高校4年の計13年のハードな学業をよく勤め上げたと、学業達成を褒め称える式なのだった。実際カナダの高校は日本に比べると格段に学務が厳しいので(適当にやってると落第する)、みんなそれぞれ卒業するために頑張ったわけです。娘も宿題で何度も涙を流してたもんな。学校のカウンセラー(学業から個人的なことまで何事も相談できる先生)にもお世話になった。



なので映画でよく見るこういうガウンを着て帽子をかぶり(有料)、素敵な会場でフォーマルなセレモニーをやってお金をかけ、1・2・3、フゥーーッ! と帽子を宙に放り投げて寿ぐという、なんというか大人になるための盛大な儀式という感じの式なのでありました。なるほどなー。参加してみて初めて違いがわかった。校長も来賓も、君たち生徒も偉いがサポートした先生にもペアレンツにも感謝しろとそればかり言っていた。仰げば尊しはペアレンツにも言えということなのか。

卒業生が1人1人壇上に上がり証書的なものをもらう部分は日本と同じだが、1人1人が予め書いておいたメッセージが先生により読み上げられるのがよかった。「マム、ダッド、これまでありがとう」といった感動的なものから、ひとこと「イエイやったぜ!」といった笑いを取る短いものまで、バラエティに富んでいる。なにせ500人なのでぐったりするほど長い式なのだがメッセージ自体はオリジナリティがあり、飽きさせないものであった。

私ら親オーディエンスが不満だったのは、壇上のスターである子供らが一度も客席に顔を向ける段取りになってないことで、ここはカナダ教育者バカかとイライラしていた。一生一度の晴れ舞台ではないか。くるっと客席を向き笑顔を見せるだけで、本人も友だちも親もどれほどうれしいことか。気の利いた人気のある子は壇に上がると踊ったりポーズをつけたりして拍手喝采を受けるわけ。しかし普通の子はシーンとした中緊張した横顔でただ通り過ぎるだけなので、かわいそうだったのである。




そして終わると仲良しが集まっての写真撮影。かわいい :-) 高校になると親が参加する学校行事なんてゼロなので久しぶりに見る旧知の子も多く、みんな大きくなったなあと感慨を覚える。ご苦労さまでした。おめでとう。

まあ様式美でいえば、全校で別れを惜しみメソメソする日本式の卒業式のほうが泣けてよいとは思いました。娘高校の場合これからまだ2週間学校があるし、そのあとでまたプロムがあるというアンチクライマックス卒業式(笑)。

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終わったあとはガウンを着た娘の服装がやたらカッコいいので、バンクーバーの街なかでモデルにして写真を撮りまくった。ちょうどMLSの試合でスタジアム前は盛り上がっていた。女子ワールドカップを思い出すよね。3年前もここで盛り上がった。



ガウンを着て歩いていると道行く人々が、「コングラチュレーションズ!」と声をかけてくれる。とてもハッピーなムードの初夏の日でした。おめでとうムスメ、ご苦労さま。大学へ行っても大変だろうが、頑張ってくれ。

 

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