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2015/11/17

雨の秋



週末きれいに掃き掃除したのに、一夜の雨風でこんなになってしまった。バンクーバーの秋はほんと雨ばかりで気が滅入る。こういう日は娘が小さいときに奥様が読み聞かせていた童話の一節が口をついて出てくる。イッツア・テリブル・ホラブル・ノーグッド・ベリーバッドデイ。

道も落ち葉だらけでこれが滑る。車のタイヤが劣化していてヤバイとずっと思ってたのだが今日は本当に覚悟を決め、タイヤ安売りの店に飛び込み交換してきた。バランスを取りリムを磨いてエア漏れを防ぎ、トルクレンチもきっちり使うという安いのに超良心的な店だった。中東からの移民の店だった。

「最後にちゃんとトルクレンチ使ってたよね。普通パワーレンチだけでやっちゃうよね」と褒めると、あまり英語が得意でなさそうな工員は「ベリーベリーインポータント」と言っていた。ベリーベリーインポータント。

2013/07/25

日記「カナダ東海岸旅行記②カナダの歴史に打たれる」

「ニューファンドランドの英国人」「寂寥の海」「カナダの歴史に打たれる」

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■13/07/10(水) □ ニューファンドランドの英国人
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人口は右下の一部に集中
ノバスコシアからさらにさすらい、今日からニューファンドランド。正真正銘の地の果て、カナダ最東端の島であります。もはやカナダ本土よりもグリーンランドやアイスランドのほうが近所といっても過言ではない。こんなところにほんとに人が住んでるのかと不思議に思うような土地だが、実際人が住んでるのは右下の州都セントジョンズがあるニューファンドランド島だけで、州の大半を成す左上ラブラドール島はムース(大へら鹿)と熊しか住んでないとのこと。今年数十年ぶりに 30 度を超えニュースになったんだそうだ。





「憧れのイングリッシュガーデン」ですよ。

 ここで軽井沢のペンションのような美しい家に、美しい英国英語を喋る教養深い老夫妻が住むという、ノバスコシアの女流小説家邸に続きこれまたすごいお宅に泊まっている。

 普通英国人の喋りは俺のようなカナダの外国人には半分も聞き取れないのだが、ERとVR夫妻の英語は普通にわかる。不思議に思いどこ出身の夫妻なのかとうちの奥様に聞くと、2人はどちらもM母と同じ訛りのきついヨークシャー出身なのだが(奥さんVRはM母の幼馴染とのこと)、まったく訛ってない。これは教養によって得られた上流アクセント、つまりキングズイングリッシュ、BBC 英語なのであると解明してくれた。なるほどー。すっげー。


(北米最東端灯台、ケープスピア / 湾を挟んでシグナルヒルの岬もすごい)

ついてすぐに行ったのが、北米大陸最東端の岬ケープスピア。北米大陸最東端の灯台があり、湾を挟んでセントジョンズの名所シグナルヒルも遠望できる。スペクタキュラーな眺め。ニューファンドランドは島全体がこうして岩でできており、「ザ・ロック」と呼ばれている。この島は鯨の名所でもあるそうで、セントジョンズ市内のこの岬からですら見えることがあるとのこと。案内してくれた旦那さんのERは、「風がやんだら耳をすませなさい。鯨の息吹が聞こえるかもしれない」と言った。あ、あなたは詩人ですかというとニッコリと笑っていた。

 Mはこれを見ただけでニューファンドランドにきた甲斐があるわと感嘆していたが、VR家とこの風景のセットはたしかに強力である。VR家は写真を撮り忘れたが、隅々まで瀟洒なペンション風であった。逆に軽井沢などのペンションは、こうしたイングリッシュハウスへの滞在経験を元に誰かが作りスタンダードとなったんだろうな。

◇

 初日の晩飯は当然のように英国式フィッシュ&チップス(ポテトフライ)だったのだが、ポテトフライがなんだこれはと声が出るほどうまい。業務用みたいな温度計のついたでかいフライヤーにたっぷりと油を入れ揚げてるだけらしいが、さすが英国人はこれ一徹なだけある。

 夕方散歩に出ると気温はもう15度を切り、息が白い! すごいところだわニューファンドランド。

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■13/07/11(木) □ 寂寥の海
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 観光初日。天気がよければご主人のERいち推しのホエールワッチングが入るはずなのだが、天候の移り変わりが激しい土地で、特に霧がすぐに出る。霧が出て視界が落ちると鯨は見えないわけで、これは船長の判断待ちとなり、決行なら連絡をもらうということにして、俺たちは車で1時間ほどの景勝地フェリーランドというところをおすすめされて向かう。この島最初の入植地とのこと。

運転しながらこれを操れという無理難題
今回のレンタカーは希望の日本車またはフォーカスがなく、ミドルクラスのフォード・フュージョンというでかい車となった。重い。ガスをどんどん食う。

 おまけに各種コントロールが「アメ車はついにここまで来たか!」と思うほど使いにくい。コントロール類がすべてスマホ的フラットパネルになっていて、エアコンスイッチすらどこにあるかがわからない。パネルをよくよく見るとファンのアイコンがあり、その横にある+または-のアイコンを押すとエアコンの風量がコントロールできるらしい。しかしどこが+/-かは指で手探りしてもわからんので、押すためにはどうしても進行方向から目を離しパネルを凝視しなければならない。危険極まりない。よくこんなんで安全認可が下りるな。

 現代の自動車事故の大きな原因となっている携帯操作というのはつまりこのフラットパネル操作のことで、前方を見たままブラインド操作できないから事故を招く。それを車の操作体系に持ってくるフォードは、「スマホを使ってない人でも運転中にスマホの危険を味わえます」という仕様なわけである。

 低圧ターボでトルクがにゅるーっと出てくるエンジンも、荒れた路面でのボディコントロール感もあまりよくない。しかしハンドリングだけはいい。拳をほんの少しひねるだけできれいにノーズがイメージした方向に向き、荷重が自然にかかりきゅーっと気持ちよく曲がっていく。これはヒュンダイ・エラントラ GT ではまったく得られなかった気持ちよさで、実用性でいえばコリアはすでにアメリカの先を行っているなと感じたが、ハンドリング快感方面だけは歴史がモノをいうのだろうか。フュージョンの旧型はハンドリング自慢のマツダ・アテンザとシャシーを共有していたらしいが、やはりそれを受け継いでいるのだろう。基本的に豪快アメ車的なブイーっという乗り味の車なのだが、峠に入るとしゃきっと気持ちいいのである。

 このハンドリングを味わいながら海辺のワインディングを流すのは、久方のドライビングプレジャーであった。道からときおり見える港港が美しい。

◇


ニューファンドランドらしい風景

イヌシュクをつくる娘
目的地フェリーランドにつく。なかなかすごい景色のさびれた岬。着いたはよかったのだが、パーキングからすさまじい風の中を延々歩いて灯台に達し、ランチを食いさらに強風の中を散策していると、俺はこのやむことのない風にだんだんうんざりしてきてしまった。もう見るものは見たからさっさと引き返そうぜと思うのだが、萌とMがイヌシュクを作り始めてしまい強風の中待ちとなる。やれやれ。

 石を積むMと萌を待ちながら考えていたのだが、俺はカナダの海を見てもそんなに興趣を感じない。これはカナダで初めて行ったノバスコシアのペギーズコーブからそうで、植生限界的な寂寥感あふれる風景はまあきれいだなとは思うが、基本岩と水とコケの3種バリエーションなのでやがて飽き、そこをずっと眺めていたいというような気持ちにならない。川が流れる景色のほうがなぜか落ち着く。カナダの海は魚と鳥のものであり、人は漁師以外は居場所がないという気がする。

 今日はホエールワッチングが延期となり、そのままゆっくりと帰宅。晩ご飯はカレーだったのだが、トマトとレーズンが入った甘ーいフルーツソースにカレー粉をふりかけたという感じの食べ物であった。これが英国式カレーなのか。何といえばいいのか分からない味がする。

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■13/07/12(金) □ カナダの歴史に打たれる
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(まっすぐ町を抜けたいのに、一方通行と交差点のわかりにくさでこんな風に迷ってしまう。 / 運転手と助手席ナビゲータ険悪の図)

本日は州都セントジョンズの州博物館、The Roomsへ。この町は古いせいか道が極度にわかりにくい。メインストリートと呼べる目抜き通りが一本もないのがマジでつらく、「ここまで大きな道で行って、あとは地図を見ながら注意して移動」というふうな普通の移動ができないのである。旅行者は地図を頼りに六叉路やらロータリーやら一方通行に阻まれ手探り移動をすることになり、運転手とナビ役とのケンカとなる。

 結局この町ではMが運転し、俺がアンドロイドの GPS でナビすることとなった。これ以外にこの町を抜けていく方法が見つからない。アンドロイド上の Google マップは完璧ではないが(ルート検索が保存できないというのは致命的欠陥)、旅先では命綱だ。セントジョンズの町をツーリストが GPS なしで迷わず抜けていくのは不可能だと思う。


こういう街の景色ってかっこいいよなあ

高台の博物館から見下ろす町

京都博物館も見習うべき
素晴らしい歴史展示

しかし道はわかりにくいが港町なのでアップダウンがきつく、街の作りにはとても趣がある。1本横の通りまで階段で行くような場所がたくさんあり、どこを向いても石造りの六叉路などもあって、その景色は欧州、ローマみたいだなと思った。

◇

 町の自慢らしい州立博物館 The Rooms のメイン展示は、この州の歴史を興味深く描いていて実に面白かった。ニューファンドランドは 1949 年までカナダじゃなかったんですよ! 知ってましたか知らんでしょ。BC に住んでいるとカナダの歴史というのは、「まず先住民族がおり、あとからヨーロピアンが入ってきて駆逐した」と2行で済んでしまうような単純なものと思ってしまうのだが、東海岸から眺めればなかなかに複雑怪奇なのである。

 まずバイキングが散発的に来訪し、バスクが鯨を取りに大挙押し寄せ、16 世紀に欧州人の本格入植が始まり、他の先住民族よりかなり進んだ技術を持ったベオスック族を圧迫し、ベオスック族は 19 世紀に絶滅する。やがて英仏戦争の余波がカナダ東岸に及ぶ(これがボードゲーム「数エーカーの雪」の舞台設定)。

 そして英領として第一次、第二次大戦に英軍に兵士を大量に供給し、第二次大戦中に欧州へ飛ぶ連合軍(米軍)空軍基地ができたことで一気に貨幣経済が始まり、そこからカナダよりも米国との関係が強くなる。そうした新たな時代の波が訪れるごとに、その前の世代の文化がどう影響を受けたかということが展示のテーマとなっている。目からウロコですよ。説明を読みながら俺は「そうか、そうだったのか」と激しく納得していた。面白い。俺はこれまで失礼ながらカナダの歴史など面白いと思ったことがないのだが、俄然興味が湧いてきた。銅鐸ばかり何十個も展示するという薄い展示物に説明過少で去年俺たちを激しく失望させた国立京都博物館は、ここを是非見習ってもらいたい。

 カナダ加入への住民投票は賛成わずかに 50.5% だったとのことで、いまだにカナダへの帰属意識はあまり高くないらしい。カナダへの統合に伴い廃村となった村々がゴーストタウンとしてそこかしこにあるという。廃村は「ロスト・ニューファンドランド」と呼ばれている。ロマンチックな響きだ。

◇


David Blackwoodの最も有名な絵
「Fire Down on the Labrador」。
さすがにこのクラスのものは買えないとのこと。
「素晴らしい博物館だった、カナダの歴史に突如興味が湧いた、併設のギャラリーの絵もいいものがいくつもあった」と帰ってきて英国家主ERさんに報告すると、彼はそうなんだよフフフと知的な笑みを浮かべ、自らのニューファンドランド画家絵画コレクションを見せながら歴史講義をしてくれた。

 この家はあらゆるところに絵画がかけられており、その数およそ 30 枚ほどもあるかと思うが、その中で最も高価なものがニューファンドランド出身の鯨画家 David Blackwood のエッチングらしい。ギャラリーにもその人のクジラの絵があったよと話したら、「君の寝てる部屋にかかってるのが彼だよ」と言われた。も、モノホンですか。いくらするんですかハウマッチ大橋巨泉。

 ブラックウッドの絵は実際のニューファンドランドの海難悲話などをモチーフに描かれたものが多いそうで、解説を聞きながらその絵を見ると迫ってくるものがある。今日のギャラリー部のメイン画家だった Mary Pratt すらも、ERさんは本物を持ってなすった。





カナダで最も著名な古大家 Maurice Cullen の風景画「Misty Afternoon」と、地元画家 Mary Pratt のスーパーリアリズムが画廊のハイライトだった)。「Misty Afternoon」はまさしくこの島の寂寥の海。




彼の話に俺が前のめりに興味を示すもので ER さんはさらに興に乗って(奥さまが笑っていた)、最後は「これは僕が作ったんだ」とハープシコードを見せてくれた。「ハープシコードを作った」て、意味がわからない(笑)。どういうことかと聞けば、ハープシコードを作りたい人のために図面を売るショップが英国にはあり、それを買って木を切り組み立てたのだという。英国はやっぱ日本同様クレイジーな趣味人が多いのねというとアッハハと笑っていた。

 ハープシコードがあるからには、これはもう「インマイライフ」の間奏を弾かねばならない。アイマストプレイ。俺はこの美しい楽器の前に座り、左手で A のコードを押さえてはみたものの、しかし右手は1音もあのソロを弾けませんでした。音楽は難しい。いやしかし楽しいお宅にお邪魔しております。ありがたや。

2011/09/07

日記「セカンドカー探し」

「アメ車で PNE」「サンファイヤに決定」「転校生-さよなら あなた」「ピクニックでコロレット」ほか。

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■11/08/29(月) □ セカンドカー探し
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9月からの1年間Mの通勤で車がもう1台必要になり、いろいろと調べたのだが、リース・レンタカーともに非現実的な料金になると判明。中古を買う方が絶対的に安い。そこで急遽自動車関係の親戚に頼んで出物を探してもらっているのだが、これがシボレーになりそうだ。うーん。まあ安くて壊れなければそれでいいのだが、安アメ車の雄シェビーかー。

そう報告するとMは、安い車は怖い、もっとお金を出して程度のいいのを買ったらどうだという。まあねえ。現車スズキ・エリオは乗り心地が悪いので、Mが毎日の通勤で使うとやや疲れるかもしれない。そう思うともう少し快適な車をMに買い、俺がエリオに乗るという選択肢も考慮すべきかなあ。しかし費用が。悩む。
VW 10000
ホンダ/トヨタ 8000
フォード/スズキ 6000
シボレー/韓国KIA 4000
大メンテなく数年間使えそうな車の推定中古相場($)


どういうデザインセンスなんだアメ車メーカー
車探しを頼んでおいたDNから電話。見つかった車はDNが働く整備工場の代車で、やはりシボレー系列の Pontiac Sunfire とのこと。ぐー。提示されたプライスは文句ないが、車種としてはこれ以下はない最低ラインである。よくあんなかっこ悪い流線型カーを作り、しかもそれを買うよなアメリカカナダ人はと常々思っていたやつだ。よりにもよってあれかー。

その整備工場にもう一度電話して距離と年式が判明。カナダの中古車屋はむっちゃクチャいい加減なので、この程度のことも何度も電話して聞かないと分からない。2005 年、5 万 9 千キロ。うーむ。この距離でこの値段ならばと考えが変わってくる。上記の想定相場よりもだいぶ程度がよさそうで、その分低維持費が期待できる。程度同等でもっとイイ車にすれば、プライスは倍になる。

どうせ俺は萌とBRばあちゃんの送迎と食料買出しにしか車を使わないんだから、結局壊れなければなんでもいいのだ。現車スズキ・エリオは好調なのだからMはこっちで通勤してもらおう。いまは必要最小限の車にしておくことで節約し、機を見て急がずスズキ・エリオの方をより快適な車にアップグレードすればいいのである。よし。こっちを買う方向で検討しよう。

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■11/08/31(水) □ アメ車で PNE
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ノバスコシアから来訪中のM父夫妻を連れPNE(バンクーバーのサマー遊園地)。M父夫妻が車を借りられず、いろいろ紛糾相談の上俺がMKの車を借りて2台で行くことになる。この借りた車がシボレー・キャバリエ。俺が買うかもしれないポンティアック・サンファイヤの、まさにクローン車なのだ。したがって期せずして購入候補車の試乗となる。バンパーとボンネット以外は同一パーツらしい。つまり昔のカローラとスプリンターみたいなものだろう。

この車は初めて乗ったが、ドアを開けた瞬間から安さ満載ですごい。鉄パーツむき出しだらけ。軽トラより安っぽい。どこを触ってもギーコガチウイーと音がする。動き出すとまたすごい。アクセルを踏んでから 0.5 秒くらいしてから回転が上がり動き出す(笑)。70 年代カーという感じがする(※)。こんな車を 2005 年まで売ってたんだから、GMは破産して当然である。うちの町の巨大なGMディーラーも去年つぶれ、どでかいコンクリートの空き地になっている。
実際プラットフォーム(車台とエンジン)は 80 年代初頭にオペル・イスズと GM が共同開発したものが原型とのこと。古いw

ところが走りだしてしまうとこれがけっこう悪くない。移動はできるので文句ないし、こんなヘボな車でもホイールベースがエリオより長くサスがふわふわなので、乗り心地はいい。直進性も悪くないからステアは重く渋いが修正がいらず、ここでも疲れない。エリオはショートホイールベースと背高という成り立ちから、過剰なリーンを防ぐために脚を締めすぎているんだよな。

そういう車なのでキャバリエは、コーナーでちょっと攻め込んでいくと「曲がり切れないかも」という近年乗った車では感じたことがない恐怖感が出てくる(笑)。だが、そんなことはしなければいいだけの話。こりゃ安楽だわ。どろーんとゆっくり走り快適にPNE着。


高校生ドラム隊、
少人数で頑張ってました。
PNEは、今年もまた縮小されていた。年々短くなり去年ついに廃止されたパレードは復活せず、去年はそれに代わり大勢の子供がさまざまな楽器を持ったビッグバンドショーがあって非常によかったのだが、これもなかった。アマチュア音楽系演し物はわずか 10 人のミニドラムバンドだけだった。ブラバン出身者らしいこいつらは非常に頑張っていたのでよかったよと声をかけたけど、これだけかよ。パレード最盛期は 200 人くらいが華麗な衣装をつけ練り歩いていたのに、10 人ですか。


少女ホースジャンピング。
これは楽しかった。
地元キッズの習い事発表ステージも、去年までは朝から夕方まで取っ換え引っ換えやっていたのに、今年は2時間に1組くらいしかスケジュールが入っていない。ティーンエイジャーが趣味と実益を兼ねて働きお客を喜ばすのがPNEの伝統だったのに、どの演し物も予算カット→人数半減以下である。そんなわけで、毎年暗くなるまで遊んでいたのに、今年は4時頃にはもう見るものがなくなってしまい帰宅となった。

PNE自体の入場料は前売り $16 と高くはないのだが、乗り物と飲み物食べ物の出費が恐ろしいほどの魔性の場所なので、すごい散財の割に満足感が薄いという感じはいや増している。

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MK家にキャバリエを返す。うーん、ラクだ。アメ車のユル味の強みを思い知った。とにかく全てがユルいので、操作になんの加減も必要ない。がばっとアクセルを踏んでも車はじんわりとしか動かないし、遊びが大きいステアリングもグイと切っておけば行きたい方に行ける。多少の操作のズレでは進路が変わらないので修正も必要ない。柔らかい脚でショックはズボズボ吸収してくれる。これは今日のような疲れた日の帰りにぴったりだなー。速くなんて走れないからゆっくり行きたくなるという車。

うちでM父夫妻に晩飯を供し、うちのエリオで最後の送迎。エリオはやっぱすべてがシャープ過ぎ、脚が堅すぎる。運転感覚が2時間のキャバリエ運転でゆるゆるになったので、乗り換えた瞬間発進でホイールスピンさせてしまった。それほどまでに過敏な車なのである。エリオを快適に走らせるには高度な技術がいるが、アメ車は誰が運転しても快適さに変わりがないということだ。なるほどなあ。

高速からホワイトロックへと走るとエリオはキャバリエに比べなんと高性能なエンジンと AT を持つことかと惚れ惚れし、チープなスズキとはいえ品質はシボレーとは段違いだなとやはり思うが、エリオのこの過敏さは問題だと再認識させられた。ファミリーカーとしてうちのエリオのぱっつんぱっつんさはどう考えても問題である。タイヤの空気を抜いてもうちょっとなんとかしよう。

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■11/09/01(木) □ サンファイヤに決定
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車を見に行く日。エリオのエアを 4psi 抜いてみる。これでだいぶ快適になった。今使ってるタイヤゲージに誤差があり正確なところがよくわからんのだが、おそらくこれでデフォルトに近い設定なのだろう。今まではずっと入れ過ぎていたのだ。

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Pontiac Sunfire
探してもらった安アメ車、道で見るたびになんというダサいデザインだとつねづね思っていたポンティアック・サンファイヤは、外観の程度は想像以上によく、2005 年型はノーズの形状が変わりカッコ悪さがやや軽減されていた。が、乗ってみるとわずか6万キロでこれかと感じるボディのゆるさ。カチっとしたところが1つもない。アメ車はすごいなと思う。試乗時の時点ではドアが一枚ロック固着で開かなくなっており、商談中に緊急パーツ交換してもらった (^-^;。

しかしメカ的にはすべてがファイン。エンジンも AT も直進性もいい。昨日のキャバリエに比べ若者向けなのか味付けが若干シャープで(スタイル的に見ておそらく 80 年代のカローラに対するスプリンターみたいな位置づけなんだろう)、ショック吸収性は1段劣る。キャバリエはエリオより2段楽だと思ったが、これはちょうど1段くらい。

モビリティはその分高く、走っていて車線変更などはなかなか気持ちがいい。攻め込むとアウトに飛び出してしまいそうな感覚は同じで、左右に素早くSを描くようなところではステアがスローすぎて大きくラインを乱しそうな気がするが。AT の反応が思ったよりもいいのもうれしい。これに決定しました。ナンバーを取り、2台並んで帰宅ドライブとなった。

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家でよくよく見ると 40cm も突き出したあのアグリイなロングノーズの下は空洞である。カッコだけのエアロパーツなのか。全長が 40cm も長いのに居室レッグルームがエリオと大差ないのはこのせいだ。ほんとバカな設計である。まあよし。とにかく壊れず用を足してくれ。

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■11/09/02(金) □ サンファイヤ実戦投入
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Mはエリオで仕事へ。俺と萌はさっそくサンファイヤでBRばあちゃんのお医者送迎日となる。乗り心地は昨日の印象通りエリオ+1。ローヒードハイウェイの荒れたところに躊躇せずに車を突っ込めるくらい尖ったショックのまるめ力が高い。

しかしその分やはりハンドリングと発進が鈍重で、イメージより遅れて動き遅れて止まるので、細かく正確に車を動かすことができず、さらに視界がエリオよりはるかに低いので遠くが見えにくく、道にノーズを突き出してしまいヒヤリとすることが昨日も今日もあった。これは気をつける必要がある。

コーナーではいい姿勢に持ち込めないし(ドライビングポジションもシートも悪い)、気合を入れてコーナーに突っ込んでもちっとも狙ったラインに乗らないw が、総合的に用足しに文句ない。やっぱりセダンはトランクを開けるのが面倒でうんざりするが(それにトランク内の温度が室温と違うので、心配で食べ物や大事なものは入れておけない)、文句ない。そしてエリオのほうがやっぱり非快適さを除けば運転は楽しいということも再確認でき、それもうれしいことだった。

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■11/09/03(土) □「転校生-さよなら あなた」
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長野市を舞台にした大林宣彦「転校生-さよなら あなた」の DVD をいただき、鑑賞した。善光寺の裏通り、Mが住んでたアパートの裏山、権堂、善光寺平の山々、飯綱へ上がるループ橋、長野市を見下ろす風景や松代あたりと、長野市の隣町で生まれた俺には強烈に懐かしい景色ばかり。

大人になってからは長野には数年しか住んでいないが、その短い間に行った場所がどんどんと出てくる。長野はいいところだなと改めて思う。きっと日本中がこうしていいところばかりなんだろうな、行ったことがなくても。

日本の地方都市は本当に味わい深い。映画とは関係ないのだが、福島を舞台にした映画も見てみたいと「転校生」を見ながら思った。猪苗代湖ズの『I love you baby、浜通り、中通り、会津地方』という下りを聴くと俺はぐっと胸がつまる。ほんと、行ったことがなくても人の思いが詰まったいいところだと、この言葉だけでわかる。

で映画の内容はというと、まあ大昔に見たオリジナルのほうがすんなりと見られたと思う。周りの生徒全員が素人でセリフ棒読みなのがちょっといくらなんでも興醒めだし、中学生の男女が入れ替わって双方ともがああして牧歌的マンガ的な行動しかしないというのも、現代のストーリーとしてどうなんだろうと思った。しかし最後の方の旅館での会話や、奇跡のように美しい蓮佛美沙子さんの澄んだ歌声は心地よかった。

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■11/09/05(月) □ ピクニックでコロレット
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夏休み最後の日、午後どこかでピクニックしようとなる。地図で近場を見渡しバンツェンレイクが目に入り、ルートを検索してみるとなんと新しい道が開通しており、PoCo から山間の道直通で行ける。つまり町場を一切通らず着けるのだ。素晴らしい。ここに決定。

ところが行ってみると、バンツェンレイクはなんとパーキングが満杯で進入禁止になっている。レイクを見ることすらできなかった。仕方ないと向かった隣のホワイトパインレイクも当然同じ状況で、4キロ手前から路上駐車で満杯。仕方がないので Port Moody の町まで戻り、2人を入江のロッキーポイントパークに降ろして俺は路上駐車を探しに彷徨う。徒歩5分も離れたところでようやく停められた。夏休み最後の日だもんな。どこだってこれくらい混んでいるよな。

公園のメインパートから橋を渡ったところに日陰があり、しかもガラガラに空いていた。ここに移動してようやくのんびりとなる。なんてことのない水景だが、それでも水が見えているかいないかは大きいとしみじみ思う。水が見える日陰がなければ帰りたくなるところだった。美しい。入江の対岸に見える家々は近くで見ると普通の家なのだが、こうして遠くから見ると輝く避暑地の豪邸のようだ。

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萌がひとしきり水場で遊んだあと、カードゲーム「コロレット」初プレイとなった。ルールを理解するとMと萌は俺の「汚染」行動(ほしくないカードを人に押しつける手)に即気付いて、「またそういうことをする!」と逆襲し2人で協力して攻めてくる。いや俺のせいじゃなくてそういうゲームデザインが優秀なワケなんだが、まあそれはそれで楽しいのでよし。暗算による得点計算が思ったよりも俺には難しかった。

2回やってMはそこそこ気に入ったようで、3回目をやろうとしたとき萌が浜辺に行ってしまったので専用別ルールになる2P戦をやる。これは「各列に置ける枚数に制限がある=各列の戦略性が上がる」という狙いはわかるけど、やっぱコロレットのキモである自分が引いたカードをどこに置くかという《列のデザイン性》自体が限定されるので、ちょっと面白みが削がれるかなと思った。

コロレット全体の感触として、こういう出先で他にやることがないときにはやってもらえそう、家ではみんなが依然盛り上がっているチケライもあるし、他の娯楽もあるからやらないだろうなという感じだった。ボードゲーム・カードゲームというのはなんでも、最初のルール説明と初回プレイで印象が決まり、その後繰り返してやるかどうかに大きく影響すると思う。俺みたいにボードゲームという世界に入れ込むと面白さがわかるまで何度もやってみるわけだが、Mたち一般人はそこまでやってくれないので初回プレゼンテーションが重要となる。

でコロレットに関しては、今ひとつうまく行かなかった感じ。ゲームとしてはテーマもなく殺風景だから、もっと攻撃してインタラクションの面白さを味合わせたかったのだが、あまり攻撃するとMは気を悪くするので難しいのである。ま、カルカソンヌですらも最初は全員ぼんやりだったので、次にやる機会があればコロレットももっと盛り上がるだろう。公園のピクニックでドイツゲームができたというシチュエーション的には満足であった :-)。

2011/08/20

日記「二輪の自由」

「チケライの子供向け指導」「コロレットを発見」「『愛のむきだし』感想」「15年ぶりのソロキャンプ」「フレイジャーバレー放浪」ほか。

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■11/08/08(月) □ チケライの子供向け指導
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しあさってからM萌はイングランド行きなのだが、ロンドンは暴動で炎に包まれている。カナックス敗退時のバンクーバーと同じで、火祭りを起こして物を盗みたいだけなんだろう。昨日津波に消えた町で祭りの山車を引く人たちを見て、人間ってなんと切なく愛すべきものなのかと涙が出たが、こういう映像を見ると人間はダメだとも思う。


キッズ3人楽しく樹上
KT・HNが来訪し、子供らみんなでツリーハウスに弁当を持ち込みDSで遊びながらランチを取る。そして裏の路地でローラーブレード、中に入ってチケットトゥライド・ヨーロッパと、夏休みらしいいい1日であった。

KT・HNは家でボードゲームをやる子ではないが、どちらも筋金入りのゲーマーなのでチケライも飲み込みは早い。ゲーム半ばで完全にルールを把握したKTが駅舎を効果的に使い早めに路線を達成したのだが、萌のアシストを受けたHNがなんと最長路線を取って勝利となった。やっぱチケライは初回でも盛り上がるわ。

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夜もM萌とチケライ。俺とメルが上達するにつれ、萌が勝てなくなってきた。萌は必要なカードがオープン場札に出ないと何度も何度もブラインドドロー(伏せた場札から取ること)をするので、不要なカードが山ほど貯まる。何ターンも路線を敷けず遅れる上に不要なゴミカードがたまるという悪循環に陥り、どんどん離され大負けしてしまうのだ。

そこで俺が思うダイレクトな改善案2点、
  • ①あと何枚かで長距離がつながるくらいの状態になったら、その色だけを待っていないで新チケットを取る(待ちカードを多面的にする)
  • ②ブラインドドローは最小限にする(場に出ているカードを取って場札を動かし、必要なカードがオープンされる可能性を高める→取ったカードで同色カードセットを作り、単独トラックでこつこつ点を取るか①につなげる)

をトクと説明する。

これにヒントを得たのか、次のゲームでは自分の長距離チケットに捉われず、カードを集積して8・6・6のロング路線を全部取り、計51点を取るという作戦で僅差に持ち込んできた。おお、それはいい手ではないか。特定カードをブラインドドローで待つことは命取りだということはわかってくれたようである。

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■11/08/11(木) □ M萌出発
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M萌が準備してなかったカメラのメモリー準備、DSバッテリーチャージなどを朝から忙しく行い、昼前に終わる。自分が行かないとなると、旅先でのバッテリーやメモリカードの心配などもしてやらねばならない。よし。萌はすでに昨夜から興奮疲れでブレインがまったく働いておらず、何を言ってもぼーっとしている。何歳になってもそこは変わりないな。

しかしMはチケットトゥライド Euro を持っていかないという。ええっ! デカすぎるから? じゃカルカソンヌは? 箱なしでタイルとコマだけ持っていけるじゃん。ダメ? じゃ「オレの魚」は? ダメ? えーーーっ! ラゲッジがきつきつで余分なものは一切持っていけないとのこと。ゲームは余分じゃないと思うが。

しかしこういうときのために、なにか軽くて楽しいユーロ系カードゲームを買っておくべきだったのかもしれん。カルカソンヌ・チケライと同等の手軽さと深さを備えたカードゲームがあるのかわからないが。

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【出発】寝不足と興奮で萌は道中ずっと黙っていたのだが、空港に入っていくとまたアドレナリンが出たのか元気が出てきた。そして車から降ろすと、「ハ! ここでお父さんとはオサラバよ!」と大声を上げ喜んでいる。俺が1人で日本に行った4年前と大違いだなオイ(笑)。あのときは大泣きだったくせに。まあともあれいい旅をしてくれ。

帰ってきて、1人は気楽で自由だがやっぱ家ががらーんとして寂しい。複雑な気持ち。

とりあえず前からためていた映画を見ようと思い、そこで気がついた。リビングから DVD プレイヤーを俺の部屋に持って来ても、誰にも文句は言われない。俺は完全に自由だ。自由の翼を広げ「愛のむきだし」を見ていると、あっという間に真夜中に。毎夜の日課である皿洗いを今日はしていない。これは「罪」ですか。「罪」ですね。皿を洗わずに映画を呆けて眺めていることの罪の意識が俺を苛む。皿が俺を呼んでいる。

しかし今夜やらなくたって誰にも文句は言われない。そこで台所に行きちょっと考えて、汚れた皿を台所の一角にまとめて視覚的な雑然さを下げるという手法を考えだし罪を飲み干し、そしてあとは眠くなるまで心ゆくまで「愛のむきだし」を見ることに決めたのだ。だって俺は自由、自由、自由なのだ。

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■11/08/12(金) □ コロレットを発見
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名作カードゲーム「コロレット」
Mたちが結局チケライもカルカソンヌも持って行かなかったので、今さらだが旅行用にドイツカードゲームを買っときゃよかったなあと考え、前からオンラインデモ版があると知っていたがあまり興味を感じずやってなかった「コロレット」をやってみた。最初はあまり面白く感じない。勝負どころはわかるしうまくいくと気持ちいいこともあるが、まあなるほどねという感じ。

がとにかく5分もかからず1ゲーム終わるのでどんどんサクサクやっていると、プレイ総計5回を過ぎたあたりから良手悪手、取られて悔しい場合、自分に利は薄い代わりに敵に損害を与えられる手などさまざまな手が見えてきた。するとなるほど面白い。同じく有名なカードゲーム「6ニムト」オンライン版は、何回やっても自分がやってることがいいのか悪いのか、どうしたら勝てるのかというゲームのキモがわからずワクワクしてこなかったのだが、これはそれが見える。

そして10回を過ぎる頃(それでも1時間くらい)にはもう、コンピュータ3名との熱い勝負に熱中するようになってしまった。これは素晴らしい。サンファンほどでかいプラン(役)を立て勝負に出るスリルはないが、場の流れを読む楽しさ、グッドラック・バッドラックの楽しさ、次はこうしようと上達する感覚があり、5分でできるゲームとして実に素晴らしい。

◆札を引き列に置くか、列を取る
◆3色まで得点、4色以降はマイナス

とこれだけのルールで、例外が一つもない美しさ。カルカソンヌ並みのメカニズムのシンプル美だ。超絶シンプルルールでゲーム性がすべてインタラクションにかかっている点は「オイそれはオレの魚だぜ」と同じだが、これは「オレの魚」より勝ち筋負け筋が明確に見え、戦略性が非常に高い。かつラックの味わいも十分に入っているので、ビギナーでも楽しめる。

旅行用と考えるとカードを手持ちでやるゲームがベストだが、これは手持ちではないものの小さなスペースがあればできる。ボードゲームができないビーチのマットの上や飛行機のテーブル上でやるのも可能だろう。ツリーハウスの上でもできる。手持ち無沙汰のファミリーパーティでの時間つぶしにもやれる。

テーマ性がない抽象的(アブストラクト)なゲームなので萌が気に入るかどうかは微妙だが、パズルやソリテアが好きなMには間違いなくウケる。そして15ドルだもんな。買おう。よし。

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家族の留守中ソロキャンプに行きたいので、準備を開始する。テントを広げてみると、やはりかなりカビくさい。まあ風を通し乾かせば大丈夫だろう。あと水タンク、マットか長ザブトン、コッヘル等が必要だ。

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■11/08/13(土) □ 「愛のむきだし」感想
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テントを一昼夜ほしたがカビ臭さが取れない。うーむ。芳香剤でごまかし我慢するしかないか。天気予報は少し改善しており、火曜から気温は夏に戻りそうだ。どこへ行くかを考えているのだが、至近でよいと評判のローリーレイクキャンプ場でまず1泊、そして前からハリソン・ホットスプリングスへ行くたびに寄り道したいと思っていたフレイジャーバレーのどこかをうろつきつつもう1泊したいな。情報を集めよう。

夕方テントを片付けに外に出ると、もう夏の終わりの空気だった。今年はついに夏が来なかった。やれやれ。

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くれぐれも独身状態になるまで見るなと言われていたバイオレントな日本映画、「愛のむきだし」4時間を観劇終了。

【以下ネタバレ】前半は満島ひかりさんが怖いコイケにレズの道に連れて行かれる描写などすごくよかったが、最後の1時間の大バイオレント・クライマックスはあまり意味がないなあと思った。どうせ大団円になるなら、人を死なせたりしないでなんとかしてもらいたかった。ユウの一途な愛が他者への破壊に結びつき、狂い、戻ってくるというクライマックスの全部が弱い。教団のヘッドが単なるオタク大学生みたいなのもヘンならそいつがユウに殺されてしまうのも馬鹿げている。満島さんが聖書の長い節を一気に暗証しきるシーンには感動したが、結局それが何かを意味してはいなかった。

この映画を本当の純愛映画だとか、”むきだしの愛”の映画だとか言っているけれど、この映画の中で純愛だとかの部分は多分全体の10%も無い、それもほとんど最後の部分だ。90%はギャグでありコミックでありギミックだ。観客はコミックの部分が面白くて映画を見続け、最後の部分でガツンとちょっとシリアスなストーリーでクイっと栓を締められたものだから「ああ、面白かった、ああなんて素晴らしい愛の映画なんだ」と飲み込まれ丸め込まれ、それまでのストーリー全部を純愛だと意識を操作されてしまっているのではないか? (『愛のむきだし』むきだしているのは愛ではなく傲慢な感情。)

という辛辣な評があったが、その通りであり、90%のマンガはすごく楽しかった。しかし10%の純愛部分は取るに足らないものだったのである。

しかし「悪のコイケ」さんがすごかった。いったい誰だ、そもそも役者なのか、町で見つけた風変わりな女子なんじゃないかという凄みがある。で調べたら「奥田瑛二の娘・安藤サクラ」だって。サラブレッドなのだ。いやはや恐れ入りました。
【ネタバレ終わり】

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大恐竜の前で、イトコと
萌と Hotmail 経由でチャットができた。萌はタイプが十分早く、ちゃんと会話になる。これはいいわ。いい時代になったものだ。写真もアップロードしている。博物館がやはりすごいな。

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■11/08/15(月) □ キャンプ準備
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天気は良化している。明日出発と決定。今日荷造りと買い出しを終えるぞ。

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最後の買い出しで「コロレット」本物も入手。これがカバンに入っていれば、電話や Pocket PC みたいにユーロゲームを携帯できるわけである。キャンプにも持っていける。使う可能性はゼロだが、ユーロゲームは持っていること自体が嬉しいという趣味性が強くある。

スリーピングマットはこれだというのが見つからないのだが(薄くて硬い時代遅れなものか、巨大なエアマットしかない)、これはもう仕方がないので家の座布団2枚を持っていってしのごう。

―――うわ、ローリーレイクキャンプ場は1グループ $30 だって。高い。カナダなのに。ちょっと待ってくれよ。マットも買わないほど切り詰めてる質素キャンプなのに、これじゃ2泊できんぞ。しかし調べてみるとやっぱサイトごとの料金なので、BC 州立はどこでも $30 が標準らしい。あちゃー。これは考えなかったな。弱った。

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■11/08/16(火) □ 15年ぶりのソロキャンプ
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旅の本職KZ氏にキャンプ場アドバイスを求めると、安いところは遠くて要4WDであるという傾向が見えてきた。つまり家族連れが気軽に行け都会から近いところは高いということなのかもしれない。

昨日キャンプ用品を探していて、カナダでは一般の量販店では家族向けキャンプ用品の売れ線以外はまったく手に入らないなとわかった。家族向けのコールマン系キャンプ用品とその廉価版しか売っておらず、ソロ用のキャンプ用品(欧州登山用品由来の EPI など)なんて1つも売っていない。俺は1人用のコッヘルセットと EPI パーツが必要なのだが、そういうものは MEC などの山屋専門店に行かないと手に入らないのだ。キャンプ場も同様に、ファミリー用とアウトドアエキスパート用に分かれているわけだろう。

ゴールデンイヤズ公園のノースビーチなら $10 安いとKZ氏の助言が入り、そこに決定し出発。

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うーん、フツーだ...
15:37 1時間でついてテントを張りコーヒー。うまい。が、思ったほどワンダフルではないなあ。うちの近所の森にテーブルを置いただけという感じ。アロエットレイクがまったく見えない。それでいて茂みがないので 360℃死角なく、隣のサイトが全部見えてしまう。地面は砂利混じりの堅い土で、テントのペグが入らない。全体的に、森の中の駐車場にテントを張っているという感じである。

とりあえずはるか下方にある湖まで降りて景色を眺め(湖につながる河口で泳げるようになっていて、そこはナイスだった)水を汲みに行くと、ポンプが滅茶苦茶重い上に汲み取り口の位置が悪く、1人では汲めない構造になっている。5分ほど苦闘して諦めた。はあ。まあいいや、ミネラルウォーター4Lは持ってきたので、それが尽きたら帰ろう。2泊の予定だったが、サイトは魅力ないし湖でオトコ1人泳いでも仕方ないし、この森の駐車場に2泊したい理由はないのである。

テントに寝袋を敷いて横になるとようやく快適に感じてきた。

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晩飯は野菜スープとゆで卵と質素に。昨日作ったおひたしも持ってきたのでお茶のツマミとする。うまい。

◆18:27 日没。山際なので早い。だんだん野営気分が出てきました。
◆19:02 日が落ちると一気に冷えてきた。やっぱここは山なんだな。焚き火を開始しよう。
◆20:39 いやー焚き火サイコー、2時間近く火を絶やさぬよう熱中してた。火の世話をしていると時間を忘れる。

しかしこういう車を入れることをまず考えたキャンプ場は、日本でもそうだが、あんまりよくないな。日本で俺が行ってた廻り目平などのキャンプ場は、狭くて車が入れないので荷物の搬入はリアカーを借りたりして大変だったが、ガヤガヤと混み合い子供が駆け回り、山の中の臨時集落のお祭りという感じで楽しかった。そこにいるだけで気分が盛り上がった。隣りのテントがバイク野郎だと話をすることもあったし、水場や炊事場を共用するのでそこでもコミュニティ感覚があった。こういうガランとしたところにポツネンといるのは、どうも気勢が上がらない。

炊事場はともかく洗い場もないのには参ったな。カナダはどこでもこうなんだろうか(前にキャンプをしたのは15年も前なので覚えていない)。持ってきた皿2枚ボウル2個を使ったら俺は余分な水もないのでどうしようもない。各自大量の水とタライを持ち込んで汚れ物を洗っているんだろうな。そうしてなんでも持ち込む必要があるので装備は重大化し、やがてキャンパーになるわけだろう。ここから見渡せる中、5サイト中3軒がキャンパー(キャンピングトレーラー)である。

ここでソロなのは俺だけであり、やはり自分が孤立しているという感がどうしてもある。1人でいることが寂しいわけではないが、自分だけが異質だというのはあまり気分がよくない。たとえばビデオで自分撮りをしたいのだが、こんな静かなキャンプ場の中大声でひとりごとを言っているという図はどう考えても奇っ怪なので、周りに聞こえないようささやき声で録画しなくてはならない。ウクレレを持ってきたがそれを弾き歌うなんてことももちろん不可。1人でいることの居心地の悪さがある。

◆21:38 テントイン。初めて使って気がついたが、このテントは隙間風が入ってくる。体は冬用シュラフで暖かいが耳が冷える。天気がもし崩れたらかなり辛いだろう。もらい物だから仕方がないが、ヘボなテントである。


このLEDライトが明るくて長持ちでサイコー
LED ランタンで読書、明るさと持続時間はばっちり。このランタンで野外でいろいろしたい、テントで本を読みたいというのが長年の夢だったので、それはかなった。実際今日は旅でも避暑でもなんでもない純キャンプなので、最大の目的はこのランタン読書という話もあるのである。

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■11/08/17(水) □ フレイジャーバレー放浪
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◆07:25 起床。夜半は寒かった。真冬用の分厚い寝袋だが、それでも上面の腿が冷えて何度も目を覚ましてしまった。薄いブランケットを腿の上に敷いたら全身が暖かくなったので、念のため持ってきてよかった。まだ谷間に日が差さないのでコーヒーを入れて寝袋に戻る。

朝飯後荷物をまとめる。でゲートに行って2泊目をキャンセルしたいと相談してみると、理由も聞かず今夜の分は返してくれた。こういうところはカナダのよさなり。

ピクニックエリアに周り10年前今は亡きPL叔母さんを連れてきた懐かしいアロエットレイクを見に降りる。急いで帰ることもないのでここでのんびりしてもいいのだが、お茶も飲んだばかりだし今はタバコも吸えない。ローリーレイクへ移動しピクニックして、それからフレイジャーバレーをのんびり巡ってから帰ろう。決めた。

◆11:30 AKさん一家が宿泊したローリーレイク着。ここでカレーを解凍してランチ。炊飯したかったのだが時間がかかりすぎるし、白昼人目のあるところで炊飯というのもちと異様かと思いカレーを温めたのみ。しかしうまい。

ローリーレイクは小さなレイクで、したがって水も暖かく子供向け。キャンプして四六時中このレイクに入れたら子供はうれしいだろう。しかし水辺は蚊が多いな。

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そこからミッションの裏山を抜けていく。ここは俺が知るかぎりこのエリアで最も日本の山道に近く、山と谷と道が連なる景色が長野の山みたいで走っていて気持ちがいい。でもやっぱりカナダの山道はコーナーのRのつけ方がユルすぎるんだよなあ。ユルいコーナーでおいしいコーナリングフォースを出すには必要以上のスピードを維持し走らなければならない。そんなことは危なくてできんし、のんびり景色を見ながら走りたいのだ。

そしてミッションを抜けローヒードハイウェイに降りる。いつもハリソン・ホットスプリングス往復でいい景色だなあと思うフレイジャーバレーで、どこかいいところを見つけコーヒーを淹れのんびりしたかったのだが、景色がいいところで車を停める場所がない。公園的なところもまったく見つからなかった。1度川沿いまで思い切って降りてみると、蚊がうわっと押し寄せてきて大変なことになった。川沿いフォートラングレーでも蚊はすごかったもんなー。母なるフレイジャーリバーは素晴らしいが、近くに住むとなると蚊は大問題だろう。

川を見渡す高台の公園みたいなところも探したのだが、これも見つからず。景色を好きなドロチェあたりまで行ったが、ガスもなくなってきてだんだん心細くなる。夏の山河を眺めて走りながら、なんだかセカセカと追い立てられてるみたいでリラックスできない。地図でドロチェにも公園はないと確認し、これ以上ハイウェイをさまよってもあまり意味ないなと引き返した。3時過ぎに帰宅。2時間余を無為にさまよい、寝不足と日差しで疲れた。

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ワインディングロードを走っていてもで星の下で寝ていても昔ほど盛り上がらないのは、これはやっぱり結婚して子供ができて、家族全体での楽しみが基本になっちゃったからなのかなと帰り道ずっと考えていた。旅やキャンプは変わらなくても俺が変わったのかもしれない。これは自分じゃ答えが出ない。

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■11/08/18(木) □ 二輪の自由
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キャンプ場で早起きしたからか、今日も早起きしてしまった。

盛り上がらなかったキャンプトリップのことを考え悶々としていたのだが、何かしようと久々に自転車で買い物に出たら、ぶわーっとほしかった自由フィーリングが湧いてきた。あ! これか! 俺がほしかったのは二輪の自由さだったのだ。瞬時に行き先を決めて軽やかに進み、いつでも止まれる二輪の自由。歩道を通り裏通りにまわり無限のルートを自由に組み上げ、適当なところにキッと止めて用を足す気持ちよさ。これだ。

車の旅は、目的地に着くか適当な駐車場がない限り止まることができない。基本的に「移動」なのだ。昨日だって丘の上から一瞬見えたフレイジャーリバーが美しかったが、車を停める場所がついぞ見つからずその後一度も見られなかった。切ないではないか。「リラックスできないセカセカ感」の正体は、止まりたいけど止まれないというプレッシャーだったのだ。多人数なら止めちゃおうかと集団意志の強引さで無理くり止めてしまいもう少しのんびりできるのだが、一人だとなおさら車を停めるには意志力がいる。だから昨日は延々とつまらない気持ちで走り続けていたのだ。

二輪ならば交通の邪魔にならないので好きなところに止まり、好きなだけ景色や町を味わえる。それが俺がしたい旅なのだ。俺はびゅんびゅん車が流れる伊豆のスカイラインでバイクを止め、路上のタヌキの死骸を横の草むらにのけてやったことがある。そういう瞬時の判断で行き・止まる自由がなく、移動を計画し粛々と実行しなければならないから、四輪の旅は燃えないのだ。分かったわ。

今後モーターサイクルを購入して二輪野郎に戻るというのは無理だが、車に自転車を積んでいき、出先でちょこちょこと二輪の自由を味わおう。

バイクにテントと寝袋を積んで走った鬼怒川→伊香保→長野の旅、食べ物とパンク修理セットを持って富士山中を駆け抜けたMTBの旅。あれらと同じ、必要なものを身につけて小さな旅に出る自給自足自由感が自転車にはある。ラブ&ピース。




2010/09/01

日記「島縦貫ワインディングロード」

「Twitter への無理解」「ブレインキャンディ」「アニメ監督のご苦労」ほか。

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■10/08/20(金) □ Twitter への無理解
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 午後から晴れたが気温は20度ちょうどくらいで、秋の気配。昨日に続き庭の枝落としとフェンスの修繕をする。昨日買ってきた釘でフェンスを直していると、前居候MKの手を借りぬ完全自前修理なのでうれしくなる。今まではハンマーも釘も全部奴のツールボックスから借りてやってたからな。彼も俺も同時に自立したみたいで悪くない。この釘から始めて、自前ツールを揃えていくべし。

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 俺が Twitter を使ってると今日知ったMに、「えーっ!『スターバックスなう』とか書いてるわけ!?」と猛烈な拒否反応を示された。いや俺はそんなことはさすがに書いてないんだが、でもたいしたことは書いてないので、「リアルタイムでつぶやくことになんの価値があるの」と詰問されるとうーむと詰まってしまう。でも今感じていることをつぶやきたくなっちゃうんだよ、こんな風に。

 Mのブログや Twitter へのこの無理解無関心は、彼女が私小説、純文学、小津的な日本映画などを苦手とするところにも通じているんだろうな。彼女は実生活でもつぶやきという行為自体が苦手で、対話を最も愛しているわけだし。

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■10/08/21(土) □ ブレインキャンディ
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まあこういう感じです
 泊まりに行ったJD家から疲れて帰った萌が、すぐさまディズニー子供チャンネルをつけぼーっと延々見ている。ディズニーといってもアニメはなく、ティーン役者のコメディ芝居が終日延々やっているというもの。俺はこの夏休みこんなものばかり見るなと毎日ガミガミ言っていて我ながら嫌になっているのだが、Mも言う通りこういうのは「ブレインキャンディ」であり、栄養は何もないのだ。そして虫歯になるのだ。

 俺も子供の頃は夏休みに「サンダーバード」「フリッパーズ」といった英米製子供番組を見ていたけれど、カナダで人気のこれら米製子供番組はどれもストーリーがない、つまり30分ゲラゲラと笑って終わる「シットコム」だ。まったくもって学芸会である。

 ああいう「誰がスクールクイーンなのかの争い」みたいな幼稚な定形スクリプトを売文家が職業的技術で莫大な量生産し、ペアレンツのイライラと子供の豊かな情操を犠牲にハリウッド大金持ちが太っていくシステムから、なんとか抜け出したいものである。

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■10/08/24(火) □ アニメ監督のご苦労
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 俺が唯一新品DVDを買ったアニメ「千年女優」の監督、今敏が亡くなった。こないだジブリの若手監督のドキュメンタリーをやっていたが、あんなストレスと仕事量を与えられたら、アニメ監督はみな早死して当然かもしれぬ。宮崎駿はその点でも鉄人だ。タバコ吸ってるのに元気そうだしなー。俺も宮崎監督みたいにあの歳になってもあんなに元気だったら、またタバコを吸いたい。

 その「ジブリ 創作のヒミツ 宮崎駿と新人監督」という番組を見て思ったのだが、ジブリという会社にはこの新人監督を支援する体制は本当にあるのかねと疑わしい。宮崎監督が年でもう大量に描けないから、その仕事を若い才能に丸投げしたというふうにしか見えない。唯一無二の才能である宮崎駿と同じ仕事を普通の才人ができるわけないではないか。「それが宮崎とジブリの《流儀》なのだ」みたいなトーンなわけだが、非効率的すぎて、近年の宮崎アニメの後半同様破綻しているなと思う。宮崎アニメは破綻していても見たいけど、宮崎亡き後のジブリアニメはどうなのだろうか。

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■10/08/26(木) □ ソルトスプリングアイランド
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 今日からこの夏最後にして唯一の旅行だが、そぼそぼ雨です。予報を見て覚悟はしていたのだが、雲ひとつない昨日の夕焼け空が一夜でこうなるんだから、BCの天気は激変しすぎて、夕焼け小焼けの天候観測的な情緒が欠落している。気温があまり下がりませんように。目指すソルトスプリングアイランドの予報は20度ときどき雨といったところ。

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 道がどこもかしこも工事で遅れ、できるだけ飛ばして10分遅れでフェリーターミナルに着。乗ったのは思いもよらず小さなボートで(だから途中停泊なしで済むのだろう、去年のでかいボートは途中2港に止まった)、定時よりもやや早く 14:25 出発。順調である。

 そしてわずか1時間半で島に着き、ゆるやかな気持ちいい峠を越えコテージ着。島の天気はメインランドよりもはるかにいい。道の曲がりくねりとアップダウンがいかにも島にいるという風情を感じさせてくれ、そこがとてもナイスです。

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 そのままレストランで夕食。これに2時間近くかかった。うち1時間強は料理とデザートの出待ちである。座って10分以内に出てきて文句なくうまいものが食える日本のラーメン屋、どんぶり飯屋、定食屋が恋しい。

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■10/08/27(金) □ レイクスイム
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 Mが朝からバリバリ活動したがり、他に誰も行きたがらないので、俺とMだけで登山ドライブに出かける。しかしこれがえらい急坂砂利道で、途中まで頑張ったが、一度止まったらホイールが空転して発進できなくなりそうなほどの急坂が目の前に立ちはだかり、これは無理なりと車を止めて、あたりを散歩するにとどめておいた。鹿がたくさんいる。

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 昼寝をし気がつけば気温もそこそこ上がっているので、ラップトップとお茶を持って湖畔に出る。あー快適。

 レイクスイムにも少しだけトライした。こないだの海水浴よりこのレイクの水の方が少しだけ温かいのは事実だが、やっぱ気温が20度そこそこでは水になど入っていられない。10分ほどで退散する。やはり夏の海の方がいいよ。この気温水温でヘーキなみなさんは、やっぱさすがはカナダ人である。

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■10/08/28(土) □ 土曜のマーケット
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 土曜のマーケットへ。車を停めて歩くと後ろから懐かしい音がする。YAMAHA RZ250 だ。生産が終わってもう 30 年も経っているだろうに、こんなはるかな島に生き残っているとは。本当に軽く澄んだいい音だ。


 萌はイトコSFと一緒にマーケットを巡る。親から離れ自分の財布を持ちうれしそうである。萌が蜂に刺されるというアクシデントはあったがすぐに痛みは消え、皆を待ちながら俺とMは公園の日陰でのんびりと横たわる。最高のバケーション日和。

 不動産屋でMがこの島の家の値段をチェックする。「今の家を売ってローンを組めば買えないことはないわ。地元の学校に仕事があったらここに住みたいわ」。出かける先々でMはこう言うのであまり相手にしないのだが、こののどかな島に住めばそりゃ気持ちいいかもなあと俺も思わないでもない。天気は最高で気温もごく快適な20度のこの島を眺めているとパラダイスである。冬はどうなのかわからないが。

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■10/08/29(日) □ 島縦貫ワインディングロード
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 宿をあとにし、島の突端の Beaver Point Park へ向かう(地図上 G-I-A-B のルート)。この狭いワインディングロードが最高だった。スズキ・エリオは高速だとヨレヨレになるが低速コーナーはくるりと決まる。道幅をきっちり使いアウトぎりぎりからコーナーに進入し、最小限の舵角を与え外輪に荷重を乗せコーナーを切っていく。曲がり終わるとすぐさまS字があったりして、もーサイコー、ウホホと声をあげながらクイクイと曲がっていく。速度は 50km くらいだし無理なロールもさせてないのでパッセンジャーへの横Gやショックはまったくない。この低速でもスポーツ走行が楽しめるのが小さい車の利点である。


Beaver Point
 Beaver Point Park はノバスコシアのペギーズコーブにも似た岩場と眺望が開けた気持ちのいい場所。しかし島の 2/3 を一気に縦貫して 30 分なんだからほんとうに小さい島だ。メルはこの島をもう絶賛しているが、きれいな島ではあるけれどこの狭さでは実際に住んだら退屈するだろうと思う。まあ外出しない俺はこの島で暮らしても生活にたいして変わりはないけれど、買い物その他にはさぞや不自由するだろうし、家族友人に会えなくなるMはもっとつらいんじゃないかな。と思いつつ、俺は帰り道も嬉々としてワインディングを攻め込んでいたのだった。この道だけメインランドに持ち帰りたい。

2010/02/16

日記「オリンピック開幕」

「遅い車への愛情」「オリンピックムードを味わいに」「モーグルの競技性」ほか。

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■10/02/07(日) □「YAWARA」
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 日本語学校マンガ文庫で借りてきた「YAWARA」を萌に読んでやる。思った通り萌のハートにがっちりはまった模様。浦沢さんは軽音の先輩なので「YAWARA」でのブレーク前から俺たち後輩はその作品を読んでおり、いかにも大衆向けのこれは当時リアルタイムで読みはしなかったが、あまりにも有名なので当然話は知っており、そしてやはり楽しい。萌も久々にマンガで笑ってます。

 しかしさかんに出てくるパンチラシーンとか、カナダ人の娘はどう感じておるのだろうか。そういう絵があると俺は読む速度を極限まで高め、光の速さでページをめくる。Mに見つかったら怒られる(汗)。

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■10/02/09(火) □ 遅い車への愛情
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 日本語学校で「頭文字D」の続きをまた借りてきて、一気に読んでしまった。ちょうどそこでMのピックアップでバス停に呼ばれ、各交差点で久々にファストコーナリングを楽しむ。しかしきれいに曲がって決まった......とミラーを見ると後ろの車がたいして離れてなくて、しかも見ればその車はトヨタエコー(Vitz)セダンであった。あんな 1500cc ミニカーも引き離せないとは (^-^;。

 しかし車は面白いな。エリオはちっとも思い通りに曲がらないし(これはレガシィもそう)、燃費も含め不満は大きいが、それでも車を運転することは楽しい。「頭文字D」で脇役が恐ろしく遅いカローラ 85 を間違って買ってしまい落ち込み、しかし主人公がその車で敵をぶち抜き脇役が自車への愛を再認するという話があるが、あんなのは本当によくわかる。俺ももっとコーナリング性能の高い車を買っていたらなとは思うが、それでもエリオに乗ることは面白い。そして少なくともあの脇役のカローラ 85 よりは、俺のエリオは速いのである。

 昔 RZR250 を盗まれ、どうしようもなく8万円で買った RG250E なんか本当にボロボロで、キャブから夜中にガソリンがもれるし、箱根でプラグが死んでエンコしたし、バンク角がぜんぜん足りずコーナーを攻め込めなくて実に情けないバイクだったのだが、しかしそれでも楽しかった。あれが俺がエリオ前に所有した唯一のスズキである。俺にとってスズキとはそういう、情けないが許してやるというメーカーなのである。

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■10/02/10(水) □ カナダキッズの物欲
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 萌の文房具を探し町を走る。萌が欲しかったのは学校でみんなが使ってるという Mead Zwipes という多機能ノートバインダーで、友達が学校で使ってるものがほしいという気持ちは実によくわかるのでぜひにと見つけてやった。俺も小学校のとき、ユニボールとか流行りの筆箱が無茶苦茶ほしかったしな。

 流行のこのバインダーはプラスチック面に速乾性マーカーで落書きをし、シンナーペン+フェルトペンで消すというシステムになっている。シンナーを使うので(くさいが)マーカーが完璧にきれいに落ちるのがミソなようで、書いては消し書いては消し気持ちいーと喜んでいる。なるほどね。

 萌は俺が子供のときに比べたら物欲がすごく少ないと思う。クリスマスとお年玉で相当な金額を祖父母からもらったのだが、こないだのラジカセとこのバインダー以外自分で何かを買いたいと言い出したことがない。俺は小4の頃はすでにプラモデルその他がほしくて、お年玉などもらったら速攻で使い切っていたし、残ったお金で買えるものを想像しては興奮していたと思う。女の子だし、カナダは子供物欲を刺激するものが日本より少ないのかもしれないな。

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 必要があっていろいろな 2ch スレッドを読んでるのだが、現代ニッポンの若い世代というのはホント人の努力や才能をくさす心根ばかりが発達してるなあと思う。90 年代のニフティサーブやインターネットが開通したばかりの頃は、そうしたネガティブ野郎は有名になるくらい珍な存在だったのだが、今や Google やニコニコ動画といったメディアにも (語彙で) 多大な影響を与えるほどの大勢力になってしまっている。

 当時日本語ニュースグループ fj で悪口を吐きまくり俺と論争してた人なんか、ネット中が罵詈雑言に埋め尽くされた現代ではどう暮らしてるんだろう。皆の口が悪く(しかもそれらの話者がみな彼らより知能が低い)、自分の悪口スタイルが埋没していくのは彼らにとっては苦痛なことだろう。

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■10/02/12(金) □ オリンピック開幕
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フーレイ! がんばれー!

2001年、近所のモールのサイン会で
 開会式。萌が旗を振り興奮しとります。当然カナダと日本を応援するとのこと。カナダのTVでは 98・02 年スピードスケート女王カトリオナが解説で、岡崎さんを見て「長野の表彰台で彼女と一緒だったのよ!」とうれしげにコメントしていた。えらいなあ岡崎さん。

 おー、聖火の点灯はそのカトリオナさん。「この人、昔(サイン会で)萌を抱いてくれたんだよ」と教えると、萌は驚き口あんぐり。まったくだよな、こんなすごいアスリートが近所のモールにいたとはね。

 うーん、いい開会式であった。地元とはいえ冒頭でブライアン・アダムスを出したときはあちゃー、こりゃ駄目だと思ったが(彼をここで見たいという人はカナダだっていないと思う)、その後のクジラが地面を泳ぐ光ショーなんかは素晴らしかった。ギブソンに住むジョニ・ミッチェルが歌声でだけ登場してたが、スタジアムの袖(?)で歌ってたんだろうか。

 最後は柱が1本上がらないという事故が起き、これで聖火がつかないなんていう取り返しのつかないコトにはしないでくれよとひやひやしたが、残る3本の柱で着火は問題なくできたようでほっとした。Mと萌は「(わが町 PoCo から出たカナダの人道活動家) テリーフォックスがホログラムで着火するんじゃないか」と期待していたが、テリーフォックスは世界的には車椅子で出てきたあの人道活動家と同程度の知名度しかないだろうから、そういう大仰なことをしてくれなくてよかったと思う。

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■10/02/13(土) □ オリンピック1日目
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 【オリンピック1日目】カナダじゃオリンピック放送は通常米国1局カナダ1局しか放送がないのだが、さすが地元開催なのでカナダだけで3局も放送している。しかも視聴者が競技を見逃さないように、「22ch でジャンプ、23ch ではスピードスケートをやっている」と親切にも他局の番組まで紹介してくれる。トリノなんか女子スケート 500m すら放送してくれなかったんだから、えらい違いである。今回は時差も当然ゼロだし楽しめそう。

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 うーんモーグル、カナダのハイルも日本の上村も惜しかった。しかし全員力を出し切っての勝負は見事の一語。緊張に体を固くしてスポーツを見るのは気持ちがいい。こういうものを初めて見た萌も、唇を噛んでなにかを感じていたようだ。

 長野の時のモーグルでは、女子で優勝したタエさんの滑りを見てもなるほど今回はこの人が一番ミスがなかったのねとしか思わなかったが、今回の女子上村&メダリストのスピードはとてつもない。あれから 12 年も経ち、次元の違う競技レベルになっているようだ。

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■10/02/14(日) □ オリンピックムードを味わいに
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 チャイナタウンのチャイニーズニューイヤーパレード&オリンピック名物各国パビリオン巡りをすべく、バンクーバーダウンタウンへ行く。

 チャイナタウンは怖いから行ったことがなかったのだが、ドラッグ中毒者しか歩いていない地獄のヘイスティングスから1本下がればまさにチャイナタウンで、道をまたぐあのゲートが横浜と同じでなつかしい。

 パレードは一体何組あったのか延々 45 分もかかり、俺は 15 分くらいでもう満腹したのだが何事も付き合いのいいMとお菓子やノベルティをもらって大喜びのWと萌のため全部見ることになり、体が冷え切ってしまう。これが夏の夜にあれば楽しいと思うが(実際おばちゃんが踊ってる姿を見れば、日本の長野びんずる・阿波踊りなどの夏祭り踊り歩きと変わりない。下手だが)、温暖なバンクーバーとはいえ2月の朝に延々小1時間くまなく見物するものでもなかったというのが感想。


小さなチャイナガーデン
 やっとそれが終わり、中山庭園というこぶりで美しい中国庭園からチャイナタウンを散策しつつダウンタウンへ向かう。横浜みたいに観光客相手の高級レストランが並ぶわけじゃなく、非中華の人間に食べられるものはなさそうな感じだが、正体不明の店や中華雑貨屋が多く眺めるだけでも面白い。しかしチャイナタウンはどうしてこんなに薄汚れた古いレンガ建築がまるまる残ってるのだろう。不思議だ(※)。
(※)帰ってから調べると、裕福な層がリッチモンドに移ってしまったのでチャイナタウンは衰退しており、再活性化計画の対象になってるのだそうだ。単に古いものが再開発されずに残ってるということなのか。

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 で行ってみたバンクーバーのオリンピック関連エキジビションは、もー混んでるわ混んでるわすべてのパビリオン前が大行列。結局1つしか入らず、しかも帰りのバスはどれもこれも満員で乗れず、バンクーバーの町から出て行く方法がないという状態。ようやく席のあるバスをキャッチ帰ってくるまで3時間近くかかるという難儀な行程であった。オリンピック見物は大変だ。

 しかし長野の時は田舎の町が一変インターナショナルという感じだったが、バンクーバーはもともとインターナショナルな町なので、人が多い以外はいつもと変りない様子。ちなみに日本は今回パビリオンを出してないようである。冬季スポーツ不振がそういうところにも現れている。残念。

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 【サッカー日本代表】が韓国にホームで惨敗していた。Youtube で見た中国との試合で1対1でサイドを突破されまくっていたので、フィジカルがよほど上がってないのかそれとも中国選手に思い切りとフィジカルで勝てないのか(だったらマズイ)と思っていたが、4試合やってからきしダメだとなるとチームがスランプに陥ってるのだろう。

 昨年の予選を3~4試合見て、岡田監督のやってることはつまらんが日本サッカーは選手のレベルと経験が上がり着実に強くなってると感じたので、シーズン明けのスランプくらいさほど危機的には感じない。が、岡田監督がこれ以上策やオプションを増やさずに、「俊輔イン、あとは頑張れ」みたいな落とし所にいくのが明らかなことにはため息が出る。

 稲本が好調で敵の攻撃つぶしという持ち味を存分に振るっているそうなので、中盤の底を稲本・遠藤にして、スピードがあり右SBもできる長谷部を右ハーフに使えば相手を組み止める力と縦への推進力が大幅に上がると誰が考えても思う。それでも岡田監督は俊輔と長谷部が戻ったら稲本をはずすのだろう。ため息。

 スペインで俊輔が試合に出られないのは前に行く力がもともとないからで、セルティック絶好調時代もCLではFK以外と横パス以外何もできなかったではないか。つまり日本代表みたいなつまらんプレーをしていたら、攻撃力にならんからスペインじゃ試合に出られないのである。出るかもしれない俊輔の魔法を期待して06年は崩壊したのに、今回も同じことに突き進んでいる日本代表よ。

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■10/02/15(月) □ モーグルの競技性
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 昨日帰ってみるとモーグル男子でカナダ選手ビロドーが勝っていた。この選手が無茶苦茶感動的で、彼を精神的に強くサポートし続けているという重度身障者の兄貴が、スタンドで最前列で腕を振り上げ熱狂的に応援してるのである。弟の滑りに歓喜の雄叫びを上げる彼を見て涙を抑えるのは俺とMには不可能だった。

 しかし長野の原田に匹敵するほどの感動的なシーンだったのに、日本のネット報道では例によって「ナオ君入賞!」と日本の若い選手ばかり持ち上げ、まったく話題になってないようである。ヤングというならビロドーだって若冠22歳である。それがあの状況でインタビューされ、兄貴のことに言及し声を震わせつつもしっかりと答えられるのだから、カナダのアスリートは成熟している。たいしたものだ。

 そして女子上位と同じく男子のスピードと飛距離は鳥肌が立ち肩が凝るほどで、あのスピードで一気呵成に駆け下りるということ自体が強烈なスポーツ性と説得力を生み出している。モーグルは完全にオリンピックに値する種目になったなーと感服した。ここで4位の上村さんはまことにすごいと思う。

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 一方スノボは今日スノボクロス(?)をやってるが、相変わらずである。スキーよりもはるかに遅くコントロール性の低いもので競技をやられても、楽しそうだなとは思うが見る側にスポーツ的興奮など起こり得ない。ビーチバレーと同じである。みな転ばないように飛ばし、たまに尻もちをつきつつ降りて行くだけで、タイムをカットするためにインぎりぎりをつくといった基本的なレース性すら感じられない。まじめな話スノボというモノ自体に突き詰めるような競技性はないだろう。スケートボードでオリンピック競技を作ろうとは誰も言わないではないか。

 スノボやビーチバレーがかくも馬鹿げた優遇をされるのを見ると、オリンピックの商業主義を痛感する。オリンピックは金の無駄遣いだと反対している人々が今回も多いが(萌も学校でそういうことを習い、付け焼刃で反対論をぶったりする)、金の無駄遣いなどそれこそ映画芸能石油商業あらゆるところにある中、巨大な感動を生み出すポテンシャルを持つオリンピックをことさらターゲットにする意味はないと思う。オリンピックではなくすべての無駄遣いに反対すればよい。しかしスノボ競技とビーチバレーが金の無駄遣いであることには議論の余地もない。

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 うーん、スケート男子 500m でコリアに負けた。コリアはなんでウィンタースポーツでどんどん強くなってきたのだろう。ショートトラックのような新興スポーツで強いのはわかりやすいが、スピードスケートやフィギュアという種目で歴史がある日本がコリアに負けるとは驚きであり悔しい。韓国のスポーツでの強さと検索すると「隙間狙いだから」という意見が多数見つかるが、サッカー・野球やこういう王道スポーツにはそれが当てはまらないではないか。韓国にはなにかがある。それはなんだ。食べ物か?

 カナダ中が心配していた悲運の転倒青年ウォザースプーンは最後まできっちりと滑りきったが、勝ち負けには遠いタイム。スタンドからは清水が観戦しているのをカメラが捉えていた。この2人が競った長野オリンピックは実に面白かったな。今回表彰台の3人からは、空飛ぶカエル清水ほどの別格性もウォザースプーンのようなドラマ性も感じられないよねと俺はMに話す。最後にコーナーで加速しオーバーランした長島の2本目には逸脱する輝きがあったので、あれで勝てていたら伝説が生まれていたかもな。

2010/02/07

日記「『頭文字D』の峠」

「考えすぎだったかもしれない」「とにかく無念、朝青龍」「君にいっつも電話をかけて眠りたいよ」ほか。

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■10/01/27(水) □ 考えすぎだったかもしれない
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 不適切課題問題(「萌の担任はおかしい」)で萌の担任への失望に包まれてる真っ最中に、ちょうど Student Led Conference(※) がある。これは毎年フレンチなので見てもあまりよくわからんのだが、今年からは数学等があるので進捗度合いが見て取れる。萌は数学は順調に進歩しているようだ。
(※)学校で何をやっているのかを子供が教師と共にまとめ、30分ほどかけて自力で両親に披露するというこのイベントが、カナダの授業参観にあたる。


左は「クジラを飲み込むウワバミ
(星の王子さま)」の図、右は
「もし飛行機が落ちたら」の図。
 フランス語のノートやプリントを見ても担任の指導が劣っているかどうかなんて俺には分からないが、やっぱ萌はこの学校で不満なく楽しくやってるんだよなーと思う。課題を一番先に終えた班がポイントを得、そのポイントでオークションをやり先生からキャンディを購入するなんてことをやってるらしい。萌は目を輝かせてそのシステムを俺たちに説明する。そこはキャンディではなくもっといいものを買えるようにすりゃいいのにとは思うが、子供がそれで盛り上がるのは間違いないな。

 帰ってから、たしかにこの学校はアカデミックな面ではいいところが皆無だと思うが、やっぱりいまさら学校を変えるというのは萌には酷だろうとMと話す。萌自身が不満を抱えているわけじゃないのだから。Mも、そうねえ、私の考えすぎだったかもしれないわね......と考え直したようだ。

 この Student Led Conference で担任を評価し直したわけではないが、子供が学校で楽しく暮らしものを吸収する力は、教師の優劣程度ではさほど揺らがないということかもしれない。もっといい教師ならそれに越したことはないが、俺みたいにとんでもない暴力教師が担任でも(俺は掃除中に歌を歌い、授業中にマンガを描いて際限なくビンタされた)、子供はさほど抑圧もされず楽しくやってたわけだしな。

 夜ゴミを出しに行くと、ライラックが芽吹いていた。やはり今年は早い。

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■10/01/31(日) □ 3速ホールドにトライ
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 掃除と送迎日。BRを送って PoCo ダウンタウンを往復していて、うちのスズキ・エリオの最近の低速時の力のなさをカバーする意味でAT3速ホールドで走ってみた。4速 1200rpm あたりで流すとポンピング抵抗で回転が落ちるのを感じるので、2000rpm のパワーバンドに近いところで回転を保持すれば燃費が上がるかもしれないという実験である。

 なかなかいい感触なので帰ってからネットで調べると、3速ホールドにはエンブレ時の燃料カット域を広げる効果があるのだとわかった。4速スローダウンではすぐに 1000rpm に落ちるので燃料はまったくカットされないが、3速なら 2000→1000rpm の間燃料カットが期待できるということだ。

 燃費コンピュータを使い詳しく分析した人によれば、ゆっくり加速するよりも減速時に惰性走行とエンブレ燃料カットを長く取れるよう工夫して走った方が燃費が伸びるといっている。なるほど。これは習慣化していこう。

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■10/02/02(火) □ 「頭文字D」の峠
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 萌を学校でピックアップし坂を降りていくと、Lincoln Ave から下は4速に入れておけば相当下まで燃料カットで行けると判明。ということは坂に入ったらさっさと速度を上げ4速で降りていけば一番燃費が上がるわけだ。

 こうして減速(惰性走行と燃料カット)に気を使っているせいで、オーバースピードでコーナーに突っ込む癖が矯正され、コーナリングがうまくなってきた。無理のないスピードできれいに曲がっていく。エコランに燃えているので、コーナーでしゃかりきにならなくても運転技術を追求でき走っていて楽しいというのも好循環になっている。コーナーで3速に落としてるので、トラクションによるフロントの安定効果もあるのかもしれない。

 しかしエコランを始めると、加速した先で信号に引っかかるとか、信号待ちとかが耐え難くなってくるな。「せっかく燃料カットした (はずの) 5.6 mL がみるみる消費されていく」と実感できてしまう。「信号待ちがあっても燃料カットで取り返せる」と逆に考えないといかんな。

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 今日萌の日本語学校でマンガ「頭文字D」1・2巻を借りてきてしまった(潰れた日本食屋の貸出用蔵書がドーンと流れてきたのだとのこと、ありがたいありがたい)。「バリバリ伝説」の熱狂者だった俺には、バリ伝継続中すでに車へ情を移していた『裏切り者』しげのの作品というイメージがあってこれは読んでなかったのだが、彼の峠への愛情はバリ伝にもこのマンガにも等しく出ているのだった。


ああ、峠。峠よ峠。
 木々の合間から下に続くつづら折りが見えるなんていうカットはたまらない。この絵を見るだけで、ああ、と彼へのわだかまった気持ちが解けていく。―――ああ峠に行きたい。PoCo 市には安全に攻められるカーブが2箇所しかないのです。

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■10/02/03(水) □ とにかく無念、朝青龍
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 朝青龍、引退発表。やはり先場所千秋楽のあの相撲と異様なうつろさは、すでに魂が抜けていたのか。

 引退会見では、「品格」に関する反発を少しだけ語っている。サッカー事件を含め、俺は朝青龍の過去のすべての「問題」を取るに足らぬことだと思うが、格闘家が非格闘家を殴ってはどう言い訳もできない。相手の黒い噂もあり、なんらかの正当防衛に近いものだったのではないかと願っていたのだが。

 「日本の国技だからね。相撲は悪いことばかり続いてるから、これ(朝青龍引退)でみそぎになるね」なんて言ってるオヤジを見ると、相撲史上最悪の悪いことをしたのは日本人ではないか、そういう事件でイメージを落とし入門者を減らし強い関取を出せないのが日本の国技ではないかと思う。オヤジという品性下劣を放置している日本が、モンゴル青年の品性下劣さをそれほど批判できるのだろうか。

 とにかく無念である。力が落ちるにつれもっと面白い相撲スタイルに移行し、そしてずっと相撲をとってほしかった。いやはやなんとも。いやはやなんとも。

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■10/02/04(木) □ 朝青龍は酒乱ガスコイン
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 朝青龍事件の「被害者」が出した、「俺も酔っていたし、当事者間では解決してるので穏便にしてください、(横綱引退などとなれば)自分も一生負い目を負うことになりますから」という示談書というものが新聞に掲載された。誰だか知らないが自分がどれほどの才能を葬ってしまったのか、本当にわかっているのだろうか。

 まあそれは朝青龍本人とその取り巻きにも言えることだな。本人は泥酔で覚えておらず、マネージャーは喧嘩を止められず、善後策(穏便な示談調停)も取らなかったらしい。朝青龍は酒乱ガスコインと同じだったということかもしれん。サッカー選手なら出場停止で済んでも、格闘技(ことに相撲)ではそうはいかないのである。

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■10/02/06(土) □ 君にいっつも電話をかけて眠りたいよ
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 掃除中適当に選んだ MP3 で小沢健二がかかる。
- お茶でも飲みに行こうなんて電話をかけて 駅からの道を行く 君の住む部屋へと急ぐ (愛し愛されて生きるのさ)
- 君にいっつも電話をかけて眠りたいよ 晴れた朝になって 君が笑ってもいい (天気読み)
- 遠くまで旅する恋人に 恋人にあふれる幸せを祈るよ (ぼくらが旅に出る理由)

 彼女には彼女の部屋があり暮らしがあり、そこを訪れて行くうれしさ、行けないときの甘いつらさ、自分がいない時間でも彼女がハッピーなら悪くないという感じ―――小沢健二はそういうところがいい。

 ひるがえって現代(というかまあ 90 年代以降)凡百 JPOP は、あれはなんだ。日本の電車の中の馬鹿カップル同様、とにかくひっついていたい、信じて待ってる安心うふうふと汗ベトベトだ(バンクーバーの公衆で過度のベトベトをやってる中高生も、なぜかアジア系が多いように思う)。耐えられん。

 最近まで知らなかったが小沢健二はミュージシャンとして引退していたそうで、今年復活ライブをやるのだそうだ。パフォーマンスシンガーとしての彼はうまいわけでもないからライブを見たいとは思わないが(萌と一緒に Youtube で彼のライブを見たら、歌も踊りもヘタでかわいくて笑ってしまった)、新曲を出してくれたらいいなと思う。

2010/01/12

日記「ハワイ・ビッグアイランド(2)」

「シャンペンポンドと Lava Tree Park」「ヒロからコナへの全力疾走」「紅白過大評価合戦」ほか。

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■10/01/05(火) □ シャンペンポンドと Lava Tree Park
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2人はこの調子で一日中
喋くりあってます。
 萌がヘロヘロで疲れて目を覚ます。昨夜ずーっと喋くり合っていたイトコSFがべッドに向かったとき、萌はエナジーが尽きひゅるるるとしぼんでいったのだった。あれだけ喋るとやはり疲れるのだろう。

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シャンペンポンドの透明度!
 今日はうちのホームラグーンで泳いだ後、地熱で海水が温まっているというシャンペンポンドへ初めて行く。ホームラグーンでもところどころお湯が湧いているのを感じるが、ここはまさに温泉だった。ホームは暖かい部分で 28 度、冷たいところは我慢できないほどの冷水で、水温が入り交じっているが故に常時にごりというか水のゆらぎが多く見通しが利かないのだが、こっちは全面 32 度くらいありそうで、均等温度ゆえにクリスタルクリアー。スノーケル&ゴーグルをつけて温泉で泳ぐというのは子供が誰も夢見ることだが、それが熱帯魚付きで実現という豪華版なのである。

 しかもここは完全な人工ラグーンらしく浅瀬はビーチ状に浅くなっている。水温が高過ぎるのか魚の数はホームよりだいぶ少ないが、小さな魚が群泳しているのを安全快適な浅瀬で見られるのは素晴らしい。

 小さなウツボを発見。おーとしばらく皆で追いかけると、鎌首をもたげ威嚇っぽいポーズを取る。おーと皆が後ずさる。楽しい。俺は足が付く場所を探して休み休み潜っているのだが、萌はもう一瞬も浅瀬に上がってこず浮いている。すごい熱中ぶりである。

この亀がうちの池に
いるんですから、もー。
(ホームはホームで魚の豊富さが素晴らしい。うちのラグーンには亀が住んでて、毎日どこかどこかでお目にかかれるんだからすごい。俺と萌は水中では見れなかったが、水上からは←この距離で見ることができるのだ。)

 しかし海というのは怪我がつきもので、萌のカバーで無理な動きをするせいで2日続けて足に怪我をしてしまった。ダイビングは岩場に取り付く瞬間が一番危ないので、萌があせって脚をぶつけないよう補助すべく体を入れ、自分の脚を打ちつけてしまった。今日のつま先の怪我は血がタラタラ出て滅茶苦茶痛い。あいたたたた......。

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枯山水の世界、Lava Tree Park
 午後はごく近場の Lava Tree Park というところへ行く。これが素晴らしかった。Lava Tree という名の通り、熔岩が流れた際に樹木をコートし、樹木が中で焼け落ち中空の熔岩のコーンが残ったというもので、数十の熔岩コーンを巡り歩く遊歩道になっている。その自然が作った偶然の産物が実に1つ1つ美しく、いにしえの仏師に彫られた彫像が注意深く配置された寺院の庭のように見える。苔むしぷりも完璧で、龍安寺の石庭のごとし。実にスピリチャルな場所であった。

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■10/01/06(水) □ Hilo 観光
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ヒロの小さなマーケット
 Hilo 観光。シアターでフラダンス(というかハワイの歴史講話)を見たあと、萌はマーケットで友達へのおみやげを買う。俺は欲しいのはウクレレくらいだが、明日はもう帰るのだから今頃買っても無駄だなと思う。ハワイ製のちょっといいのを買うのでもなければ意味はない。で結局ウクレレはよして、インドネシアの安い竹パーカッションをゲット。音は同じ店にあった$30のやつに遠く及ばないのだが、パーカッションというものは面白い。

 初日のホテルからずっとそうなのだが、この島で働く労働者はほとんどみな、無愛想で英語にすごい訛りがある。地元民じゃないのだ。顔つきからはポリネシア系に見えるのだが、フィリピンなどからの労働移民ではないかと推測される。ここで観光客が求めるのは気候のよさと火山なので人々が無愛想でも別段文句はないが、せっかくパラダイス的な土地にいながら味気ないといえば味気ない。愛想がいいのは値段がはるレストランのウェイターだけだな。

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■10/01/07(木) □ ヒロからコナへの全力疾走
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さよならカポホビーチ
 とうとう帰国日。このまま学会でホノルルに向かうMを送り俺はヒロ空港へ寄ってからコナ空港へ行くので、萌はコナ方面に直行するSHたちに同行させる。1週間を過ごした宿を離れる寂しさと、マミーと離れるつらさが襲い、萌はうっうっと泣きながら出発する。さよなら、カポホビーチ(帰国後日記を書くために地図を見て、初めて自分がカポホという土地にいたのだと知った ^-^;)。

 俺はMをヒロ空港で降ろしてSHと萌たちを追う。2時間全力疾走の後ブラックサンドビーチで見事追いついたのだが、萌はイトコSFと一緒に行きたいといって結局俺の車には移ってこず(苦笑)、結局最後まで1人のドライブとなる。有名な観光地を飛ばしていながら、今ひとつ心は盛り上がらない。バイク時代のソロツーリングみたいな気分にはなれなかった。やっぱ同乗者と景色がきれいだなんだと語りながらでないと、観光は盛り上がらないのね。そもそもビッグアイランドは溶岩だらけで殺風景だしな。

 それにバイクで日本を旅していた頃は時間も場所も定めぬお気楽旅だったのだが、今日の終わりにはフライトがあるわけで、いくら走っても一向にコナ空港が近づいてこないぞという焦りで休憩できなかったのが、盛り上がらなさの一因としてある。ヒロからコナへのドライブは 2'45 なんてのは大嘘で、ガラ空きの道をほぼノンストップで3時間半ほどかかった。コテージ発から4時間15分、疲れた。

 これほど車で本格的に飛ばしたのは初めてである。Mも萌もいないので、自分の力量と安全と法規だけを見ながら全力で走ることができた。キラウェア下りの高速ツイスティではステアに若干の遅れが出、やはりフォーカス米国仕様は日欧仕様に比べ相当にサスとステアに遊びがあるんだろうなと感じる。徹底してファミリーカーとしてチューンされてるようで、これだけの好条件でおお気持ちいいと思うほどぴしっと決まったのは数回だけだった。

 ブラックサンドビーチ以降の30マイル以下ツイスティは長野の山の中みたいな超タイトコーナー群で、低速安全に全力で曲がれ最高だった。切れやトラクションのフィーリングは凡庸だが、しかし超タイトなところをギリギリのスピードで曲がっていっても(前をスポーツカー・マスタングが走っていたので追尾)、タイヤが鳴くとかアンダーが出るなど破綻をきたさないのだから、やはりシャシーバランスはすごくいいんだなと思う。ホイールベースが短いエリオならもっと気持ちよくくるっと曲がれるに違いないが、エリオにこれだけのGをかけたらバランスを崩すと思う。

 しかもこれだけ飛ばして燃費が 37MPG (15.63km/L) なんだから、いやはや。エンブレなしで疲れるとはいえ(最後は右足が攣った)、フォードがこういうエンジンにするのもむべなるかなだよなあ。ストップ&ゴーがなければまるでハイブリッドみたいな燃費が手にはいるのだ。やはり車の実力としては大したものである。負けました。

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 ◆21:20 チェックイン終了。帰りのほうがやはり手荷物チェックは簡単だった。さよなら、ハワイ。

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■10/01/08(金) □ 静かに沈む北の国へ帰宅
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 8時着でラゲッジが出てこず、10時に家につく。ふー。今日のバンクーバーは小雨で寒くはなく、ハワイとの巨大な気温差など特に感じることもないのだが、静かに沈む北の国という感じがすごくする。ハワイはなにかいつも空気がさざめいていたようなイメージがある。実際鳥の声、波の音、風の音、車の音といろいろ聞こえていたしな。

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 正月の天皇杯を見ていたら気を失うように寝てしまった。萌は飛行機が出発する前から6時間寝通したので、疲れているが眠くはないようだ。

 で夜、早めに寝かせようとすると、ついに爆発。I miss ハワイ、マミーマミー、と号泣が止まらなくなる。これほど泣いたのは小さな頃以来だろう。はあ、やれやれ。1時間かけて泣きを止め、ホノルルにいるMに電話。これで萌も落ち着いたようである。

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■10/01/09(土) □ 紅白過大評価合戦
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 萌はやはり非常に疲れており、8時に起こしても反応がないのでもう半時間寝かせておいた。昨夜泣きすぎて目が腫れてます。

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 録画しておいた【紅白歌合戦】を見ているのだが、「こども紅白」という、子供がやればなんでも全てかわいいのか、これじゃペット芸だろうと思うイベントを含め全部不愉快で、全部早送りして前半終了。

 【スーザンボイル】この人は「こんなアグリイなおばさんからこの美声が!」というだけのことなのではないか。美醜の落差と音楽の価値とはなんの関わりもない。

 【Aiko「あの子の夢」】独特のこぶしが気持ちいい人だとは思っていたが、この曲も自作とは感心する。大塚愛やこういう人がやはり日本ならではの、他の国にはないメロディを生む才能だなあと思う。平原綾香のバックで完璧なブライアンメイ奏法をお茶の間に届けたローリーは、ロックが日本で育てた才能である。EXILE はムード歌謡とド演歌の土壌に洋楽を挿し木して育てた花(というかなんというか...)といえよう。

 【ゆず「逢いたい」】NHKの少女ドラマの主題歌としてこれが流れたとき、この拙い言葉とメロディと歌唱はどこの子供だ、またジャニーズかと思ったら「ゆず」だった。EXILE とゆずと東方神起は現代ニッポン過大評価大賞の1・2・3だろう。だいたい紅白とは過大評価合戦なのだともいえる。前半に司会その他で出てきた清史郎君だのポニョの子も同じことだ。

 【矢沢永吉】見え見えのサプライズはどうかと思うが、去年のミスターチルドレンみたいに別スタジオで演奏しても意味がないので、あの登場からホールに入り歌いまくったのはよかった。紅白過大評価合戦の観衆を啓蒙するのがここでのロッカー枠の使命なのである。このステージにロッカーを上げるには、こういう特殊枠しかないんだろう。

 【DREAMS COME TRUE】ついに女子トリとなったが曲が地味であった。その地味さを覆うために吉田美和が絶叫しすぎていた。何年か前の「何度でも」がドリカムのエモーショナルなピークだったようである。残念。

 総じて、歌の力歌の力とNHKは騒いでいたが、このショーで本当に歌の力を見せたいのであればNHKは演歌枠と Jpop 枠を相当数削り、過大評価愚民でもわかる説得力を備えたミュージシャンを呼んでこなければならない。今の形態ではどうやっても無理である。

2010/01/11

日記「ハワイ・ビッグアイランド(1)」

「初のスノーケル」「キラウェア火山」「萌スイムに成功」ほか。

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■09/12/26(土) □ 霧に沈む大陸
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霧に沈む橋を渡り親戚家へ
(C)The Weather Network
 ファミリークリスマスでM姉家へ。道中ものすごい霧になる。そろそろと走りながら、「萌、これは完全に『霧に沈む大陸』だな」と言うと、萌は「FF9の? そうだよねえ!」と、似たようなことを感じていたようで即座に反応する。「なんか、本当にモンスターが出てきそう!」。

 そしてMに、私はFFに本当にハマっているから、ゲームと現実の区別がつかなくなってるのよと説明していた。それが説明できるんだから区別はついてると思うが(笑)、でもそのゲーム内のセンセーションと現実の景色が強烈に結びつくという感覚はよくわかる。

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 有馬記念、勝ったのはドリームジャーニーという知らない馬で、調べてみるとステイゴールドの子供だった。府中で大敗し有馬で勝つというのは展開がはまらないと勝てない他力本願な馬であり、チャンピオンを目指すような存在ではないということだが、かつてのホワイトストーンのようなピッチ走法できれいに突き抜け気持ちよかった。あの展開できっちりと前をいき、後ろからあの脚で来たドリームジャーニーとギリギリまで競ったブエナビスタも強かった。ウオッカなき後は彼女が日本の主役なのだろう。

 ウオッカはなんと、もう一度ドバイに出てから引退するそうである。もし彼女の能力が普通に出てくれればそれはもううれしいが、府中以外で爆発したことがないピンポイントが狭い能力なので、そうもいかんだろうな。期待はしてしまうが、とにかく無事でという気分の方が強い。

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■09/12/31(木) □ 毎度の米国入国問題
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 ハワイ行きの荷造りが終わらん。25日のテロ未遂に応じてUSが手荷物持ち込み禁止という無茶をいうせいで、いつも持ち込むキャリーバッグはおろかショルダーバッグすら使えないらしいので、何をどうやって持っていけばいいのだと思考が頓挫してしまう。

 Mがエアセーフティカナダに電話すると、ラップトップはOKだが Pocket PC/DS は駄目、男と子供は本もアウト、紙と鉛筆もダメだと狂った無体をいうのだが(男のほうがテロ犯率が高いということらしいが子供はなぜなのだ?)、ラップトップがOKで Pocket PC やDSや本は駄目だというのはナンセンスなので、とにかく持っていってチェックイン時に航空会社に相談してみるしかないというところ。このストレスでやや胃がどんより気味である。インターナショナルトラベルは嫌なり。ふー。出発1時間前に支度は全終了。

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 ◆19:10 1時間遅れで離陸。セキュリティチェックは聞きしにまさる遅さだったが、結局 Pocket PC、DS、本と全部OKだった。乗客の持ち込み荷物を極力減らすために、セキュリティ当局がデマを流しているわけである。

 それに加え俺の米国入出国恒例のイミグレーション問題が今回も出て、M姉たちから30分も遅れる。しかし今回の入国管理官は俺にカタコトの日本語を使うなどいい人で、どうして米国入出国で俺がいつも止められるのかを教えてくれた。日本人はビザ免除のグリーンカードに記入する必要があり(フロリダ時は求められなかった)、昔もたしかにそれを書いた記憶があるが、出国時にUSイミグレーションで回収されるベきその半券が回収されてなく、それで不法に出国したという記録になってるのだという。―――ああ、それかー。

 たぶん96年ハワイに行ったときにビザ免除を書き、その半券が回収されなかったのだ。それはカナダ入国管理官のミスで俺のせいではないのだが(個人が半券をどうこうするなんて判断をするワケがないではないか)、このミスを単なるミスと認め登録情報をリセットする方法はないのかと尋ねるも、カナダパスポートを取る以外にないねと言われる。13年前の入国管理官のミスが俺の旅行自由を一生奪うのか? 全く不合理なりインターナショナルトラベル。こんな移動をしないで済むならそれが一番いいことだとほんとに思う。無方図な駐車場代だの空港レートの飲食費だの、人の足元を見る商売でザルからこぼれるがごとく金が消えていくし、環境負荷は膨大なわけだし。

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 ハワイは地図上では日本とカナダの中間に見えるのだが、北国から赤道までずーんと下がるゆえに6時間以上もかかり、フライトは日本行きと大差ないほどしんどい。WestJet というこの会社は北国人を赤道まで安く連れていくことを専門にやってるところで、安いので機内食も映画も毛布すらも有料になっている。そんなものは無料でなければ誰も欲しがらないので全員が何もすることなく、ただただ所在なさと退屈に苦しむ旅であった。

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■10/01/01(金) □ コナ~ワイメア~カポホビーチ
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 昨夜着いたのはすでにアフターミッドナイト、レンタカーを借りコナエアポート近くのホテルに着いて1時、1時半にべッドに入ったがノイジーで何度も起こされほとんど眠れなかった。グダグダであるが、ホテルのレストランに行くとそこは海に面した半露天の茶房に鳥が訪れ、すでにパラダイス的光景となっている。空港カウンターやレストランに壁がないんだからやっぱすごいところだよなー。横殴りの雨すら吹き付けないものなのかしら。

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 昼前に出発。北回り最大の町ワイメアではファストフードのハワイ食をいただいたのだが、ほうれん草にくるんだ豚肉をバナナの皮に入れ蒸したという感じのものが滅茶うまかった(カルーアポーク?)。萌に声をかけてきた地元おばさんが、この店は安っぽいが町で最高にうまいと激賞していたが、確かにうまい。日本食以外の外食でこれほどうまいものを食ったのはいつ以来かと思う。滅茶苦茶いい味なのだがなんの味なのかまるでわからないといううれしい喜びは、初めてタイフードを食べたときに似ている。

 ところがMとM姉にこれを勧めても、フムおいしいわね程度で何の反応もない。えーっ。俺はバンクーバーのレストランをちっともうまく感じないのだが、やはり東西の味覚には甚だしい違いがあるらしい。ちなみにこの地元おばさんは日系で、萌に「あなたかわいいわねえ、ハフゥ(ハーフ)でしょ、私もよ」と言っていた。ハワイ語には hafu(ハーフ)、musubi(むすび)、furikaki(ふりかけ)など、日本語がたくさん取り込まれている。

 出発で1時間遅れ、ランチでM姉の車とはぐれて1時間、買い出しではぐれて1時間とロスが重なり、ヒロ近郊カポホビーチの宿到着時は真っ暗になってしまった。ここは貸し手が鍵を渡しにすら来ない殿様商売のコテージで、何マイルも離れた別な家屋でゲートキーを手に入れ、コテージではナンバー式のロックを開けるという面倒な手順を取らされたのだが、玄関まわりに明かりが一切ない。すでに暗闇でナンバーが見えないと怒声を上げるMのところに俺がM母のセルフォンを借りて持って行き、ディスプレイでロックを照らしついに解錠成功。RPGの謎解きかよという感じのスリルだった。

 今日は遅くなりすぎ何もできず晩飯&就寝。暗がりの中にうちのコテージ隣接ラグーンポンド(礁湖)がぼんやりと見える。ゲッコーがやはりデッキにいるが、あまりにも素早くてまともに観察できない。あれほど速いとイモリほどのかわいげはない。

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 レンタカーは、FFで最高級のハンドリングという(日欧での)評価を読み俺が長年あこがれ、エリオ購入時も直に比較したフォード・フォーカス。剛性感や快適性、エンジンパワーに不足はないのだが、意外や直進安定性やコーナリングは凡庸だった。コナからワイメアへ登っていく上りで攻めてみると、いい姿勢を作りイメージ通りコーナーに入っていけるのはいいが、その先の切れと安定性が思ったほどでもない。エリオのほうが軽快に向きが変わるし、安定性はレガシィに劣り、イメージしていたようながしっとしたオンザレール感は味わえない。思い通りに走れるけれど、車好きが喜ぶようなところは何もないのである。

 しかしワイメアからの下りで平均燃費の出し方が分かり表示してみると、38MPG (16km/L) というすさまじい数字が出ている。これにはたまげた。リセットして観察すると平地町中では 22 (9.29km/L) と平凡だが、ちょっとハイウェイに乗ればたちまち 30/12.68 を超え、高速燃費はすばらしい。

 総合的に判断して、乗り心地と燃費でエリオを大きく上回り、しかし肝心のハンドリングで大差なしという程度で、今どちらか選ぶならその2点を重視してフォーカスにしたとは思うが、ほしいというほどではない。車って人の評価を読んでも実のところはわからないものである。

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■10/01/02(土) □ 初のスノーケル
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パラダイス的光景

トモ家初スノーケル
 昨夜の雨でひんやりとした朝となる。実に爽やかで気持ちいいが泳ぐには寒い。しかしすごい景色だ。Mがネットで探し尽くしただけあるパラダイス滞在地である。

 ビレッジ内を散歩した後、ついにうちのラグーンプールの水へ。雨は上がり気温水温は希望通り俺でも入れるほどだったのだが、残念ながら水際はいきなり萌の足がつかない深さになっており、相当に怖い。俺でも怖い。初めての海スイム、初めての岩場、初めてのスノーケル完全装備のせいもあって、萌は完全にフリークアウトしてしまう。怖くて水に入れないのだ。

 結局萌の足がつく岩盤部まで俺が背中に乗せ行ったのだが、心身が萎縮しているせいか寒い寒いと震え、すぐに水から上がるよりほかなかった。これはちょっと難しいなー。

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 午後もう一度スノーケル。俺も人生初の足フィンを試してみたが、あれはバタ足でしかワークせず、カエル足をやるとひどく邪魔になる。思ったように進退できず、海が苦手な俺はパニックになりかける。

 これは諦めて、以後はスノーケルのマスターに努めた。あれも失敗したら水が肺を直撃しそうで怖いのだが、タイドプール内なので波と潮流が皆無と身体で実感できると怖さが克服できてくる。波で泳ぎが妨げられ息が続かず、潮流で沖に流され戻れなくなるから俺は海が怖いのであって(どちらも経験がある)、ここではそれが起き得ないのだ。何もせず海水ならではの浮力でただ浮いてれば、息をしながら延々と魚を見ていられる。手足をゆっくりと動かすとそれだけでずーいと体を大きく動かせるのも海水(浮力の高い塩水)効果なんだろう。波のある普通の海ではこんな感覚は味わえないので、ラグーンプール付きのリゾートを選んだお母さんが大正解だったということだ。

 萌は結局Mが指導しても1人で水に入るところまでいけなかったのだが、まったく無理はない。しかし俺とMの今日の発見を生かせば、残り4日でなんとかなるはず。

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見事な水中写真
 今回MKの水中動画カメラ(SANYO Xacti CA9)を借りてきたのだが、スナップカメラとしては起動やシャッターリリースが非常に遅く使いづらい。写真を撮るにはグリップ式の形状も親指シャッターにもなじめないし(同じ片手操作でも昔ながらのベルト式ハンディカムの方が安定する)、ファインダーがないのも明るい屋外では支障となる。

 使いにくいカメラは使用頻度が激減し、旅行3日目にしてまだ10枚くらいしか写真を撮っていない。面倒がらずキャノンを持ってくるべきだった。手荷物持ち込み禁止が頭にのしかかっていたせいだろう、今回は皆忘れ物が多いのである。カメラ、サングラス、ショルダーバッグ、ペンを忘れた。くそー。

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■10/01/03(日) □ キラウェア火山
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すごーい! すごすぎる!
 今日はキラウェア火山公園へ。公園入り口がえらいガスっているので何かと訊ねると、火山性硫黄ガスという。え、それは毒なのではと問い直すと「そうかもね!」とにこやかに答えられた。これは冗談ではなく、ビジターセンター付近ではみな咳込み、外にいられないほどガスが濃い。13年前にぐるりと周った火口外輪ドライブはこのガスのせいで半周通行止めになっていた。しかしこの山のクレーターはやはりすごい。萌はオーマイゴ、信じられないほどでかいと大興奮。


島の南面は全部こうして
溶岩に覆われている
 今日のゴールは前回行けなかった Chain of Crators Road で、無数のクレーターと見渡す限りの熔岩野を下り抜け、熔岩に沈んだ伝説の町カラパナへ至るというルート。こちらはガスはなく、クレーターも熔岩野も見応えありまくりだったが、疲れたM母が先を急いでくれとぼやくので自由に行動が取れない。俺とMだけなら日本でそうだったように、車を止めまくって景色を楽しむのだが、団体行動は面倒である。

 Chain of Crators Road 終点は熔岩が道路をドラマチックに断ち切るあのサイトなのだと思ったら、あれは車の終点から1キロも先であった。暑い中そんなに歩いていけるわけがない。TVで見たあのカラパナの悲劇にまつわるものは結局見られず、はるばる降りていった価値は感じられなかった。


このケムが風でこっちに来ると
毒なわけです
 M母が疲れてしまったせいでM姉たちはキラウェア本火口は後日再訪ということで下山し、俺たちだけが世界最大の火口へ。十数年ぶりに見るキラウェアは、他の火口を先に見てしまったのでややインパクトが減じてしまったが、目前で現にケムを盛大に吹き上げているのは壮観だった。

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 まる1日運転して、フォーカスはアクセルオフで回転が落ちない(エンブレが効かない)のがつらい。フライホイールを重くして回転落ちを防ぎ(急いでゼロ発進すると一瞬おいてドンとくるのもフライホイールの重さだろう)、それで巡航燃費を稼いでいるのだと思うが、前の車に追いついてほんの少しスピードをゆるめたいときにもブレーキを踏まねばならず、そしてわずかでも踏むとざっくり速度が落ちるデキが悪いブレーキとなっており、片時も右足が休めない。キラウェア往復で MPG32 (13.52km/L) はたしかにすんばらしいとはいえ、この乗りづらさと引き換えではなあ。

 下りでは特につらく、旋回中スピードが上がるのを防ぐようブレーキをなめていくゆえコーナーもあまり決まらない。カラパナからの一気上りではエンブレが不要なので爽快に攻めていけたが、エリオだったらこうした低速ワインディングは得意中の得意で、もっとクリスプにコーナーを切り取り外輪荷重に持っていけるはずだよなと思う。

 最後にMの運転で後ろに乗ってみると、購入比較時に思った通り後ろはエリオよりやや狭い。レザーシートの収まりとダンピングが非常に悪いせいで体が左右に強く揺られ、不快で眠れなかった。エリオはちゃちだがホールドのいいシートと広大なスペースのおかげで、サスのショック吸収性で大敗しているわりには疲れないと思う。

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■10/01/04(月) □ 萌スイムに成功
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 昨日は1日観光でハードだったので、今日は皆の希望でイージー&スイムデイ。おとといは萌を水に入れられなかったので、1m先に立つ俺の腕を補助に静かに水に浮かび、そのまま向きを変え岸に戻るという練習をさせる。できるだけ静かに、背中をまっすぐにすれば普通のプールより浮くし、流されないから何もしなくていいんだよ。これができると水中の魚がついに見え、萌は狂喜する。

 萌は昔のスイムレッスン時、「浅いところで泳げるなら深いところでも同様に泳げるはずだ」という理詰めのカリキュラムを強制され苦労していたのだが、恐怖は理屈では乗り越えられないんだよな。海というこの実戦ではなおさらである。プールで25m泳げるんだからこのラグーンプールでも問題ないはずという理屈にはなるが、怖いものは怖いのだ。こうして心理的負荷を具体的かつ小刻みに取り除いていくしかない。


ついに萌がスノーケルに成功
 午後のスイムでは浅瀬まで泳いでそこの魚を観察し、最後は階段A⇔B往復10mが何度でもできるようになった。上出来だろう。これだけ泳げれば俺とMが行ける範囲はいけるはずである。魚を見つけた興奮と喜びで萌は何度も顔を上げ笑いだし、それで沈み水を飲み、それでも笑っていた。よしよし。