2010/02/07

日記「『頭文字D』の峠」

「考えすぎだったかもしれない」「とにかく無念、朝青龍」「君にいっつも電話をかけて眠りたいよ」ほか。

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■10/01/27(水) □ 考えすぎだったかもしれない
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 不適切課題問題(「萌の担任はおかしい」)で萌の担任への失望に包まれてる真っ最中に、ちょうど Student Led Conference(※) がある。これは毎年フレンチなので見てもあまりよくわからんのだが、今年からは数学等があるので進捗度合いが見て取れる。萌は数学は順調に進歩しているようだ。
(※)学校で何をやっているのかを子供が教師と共にまとめ、30分ほどかけて自力で両親に披露するというこのイベントが、カナダの授業参観にあたる。


左は「クジラを飲み込むウワバミ
(星の王子さま)」の図、右は
「もし飛行機が落ちたら」の図。
 フランス語のノートやプリントを見ても担任の指導が劣っているかどうかなんて俺には分からないが、やっぱ萌はこの学校で不満なく楽しくやってるんだよなーと思う。課題を一番先に終えた班がポイントを得、そのポイントでオークションをやり先生からキャンディを購入するなんてことをやってるらしい。萌は目を輝かせてそのシステムを俺たちに説明する。そこはキャンディではなくもっといいものを買えるようにすりゃいいのにとは思うが、子供がそれで盛り上がるのは間違いないな。

 帰ってから、たしかにこの学校はアカデミックな面ではいいところが皆無だと思うが、やっぱりいまさら学校を変えるというのは萌には酷だろうとMと話す。萌自身が不満を抱えているわけじゃないのだから。Mも、そうねえ、私の考えすぎだったかもしれないわね......と考え直したようだ。

 この Student Led Conference で担任を評価し直したわけではないが、子供が学校で楽しく暮らしものを吸収する力は、教師の優劣程度ではさほど揺らがないということかもしれない。もっといい教師ならそれに越したことはないが、俺みたいにとんでもない暴力教師が担任でも(俺は掃除中に歌を歌い、授業中にマンガを描いて際限なくビンタされた)、子供はさほど抑圧もされず楽しくやってたわけだしな。

 夜ゴミを出しに行くと、ライラックが芽吹いていた。やはり今年は早い。

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■10/01/31(日) □ 3速ホールドにトライ
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 掃除と送迎日。BRを送って PoCo ダウンタウンを往復していて、うちのスズキ・エリオの最近の低速時の力のなさをカバーする意味でAT3速ホールドで走ってみた。4速 1200rpm あたりで流すとポンピング抵抗で回転が落ちるのを感じるので、2000rpm のパワーバンドに近いところで回転を保持すれば燃費が上がるかもしれないという実験である。

 なかなかいい感触なので帰ってからネットで調べると、3速ホールドにはエンブレ時の燃料カット域を広げる効果があるのだとわかった。4速スローダウンではすぐに 1000rpm に落ちるので燃料はまったくカットされないが、3速なら 2000→1000rpm の間燃料カットが期待できるということだ。

 燃費コンピュータを使い詳しく分析した人によれば、ゆっくり加速するよりも減速時に惰性走行とエンブレ燃料カットを長く取れるよう工夫して走った方が燃費が伸びるといっている。なるほど。これは習慣化していこう。

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■10/02/02(火) □ 「頭文字D」の峠
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 萌を学校でピックアップし坂を降りていくと、Lincoln Ave から下は4速に入れておけば相当下まで燃料カットで行けると判明。ということは坂に入ったらさっさと速度を上げ4速で降りていけば一番燃費が上がるわけだ。

 こうして減速(惰性走行と燃料カット)に気を使っているせいで、オーバースピードでコーナーに突っ込む癖が矯正され、コーナリングがうまくなってきた。無理のないスピードできれいに曲がっていく。エコランに燃えているので、コーナーでしゃかりきにならなくても運転技術を追求でき走っていて楽しいというのも好循環になっている。コーナーで3速に落としてるので、トラクションによるフロントの安定効果もあるのかもしれない。

 しかしエコランを始めると、加速した先で信号に引っかかるとか、信号待ちとかが耐え難くなってくるな。「せっかく燃料カットした (はずの) 5.6 mL がみるみる消費されていく」と実感できてしまう。「信号待ちがあっても燃料カットで取り返せる」と逆に考えないといかんな。

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 今日萌の日本語学校でマンガ「頭文字D」1・2巻を借りてきてしまった(潰れた日本食屋の貸出用蔵書がドーンと流れてきたのだとのこと、ありがたいありがたい)。「バリバリ伝説」の熱狂者だった俺には、バリ伝継続中すでに車へ情を移していた『裏切り者』しげのの作品というイメージがあってこれは読んでなかったのだが、彼の峠への愛情はバリ伝にもこのマンガにも等しく出ているのだった。


ああ、峠。峠よ峠。
 木々の合間から下に続くつづら折りが見えるなんていうカットはたまらない。この絵を見るだけで、ああ、と彼へのわだかまった気持ちが解けていく。―――ああ峠に行きたい。PoCo 市には安全に攻められるカーブが2箇所しかないのです。

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■10/02/03(水) □ とにかく無念、朝青龍
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 朝青龍、引退発表。やはり先場所千秋楽のあの相撲と異様なうつろさは、すでに魂が抜けていたのか。

 引退会見では、「品格」に関する反発を少しだけ語っている。サッカー事件を含め、俺は朝青龍の過去のすべての「問題」を取るに足らぬことだと思うが、格闘家が非格闘家を殴ってはどう言い訳もできない。相手の黒い噂もあり、なんらかの正当防衛に近いものだったのではないかと願っていたのだが。

 「日本の国技だからね。相撲は悪いことばかり続いてるから、これ(朝青龍引退)でみそぎになるね」なんて言ってるオヤジを見ると、相撲史上最悪の悪いことをしたのは日本人ではないか、そういう事件でイメージを落とし入門者を減らし強い関取を出せないのが日本の国技ではないかと思う。オヤジという品性下劣を放置している日本が、モンゴル青年の品性下劣さをそれほど批判できるのだろうか。

 とにかく無念である。力が落ちるにつれもっと面白い相撲スタイルに移行し、そしてずっと相撲をとってほしかった。いやはやなんとも。いやはやなんとも。

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■10/02/04(木) □ 朝青龍は酒乱ガスコイン
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 朝青龍事件の「被害者」が出した、「俺も酔っていたし、当事者間では解決してるので穏便にしてください、(横綱引退などとなれば)自分も一生負い目を負うことになりますから」という示談書というものが新聞に掲載された。誰だか知らないが自分がどれほどの才能を葬ってしまったのか、本当にわかっているのだろうか。

 まあそれは朝青龍本人とその取り巻きにも言えることだな。本人は泥酔で覚えておらず、マネージャーは喧嘩を止められず、善後策(穏便な示談調停)も取らなかったらしい。朝青龍は酒乱ガスコインと同じだったということかもしれん。サッカー選手なら出場停止で済んでも、格闘技(ことに相撲)ではそうはいかないのである。

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■10/02/06(土) □ 君にいっつも電話をかけて眠りたいよ
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 掃除中適当に選んだ MP3 で小沢健二がかかる。
- お茶でも飲みに行こうなんて電話をかけて 駅からの道を行く 君の住む部屋へと急ぐ (愛し愛されて生きるのさ)
- 君にいっつも電話をかけて眠りたいよ 晴れた朝になって 君が笑ってもいい (天気読み)
- 遠くまで旅する恋人に 恋人にあふれる幸せを祈るよ (ぼくらが旅に出る理由)

 彼女には彼女の部屋があり暮らしがあり、そこを訪れて行くうれしさ、行けないときの甘いつらさ、自分がいない時間でも彼女がハッピーなら悪くないという感じ―――小沢健二はそういうところがいい。

 ひるがえって現代(というかまあ 90 年代以降)凡百 JPOP は、あれはなんだ。日本の電車の中の馬鹿カップル同様、とにかくひっついていたい、信じて待ってる安心うふうふと汗ベトベトだ(バンクーバーの公衆で過度のベトベトをやってる中高生も、なぜかアジア系が多いように思う)。耐えられん。

 最近まで知らなかったが小沢健二はミュージシャンとして引退していたそうで、今年復活ライブをやるのだそうだ。パフォーマンスシンガーとしての彼はうまいわけでもないからライブを見たいとは思わないが(萌と一緒に Youtube で彼のライブを見たら、歌も踊りもヘタでかわいくて笑ってしまった)、新曲を出してくれたらいいなと思う。

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