2019/03/16

夢の農場スターデューバレー日記①森羅万象奇跡の谷間

12月27日


家庭菜園での野菜づくりが趣味の奥様へ、クリスマスにSwitchの農業ゲーム スターデューバレー をプレゼントした。pic.twitter.com/PFurE45Tgt

こういう感じのゲームにあまり馴染みのない奥様をサポートするため自分でまず一日やってみたのだが、意外や進め方がわからず難しい。たとえばアイテムを12種しか持てずゲーム開始早々困るのだが、木を集め収納ボックスを作ればいいのだという対処法はネットで調べないとなかなかわからない。セーブ方法も空腹の解消法もわからずその都度ググって、寝るとセーブとエネルギー回復になるのだとわかる。

そんなこんなの疑問点をチマチマ調べつつ進めているうちにすぐ夢中になり、エッグハントなどのイベントにも参加し駆け回っているうちに春が過ぎ、しかし最後の方に植えた高価な野菜が収穫前に枯れてしまった。がっくり。28日で1季節というサイクルすら把握してなかった。ビギナー農家なのだから失敗は仕方がないのだが、セーブシステム上やり直しがまったく効かないのがキツイ。農業の厳しさを思い知る。

しかし楽しい。これは超楽しい :-)

というわけで少し考え、ここまでをチュートリアルとしてこの農場は中止し、新規農場で出直すことにした。一連の農作業の流れがわかったので、手際よく資金運用すれば数倍の資金を稼げるはずだ。フィールドでの野草収集も必要性がわかってきたし。よし。

12月30日

スターデューバレー 金曜の夜はがっつりハマってしまった。TVを見ながら延々とプレイできるゆるさがありがたい。やり直しの春は作物の収穫時期など効率を考え、1シーズンで初回の3倍も稼げ鶏小屋も発注できた。小屋の完成を待ちながら鶏の放牧柵を作る。ああ楽しい :-)

そして奥様農場も週末ついにスタート。操作法が独特なので当初イラついていたが(ツールを使おうとしてゴミ箱に入れてしまいそうになるあたりが×)、いったん斧の使い方がわかると延々と木を切り草を刈り続ける妻。あのー、今は家の前だけ開墾すればよくて、そんな奥地まで木を切る必要ないんですけどw 草木を刈るのが気持ちいいんだって。やがて体力が尽き、なんと種をまく前に彼女の初日は終わってしまった。はは。 pic.twitter.com/ubfkjFrIX7

翌日から畑づくり開始。俺が作る畑は作業効率重視で美観無視の横一直線なのだが、普段から家庭菜園を作ってる奥様はやはり、働きやすそうできれいなコンパクト並列畑を作っている。いいすね。俺がググった情報を逐次教えているので進みが早く、ガッツリとハマってくれた。よかった 。ゼルダBoTW以来の夫婦共同ゲームとなり快調に進められそう。 pic.twitter.com/M2bpKHQWBi

12月31日

朝起きると奥様がスターデューバレーをやっていた。農家の朝は早い。どうです調子わーとTVレポーターの俺が話しかけると、彼女は水をやろうとしていた野菜に間違えてツルハシを打ち込んでしまった。あ! (野菜消失)あああ! 私のせい? レポーターの私のせいぃぃぃ?www

奥様は初期必須装備とされるバックパックを買わず、最初から鶏小屋建設を目指している。資金繰り的に春から畜産は可能なのだろうか。ヤブを叩けばサーモンベリーが採れると俺が知らないこともどんどん発見している。「だってサーモンベリーの季節じゃない」。そうかー。ゲームの作り込みも奥様のナチュラリスト知識もすごいな。

かように農家ごとに大きな違いが出るので、隣のファームを覗いていても楽しい。この多様性は作り込みの深さが半端ないからで、個人が作ったインディーゲームなのにすごいなあ。町のマップは小さいが、込められた可能性は無限なのだ。百万部売れてるそうだが、それに値すると思う。

奥様ファーム、見事1st春シーズン中に鶏小屋とチキンを建立。素晴らしい。拍手。バックパックの資金を農資本に全投入作戦が見事実ったわけである。やっぱり家庭菜園やってるひとは違うなー。俺もプレイしたいんだけど、奥様ファームを見てるだけでも楽しい :-) pic.twitter.com/4LpeSJLH2v

あとから見ると放牧地の小ささ↑に笑ってしまう。これじゃ1日で牧草が食い尽くされてしまうのだが、俺たちはそれも知らなかったのだ。リアルな農場経営ビギナーズ体験。

1月1日

謹賀新年。猫も見てますスターデューバレー。

「これってチマチマしたマイクロマネージメント(細部を最適化し運営していくこと)の面白さだよね」と俺がいうと、「作ったのはドイツ人? ドイツのボードゲームみたいじゃない?」と奥様は問う。ああそうか、たしかに。英語圏の人だと思うけど…ドイツ系米国人だって!

スターデューバレー 作者は「ドイツ系で日本のゲームオタクだったので、普通の米キッズと違う文化育ちだ」と自分を語っている。そうかドイツ・ボードゲームと同種のチマチマ型Funだから、人のプレイを見てても楽しいんだ。「おおキミはチキンの卵売ってそのお金で種を買うのか!」というこのノリは、もしこのゲームがマルチプレイのターン制なら名作ボードゲーム「アグリコラ」ですね。

アグリコラは膨大な計算が苦で俺はやめてしまったが、スターデューバレーはあの楽しさを自動最適化し超拡大したパッケージだといえる。買う前は「種まいて収穫して売って面白いの?」と迷っていたが、開墾で切った木から取れた樹液で肥料まで作れるという、森羅万象がこの谷にあることに感動せざるを得ない。

「じょうろを強化し水やりをラクにしたい」→「炭鉱の鉱石が必要」→「炭鉱で食べる食べ物がほしい」→「木の伐採で取れたドングリで携行食が作れる!」――とすべてがリンクする森羅万象と拡大再生産システム。そういうゲームなのだと知っていたら、もっと前に買ってただろう。これは本当に面白い、止められなくて困ると奥様もいってます。

◇  ◇  ◇

晩飯後も延々やってる奥様が、朝の畑を眺め「アーッ!」と叫ぶ。どした!? 「カラスがあたしのメロンを食っている!」。えええええ! カカシあるのに? ああカカシから距離がありすぎたのか。怒り狂いつつ2本めのカカシを立てる妻w

奥様は春の鶏小屋に続いて、夏に高価な果樹(リンゴの木とチェリーツリー)を植えるという、これまた俺が思ってもみなかった方向に進んでいる。果樹ってお金になるの来年でしょ? やはり真の家庭菜園従事者は計画性が遠大ですごいな。囲いを作ってるのは、他の雑木と間違え伐採しないようにとのこと。なるほど。 pic.twitter.com/oL2hNeUvc2

1月1日

私が録画紅白を見ている裏で、奥様は スターデューバレー を延々とプレイしております。これほどハマるとは。俺はまだ夏の3日くらいなのに、彼女はそろそろ夏を終えようとしている。そしてこのカカシの数w メロンを食ったカラスへの敵愾心がメラメラと燃えている。 pic.twitter.com/eMOncaPu66

【NHK紅白】松任谷由実。やっぱいいわユーミン。aikoが泣いてる。安藤サクラも泣いてる。応援席NHKアナウンサーさんも泣いてる。こちらカナダで午前0時を過ぎまだスターデューバレーやってるうちの奥様も、「キキの歌!」とよろこんでおります。

1月2日

昨日丸一日の作業で奥様は秋まで進んでるのだが、感心するほど菜・畜・果が整った大農園となりつつある。すごいねと声を掛けると「キノコも採れるわよ、もう見つけた?」と聞いてくる。「いやだって私はSwitchの順番まわってこなくて2日ほどやれてないんですけど…w」「ああゴメーン!」 pic.twitter.com/sTvMVCukB2

というわけでやっとSwitchの順番がきて自分のゲームを2日ぶりに開くと、奥様のところに比べ畑がしょぼくて勤労意欲をなくすw まあ隣家の果物は甘いと諺も言う。うちはうちで頑張ろう。まずはジョウロをアップグレードしようとしていたんだった。これができれば一日に使える時間が増える。携行食も作り、鉱山にもぐろう。

奥様はテントぐらしのライナスを気の毒がって、ときどきピザなどを買って届けている。俺ならあげてもせいぜい野草なので、えらいなあと感心する。親密度が増せば村人との小さなストーリーが増えていく豊かさがこの谷にはあるようなので、きっといいことあるだろう。

1月3日

スターデューバレー ついに俺も憧れのチキン農家に :-) pic.twitter.com/5O9jemsLWh



昨日夕方2日ぶりにSwitchの順番が奥様から回ってきて、俺も憧れのチキン農家となった。鶏小屋とエサ安定供給用のサイロを建て4匹のチキンを飼う。カワイイ(*´ω`*)。しかし夜寝てから「はっ! チキンたちを小屋の中に入れ忘れた!」と気付き青ざめること毎夜。

チキンたちは賢く自分で中に入っているのだが、調べるとやはり中に入れ小屋の戸を閉めないと害獣に襲われることも稀にあるらしい。気をつけねば。しかし出かけた炭鉱から夜帰ってきてフイー疲れたわーとかやってると忘れちゃうのよね。

1月4日


スターデューバレー 奥様の農場は石畳が美しい。雪が降ったら足元が悪くなるだろうからと石を敷いたそう。それは考えすぎだったわけだが、歩くとコツコツいい音がする。ちなみに奥様はポニーテールもしてるので、このキャラにすごく似ているw

冬に入り、農場が雪で畑作できない彼女は退屈中。畑が一番手間が掛かる分達成感があるもんね。彼女は果樹園に力を入れていたので、畜産の方もあまり充実してないし。冬農作業がなく空いた時間は、鉱山と釣りに充てるべきなんだろうか。

鉱山ダンジョンもオマケ要素に見えて実は凝っている。絵はスーファミ+@なんだけど、スライムのジャンプの規則性とか足元を狙ってくるモグラの挙動とか羽虫が描く弧の動きとかそういうディテイルが全部複雑で、ちゃんと現代のゲームだなあと思った。これも驚いた。

奥様はバックパックは結局買っておらず、今も牧場内と町に置いた多数の収納ボックスで切り回している。作業現場とボックスを往復する時間が無駄だと思うのだが、やりくり自体が楽しいのかな。

1月6日

奥様農場に春が来た。畑作ができぬ冬の間彼女はイラついて、バックパックを買え買えと勧める俺にキレたりしてたので(笑)、この明るい春初日が画面に出たときはわーと一家に拍手歓声が起きました。散らかってるわね、やるわよーと猛然と畑で働き始める奥様。めでたし :-) pic.twitter.com/iDfPQucYlA



このゲームで春がきたうれしさは、長く雪に閉じ込められるカナダ東海岸の農家くらいのものがあるんじゃないだろうか。雪が溶けて川となって、野をよこぎり畑をうるおし、呼びかけるよ私にホイ。

(日記2に続く)

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