「初のスノーケル」「キラウェア火山」「萌スイムに成功」ほか。
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■09/12/26(土) □ 霧に沈む大陸
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ファミリークリスマスでM姉家へ。道中ものすごい霧になる。そろそろと走りながら、「萌、これは完全に『霧に沈む大陸』だな」と言うと、萌は「FF9の? そうだよねえ!」と、似たようなことを感じていたようで即座に反応する。「なんか、本当にモンスターが出てきそう!」。
そしてMに、私はFFに本当にハマっているから、ゲームと現実の区別がつかなくなってるのよと説明していた。それが説明できるんだから区別はついてると思うが(笑)、でもそのゲーム内のセンセーションと現実の景色が強烈に結びつくという感覚はよくわかる。
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有馬記念、勝ったのはドリームジャーニーという知らない馬で、調べてみるとステイゴールドの子供だった。府中で大敗し有馬で勝つというのは展開がはまらないと勝てない他力本願な馬であり、チャンピオンを目指すような存在ではないということだが、かつてのホワイトストーンのようなピッチ走法できれいに突き抜け気持ちよかった。あの展開できっちりと前をいき、後ろからあの脚で来たドリームジャーニーとギリギリまで競ったブエナビスタも強かった。ウオッカなき後は彼女が日本の主役なのだろう。
ウオッカはなんと、もう一度ドバイに出てから引退するそうである。もし彼女の能力が普通に出てくれればそれはもううれしいが、府中以外で爆発したことがないピンポイントが狭い能力なので、そうもいかんだろうな。期待はしてしまうが、とにかく無事でという気分の方が強い。
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■09/12/31(木) □ 毎度の米国入国問題
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ハワイ行きの荷造りが終わらん。25日のテロ未遂に応じてUSが手荷物持ち込み禁止という無茶をいうせいで、いつも持ち込むキャリーバッグはおろかショルダーバッグすら使えないらしいので、何をどうやって持っていけばいいのだと思考が頓挫してしまう。
Mがエアセーフティカナダに電話すると、ラップトップはOKだが Pocket PC/DS は駄目、男と子供は本もアウト、紙と鉛筆もダメだと狂った無体をいうのだが(男のほうがテロ犯率が高いということらしいが子供はなぜなのだ?)、ラップトップがOKで Pocket PC やDSや本は駄目だというのはナンセンスなので、とにかく持っていってチェックイン時に航空会社に相談してみるしかないというところ。このストレスでやや胃がどんより気味である。インターナショナルトラベルは嫌なり。ふー。出発1時間前に支度は全終了。
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◆19:10 1時間遅れで離陸。セキュリティチェックは聞きしにまさる遅さだったが、結局 Pocket PC、DS、本と全部OKだった。乗客の持ち込み荷物を極力減らすために、セキュリティ当局がデマを流しているわけである。
それに加え俺の米国入出国恒例のイミグレーション問題が今回も出て、M姉たちから30分も遅れる。しかし今回の入国管理官は俺にカタコトの日本語を使うなどいい人で、どうして米国入出国で俺がいつも止められるのかを教えてくれた。日本人はビザ免除のグリーンカードに記入する必要があり(フロリダ時は求められなかった)、昔もたしかにそれを書いた記憶があるが、出国時にUSイミグレーションで回収されるベきその半券が回収されてなく、それで不法に出国したという記録になってるのだという。―――ああ、それかー。
たぶん96年ハワイに行ったときにビザ免除を書き、その半券が回収されなかったのだ。それはカナダ入国管理官のミスで俺のせいではないのだが(個人が半券をどうこうするなんて判断をするワケがないではないか)、このミスを単なるミスと認め登録情報をリセットする方法はないのかと尋ねるも、カナダパスポートを取る以外にないねと言われる。13年前の入国管理官のミスが俺の旅行自由を一生奪うのか? 全く不合理なりインターナショナルトラベル。こんな移動をしないで済むならそれが一番いいことだとほんとに思う。無方図な駐車場代だの空港レートの飲食費だの、人の足元を見る商売でザルからこぼれるがごとく金が消えていくし、環境負荷は膨大なわけだし。
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ハワイは地図上では日本とカナダの中間に見えるのだが、北国から赤道までずーんと下がるゆえに6時間以上もかかり、フライトは日本行きと大差ないほどしんどい。WestJet というこの会社は北国人を赤道まで安く連れていくことを専門にやってるところで、安いので機内食も映画も毛布すらも有料になっている。そんなものは無料でなければ誰も欲しがらないので全員が何もすることなく、ただただ所在なさと退屈に苦しむ旅であった。
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■10/01/01(金) □ コナ~ワイメア~カポホビーチ
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昨夜着いたのはすでにアフターミッドナイト、レンタカーを借りコナエアポート近くのホテルに着いて1時、1時半にべッドに入ったがノイジーで何度も起こされほとんど眠れなかった。グダグダであるが、ホテルのレストランに行くとそこは海に面した半露天の茶房に鳥が訪れ、すでにパラダイス的光景となっている。空港カウンターやレストランに壁がないんだからやっぱすごいところだよなー。横殴りの雨すら吹き付けないものなのかしら。
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昼前に出発。北回り最大の町ワイメアではファストフードのハワイ食をいただいたのだが、ほうれん草にくるんだ豚肉をバナナの皮に入れ蒸したという感じのものが滅茶うまかった(カルーアポーク?)。萌に声をかけてきた地元おばさんが、この店は安っぽいが町で最高にうまいと激賞していたが、確かにうまい。日本食以外の外食でこれほどうまいものを食ったのはいつ以来かと思う。滅茶苦茶いい味なのだがなんの味なのかまるでわからないといううれしい喜びは、初めてタイフードを食べたときに似ている。
ところがMとM姉にこれを勧めても、フムおいしいわね程度で何の反応もない。えーっ。俺はバンクーバーのレストランをちっともうまく感じないのだが、やはり東西の味覚には甚だしい違いがあるらしい。ちなみにこの地元おばさんは日系で、萌に「あなたかわいいわねえ、ハフゥ(ハーフ)でしょ、私もよ」と言っていた。ハワイ語には hafu(ハーフ)、musubi(むすび)、furikaki(ふりかけ)など、日本語がたくさん取り込まれている。
出発で1時間遅れ、ランチでM姉の車とはぐれて1時間、買い出しではぐれて1時間とロスが重なり、ヒロ近郊カポホビーチの宿到着時は真っ暗になってしまった。ここは貸し手が鍵を渡しにすら来ない殿様商売のコテージで、何マイルも離れた別な家屋でゲートキーを手に入れ、コテージではナンバー式のロックを開けるという面倒な手順を取らされたのだが、玄関まわりに明かりが一切ない。すでに暗闇でナンバーが見えないと怒声を上げるMのところに俺がM母のセルフォンを借りて持って行き、ディスプレイでロックを照らしついに解錠成功。RPGの謎解きかよという感じのスリルだった。
今日は遅くなりすぎ何もできず晩飯&就寝。暗がりの中にうちのコテージ隣接ラグーンポンド(礁湖)がぼんやりと見える。ゲッコーがやはりデッキにいるが、あまりにも素早くてまともに観察できない。あれほど速いとイモリほどのかわいげはない。
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レンタカーは、FFで最高級のハンドリングという(日欧での)評価を読み俺が長年あこがれ、エリオ購入時も直に比較したフォード・フォーカス。剛性感や快適性、エンジンパワーに不足はないのだが、意外や直進安定性やコーナリングは凡庸だった。コナからワイメアへ登っていく上りで攻めてみると、いい姿勢を作りイメージ通りコーナーに入っていけるのはいいが、その先の切れと安定性が思ったほどでもない。エリオのほうが軽快に向きが変わるし、安定性はレガシィに劣り、イメージしていたようながしっとしたオンザレール感は味わえない。思い通りに走れるけれど、車好きが喜ぶようなところは何もないのである。
しかしワイメアからの下りで平均燃費の出し方が分かり表示してみると、38MPG (16km/L) というすさまじい数字が出ている。これにはたまげた。リセットして観察すると平地町中では 22 (9.29km/L) と平凡だが、ちょっとハイウェイに乗ればたちまち 30/12.68 を超え、高速燃費はすばらしい。
総合的に判断して、乗り心地と燃費でエリオを大きく上回り、しかし肝心のハンドリングで大差なしという程度で、今どちらか選ぶならその2点を重視してフォーカスにしたとは思うが、ほしいというほどではない。車って人の評価を読んでも実のところはわからないものである。
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■10/01/02(土) □ 初のスノーケル
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昨夜の雨でひんやりとした朝となる。実に爽やかで気持ちいいが泳ぐには寒い。しかしすごい景色だ。Mがネットで探し尽くしただけあるパラダイス滞在地である。
ビレッジ内を散歩した後、ついにうちのラグーンプールの水へ。雨は上がり気温水温は希望通り俺でも入れるほどだったのだが、残念ながら水際はいきなり萌の足がつかない深さになっており、相当に怖い。俺でも怖い。初めての海スイム、初めての岩場、初めてのスノーケル完全装備のせいもあって、萌は完全にフリークアウトしてしまう。怖くて水に入れないのだ。
結局萌の足がつく岩盤部まで俺が背中に乗せ行ったのだが、心身が萎縮しているせいか寒い寒いと震え、すぐに水から上がるよりほかなかった。これはちょっと難しいなー。
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午後もう一度スノーケル。俺も人生初の足フィンを試してみたが、あれはバタ足でしかワークせず、カエル足をやるとひどく邪魔になる。思ったように進退できず、海が苦手な俺はパニックになりかける。
これは諦めて、以後はスノーケルのマスターに努めた。あれも失敗したら水が肺を直撃しそうで怖いのだが、タイドプール内なので波と潮流が皆無と身体で実感できると怖さが克服できてくる。波で泳ぎが妨げられ息が続かず、潮流で沖に流され戻れなくなるから俺は海が怖いのであって(どちらも経験がある)、ここではそれが起き得ないのだ。何もせず海水ならではの浮力でただ浮いてれば、息をしながら延々と魚を見ていられる。手足をゆっくりと動かすとそれだけでずーいと体を大きく動かせるのも海水(浮力の高い塩水)効果なんだろう。波のある普通の海ではこんな感覚は味わえないので、ラグーンプール付きのリゾートを選んだお母さんが大正解だったということだ。
萌は結局Mが指導しても1人で水に入るところまでいけなかったのだが、まったく無理はない。しかし俺とMの今日の発見を生かせば、残り4日でなんとかなるはず。
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今回MKの水中動画カメラ(SANYO Xacti CA9)を借りてきたのだが、スナップカメラとしては起動やシャッターリリースが非常に遅く使いづらい。写真を撮るにはグリップ式の形状も親指シャッターにもなじめないし(同じ片手操作でも昔ながらのベルト式ハンディカムの方が安定する)、ファインダーがないのも明るい屋外では支障となる。
使いにくいカメラは使用頻度が激減し、旅行3日目にしてまだ10枚くらいしか写真を撮っていない。面倒がらずキャノンを持ってくるべきだった。手荷物持ち込み禁止が頭にのしかかっていたせいだろう、今回は皆忘れ物が多いのである。カメラ、サングラス、ショルダーバッグ、ペンを忘れた。くそー。
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■10/01/03(日) □ キラウェア火山
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今日はキラウェア火山公園へ。公園入り口がえらいガスっているので何かと訊ねると、火山性硫黄ガスという。え、それは毒なのではと問い直すと「そうかもね!」とにこやかに答えられた。これは冗談ではなく、ビジターセンター付近ではみな咳込み、外にいられないほどガスが濃い。13年前にぐるりと周った火口外輪ドライブはこのガスのせいで半周通行止めになっていた。しかしこの山のクレーターはやはりすごい。萌はオーマイゴ、信じられないほどでかいと大興奮。
今日のゴールは前回行けなかった Chain of Crators Road で、無数のクレーターと見渡す限りの熔岩野を下り抜け、熔岩に沈んだ伝説の町カラパナへ至るというルート。こちらはガスはなく、クレーターも熔岩野も見応えありまくりだったが、疲れたM母が先を急いでくれとぼやくので自由に行動が取れない。俺とMだけなら日本でそうだったように、車を止めまくって景色を楽しむのだが、団体行動は面倒である。
Chain of Crators Road 終点は熔岩が道路をドラマチックに断ち切るあのサイトなのだと思ったら、あれは車の終点から1キロも先であった。暑い中そんなに歩いていけるわけがない。TVで見たあのカラパナの悲劇にまつわるものは結局見られず、はるばる降りていった価値は感じられなかった。
M母が疲れてしまったせいでM姉たちはキラウェア本火口は後日再訪ということで下山し、俺たちだけが世界最大の火口へ。十数年ぶりに見るキラウェアは、他の火口を先に見てしまったのでややインパクトが減じてしまったが、目前で現にケムを盛大に吹き上げているのは壮観だった。
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まる1日運転して、フォーカスはアクセルオフで回転が落ちない(エンブレが効かない)のがつらい。フライホイールを重くして回転落ちを防ぎ(急いでゼロ発進すると一瞬おいてドンとくるのもフライホイールの重さだろう)、それで巡航燃費を稼いでいるのだと思うが、前の車に追いついてほんの少しスピードをゆるめたいときにもブレーキを踏まねばならず、そしてわずかでも踏むとざっくり速度が落ちるデキが悪いブレーキとなっており、片時も右足が休めない。キラウェア往復で MPG32 (13.52km/L) はたしかにすんばらしいとはいえ、この乗りづらさと引き換えではなあ。
下りでは特につらく、旋回中スピードが上がるのを防ぐようブレーキをなめていくゆえコーナーもあまり決まらない。カラパナからの一気上りではエンブレが不要なので爽快に攻めていけたが、エリオだったらこうした低速ワインディングは得意中の得意で、もっとクリスプにコーナーを切り取り外輪荷重に持っていけるはずだよなと思う。
最後にMの運転で後ろに乗ってみると、購入比較時に思った通り後ろはエリオよりやや狭い。レザーシートの収まりとダンピングが非常に悪いせいで体が左右に強く揺られ、不快で眠れなかった。エリオはちゃちだがホールドのいいシートと広大なスペースのおかげで、サスのショック吸収性で大敗しているわりには疲れないと思う。
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■10/01/04(月) □ 萌スイムに成功
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昨日は1日観光でハードだったので、今日は皆の希望でイージー&スイムデイ。おとといは萌を水に入れられなかったので、1m先に立つ俺の腕を補助に静かに水に浮かび、そのまま向きを変え岸に戻るという練習をさせる。できるだけ静かに、背中をまっすぐにすれば普通のプールより浮くし、流されないから何もしなくていいんだよ。これができると水中の魚がついに見え、萌は狂喜する。
萌は昔のスイムレッスン時、「浅いところで泳げるなら深いところでも同様に泳げるはずだ」という理詰めのカリキュラムを強制され苦労していたのだが、恐怖は理屈では乗り越えられないんだよな。海というこの実戦ではなおさらである。プールで25m泳げるんだからこのラグーンプールでも問題ないはずという理屈にはなるが、怖いものは怖いのだ。こうして心理的負荷を具体的かつ小刻みに取り除いていくしかない。
午後のスイムでは浅瀬まで泳いでそこの魚を観察し、最後は階段A⇔B往復10mが何度でもできるようになった。上出来だろう。これだけ泳げれば俺とMが行ける範囲はいけるはずである。魚を見つけた興奮と喜びで萌は何度も顔を上げ笑いだし、それで沈み水を飲み、それでも笑っていた。よしよし。
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