2012/10/09

日記「子供のインスタグラム」

『「ガンナムスタイル」の謎』「ブロックスをゲット」

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■12/10/03(水) □ 「ガンナムスタイル」の謎
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 日本ガール化期間は学校生活の進行と共に薄まり期限が切れ、萌はカナダのティーンに戻ってしまった。機嫌がよくやさしい気分のときは日本語で、そうでないときはややぶっきらぼうな英語で話すという使い分けになっている。萌は「日本での自分とカナダでの自分の2人がいる」とMに言ったらしい。やはり「日本での自分」スタイルでカナダで暮らしてはいけないんだろう。そしてその「カナダでの自分」と俺とは折り合いが悪い。やれやれ。



 ともあれ、「コリアのポップスが学校で流行ってる」というので「あああのタクシータクシーってやつ?」と聞いたら、違う違うと韓国のオッサンが踊ってるディスコソングみたいなものを Youtube で見せてくれた。


「ガンナムスタイル」
どこにでもいる剽軽なコメディアンがたわけた歌を歌ってるようににしか見えんのだが、これが世界中で大人気なんだそうである。意味がわからん。まあ子供がこういうひょうきんなものに反応するのはわかるが、世界規模の大ヒットになるというのがわからない。萌に聞いてもただファニーだというだけ。みんなでこれを踊ってるんだそうだ。

 もしかすると非アジア圏の人々はこういう志村けん的な動きを見たことがなくて、どえらくファニーなのかな。「ラウルが人生で一番可笑しかったのはワッキーが見せた芝刈り機のものまね」という動画が昔あったが(今見たら消えてました)、これも普通のドリフターズ的動きにラウルとモリエンテスが抱腹絶倒するというものだった。つまり『アジアのアクションギャグは欧米人にはとてつもなく面白い』ということがありうるのかもしれない。

 日本で本当に面白い芸人は間やズレや意外性を操り、新しい笑いを見せてくれる人たちなわけだが、そういう笑いは米加では練り上げられたテレビのコメディと映画の中にしかない。つまりハリウッドの笑いに匹敵するクオリティの笑いを、日本の芸人はビンボーでも作っているということである。

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■12/10/04(木) □ ブロックスをゲット
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 この夏うちの近辺では大きなビジネスシフトが起きていて、半年前に移転したカナディアンタイヤに続き地域最大の量販店 Zellers が閉店することになってしまった。いっそう不便になるが、ともあれ全品 40% オフセールをやってるのであれこれを必要品を揃えに行く。

 生活必需品のついでにカナダ量販店で売ってる唯一のユーロゲーム、ブロックス(フランスのゲーム)をゲット。百円ショップのおもちゃみたいな見た目美しくないハードプラスチック製なのでこれまで興味なかったのだが、最近聞いたボードゲーム・ポッドキャスト「2人はボドキュア」で絶賛されていたのである。でこれ以上安く手に入ることはありえないバーゲンだったのでゲットした。

 1人で試してみると面白くもなんともなく(当たり前)、1人3役でやってみたら面白さがわかった。敵の背後のスペースを取ることが面白いわけである。なるほどね。

 1人2役だとブロックしても両方置ききれてしまう。これじゃつまらないな。こういうときは障害物でも置けばいいのだろうか。―――あ、これは4人専用ゲームなんだ。2人/3人ルールは「バリアント」として用意されている別ルールとなり、1人2色を置くだって。それはいかにもめんどくさい。失敗したかなー。


見た目はつまらなそうだが面白い
ブロックス。これが非公式2人用設定。
2~3人で普通ルールで遊べないか、あれこれトライしてみる。BoardGameGeek のファンフォーラムで推奨されている 14x14 に盤を狭くし(支配の2人用ブロックスがそうなってるとのこと)、あとは普通に1人1色でプレイするという非公式2人用ルールは、やってみると相当に狭いがなるほど丁丁発止になり面白い。こうして適度な狭さにできれば何人でも普通に遊べそうだが、いちいち区切るのは面倒である。テープでも使おうかな。要検討。

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■12/10/05(金) □ 子供のインスタグラム
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SPが来たのでボードゲームやる気ゼロの2人ムスメを説き伏せて、新ゲーム「ブロックス」にトライ。みんなビギナーなので4人用のフル盤面に3人でもうまく隙間を埋められず、それぞれ4~5コマ残るちょうどいいバランスになった。3人戦をマジにやればたぶん真ん中の人が両側から攻められ不利になるのだろうが、気軽なゲームではこれで十分いいなという感じ。

 このゲーム最大の美点はルールが置き方の制限1つしかないことで、ルール説明 15 秒で誰でも即プレイでき、すぐにブロックする勘所もわかり盛り上がれる。SPら普段ボードゲームなんてしない子でも面白さは説明不要で即わかり、実際SPが一番声を立てて笑い楽しんでくれたと思う。これは接待ゲームに最適だろう。

 俺は陣取りゲームがやりたいのだが、うちにある簡単陣取り系の「おいそれはオレの魚だぜ」はあっさりしすぎて盛り上がらない。あれは攻撃をするとほぼ必中で1~2手で敵を水際に追い込み詰むことができるが、その時点で自分も狭い水際にいるので別のプレイヤーに一発で背後を取られ詰まれてしまい、結局攻撃をしない人が勝つゲームになってしまうのである。

 ブロックスは見た目は悪いが陣を取る面白さだけをうまく抽出していて、攻撃してもブロックしても一発で致命傷にはならず、詰将棋のように王手王手と追い込む攻防がたっぷりと楽しめる。ときには逆に裏を取られ痛い返し技をくらい、ときにはまったく別なエリアで紛争が勃発しアワを食う。面白い。そしてもちろん見た目通りのテトリスの「パチ」っと狭いスペースに見事にでかいピースをはめるパズル的な気持ちよさもある。いいゲームだ。

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SPに勧められて萌が「インスタグラム」に入りたいという。なんだか知らないので調べてみると、写真をポストするとフォロワーのホームにそれが流れていくという SNS。「写真によるツイッター」と評されていたが、SPのをざっと見たところ友達同士が写真を見せ合いコメントしてるだけで、ツイッターほどパブリックに開いたメディアではない。萌はこういう SNS をずっとやりたがっていたのであり、文章なしに写真だけで解決するこれはいいかもしれない。

 SNS をやりたい病は日本でいう中二病で、とにかく大衆に認めてもらいたいという自己顕示欲で子供らは皆はちきれそうになっているのだ。しかし Twitter など交通の激しい場所に子供が出ていけば何が起こるかわからない。インスタグラムはSPのアカウントから見渡したところ彼女のフォロワー全員がティーンで(※)、コメントも「クール!」程度の一言ばかり。ネガティブなサムダウンはつけられないし、言葉ではなく写真でのコミュニケーションだけに炎上の危険がほとんどなさそうである。言葉のリスクの少ないコミュニケーションツールとして、これは子供に向いているな。
(※)SPはネットで拾った有名人写真をすさまじい数アップロードしており、千人ものフォロワーを持っている。もしその中に大人がいたらとっくに著作権侵害でアカウント停止されてるはずで、つまりフォロワーに大人はいないのだと思われる。

 ネットにおけるプライバシーに関してはいつも厳しく言ってるので、萌が投稿する写真の質だけ俺がチェックしていけば問題なく運用していけるだろう。萌の友達に学校名とフルネームと学籍番号が載っている学生証のクリアな写真をまんま載せてる子がいたので、ほらこれはマズイだろうと萌に見せるとオーマイゴッと驚いていた。もし悪い奴がこれを見たら怖いじゃないか。この子には知らせてあげたほうがいいな。

というわけで使用を許可すると萌はさっそくアンドロイドからガシガシ写真をアップロードし始め、するとフォロワーがつきコメントがついて、もう夢中になってやっている。このネットの楽しみはうちのお母さんにはわかってもらえないが、俺にはよく分かる。考えて人に見せる価値のあるいい写真を撮り、アップロードしていけばいいよ :-)。

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