2026/04/18

【まとめ26年2月後半】にわかな我らにも五輪の涙

「フィギュアスケートの罪と罰」「戦時下のウクライナ画家」「フィギュアスケート・魅惑のガラ」「日本に住むなら」ほか

■2月18日        フィギュアスケートの罪と罰

カナダCBCの名物解説者カート・ブラウニングのカート節で #女子シングル を楽しんだ。中井亜美の溌剌さとトリプルアクセル、アリサ・リュウの完璧ゴージャスが印象的だった。ノーミスで2位の坂本花織に関してカートは、彼女だからもっと特別なものを期待しちゃうのかもと。フリーでそれを是非。

ショート1位の中井亜美さんは曲が抜群だった。「フィギュアの音楽は最も混乱したプレイリストだ」とカナダ解説が言っていてほんと種々雑多だと思うが、フェリーニ『道』は完璧だった。曲と振り付けと技術が揃いきっていた。

CBCのカート節でスケートを見るのは詩の朗読を聞くような心地よさがある。アメリカ強豪アンバー・グレンが冒頭トリプルアクセルと続くジャンプを成功させると「夢は繋がれた!」と小さく彼は叫び、続くトリプルがスッポ抜けた演技後は、いかにその罰が残酷かと語ってくれるのであった。

トリプルがスッポ抜けてダブルになるとゼロ点はあまりに気の毒で、せめてダブルの得点の半分くらいつけてやれないのかと思ってしまう。4年に一度だけフィギュアスケートを見る全世界のにわかファンがそう思ってると思う。

■2月19日              五輪ホッケーの思い出と神の幻滅

【ホッケー】長野五輪、準決勝でチェコのNHL最強ゴーリー・ハシェックの壁を破れず呆然とするグレツキーを見て涙していた我々夫妻(当時長野在住)は、3決vsフィンランドで彼を声援しようとビッグハットに行ったんですよ。しかしダフ屋が強気でチケット価格5万。

これは無理とカナダ関係者用に長野市内に用意された「カナダハウス」に移動し、CBCの映像で3決を見たんです。それすらも負けたわけだけど、「残念だったが、閉会式にはちゃんと出るよ。全てを経験したいんだ。俺たちはカナダ・オリンピックチームの一員だからね」と言ったグレツキーは、本当にえらい人だった。

しかし。トランプ政権がこんなだから、トランプと交友があり彼のカナダ蔑視政策に中立的立場を取っていることで、カナダではウェイン・グレツキーすら好感度を大きく落としているそうである。「グレツキー支持率」というものが実際あって、76%から47%まで急落したらしい。アメリカに住んでるし、トランプと仲いいしで、カナダ人にとってなかなか笑いごとじゃないみたいである。

いくらいい人でも過度の政治的鈍感さは、神すら幻滅させるのだ。 

■2月20日              戦時下のウクライナ画家

@dimden Do you know this Ukrainian painter, Anton Logov? His works were fed to my FB timeline and I love them. They remind me of your photos. Beautiful. - Kiev Winter. Anton Logov, 2026 pic.x.com/eM4UpJWAn5


俺のFacebookにどういうわけだか流れてくるこのウクライナの Anton Logov という若い画家の絵に、毎日ショックを受けている。クッキリとした彩色と構図が全部すごい。毎日1枚新作がくる。なんという多作さとヒット率。ウクライナでは有名な人なんだろうかと俺が知る唯一のウクライナ人dimdenさん(OldTweetDeckの作者)に聞いてみたが、知らないそう。


すべての絵が好みすぎる。良すぎるし、多作すぎる。寒色の色と傾いた構図。ウクライナの人々の心境を思いを馳せずにはおれない。

 

Googleまとめ: Anton Logov「1982年生、キーウを拠点に活動する抽象表現の旗手。時代の目撃者。特に近年のウクライナ情勢を受け、より精神的、社会的な厚みを増す。戦争の悲劇や人間のレジリエンス(回復力)を抽象的な言語で表現している。ウクライナ最大の美術館、ヨーロッパ各国のギャラリーでも紹介されている」 


■2月20日                涙の女子フィギュア

#女子フィギュア 今見終わった。いやー。#坂本花織 の演技中カナダ解説カート・ブラウニングが、「あ! 跳ばなかった。ではどこかで跳ばないと…跳ばない! I don't know why she didn't…」と呻いていた。俺と奥様はルール無知で何が抜けたのか分からない。ノーミスに見えたが本人はあの表情。

演技後「2Tはもう跳んでたから後からは跳べないわ」「リアルタイムで点差は分からないし」と、解説陣の声から残念さがにじむ。つまりアンバーグレンのスッポ抜けと同様に、トリプル・ダブル(2T)という連続ジャンプの1本目着地が傾き2本目を跳べず、すると2Tをあとから別のコンボに足すことはできないというルールらしい。

「しかし彼女ほどの選手がそんなジャンプの計算式で(金を)逃すだなんて…ああ息ができない」とカート。――かように #坂本花織 は惜しまれて惜しまれて、惜しまれておりました。

ショートプログラムも素晴らしかったアメリカのリウさんが、会場全てが笑顔となる豊かな演技で金を決めてくれてよかった。美しい決勝競技だった。この並びは幸せな結末だったと思う。

フィギュアの坂本花織さん、スピードの高木美帆さんが、願いついに叶わずと涙していた。世界中の超人が何年も、何万時間もかけ辿り着く頂点での挑戦と挫折だから、やはりそれは胸を打たれる。五輪は夏も冬も新種目が増えたが、十代が跳んで回転し着地すれば金という刹那的種目は積み上げる時間の厚みが違いすぎて、俺は感動できないのである。 


■2月22日            【五輪ホッケー】3 on 3 sucks

【アイスホッケー決勝】カナダが追いつくと、場内すごい歓声だったな。どんだけカナダ人が応援に行ってるんだw 先制点がどう入ったのか分からないが、カナダが終始優勢な2nd。女子のようにUSAのフィジカルに圧殺されることはないようだ。

こんな調子いいカナダ代表は久々だと解説陣ゴキゲンである。USAの先制点はまさかのフェイスオフからのダイレクト得点だったのね。あんなことってあるんだ。

追いつかれたUSAが押し返すとカナダのカウンターが炸裂するし、組み立ててはセットアップパスからのスラップショットの嵐で、カナダの攻撃が美しい。これは大丈夫だなと俺は油断してるのだがどうか。

左右に振られた米GKが開けたガラ空きのゴールへのショットをカナダが外した! これはヤバい、もし負けたらあれを決めておけばと一生言われちゃう。

3P終盤4分のパワープレイを与えるという信じがたい大ピンチを与え、そこをしのいで攻撃再開するも仕留められず延長へ。ハラハラな展開に、久々に家族揃ってスポーツを一緒に見ております。

◇   ◇   ◇

【延長】五輪アイスホッケーの延長は3対3でプレイされる。スカスカのリンクでカウンターを交互に行いシュートを撃ち、入ったら終わりというまったく別のスポーツになってしまう。事実上のPK戦である。

3対3はよくないと解説陣が語る中、カナダは事故を恐れレギュラータイムよりはるかに慎重に戦ったのだが、3対3はスペースがありすぎて技術や戦術で試合をコントロールできない。双方等分に訪れるチャンスを決めたほうが勝ちというPK戦に近い。

そしてレギュラータイムでは終始劣勢だったUSAが決めた。試合後長い沈黙のあと解説は、「3 on 3 sucks(最低だ)」とつぶやいた。


■2月23日            フィギュアスケート・魅惑のガラ

【フィギュアスケート】エキシビションのアンバーグレンはすごかった。大柄な体をぶんぶんと振り回し、ブリッジで大きな弧を描き、すべての動きがなんという美しさ。圧巻。カナダ解説が sultry と評していた。情熱的な、官能的な。そう誰にも媚びず美しく、セクシーではなく官能的という。そして誰もが目を奪われ虜になってしまう。

ショートで1つジャンプが抜けただけで10点近く失い泣き崩れ、フリーでそれを取り戻した彼女の決勝には心打たれた。ぐっと来た。ジャンプもすごい選手なわけだが、ジャンプして着地するルールでければ、誰も太刀打ちできないような表現力なのかもしれない。 

そして坂本花織、これもすごかった! 滑るスピードの鮮やかさで全てを一気に描ききる中に、2つだけ完璧なジャンプが句読点のように入った。美しい。これは書だな、書。 

坂本花織エキシビションへのCBC解説ブレンダ氏コメント。「彼女の旅をずっと見てきた私たちは、フリー後カオリの涙に皆幾分か泣いたわ。ただ1つのミスで金を失った彼女に、なんてことなの、彼女が何年もどれほどの楽しみを与えてくれたかと。…SHE IS JUST MAGNIFICENT 

このエキシビションCBC解説者は、「今大会の #女子フィギュア を見てない人は、是非見たほうがいい。歴史に残る素晴らしい競技でした」と言っていた。4年に一度しかフィギュアスケートを見ないニワカな我々にも、すばらしいものがプレゼントされるなオリンピックって。いいもの見せていただきました、ありがとう。#ミラノ五輪

韓国イ・ヘイン選手のネオ宮廷ローブを脱いだ後半Kpopダンスもよかった。体と心が浮き立つ抑えきれない若さ、それがアジアンアイドルなんだなと思った。アンバーグレンの官能や坂本花織の静謐とは違う良さがある。(これカメラがリンク内にいるよね、どうやって? 

フィギュア選手はやはり身体能力的に超人で、軽やかにダンスすると躍動感すさまじいなと毎回思う。バンクーバーでの浅田真央さんもそうだった。重苦しいロシア調から解き放たれたガラは、なぜこれを本番でやらなかった…とため息出るほど可憐で良かったのである。 
















■2月25日              日本政治は議論にならない

防衛省がSNSのインフルエンサーに金を雇い、世論を動かそうとしていると報道が出た。SNS上の『影響力』、つまり不安/情動/街の噂で国策を動かそうとしている。それは政治ではなく扇動である。公金を使う以上合法なのかすら疑わしい。

現政権は常に議論を避け、国会の外で、国費を使い、裏から「国の形」を変えようとしている。

国会と共に高市ランダム笑顔が戻っている。原稿読み(自分の頭脳を使っていない時間)と高市ランダム笑顔発動はセットになっているのだ。

高市さんが積極財政で暮らしをよくしてくれるとか、人柄がいいだとか、事実と異なる幻想で高い支持率が保たれている。自民の政治は幻想だと指摘しても反発を招くだけだというのがこたびの選挙で安倍時代以上に明確に出たわけで、野党は途方に暮れてるだろう。

カナダの家人は「報道がどうあろうと30年経済が下がり続ける政権を支え続ける国民が悪い」という。その点はもう見放されている。ここまで総理が無能を見せても人気上がるとなると、安倍政権時ですらここまでの八方塞がり感はなかった。

『エックスを未だにツイッターって言ってる奴キツイ』というやつがいた。野党嫌い・反反体制とはつまりこういう人たちなのである。大きな流れに棹さす者はとにかく不快という、流され感性。空気の信奉者、現状追認、異分子への不耐性。それが日本のマジョリティなのである。

日本の政治状況の愚かしさは手に負えない。アベノミクスで作られた円安不況と財政不良も、日銀にすら手の施しようがない。日本がよくなるという可能性がどこにもないことに、海外勢は心を痛めているのだ。

■2月26日            カメラは旅の楽しみ、日常の慰め

義母のフィジオ送迎で久々にド郊外の町へ。住宅とバスターミナルしかない殺風景な場所で、近隣にスーパーマーケットすらないので、いつも数キロのウォーキングとともに写真を撮っている。カメラなければキツイわーこの荒涼。(GF10+20mm F1.7)

あまりに殺風景で撮るものもないのだが、Lモノクロと単焦点はなにを撮ってもいい感じ。


もう10年ほどこのフィジオに義母を送迎しているが、いつまで経ってもマンション群は工事中だ。この2軒は少なくとも3年はやっている。カナダの建築は少人数長期雇用型の事業なんだと思う。日本ではこんなのんびり工事は考えられないのでは。

 

去年の日本旅行の写真をDVDに焼くついでに没写真たちを眺めていて、10枚ほど追加でキープした。


カメラはほんと旅の大きな楽しみだ。それが後までもずっと続く。そして今日のような日常の無聊の慰めでもあるのである。

■2月27日                      日本に住むなら

#ばけばけ イライザさんの「もし帰国したらスゴイことになってるわよ」という手紙の声が、だいぶ蠱惑的にヘブンの脳内で響く。おトキはその声が聞こえているかのような顔をする。以心伝心というか、どちらかの国に住むしかない夫婦のあいだでは、いつもイライザの声がうっすらと聞こえてるのかもしれない。

うちの奥様が俺をさかんに帰国させたがるのも、その気持ちを察してだろう。仕事を引退したらこの家を売りしばらく日本に住もうと、あれこれと俺たちは夢を膨らましている。

奥様は Duolingo で日本語をやってるのだが、「私の赤い帽子はどれですか」という今日のヘブン例文みたいな、それどこで使うんだ文型に満ちている。これは対象言語を問わず日本の語学教材のトラディションなんだろうか。

#星野源と松重豊のおともだち 沖縄で「キース・ジャレット ケルン・コンサート(1975)」を聴いていた。ジャズ好きの友人が名盤だとFBで熱弁していた、全編即興というアルバムだ。指先から美しい和音と旋律が際限なく生まれてくる。youtu.be/skkiVoI7sBk?si…

「キース・ジャレット ケルン・コンサート」7:30~の2コードを延々と弾く部分がめちゃくちゃ琴線に刺さって、同時代の「傷だらけの天使」劇伴、つまり井上堯之バンド、大野克夫に通ずるものががる。70年代って世界中がああいう音とああいうコードだったのかも。

沖縄の冬はよさそうだなあ、寒くなくて。 「日本に住むならどこで」と思い描いている今の俺たちの、夢の第一候補だ。



0 件のコメント:

コメントを投稿