2014/08/22

ソルトスプリング再再訪①グリーンゲイブルズみたいな宿

「飯ごう炊飯」「島でも暑い」「羊牧場ドライブ」

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■14/08/09(土) □ グリーンゲイブルズみたいな宿
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本日から1週間Mの夏休暇、ソルトスプリングアイランドへ。朝からフルスピードでラストミニットパックをして出発、双眼鏡で遠くの景色を楽しみながらフェリーで海上を行く。遠くが見えると楽しい。船内で同じ島に滞在する萌の小学同級生とばったり会った。カナダは広いが、長距離移動せずに行ける旅先は限られているから皆似たようなところに行くのだ。

 コテージはバードウオッチングができる場所なので絶対必要だと昨日Mに言われ双眼鏡を買ったのだが、Tasco の 16 倍(16x32)で、覗いてみた感じカメラの 300mm の倍以上という拡大率。調べてみると 800mm に相当するらしい。素晴らしい。クオリティはばっちりである。




 島に着くやいなやM母が早くも疲れたといい、楽しみにしていたマーケットはぐるりと通り過ぎるだけとなる。まあ特に珍しいものが売ってるわけでもないので見て回るだけでいいんだけど。食料買い出しの間俺と萌は広場のフリーコンサートを楽しんでいた。ソルトスプリング島はヒッピーの島として有名なのだが、公園のフリーコンサートのバンドから出てる音はクールでダンサブルなクラブ系で意外だった。しかし踊ってる連中はやっぱりこうだった(笑)。




 16:00 コテージ着。農園の真っ只中にある小さな家で、売りである宿前の入り江は木で見えないが、昔の農家風でなかなか素晴らしい。庭にはチキンの大家族がおりコッコッコと寄ってくるし、虫の声がずっとしている。赤毛のアンのグリーンゲイブルズに泊まっているような心地よさがある。森を見下ろすデッキに座り夕涼みしていると、海に近いので夕方には肌寒さを感じるほど。いいところです。

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■14/08/10(日) □ 飯ごう炊飯
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 どうしたことか昨夜萌が食あたりで不調となり――他の家族は無事なので原因不明――、外は今年最後となるだろう熱波で暑すぎることもあり、宿で静かに過ごす一日となる。宿の前は入り江になっており、前庭を降り見に行くと昼間は泥の海で、夕方にたっぷりと水が入ってくる。すごい。宿に備え付けのタイドテーブル(水位表)を見ると、ハイタイドの時間は毎日えらい違う。どういう法則性があるのか見て取れない乱数みたいな数値になっている。



 萌の腹具合もあり、本日はライスと地元の魚で軽い和食とした。飯ごう炊飯は1人で行ったキャンプ以来久しぶりだが、ふっくらと柔らかめにうまく炊けた。底が予想以上に焦げついていたので、最後の方の炊き上げはとろ火にすべきだったかな。

 扇風機を見つけて設置し、魚定食を一気に食う。うまい。米のコゲ以外は完璧。コゲはもう一度トライすればもっとうまくいくと思う。萌もライスと魚を少しずつ食べられた。食欲が戻ればすぐに元気になるだろう。

 キャンプナイフと持ってきた醤油と飯ごうで完璧な夕飯を作れたことに満足する。俺はキャンプでもこれだけのものを作れるわけだ。萌の病気と暑さ以外は快適な休暇。

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 夜、M萌と一緒にサイエンス番組を見た。俺は家にいると米加の番組をぜんぜん見ないので(日本 TV を購読する前からそうだった)、珍しく TV で一家団欒という雰囲気になる。Mが寝たあとも萌ともう1番組。コメディアンが土木作業を体験する番組。面白くはないが興味深い。お互い PC と iPod に没頭するよりも、こうして何かを一緒に見るほうがやはりいいことだよなあ。

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■14/08/11(月) □ 島でも暑い
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3日め。赤毛のアン的田舎ライフはやはりなんともいえない滋味がある。毎朝隣の家のチキンがコケコッコと起こしに来てくれる。お、お前……かわいすぎる。

 萌の体調がほぼ回復しついに初の外出となったが、直近の町ベスビアスはなにもなく、炎天下岩場のビーチを二ヶ所歩いて疲弊し帰宿。32度のヒートウェーブが続いており、昼間の活動はきつい。島の海岸はやはり基本的に岩ばかりという感じ。

 カナダのバカンス地は別に避暑地ではないので、どこへ行っても気温は地元バンクーバー地域と特に変わらず(ウィスラー等の高山に行っても内陸気候なので昼間は気温がガンガン上がる)、熱波下だと日差しは厳しい。

 地元にいるときは暑さの中わざわざ出歩いたりはせず家にいるので「軽井沢に住んでるみたいだ」とありがたい思いをしているが、観光客となると暑くても出歩かなければならない。観光はハードワークなのである。去年の赤毛のアンの島 PEI も陽射しが痛くてハードだった。



 この旅では最近あまり使ってなかった PEN の標準レンズ MZ14-42mm を使ってるのだが、これと標準モードである i-Finish で撮った写真が非常にいい。初日に使った Vivid の色がよくなかったので試したのだが、明らかにこっちのほうがよく感じる。やっぱりオリンパスは記憶色を狙ったこのモードと標準レンズの組み合わせを元に PEN をチューニングしてるんだろうなと思わせる。この旅はこの組み合わせで撮りまくってみよう。

 この旅行の楽しみはこれまでのところ写真と双眼鏡に尽きるな。小さなフェリー港ベスビウスから海をはさんで 5km ほどの距離にあるクロフトンの町の道路と車が見えるのにはぞくぞくした。遠くが見えるのってほんとに楽しい。

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 うちは旅行時いつもキッチン付きのコテージ/モーテルに泊まるのだが、米加どこでも調理器具がひどい。宿の持ち主はここで調理など絶対せんので足りないものだらけだし(ここでは野菜を洗うボウルや調理ハサミがない)、包丁は切れないしまな板は1枚しかない。フライパンは薄くフライ返しはない。

 暑い台所でこういう劣悪道具で調理していると、何を作るにも普段以上の労力と時間がかかり出来栄えは悪いわけで(うまい人はこれでもうまく作れるだろうけど)、非常に消耗する。昨日は持ってきた飯盒でおいしくライスが作れたのがうれしかったんだけど、今日は肉も野菜も全部失敗だった。ガックシ。

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■14/08/12(火) □ 羊牧場ドライブ
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 10時を過ぎてもまだ萌とM母が起きてこず、半日が終わってしまった。Mは本、M母はクロスワード、萌は iPod で「進撃の巨人」再視聴、俺は PC で写真整理。全員が家にいるのと変わりない毎日である。なのに宿代はかかってるのだから俺はこれでいいのかとジリジリするのだが、家から離れこの絶景の中何もせずにいるということがかけがえのないリラックスなのだとMは力説する。

 M母もM姉夫妻も似た傾向はあって、リラクゼーションと食べることがいつの旅も最大の目的となっている。旅先でイベントなく過ごしていると俺の頭の中はやったこと/コスト比がカチカチとタクシーメーターのように上がっていきリラックスできんのだが、旅行好きなカナダ人のバケーション観は「何もしないという快適さ=プライスレス」でメーターが精算済みになっているようだ。

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午後はソルトスプリング島の北端をゆるりとドライブ。小さな島なのでゆっくり回っても1時間かそこらで回れちゃうゆるドライブ。水の澄んだ入江と森の別荘地と牧草地帯が続き、なかなかいい景色である。鹿が非常に多く、民家の畑はがっちりネット等で囲まれている。鹿害が大変らしい。

 晩飯用の肉を買いに羊牧場に行く。その牧場売店の骨董品の向こうに、うちのかわいいイエロースズキが見えたので撮る。ワイングラスがいい色に出た。i-Finish はいい。

 その後通りかかった石垣と沼を持つ邸がすごかった。かつての豪農の館という感じ。でその豪農領主の沼でおっさんたちが4人、ラジコンヨットレースをやっていた。無音で水上をすいすい走る小さなヨットたち。ちょ、ちょっとこれはと車を止め見物する。なんというのどかな島なのか(笑)。 こうして行き先と時間を決めずゆるゆると走り、見たいものがあればすぐさま止まれる旅はやっぱり楽しいな。車が少なく交通が遅い島ではそういう旅ができるのがありがたい。

 しかしM母は景色や自然に興味がなく、美しい森や牧草地帯を走る車の外は見ず顔を伏せ島ガイドを熟読し、皆が景色におおと感動しているタイミングで突如「このレストランはよさそうよ!」とか大声で提唱してくれる。なんせハワイに行っても水に入らず火山を見なかったというマイペースな人なのである(笑)。



 写真は全写真 WB を間違えて「日陰」にしていた。赤すぎる。あとで青側に大幅に補正したが、その分色が褪せてしまった。ガックシ。しかし i-Finish の色の出方はいい。牧場でのエリオとワイングラスなんて、これまでに撮った写真の中でも出色の色だと思う。

 ほんといいカメラだなと久々に PEN の喜びを感じている。MZ40-150mm を買ったら手振れ補正が弱いという弱点が露呈して写真モチベーションにやや影を差していたのだが、標準レンズでも撮り方と後処理ででいい結果が出せると気がついたあたりから再燃した。そしてこの旅では i-Finish でさらに可能性が広がっている。

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