2011/09/29

日記「カナダの宿題地獄」

「生産系ゲームがほしい」「軍隊調のカナダ校則」「MTB特訓」「萌バイク完璧整備」

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■11/09/17(土) □ 生産系ゲームがほしい
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 雨音を聞き寒いなあと思いながら目を覚ますと、室温が19度まで下がっていた。ヒーターが入る温度だ。バンクーバーの秋は早い。痛い夏の紫外線が弱まると寒さが殺到してくる感じ。

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 今日はM&萌とコロレットを2戦やり、どっちもしっかりと面白かったのだが、チケライに比べると萌もMも反応は薄い。これは多分テーマ性のせいで、「町を作る」「長い路線を完成する」というお楽しみ要素がコアになってるカルカソンヌやチケライに比べると、「3色を集める」という目的が抽象的でファンに欠けるのだろう。コロレットの本当のテーマは対人ジレンマそのものなのだが、そこまで両者を引っ張るだけの輝ける魅力に欠けるのかもしれない。ま、地味だよなと。

 コロレットをこの程度しかやってもらえないならばと、また新しいゲームがほしくなってきた。2人から楽しく、小さなスペースででき、コインをためたり買い物や構築や再生産ができるゲームがほしい。

 生産ゲームがやりたくなって久々にカタン・デモをやると、やっぱり面白い。しかしこのゲームは古いので、不可避的な停滞が起こりすぎる。初期の選択と運が悪いと、何もできず何ターンもただサイコロを振るなんつーことが当たり前に起こる。状況に左右されず毎回なにがしかの進歩をできるプエルトリコのほうが、やはり優れたゲームである。

 この停滞時に例のバーストまで発生すると(8枚以上資材を持っているときに7が出ると、泥棒が入り資材が半分まで減らされるという理不尽なルール)、もう完全にやる気をなくす。これを買ってうちで実際にこんなゲームになったら、ヒドイといってみんな怒るだろう。

 カタンの美点は見ればやることが大体わかることで、そこは最新のゲームに勝っている。「世界の七不思議」なんかうちにPC版があるのだが、意味がわからずまったくプレイできない。このカタンの分かりやすさ、構築感、持ち物を拡大再生産していく楽しさがあり、2P戦ができて、停滞感(延々と何もできないターン)がなく、プレイ時間が短く何度でもできるゲーム。これが俺が欲しいゲームだな。きっとなにかあるだろう。いろんなレビューを読んで探してみよう。

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■11/09/18(日) □ 軍隊調のカナダ校則
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 萌の学校関連書類はまだ全部終わってなくて、今日は校則を読まされているのだが(親が読んでサインするのが義務になっている)、無茶苦茶細かく厳しい。「課題が授業中に終わらなかった場合は居残り、教師に電話許可票をもらい事務室から家に電話する」「電話許可票なしに電話は使えない」だって。なんでこんなに軍隊調なんだよ

 「わからなかったという理由で宿題を終わらせないのは許されない。なぜなら生徒はわからなかった部分は放課後教師か居残り当番教師に相談し、すでに解決しているべきだからである」―――そりゃ理屈はそうかもしれんが、わからないことだってあるに決まってるだろう。なんでこんな契約書調なんだよ、腹が立つなーカナダ中学校則

 日本に比べたらカナダの学校は自由というイメージがあるけれど、服装規定みたいな無意味な項目がないだけで、こっちのほうがずっと堅苦しいぜ。

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■11/09/19(月) □ MTB特訓
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 こないだ学校のMTB部の初ツーリング時、靴ひもがギアに絡み惨敗した萌のためにひものない靴を買いに行き帰ると、さっそくバイクライドに行こうと萌がいう。そうだな、じゃあと土手に行ってアップダウンの基本をやらせてみると、やっぱ萌は運動音痴で自転車が下手だ。小さな土手すらサクっと登れない。脚に力が入ってないと指摘してもやってるよという。俺が萌のバイクで登って見せ、ほらいけるよ、声を出してやってみなと何回かやらせると当然登れたが、これしきのことが言われないとできないんじゃ弱ったなと思う。

 リアホイールがロックしても自転車は転ばないということを体感させるために、広場でブレーキドリフトもやらせてみたが、イン側の脚をトンとタイミングよく着くという感覚がわからずスパっと滑らせられなかった。あまりコンコンというと楽しいバイクライドが嫌になってしまうので適当に切り上げたが、この運動音痴はなんとかせねばならない。MTB部は雨季になったら終わりなので、なにかインドアスポーツを探さなければ。

 萌の自転車は長いことまともに乗ってないのでギアの調整がおかしくなっており、チェーンが滑ってガチガチ音を立てている。張りが弱いのだ。明日直さなければ。

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■11/09/20(火) □ カナダの宿題地獄
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 萌の自転車修理。ネットでディレーラーの位置決め方法を探しギアの調整はほぼできたのだが、実は滑ってるのはチェーンではなくリアホイールのラチェットだと判明。つまりチェーンとリアホイールの連結部が空回りしてるのである。ガーン。要分解パーツ交換だ。自転車ってこんな故障があるものなのか。知らなかった。雨ざらしだったからかなあ。そういえばオレのもたまにガチっと滑るな。

 この場合ダメもとで CRC を吹いてみろと言われているので、やってみるとかえって悪化してしまった。これはもう乗ったらバランスを崩し非常に危ないので、修理に持っていくしかない。せっかくハンドルを高くし、ギアを調整し、自力でばっちり乗りやすくしたのになあ。まあ仕方がない。

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 毎日毎日晩飯後、萌は寝るまで宿題をやっている。せっかく目覚めたギターを練習する時間もない。宿題のおかげでファミリーライフがなくなっている。本人の要領が悪いせいもあるが(完璧主義で細部に時間をかけすぎる)、量も実際ありまくる。フランス語科で宿題は全部仏語なのでヘルプもできない。そして終わらなかったら翌日居残りだというんだから、えらい詰め込み教育だわカナダ公立中学。

 あさってから部活の朝練が始まり朝も早くなるわけだし、こんなんで正常で健康な子供生活が送れるのかと心配である。オールナイトニッポンなんぞを聞いて授業中寝ていてもやっていけた俺の中学時代とはえらい違う。現代の日本がどうなのかは全然知らんが、日本の甥たちの本読めなっぷり(※)を見れば、俺の頃と大差ないだろう。カナダ中学がこんなだなんて思いもよらなかった。
(※)クリスマスプレゼントに「カルカソンヌ」日本語版を送ったら、説明書が難しくて読めないとぬかしプレイしてないらしい(泣)
 Mに聞けば宿題を求める傾向は親から出ているとのことで、「ゲームばっかやってないで宿題やれ」みたいなノリがカナダペアレンツにあるのかな。Mたち反詰め込み教育学者たちが指導した世代の教師たちがメインストリームになるまで、こんな傾向は続くんだろうなあ。トホホ。

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■11/09/21(水) □ 萌バイク完璧整備
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 朝イチで自転車屋へ。症状を説明すると「これはラチェットとギアが分離できないタイプだからギアごと全交換だね」と言われる。ぐわ。修理代が高くつくならいっそ買い換えかと蒼白になると、「パーツが$15で工賃が$9だね」とメカは言う。「――へ?」「10分で終わるよ」「ぜ、是非にプリーズ!」。とまあ自転車業界って無茶苦茶良心的なのであった。


ペルジタのバイク。こんないいやつは
当時も今も買えないけど。
 日本でも俺が奥多摩の崖から落ちて壊した自転車を、東村山の名店ペルジタのおじさんがちゃっちゃと安く直してくれたもんなー。ダメージでゆるゆるになったフロントを、金ノコでフォークの根元を詰めタイトにし直すというハードコアな作業をおじさんが気軽にやってくれたのだった。あれはバイクで言えばヨシムラのオヤジさんがチューンしてくれたようなもので、俺はもう夢見心地であった。日本でもカナダでも自転車屋は優しい。自転車は素晴らしい。

 帰って乗り、もう一度ディレーラーを調整し直しブレーキの引きずりを取り、レバーの遊びを増やし、リムを掃除して鳴きを消して完成。バッチリだ。お金なんてかからない。自転車は素晴らしい。サドルとハンドルを上げてホイール2インチ分くらいポジションがよくなったので、萌はあと1~2年これに乗り、ティーンになったら 26 インチに買い替え一生乗ればいい。よし。

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 お母さんのプッシュで萌が入ることに決めた、学校のブラバンの担当楽器レンタル会に行く。日本だと楽器は学校に揃ってるわけだが、カナダでは個々が楽器屋からレンタルすることになる。萌の希望したギターはやはりバンドになく(吹奏楽にギターがあるわけがない)、第2希望のクラリネットとなった。

 クラリネットを初めて手に取って見てみたが、音程を変える可動の美しい金物が全体をうねうねと巡っていて超美しい。ヤマハ製。このウネウネは空冷バイクエンジンのフィンのようだ。

 しかし吹いてみると萌も俺も全然音がしない(笑)。あっという間に息が切れる。意外やこんな難しい楽器だったのか。まあなにか組み立て方に問題があるのかもしれない。

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