2011/12/12

日記「物足りぬクリスマスコンサート」

「オースザンナ」「カーネーションが壮絶」「J リーグの誇り」

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■11/12/03(土) □ オースザンナ
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こないだ見つけたなつかしの久保田麻琴と夕焼け楽団の「オースザンナ」を聞いていて、これはもともとアメリカのカントリーを日本語にした歌なんだよ、日本の子供なら誰でも知ってるんだと萌に説明する。お父さんは高校時代にバンドでコピーしたんだよ。カナダは日本みたいなカチッとした古典音楽教育はしてないので、クラシックや世界民謡の知識は日本の子供より薄いのだが、萌もこの歌はさすがに耳にしたことはあったようだ。

で「あ! ちょっと待って」とクラリネットを持ってきて教本を開き、「わたしゃアラバマからルイジアナへ~」とあのメロディを吹いてくれた。うお! この歌がたまたま萌の教本に載ってたのは驚かないが、萌が初見でいきなりその歌を吹いたのには驚いた。感動。


ヘタ歌サイコー
そういえばこの歌の英語版って俺は1回も聴いたことがないわと Youtube で検索してみると、さまざまなバージョンが見つかり実に楽しかった。バンジョーやギターでズンチャカズンチャカ弾いてるバージョンはまさに俺がイメージする通りの「オースザンナ」だし(↑この歌詞を覚えてない2人組のやつが絶妙w)、高校生がへんてこなアレンジで3声合唱みたいのをやってるのも見つかり、萌と一緒に大笑いしながら次々に見た。

Youtube は音楽鑑賞革命だな。聴きたいものが直ちに見つかる。聴きたかった以上のものが聴けることもありまくる。iPhone や iTune が画期的とは思わないが、情報のシェアを爆発的に拡大した Youtube とツイッターはイノベーションだと思う。

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ともあれ、俺が知ってたのは戦後すぐに出たボニージャックス版らしい。この詞を英詞と比べてみて、訳詞のよさに改めてびっくりした。

I come from Alabama with my Banjo on my knee
I'se gwine to Lou'siana my true lub for to see.
It rain'd all night de day I left, de wedder it was dry;
The sun so hot I froze to def -- Susanna, don't you cry.
Oh! Susanna, do not cry for me;
I come from Alabama, Wid my Banjo on my knee.

私ゃアラバマから ルイジアナへ
バンジョー持って 出掛けたところです
降るかと思えば 日照り続き
旅はつらいけど 泣くのじゃない
おおスザンナ 泣くのじゃない
バンジョー持って 出掛けたところです


これが俺みたいな凡庸な訳者なら、「わたしはアラバマーからバンジョーかかえー/ルイジアナの恋人に会いに行くー」みたいに訳していただろう。なんてセンスがないんだ(笑)。日照りの時は熱く雨のときは冷たいとかの冗長なディテイルを、「旅はつらい」と一句でまとめてしまうところもすごい。津川主一さんという牧師さんが訳したのだそうだ。昔の人はえらいわ。

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■11/12/07(水) □ 物足りぬクリスマスコンサート
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クリスマスコンサートの合唱部
萌の合唱部はクリスマスソングを5曲も歌唱。例によって前列6~7名がマイクを使う合唱なので音程は取りづらいのだが、前回のリメンバランスデイ集会での発表よりかなり出来がよかった。昼の部よりも夜の部ではさらによかった。バンドマンがそうであるように子供らも、モニターが悪く自分の声が聞こえなくても、喉の張り具合で体感的に自分の音階が取れるようになってきたのだろう。元気なクリスマス感が出ていてなかなかよかった。

続いてこっちも萌が所属するビギナーバンド。全員が担当楽器を初めて半年で一応曲を演奏できるんだからなかなかえらいと思う。しかし1年半以上やってるはずの上級生のアドバンスドバンドの方が、この半年バンドと大差ないのがなんというか。一緒に見ていたFNのお母さんは日本で吹奏楽をやってたそうで、「日本の中学の吹奏楽なんか厳しい先生に猛特訓されてめちゃくちゃ厳しいですから、そりゃ比較できませんよ」とのこと。そうですよねえ。

まあカナダじゃ生徒たちもそんなに真剣に楽器に打ち込んでるわけじゃないし、贅沢を言うつもりもないのだが、上級になったらせめて楽器のチューニングくらいきちんと指導してくれたらなあと思う。ビギナーもアドバンストもチューニングが悪すぎて、何の歌を吹いてるのかよく分からないのである。

合唱をマイクで歌わせるのも、実のところ音楽関連の全てを担うこの元バンドマン先生が自分でエレピを弾いてドラムを入れ、得意のポップスっぽくやりたいからそうしてるんだろうと思う。音楽の授業も合唱部もこのバンド形態だから、子供らは普通の合唱らしい二部合唱すら体験することができない。音感学習機会の喪失でもったいないことだ。子供は好きな歌をマイクで歌えるだけで喜ぶからそれでよしとなってるんだろうが、喜ぶからとご飯の代わりにキャンディを与えるようなものだ。

というわけでまあ音楽的な不満を言い出すとキリがないが、想像通りのコンサートだった。想像と違ったのはコンサートが吹奏楽と合唱部だけの発表だったことである。小学校のクリスマスコンサートは全校各クラス全員が歌っていたのに、中学ではどっちにも入ってない子は見てるだけで、みんな歌いたかったんじゃないのかな。ちと気の毒な気がする。

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■11/12/09(金) □ 「カーネーション」が壮絶
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NHK 朝ドラ「カーネーション」が壮絶である。面白く胸を打つシーンばかりだった序盤から、戦争が始まると苦しいことばかりになってしまった。それが戦争なのだと教えてくれる。戦争ノイローゼになってしまった勘助に出しゃばって、近所づき合いの関係を駄目にしてしまった糸子が安岡のおばちゃんに罵倒されるシーンなんて、朝ドラ史上に残る悲しいシーンだったろうと思う。人が死ぬとか別れとか、人の不幸をお手軽ドラマチック要素として使う創作者は、糸子と一緒に叱られて頭をたれるべきである。

今週も旦那の勝さんの出征と浮気疑惑という、これまたつらい話が続いた。勝さんがいい人なのか悪い人なのかわからない、出征を悲しむべきなのか無視すべきなのかわからないとグルグルになっているところに、さらに砂を浴びせる理不尽な戦争翼賛婦人会。糸子の悔しさやりきれなさがビンビン伝わってくる。一緒に叫びたくなる。壮絶。こんな血を吐くようなシーンが延々と続く朝ドラがあったろうか。この「カーネーション」をアジアや中東に発信してほしいなあ。日本の一生懸命さや愛嬌や愚かさが詰まっている。

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■11/12/10(土) □ J リーグの誇り
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【クラブW杯・柏-モンテレイ】序盤柏の DF 陣がちょっとやられすぎな感じ。全体としては意外に落ち着いて持ち味が出てると思うのだが、単純に DF 陣の能力負けか。攻撃では柏がいいところでボールを持てても、前がかりにはならない相手が堅実にプレスをかけてきて狭いところに追い込まれてしまう。レアンドロがマークされ力を出せないところがつらい。レアンドロはイラついている。

しかしチーム全体としては徐々に相手に対処できてきて、ピンチは減ってきた。試合展開としてはもはや五分である。ここからが勝負だというところで前半終了。悪くない。全然国際経験のない柏が、これほど強い相手と初めて当たり、それでもここまでできるのが J リーグの誇りであります。

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後半早々、こぼれ球に追いついた田中がそこで安易に打たず前に弾いてスペースに持ち出し、折り返したところをレアンドロがボレー、ゴール! 完璧! 美しい。田中えらい! レアンドロ素晴らしい! これでレアンドロもイライラがすっかり消えたさわやか顔 (^-^)。

しかしわずか数分後に裏ポンで簡単に振り切られ折り返しスアゾがゴール。なんであれで裏を取られちゃうのか。先制点で気持ちがイケイケになっちゃってたのかな。

田中は思い切りの良さが売りだけど、今日の試合無理っぽいところでは安易に打たないでしなやかな体幹を生かしつないでるのが好感度高い。レアンドロにアシストしたのも、凡庸な FW だったら可能性がないところからシュートを打ってただろうと思う。あそこで前につっかけたから相手 DF は意表を突かれ対応できなかったので、非常に価値が高いプレイだった。こうしてボールを無駄にしないで丁寧にプレイしていれば、いつか彼自身もズドンと行けるはず。

田中だけじゃなくサイドの橋本らも、安易に前に蹴らずつなぐかコーナーを取ろうとしている。相手が格上だと、ボール扱いに自信のない選手は奪われるのができるだけ早く放してしまいたがるが、柏はどの選手もできる限りコントロールしている。ボールを無駄にするなとネルシーニョが指導してるのかもしれない。これだけの、これまで戦ったことがないほどの強敵を相手に柏がちゃんと力を出せているのはそこにある。ボールを無駄にしてないのだ。

酒井のクロスが完璧に田中のヘッドに入るが、強く打とうとして GK 正面に行ってしまった。田中は今オフヘッド練習死ぬほどやるべし。やればやるだけ優秀なストライカーになれる。後半終了、ふー、いい試合だ。

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【延長】レアンドロが前に上がりゲームを決めようとしている。それはいいことなのだが、中盤に残った大谷と栗沢が攻撃にまったく持ち味がないのがつらい。レアンドロが相手ボランチを引き付けているので大谷と栗沢の前方には大きなスペースがあるのだが、2人はドリブルも前へのフィードもミドルシュートもできないらしく、そこで縦への速い攻撃という選択肢がなく停滞してしまう。延長はもうずっとモンテレイが攻める力をなくしており柏ペースだったのだが、柏の中盤にも違いを生むだけの力がなかった。

しかし試合全体での優勢をそのままに、柏は PK 戦でしっかりと勝利。やりました。これだけクオリティの高い相手に、序盤以外はきっちりとゲームをコントロールしての勝利。J の勝利。えらい。おめでとう!

柏ブラジル衆はうれしいだろうな。出稼ぎに行ってるところでちゃんとクオリティの高いことをやってんだぞと親戚に見せられる。今日の試合を見れば、柏の中盤と守備陣が力不足なのは明らかで、南米チャンピオンを完封することは不可能だろうし点を取ることもそうそうできないだろうが、岡田日本(ジーコジャパンではなく)がブラジルと戦うくらいの抵抗は十分期待できると思う。

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