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■09/05/20(水) □ あんな小さな田舎の町で
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NHK国際で「SONGS山崎まさよし」が放送された。敬愛するキヨシローの訃報を彼はツアー先の長野県須坂市(わが故郷)で受け取り、ステージでそのことを語りRCサクセションを歌ったそうである。30年前にRCも同じ須坂の市民会館でライブをやったのだ。「こんな田舎にヒトが住んでるのかと心配になったぜ」とキヨシローが毒づいて。
私が山崎のライブホールにもしいたら、「キヨシローも大昔にここで歌ったんだぜ!」と大声で彼に教えてやりたかった。あんな小さな田舎の町にRCがきたのはブレイク直後のあの時期以外ありえなかっただろうし、山崎まさよしという人気者が来ることもそんなにはないだろう。偶然がピンポイントで交錯する不思議を感じる。
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サッカー日本代表メンバー発表。こないだのガンバ戦でピッチ上で最高のプレイヤーだった浦和の山田直輝が入った。現時点ですでに中田が出てきたときのような「格」を感じさせる。あの2つのシュートが入っていればいずれ欧州移籍? と思うくらいのすごいプレイだったからなー。
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■09/05/22(金) □ ソルトスプリングアイランド
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親族揃ってソルトスプリングアイランドへ。フェリーで島に着くと10時半でもう真っ暗だったので町の様子はよく分からなかったが、細くアップダウンの激しい道の脇にコテージが並び、その向こうに入り江や湖が見える。「なんか黒姫・野尻湖みたいだな」というとMもうなずき、これが典型的北米リゾートなのよ、だから野尻湖は日本に住む外国人に人気があるのよという。あ、なるほどね。
道は期待したタイトコーナーというよりもとにかく細く、トラクションを云々するほどの速度は出せない。そんな低速ツイスティではエリオは本領を発揮し、クルクルと小気味よく向きが変わり楽しい。高いGをかけたときにいい味はしない車だが、Falken Ziex ZE-912 をフロントに回したおかげでグリップ感(=外輪のトラクション)とそれを探れる多少のコントロール性は出ており、どこを走ってもそこそこ楽しめるなというところで、カエルの声がげろげろと気持ちのいい湖畔のコテージへ着。カナダにもこんなにカエルっているのか。明るくなったら姿を見つけたいな。
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■09/05/23(土) □ Cusheon Lake Resort
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疲れていたのでよく眠れたが、慣れない明かりと物音で5時頃目が覚め、Mたちも6時半で起きてしまった。まあ天気はいいし目の前は絶景の湖だし文句ない。
まず町のフリーマーケットへ。虫型ステンドグラスなどいろいろと変なものが売っていて楽しい。小学校から高校くらいの地元の子供たちが小遣い稼ぎでクッキー販売だとかいろいろとやっていた。この高校生コンビはバグパイプのスタンダード曲にオルタネイティブ風ボンゴを加えてノリノリグルーブをかもし出し、大ウケ&大稼ぎであった。彼らはそれに値するパフォーマンスだったけれど、まだ音程も合わせられないバイオリンを弾く小学1年生ですらもケースに5ドル札を放り込んでもらっていた。世間は子供に甘い(笑)!
コテージに戻り萌とともにカヌーを初めて体験する。最初は普通のボート(シングル漕手)に乗ったのだが、パドルが悪くてまったく進みやしないのでいったん戻り、これまで乗ったことがなくちょっと怖かったがカナディアンカヌーに乗り換えた。見た目のとおり幅がボートより狭いので、やはり相当な左右の揺れがある。左右の漕ぎタイミングが悪いところで一致したりするとグラっときてけっこう怖い。これに風と波が来たら転覆しても不思議ではないなあ。
しかし2人で悪戦苦闘するうちにコツが掴めてき、船体を操作できるようになって来た。急ターンをするときは前に座る萌がイン側にパドルを突っ込み固定し、俺が外側をガシガシと漕ぐ。進むときは互い違いに水面をかく感じで漕ぐと推進力が途切れず効率がいい。やっぱこの推進力の高さは普通のボートやゴムボートでは得られないよな。気持ちいい。初めてマウンテンバイクに乗ったときに、剛性が高く普通の自転車とぜんぜん動きが違うと感動したが、その体験に似ている。どんな乗り物もコントロールできると楽しさが倍増で、よしあっちへいこう、次はこっちだ、ADたちの船を追えと湖面をすいすい動き回り、すごく楽しかった。
これで湖がハリソンみたいに大きいと、波も出るし風で流されたら「遭難」になってしまうし、ジェットスキーらが大騒ぎしていてリゾート気分どころではないのだが、こういう小さな湖はやっぱ最高だ。夏には泳げるとのことだし。カエルは昼間はどこにいるのか、まったく見つからなかったが。
やっぱリゾート地はいいな。湖だけを見れば隣町 Port Moody のビーチやレイクとほとんど変わりはなく、だから俺は遠出の前はいつも「BCはどこかへ行かなくてもいいところ」と冷めているのだが、近場は車を止めるスペースもないほど混んでしまう。こうして遠くまで来れば、これだけの静けさが手に入るということなのですね。朝のマーケットだって、もしメインランドだったら徒歩圏になんか車は止められないくらい混むわけだしな。
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晩飯を食べに町に行くのに、ADのBMW330iに初めて同乗する。後ろに乗っている限りでは、想像通りすごく出来のいいレガシィという感じだった。35R という偏平タイヤでコーナーをキックして島のツイスティロードをグイグイ曲がりながら、ショックは吸収され不快感がまったくない。俺が乗ってたレガシィ96の場合ペースを上げるとGの立ち上がりがきつくなったり、アンダー解消にステア操作が大変になってきたりしたのだが、そこは当然万全なのだろう。
総じてさすが世界最高峰セダンだなと思うが、一方でレガシィと大差はないのねとも思う。自分で運転すれば当然これまでのクルマ経験で最高の気持ちよさが味わえそうだが、想像を超えた「夢のドライビングプレジャー」みたいな特別な乗り物ではなさそうだ。これほどよくできた名車で曲がっても、モーターサイクルのような完璧なバランス感は得られなかったのである。四輪はやっぱり二輪にはかなわないな。それとも、ADはフェラーリをほしいと冗談めかして言うが、ああした純スポーツカーならば乗用車では手に入らないものが手に入るのかな。
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■09/05/27(水) □ 「知るや君」
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いま TV Japan(NHK がメイン)で一番面白い「シャキーン」を毎週萌と見ており、今週も「笑いの Show 学校」など秀逸なコントに大笑いしたのだが、先週今週は「知るや君」というすばらしい歌が入っていた。
こゝろもあらぬ秋鳥の
声にもれくる一ふしを
知るや君
深くも澄める朝潮(あさじお)の
底にかくるゝ真珠を(しらたま)を
知るや君
あやめもしらぬやみの夜に
静にうごく星くづを
知るや君
まだ弾きも見ぬをとめごの
胸にひそめる琴の音を
知るや君
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作詞:島崎藤村
作曲:サキタハヂメ
うた:熊本野映
現代語訳:小山哲朗
監修:鈴木昭一(藤村記念館長)
アニメーション:坂井 治
イラストレーション:朝倉真愛
(参考: だいえっとん:シャキーンの新曲「知るや君」がすごい)
これは誰の詩だったか、高村光太郎? と検索してみたら、島崎藤村だそうである。詩もメロディも楽器の演奏も歌う声もみな美しい。カナダの子供チャンネルはひどい騒音の巣窟なので、「シャキーン」や「みんなの歌」を聴くとほっとする。
萌もこの歌を気に入り、この歌は文語バージョンと口語バージョンの2つがあるのだが、文語バージョンのほうが好きだという。「しーってるかーい」よりも「知ーるやきーみー」のほうがきれいと感じるのだそうだ。うーむ、そんな微妙なところがわかるとは。えらい。
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■09/05/29(金) □ 子供のコントロール
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バンクーバーホワイトキャップスが萌の学校でサッカープレゼンテーションを行うというので、よおし平野に声援でも送ってやるかと日本語学校の先生まで誘って見に来たのだが、来たのはチームではなく男女2名の若手選手だけだった。ありゃりゃ。まあ考えてみればプロチームがシーズン中に近郊町村の営業には来ないよな。当たり前か。若手がいろんな基本スキルを見せ、子供たちを盛り上げキッズサッカーキャンプに勧誘するというだけのイベントだったのである。やれやれ。
話をするユースプログラムの親玉おじいさんは、ミスター・レナドゥージと呼ばれていた。その名を聞いてえっと顔を見ると、そういえば90年代のカナダ代表監督ボブ・レナドゥージに似ている。さてはボブのお父さんか(※)。しかしそんなことを知ってたのは、あの体育館にいた人間で俺だけであろう。
(※)あとで調べたらお兄さんであった。そういえば80年代はサッカーのレナドゥージ【兄弟】がWC出場を実現してブームを巻き起こしたとMが言っていた。その兄弟がバンクーバーホワイトキャップスを運営しているわけなのね。
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夕方は毎年恒例のスクールダンスパーティ。帰り際プレイグラウンドにいると、NKの息子が小さなキッズらと鬼ごっこをし、6~7人にからかわれてだんだんと我を失っていく気配がする。彼は自閉症で、興奮するとコントロールが利かなくなることがある。まずいなと思い、調子に乗ったキッズがウッドチップを投げつけ始めたところで止めに入った。で落ち着かせようと「えらい目にあったね」と彼の肩を叩いてみたのだが、放っておいてくれと手を振り払われる。
まあこれで大騒ぎは静まったし俺にできるのはここまでだなと帰ろうとすると、興奮した彼とぶつかって転んだかなにかでやはり泣き出す子が出た。仕方がないので、「彼は興奮するとコントロールがすごく難しいんだ、自分がコントロールできないんだよ」と説明しながら泣く子を親のところまでおぶっていってやる。これは言っておいたほうがいいなとNKも探し、これこれでおたくの息子が興奮しラフになってしまい、俺には止められなかったよと説明しておく。
子供らをコントロールするのは難しいよなあと、俺は落ち込んでしまった。静かな環境で個々と話すならなんとでもなるが、こういうケオティックな状況で多人数と意思を疎通するのはほんとに難しい。日曜は萌のバースデイパーティで、今年は間が悪くMが不在のパーティとなり、つまり俺が1人で9人を見なければならない。気が重いのである。
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■09/05/31(日) □ 子供のコントロール2
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録画しておいた日本ダービーを朝見る。どの馬を応援していたわけでもないが、ロジユニヴァースが抜け出たときには、あっ、ノリだと胸が熱くなった。メジロライアン2着のダービーを府中で見てからなんと19年である。そんなにも長いことこのレースを勝たずにいたのか横山ノリ。おめでとうのゴールイン。
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バースデイパーティ@パーティ専門施設:2時間45分という長丁場のパーティなので、のどが渇いてないか、みながうまく楽しんでいるかなどといろいろと目を配り気を使い疲れた。みんな十分に楽しんでくれたと思うが、唯一の問題はクラスのワガママ娘ALで、萌が自分「だけと」遊ばないといってスネて萌を困らせる。これは予期していたので俺が早期に察知し、駆けつけて俺に任せろと萌を他の子のところに行かせ、So, 何が問題なのよALとこんこんと話す。
ALは「今日は私(だけ)と遊ぶと萌が約束したのよ」と主張する。「しかし萌のパーティにみんなが来てるんだから、萌が君『だけと』遊べるわけがないだろう。行ってみんなと一緒に遊びなよ」「でもあたしはあそこで遊びたくないのよ!」「そんなこと言ってもどうしようもないだろう (there's nothing we can do)」といった塩梅。まったく、話し合いの余地もない。とにかく萌と他の子が不快な思いをしないようにと目を配りアシストを続ける。ALのことも、ほんとは放っておきたい気持ち満点なのだが(笑)、みんなと一緒に乗り物に乗せたりして楽しませてやった。
JDも実はジム遊びをあまり楽しんでなかったのだが、これは学校でも公園のプレイグラウンドでも同じで、大人びてファッションに一番興味がある彼女は子供っぽいぎゃーっといった遊びがあまり楽しめないタチなのである。これは仕方がない。彼女は会話が始まると生き生きと輝くところがあり、食事になって俺が隣に座り話しかけてやると俄然機嫌がよくなった。
ところがこの食事中またもALが、みんながまだ食べてる最中から自分のプレゼントを最初に開けろと萌のところに持ってくる。まだプレゼントタイムじゃないんだからちょっと待てと押し戻すが、しばらくするとまた同じことを繰り返し、さすがに二度目にはそこにいる一同 (やれやれ) という表情であった。
◇
ともあれそれ以外は問題なくすべてがうまくいき、いやー大成功のパーティだったねと片づけをしていると、萌が「でもALがね...」と自分で言い出した。これまでALの理不尽な行いを俺が指摘しても萌が自分から言うことはなかったのだが、今日はさすがに腹に据えかねたらしい。「まあALはいつもああだからサプライズではないよ。だから彼女がハッピーなときは一緒に遊んでさ、スネたら放っておくしかないよ」「うん」「あれは彼女自身とペアレンツが直さなきゃならない問題で、わしらにはどうしようもないからさ。とにかく彼女に何か言われても萌がしたいことを変えちゃ駄目だってこと、まあいつも見てる限り大丈夫だと思うけどさ」「うん」。
ほんと、ALの親はあの性格を直そうとしてないのかなといつも不思議に思う。学校の送迎は英語がほとんどわからんおばあちゃんだから、友達関係でのあの素行の悪さはわかってないのかもしれんが、家でだって同じ人格なわけだろう? あんな性格でこの先のスクールライフが楽しいわけがないではないか。はーともあれ無事終わった。疲れた。
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