2014/02/01

日記「Google Nexus 4 インプレ」

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■14/01/18(土) □ Google NEXUS 4(LG)をゲット
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初代Googleフォン

二代目Googleフォン HTC

三代目ヒラメ型LG Nexus 4
Google フォン Nexus 4(韓国 LG 電子製) を使うことになった。ちょっと試してみると速くて画面が大きい以外、ハード的にはどこもよくなっていない。

 俺が最初に使った初代 Google フォンは前面にハードボタンが5個もついており非常に操作しやすかったのだが、次の Google フォン2 HTC Vision でハード1個+ソフトボタン4個に激減し、この先代機(何代目かは知らない)ではついにハードボタンなし+ソフトボタン3個まで退化してしまった。もはや目のない深海魚である。ヒラメと呼んでも過言ではない。のっぺら。

 「なんでこう無駄にスリークな(しゅっとした)方向に行くのかな。ハードボタンがあったほうが使いやすいに決まってるではないか」と俺が言うと、前持ち主MKも完全に同意する。ハードボタンはブラインドで操作できるが、ソフトボタンは絶対にできない。スマホ自動車事故は全部こうした、画面をガン見しないと電話着信のキャンセルもできないのっぺらスマホが招いているに違いあるまい(※)。

 俺は二代目 Google フォンでおおむね満足しており乗り換えなど考えてなかったが、実機をいじってみると大きな画面で Yucata などの Web サービスが完璧に動作するのがやはりいい。Google フォン2の Web ブラウザではこれができなかったので、ボタンがなくなった操作性にはストレスを感じまくるが移行を決めた次第。地図保存や GPS 等の Android 2.3/HTC の不具合も解消しているかもしれない。画面が大きいのでソフトキーボードローマ字入力もできるかも。

(※)ちなみに Pocket PC(Windows Mobile)は十字ボタンに A/B ボタン、ジョグダイヤルとボイスレコーダ専用ボタンがついて、ブラインド操作性はファミコン並みに万全だった。前を向いて歩きながらのボイスメモ録音なんか楽勝だった。Pocket PC に電話と Wifi がつけば今のどんなスマホより便利なのだが、時代はユーザーに不便を我慢させる方向に進化しており、もうあんな便利な道具は生まれてこないだろう。


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■14/01/20(月) □ 前機 HTC をデチューン
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 新セルフォン Nexus 4 が操作性には超不満(後述)ながら設定が済み安定運転に入ったので、前機 HTC Vision を奥様用にデチューンする。Mは電話など話せればそれでいいという反スマホ主義者なのだが、1日でバッテリーがなくなり操作性も狂ったように悪いサムソンガラケーを捨てるチャンスなのだから、単に電池が長持ちする携帯として HTC を使うべきだと説得したのだ。

 画面ロックなどすると「これだからスマホは嫌だ」と言われるに決まってるのでロックなしに設定したのだが、テストしてみるとこの状態の Android は情報保護性ゼロである。もし紛失したら、拾った奴がMの Gmail を全部見れてしまう。むろんメールなどシンクするつもりもないが、拾った奴がパスワードを知らなくてもシンクをオンにできてしまう。ここにロックがかけられないのだ。Google アカウント側から紛失した電話を切り離すことは可能だが、それまでは情報見られ放題である。

 素人用には Google アカウントなど入れなければ安全なのだが、Android は Google アカウントを登録しないとアプリがインストールできないという身勝手な仕様になっている。SD カードに書かれたものはすべて拾った者の手に渡るわけだし、携帯物として Android のセキュリティってどうかしてると思う。コンピュータに詳しくない人に持たせるには、Android より iPhone のほうが安全なんだろう。

 仕方ないので、結局この電話専用の空アカウントを作った。これで紛失しても物理的な損失だけで済む。やれやれ。

 ともあれ、これで HTC は軽くスッキリして非常にいい状態になった。電池も驚くほど食わない。どうやら前はインストールした多数の小さなアプリたちが知らぬ間にバッテリーをガンガン消費していたようである。

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■14/01/25(土) □ Google Nexus 4 インプレ
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 【Google Nexus 4】セットアップを終え、1週間使った上での感想をまとめて書く。

 Google はどうもアップルっぽくなってきたというか、Apple に対抗してイノベーティブなものを作りたいという欲が勝ちすぎているんじゃないかと感じる。これは Android に限らず Google のサービスが全部そうで、従来の PC 操作法を棄却する方向にシフトしている。Google+とか Google ドライブとか Google フォトとか、使いにくいというかイノベーティブ過ぎて用途すらわからん、意味不明なものが俺のアカウントに勝手につながっているという状態になっている。Android にもその波がキている。



●【ハード的使いにくさ】

ハードとしての Nexus 4(Google+LG) は、Google と韓国人が思うカッコいい→黒くてフラットがまずアカン。真っ黒で上下すらもわからんので、天地を示すためと手探りでホームボタン位置を探す目印として画面下にありあわせのシールをまず貼った。堅い電源ボタンがサイドの押しにくいところについているのも×、ボリュームをいじるときに反対側の電源スイッチに触れ不意に切れてしまう。これはスイッチを使わずに画面オンオフできるユーティリティを入れることで対処した。バッテリーを余分に食うが仕方がない。

●【Menuボタンがなくなった】

 いつでも確実に押せ、電源オン、電話着信の応答、タスク切り替え、文章書き時のカーソル移動となんでもできた Home ハードキーが消え、操作に迷ったら押せば必ず答えがあったメニューボタンが Android 4.x では廃止された。2大汎用ボタンがなくなったのだから、この操作デザイン退化はいまだに信じられない。PC の Windows ホイールマウスがボタン1個の Mac マウスに切り替わったようなもので、ユーザーにもアプリメーカーにも何のメリットもない。

 メニューがなくなったおかげでアプリの設定と操作に統一性がなくなり、設定は右下極小ボタン/右上極小アイコン/どこかに隠れたメニュー的なものをスワイプで探すと3種類の UI がアプリごとに混在している(もちろん最後のやつが操作法としては最悪)。これで迷わず操作できるわけがない。さらにボタンはメイン画面内に UI として描画されているので、アプリによってはホームとバックボタンまで非表示にしてしまう。こうなるともう操作できない。前は少なくとも位置と輝度は一定だった。

 メニューと検索ボタンが削られ代わりにタスクマネージャが入ったが、こんなものは以前からどこのメーカーもホーム長押しで対応していたので、いまさら専用ボタンを与える必要がない。しかもこれがアイコン一覧ではなく縮小画面表示型なので一覧性がまったくなく、バックグラウンド深くに回ったアプリを使うには延々と上にスクロールする必要がある。こんな使いにくいタスクマネージャは見たことがない。

 メニューボタンの欠落、タスクマネージャの使えなさについて対処法を検索すると、変更への怒りとどうやったら元通りにできるのかという開発者の討論(答え=できない)が上位にずらっと並ぶ。これだけ皆が不便に思ってることを抜け抜けとやるところが Google 殿様としか言いようがない。Microsoft /Apple 以上の独断専行だと思う。

●【マスストレージの廃止】

 マスストレージにならないのでファイル転送が面倒になった。PC にはメディアプレイヤーとして接続され、ドライブにならないのでバッチ転送などはもうできない。こうして使い勝手を悪化させた分セキュリティを上げたのかと思ったら、拾った奴がストレージの中身を全部盗めることはマスストレージ時代と変わりない。相変わらず大事なファイルとかは置いておけないのである(それが嫌ならファイル自体を暗号化しろといっている)。

 ファイルシンクはケーブルなど使わずクラウドにしとけというのがいまどきの設計意図なのだろうが、だったらデフォルトで Google ドライブを使ってくださいと USB 接続時に言ってもらいたい。

●【共通エディットコントロールの劣化】

 Android は一応テキストを編集できるエディットコントロールが OS に搭載されていて、どのアプリでも文字選択とコピペはできる。もともと誤動作が多く使いにくいがこれがさらに劣化している。前は長押しして出した文字操作メニューがなくなったせいで、どう押しても「ペースト」しかできない場面が頻発する。操作ロジックはあるのだろうが画面の微妙なタッチで誤動作する。エディットコントロールでの文字選択とコピペはもはや至難の業というか時間の無駄で、コントロールの外に出て専用のコントロールを持つテキストエディタ等で編集しコピペしたほうが早い。

●【通知エリアが見にくい】

 2.3 の灰色に黒字テキストの通知は読みやすかったが、黒地に白は単純に視認性が悪い。ハード外観と同じ配色テーマで、カッコいいムード重視しすぎ。

●【Dialer と Contact が劣化】

2.3 までの連絡先は【ダイヤル/電話履歴/一覧/Fav】と4つのタブですべて用事が済み、例外がなく直感的で一目瞭然だったのだが、4 は Google+風になっており使い方がまったくわからない。しかも2つの別のアプリケーションに分かれいるっぽい。電話帳ごときでこんな使い方がわからないゲテモノの構造をわざわざ学ぶメリットがないので、前のに似ているサードパーティアプリを探してきてインストールした。



Google は何事も最初はシンプルで直感的なものを出しても、すぐに「慣れればこっちの方が便利だし、なにしろ新しい。発想を変えてください今」と奇天烈なものを押し付けてくる。Picasa も Google+も Google Play もそう。

 Android のソフトを PC 側で選択しインストールする Google Play は、初期はもっと軽くて使いやすかったのにどんどん UI 丸入れ替えが行われ、いまやいったんお試しインストールしたアプリはアンストールしても全部「マイアプリ」として一括永久表示というというキ印なページとなって、一覧性皆無になってしまった。これを編集する方法もない(いま調べたら Android 側からのみ「マイアプリ」ページを編集可能)。

 デスクトップの Chrome でもメニューバーを省略し、おかげでユーザーはどこからどう操作するか従来とはまるで違う操作体系を覚えなければならない。それを覚えるメリットがないので俺は Chrome を使っていないが、OS がこうなってしまうと選択の余地がないのである。

 こうしてユーザーの不自由さを毛ほども理解しない Google 様の超越ぶりが、Android 4.x では炸裂している。人間の直感に寄せるのがかつてはコンピュータの進化だったはずだが、今はコンピュータ側に人間が寄せることが強く求められている。たかが電話のために、たかだかネットサービスを使うために、なぜ人間が直感を捻じ曲げ膝を屈し「Google 様の新発想」を学ばねばならんのか。宗教か。フツーに便利に使わせてほしい

 韓国製ハードと米国製 OS の組み合わせは極めて使いにくい。日本は携帯戦争で負けた負けたと卑下しているが、負けたのは価格競争だけではないか。こういう道具のデザインを米韓にやらせといちゃ駄目なんだよやはり。

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