2009/06/21

日記「チャンスメーカー玉田」

「Nakamura バイク」「リズム天国ゴールド」ほか。

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■09/06/08(月) □ Nakamura バイク
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 Mのピックアップ時オーガニックストアに寄ると、隣のスポーツショップに自転車が並んでいる。お。これまで自転車屋や大型店を回り尽くし、萌に買ってやりたい普通の(前後ハンドブレーキでサスペンションなし)自転車が1つも見つからず困っていたのだが、こんなところにいいのがあった。


 Nakamura という聞いたことがないバイクメーカーで(※)フロントサス付き。サスペンションなどいらんのだが、フロントだけなら重さもかさまないからいいだろう。20インチは今の萌の身長 (135cm) にジャストサイズで、来年以降はやや小さくなるが、この上の24はもうティーンエイジャーサイズなのでこれが今はベストだ。俺のMTB体験からいっても小さいバイクのほうがコントロールがよく効くのである。これで決定だ。
(※)後で調べるとフランスのスポーツストアのショップブランドで、単に日本名は高性能っぽいと「中村」にしたのだとのこと(笑)。

 納品後萌と町内1周ツアーに出てみる。ハンドブレーキもギアも初めての萌はギクシャクと走るが、ギアを重くしてごらん、速くなるからと声をかけシフトアップにトライさせると、わーと喜ぶ。

 ブレーキはこれまでペダル逆回転ブレーキ(コースターブレーキ)だったわけだが、ハンドブレーキはペダルブレーキと違いスピードコントロールに使えるのだと説明し、直線を走りながらやらせてみる。慣れないうちは加減がわからずキッと止まってしまったが、ツアー後半には滑らかなスローダウンができるようになった。よし。危険で馬鹿なコースターブレーキにはもうおさらばだ。コースターブレーキは握力が低い子供に向いてるという能書きだが、子供の握力で止まらんような低性能ブレーキパッドなんていつの時代の話だ北米製造業よ。

 ハンドブレーキが左右逆(右がリアで左がフロントブレーキ)なのは嫌なのだが、カナダの自転車はなぜだかこうなってるのでどうしようもない。ロックすると危険なフロントは(大多数が利き手で)微妙なコントロールのできる右手で操作するのが合理的で、モーターサイクルは世界中そうなってるわけだが、左右逆のメリットって何かあるのだろうか。まあ車のハンドルと同じで、最初に作られたものがたまたまそうで、それが定着したというだけの理由なんだろうな。左ハンドルの車も不便だと思うし(※)、北米交通は全部左右が間違ってるといっても過言ではない。
(※)バック時最良の視界を得るには半身になりシート間から後ろを見るわけだが、右足がアクセル/ブレーキに置かれた状態では右半身にはなれないので、左ハンドル車では狭いヘッドレストの左脇からしか後ろは見れなくなる。阿呆である。

 そうして新操作体系を練習しながら町内を1周し、HNとLちゃんにバイクを見せ帰宅。俺が乗ってみると、20インチともなるとキッズバイクではなく子供用MTBだなと感じられるくらいの剛性がある。安い自転車はディレーラ(ギア)とブレーキの精度が低いのでちょっと心配してたのだが、シフトのタッチと精度にも問題はない。よし。よかったよかった。

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■09/06/12(金) □ 新バイクツアー
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 家の掃除、車の掃除、そして萌の新バイクの調整を行う。ブレーキの片効きを直し、レバーの角度を下げ指が届きやすくし、サドルを後方にずらす。こうしてバイクをいじっていると、井の頭や関東村でMTBをチューンアップしてた頃を思い出す。

 午後掃除を終わらせ、萌の新バイクの筆おろしとして久しぶりにエバーグリーンパークへ行く。林間のトレッキングパスを通っていくとプチ林道ツーリング感が味わえ、萌もうわーと声を上げるくらい気持ちいい。しかし萌はやはりペダルブレーキで育ったゆえに、購入後毎日乗っていてもまだハンドブレーキのコントロールがうまくいかないようだ。一度後ろから追突されてしまった。ハンドブレーキが左右逆なせいもあるかもしれん。現時点では右手ブレーキしか操作できず、右手はリアなのでロックしてしまい制動力にならないのだ。両手同時にじわっとかける練習をさせないとな。

 体操や空手をやってる頃は萌の運動神経は人並かと思っていたのだが、最近サッカーや自転車を一緒にやるとややお嬢様的にニブいと感じる。視覚と体の連動(Hand-eye coordination)が弱いっぽい。別にスポーツが得意にならなくてもいいのだが、自転車くらい自由自在にコントロールできるようになってくれないと困るので、こうして公園などで練習させよう。だが俺が張り切ってジャンプを見せたりしても、ぜんぜん一緒にやってくれなかった。まあ夏だし暑いしただ走るだけ気持ちいいから、あせることもないか。ボチボチいこう。

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■09/06/13(土) □ リズム天国ゴールド
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 【カタール戦雑感】◆つまらん試合であった。ウズベク、カタール戦と「調子悪くても俊輔中心」では、ジーコと同じではないか。カタール戦の俊輔なんかドイツWC時並みに悪かった。なんで日本代表監督はどの時代も俊輔を休ませることができないのだろうか(トルシエは特殊な例外として)。◆憲剛はやはりボランチのほうがずっといい。小細工せず素直に遠藤・長谷部・憲剛のうち疲労のない2人を使えばいいのだろう。◆本田は持ってるものが他の日本選手と違う。単純なスピードで勝負せずタイミングで敵をはずしてクロスを入れてしまう。中田みたいで面白い。頭は悪そうだが、Cロナウドだって明らかに頭は悪いだろうしな。以上。

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 英語キッズ接待用として導入した「Rhythm Heaven(リズム天国ゴールド)」は最高だ。楽しくて悔しくて何度もやってしまうミニゲームが延々と続く。歌が入っているゲームは日本のアイドルポップを完全に英語化していて感動してしまった。声と歌い方だけじゃなく英語詞まで完璧にカワイイのである。日本のアイドルとオタクたちをここまで見事に嫌味なく英語化するとは。英語世界には存在しないアイドルシュガーポップがここに現出しており、それが明らかに英語キッズに喜ばれているのだ。作者のつんく氏も快哉を叫ぶ現象だろうなこれは。

 ゲームは萌が俺よりも常に先行している。俺も追いつこうとしているのだが、楽しい景品がもらえるメダルを取ろうと思うとミスが0~1回しか許されず、シリアスにリズム感を要するゲームとなる。萌がさっさとメダルを取った「ドッスン農園」などで俺は延々と引っかかってしまうのだ。

 萌が「お父さんはリラックスしてなくて、だからこうなってるんだよ」と身振りでアドバイスをくれる。「...それはつまりリズムが走ってる、too early ってこと?」と、やっとパスできない理由を理解した。バンド時代同様、俺は走ってるのだ。優れたリズム感を持って生まれてないのは自覚しているが、それでも長年訓練しているんだからさすがに一般人に比べれば....と思ったら、やっぱ一般人レベルなのね(涙)。しかしそれでも面白い。

 萌もリズムはやや走る傾向があるのだが(それが普通)、簡単なゲームは初見でパスしてしまうことすらある。バンドブラザーズやこのゲームを通してリズム感が育ってるのかもしれない。俺もこうして小3からリズムを意識して育っていれば、もっとギターがうまくなったかもなー。チャーみたいな3連リフが弾けるようになりたくてメトロノームを買ったのがたしか高校2年だったが、あれでは遅かった。

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■09/06/15(月) □ 宮廷料理の謎
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 NHKで北京の故宮その他遺跡番組を見る。中国の故宮、宮廷料理というのは貴族の所有物で、中国の貴族は人民のためになど何もしてないわけで、豪華であればあるほど人民は反感を感じるのではないかと想像するのだが、中国の人々はどう思ってるのだろうか。老人が美しい頤和園を指して「これを残してくれた祖先に感謝しています」と語っていたが、皇帝は民族の祖先ではないではないか。これは「チャングム」の韓国宮廷料理もまったく同じことで、よくわからない感覚である。日本には「皇室料理」だの「殿様料理」だのはないわけで、それはいいことだと思う。

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■09/06/20(土) □ チャンスメーカー玉田
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 予選最終戦【豪・日本】の放送。序盤、豪はやっぱ1人1人がうまいなと感じる。プレスをかけても交わして前に進んでくるし、奪ってもすかさず重いプレスがかかってくる。やはりアジアレベルを超えている。個人技で日本を打ち破るタレントはいないが、全員がレベルの高いサッカーに慣れていることをひしひしと感じる。しかし日本のサッカーもレポートから想像したほど悪くない。キープ力に自信を持つ松井と玉田がボールを引き出し敵の守備ブロックを崩そうと試みる。

 20分、双方プレスが落ち日本がボールキープする時間が長くなる。岡崎が1人交わして玉田にクロスを入れクリアされる。こういうときにDFとゴリゴリと競り合いポジションを取れない玉田のFWとしての我の弱さを感じる。スマートすぎるんだよな。玉田はほんとにうまくてJリーグの誇りなのだが、このスマートさゆえか武藤さんが言うとおり黄金の左足が炸裂する頻度が低すぎる。Jでも点を取ってないんだからなあ(嘆息)。玉田が敵の守備ブロックを切り裂きストライカーが打つという形ができれば理想なのだが。

 前半中盤以降は完全に日本ペース。玉田がキッカーとなりセットプレーが続く。やっぱ玉田はチャンスメイカーだよ。ボールタッチがうまくボディバランスがよく、他の誰よりもDFの近くでボールを触り敵を引き付け、味方のためのスペースを作れる。そんなにブリリアントなアイデアは出ないが、近い味方に簡単につなぐからコツコツとポゼッションが高まりチャンスが生まれるのである。プレッシャーのない後方スペースから長いパスを送っても跳ね返されるだけで、中田、俊輔らがそれを繰り返すのはもう見飽きた。

 しかしチャンスメーカーとしての玉田のプレイはいい感じだが、玉田は実は1トップだというのが問題だ。彼の前にFWがいないのである。これはまず憲剛がトップ下に配されているのが間違いで、スピードとバランスと足技がない憲剛はトップ下ではボールに触る頻度が低すぎる。その3つを持つ玉田にあそこは任せ、憲剛は後ろに下がれば何の問題もないのである。玉田が引き付け憲剛に落とし憲剛がFWに出す。これが Football Manager ならば間違いなくシュート数は上がる(笑)。

 40分、トゥリオのゴール。競っていたのはケイヒルだった。勝っていれば痛快だったろうな。トゥリオはこの試合は攻守とも欧州レベルである。怪我がなければケイヒルのいるエバートンあたりは絶対レギュラーでいけるというプレーぶりだ。

 前半終了。結局驚いたことに前半は完全に日本のものであった。カタール戦よりもずっといいではないか。この違いは自身の体調の悪さからチーム全体の攻撃開始位置を下げてしまった俊輔がいるかいないかの違いだろう。しかしこの後豪の放り込みと疲れでやられてしまうのだろうか。

 イラン・韓国戦がちょっと映る。なつかしいパクチソンやマハダビキアがいる。文句をいうスジではないが、こっちのグループでも戦いたかったなあ。同じアジアに属しながら彼ら強豪とぜんぜん戦えないというのはもったいないことだ。1次2次を適当に切り上げ弱いチームを早めに落とし、最終予選を8チーム2年がかりでやれたら楽しいのだが。

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 【後半】豪が圧力を高めてきたが、あわてず落ち着いてペースを落としていけばまだまだ大丈夫...というところで、13分ケイヒルに決められる。が、日本も火を噴く反撃を開始する。豪が押せ押せになってきてもまだ全然対抗できてるじゃん。えらい。

 解説の山本さんは玉田の仕事量が少ない、名古屋にケネディが来たらポジションが...といっているが、岡崎みたいに相手を追いまくったり爆発フリーランをするところに玉田の持ち味はないわけで、運動量は増やさんでもいい。ただただフィニッシュを狙ってほしい。ゴール前でシュートを打つスペースを敵に与えないというのが豪の唯一にして最大の長所なわけだが、それをかいくぐって打ってほしい。

 そして一進一退の中30分ケイヒルに押し込まれ逆転。後半ここまでケイヒルは腕やハンドを使った汚いプレイも含め常時ギリギリのプレイで阿部を追い込んでいたので、その気の強さが結実したという感じである。あんな袖触れ合うのも鬱陶しそうな我の強い奴と気を張って戦い続けられる人間はそうそういないので阿部を責める気はせんが(―――神様中澤だってドイツじゃロナウドにありえないくらい簡単なヘッドを決められたもんな―――)、しかし阿部の競り負けはオシム時代にも東アジア杯でも何度もあったのに、なんでここで2人いるCBを使わないのか理解できん。山口でも槙野でも、ここで使われればたとえやられても先への糧になるではないか。

 残り10分日本の反撃。玉田のつっかけから矢野のシュート空振りまでいく。玉田の技巧はあまり重要じゃないところでさりげなく発揮されるので話題に登らないが、ボールをコントロールするタッチのうまさには惚れ惚れする。この試合ではまだ怪我あがりで本調子じゃないのかドリブルが見られなかったが、走りながら足にボールを吸いつけコントロール下に置くあのタッチの見事さは(英語では赤ちゃんがお母さんの胸に吸い付くのと同じ latch on という表現を使う)、全盛期の中田以来ではないかと思う(※)。黄金の左足一閃もついに出た。しかしこの試合このシュート1本かー(泣)。玉田は一番シュートがうまいはずなんだボックスに入れと山本さんはいうが、しかし玉田はシュートをたくさん打てる選手では明らかにない。やっぱチャンスメーカーだよ、彼の生きる道は。
(※)Youtube に 08 年代表での玉田圭司のダイジェストがあり、あのボディバランスとドリブルは本当に中田英寿だなと思った。蹴散らす相手がシリア、オマーンあたりだからピーク時の中田ほどの格は与えられないが、松井ら普通の技巧的選手とはモノが違う。また逆に、全盛期の中田には玉田並みのドリブルスピードがあったのだとも改めて気づく。そのスピードがなんらかの理由でなくなって前目でボールキープできなくなり、後ろから確率の低いパスを狙うことしかできなくなったのが後期中田の不調だったのだろう。今の俊輔も心配である。今というか、俊輔はWCでもCLでマンUを相手にしたときも後方で効果のないプレーをやってたので、単に相手が強いと中盤後方に埋没するというだけのことかもしれない。スペインで答えは出るが。

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 それで試合は終わったわけだが、後半もやられたという感覚は全然ない。人々の酷評レポートからの想像とはだいぶ違い、むしろ主力が抜けコンディションが悪くても日本は戦えるのだなと感心した。トゥリオが怒っていたのは、この程度の相手に勝てないのかという悔しさだったのだろう。それくらい豪の攻撃は弱く、それに勝てなかったのはもどかしい。

 日本が強くなっていることは間違いない。これは岡田監督がどうのというよりも、ジーコの停滞期とオシムの走力最重視期を抜けて、日本サッカーの成長が自然に発露してきたからだろうと思う。岡田就任直後に期待したようには必ずしも進んでおらず、適材適所とは思えぬ采配に陥っている岡田監督がこの後得心がいくようなチームを作ってくれるかどうかは心もとないのだが、日本はどんな状態でもこれくらいは戦えるのだと思うと安心する。

 今のままでWCで勝ち進めるとは思えないが、豪程度の国(欧州Bクラス)に粉砕されるなんてことはもうどうあってもありえないな。ここからポジティブなファクターを積み上げていけばよい。その中に願わくば、玉田正式トップ下案も入っていてほしい。ハーフライン手前でボールを受けた彼が高速ドリブルで敵を引き付け、マークの緩んだFWにスルーという、中田ペルージャ時代のようなシーンが見れたら最高だな。

2009/06/07

日記「ウオッカは国の宝」

「お米の品種」「萌謹慎」「カタブツ校長との対話」ほか。

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■09/06/01(月) □ お米の銘柄
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 昨日のバースデイパーティの疲れを感じる日。外は30度オーバーで強烈に暑くなっている。

 ライスが切れてしまい、いつもの銘柄を売ってるスーパーに行く時間がないので近所で安いカリフォルニア米(カルローズ米)を買ってみたのだが、炊いてみるといつもの日本商社の「特選錦」とあまり変わりがない。食堂のライス的安米感はあるが十分に食える。

 うまく炊けた「錦」は粒が立っておいしく、それと比較するとこの米は落ちるが、「錦」も実はばらつきが非常に大きく、袋ごとに炊き上がりが激しく違うんだよな。季節によるのかもしれんが、昨日終わった袋もその前も、どれほど水の量を変えて試してもべちゃっとするか硬いかで、一度も会心の炊き上がりにならずげんなりさせられたのだ(※)。その最近の「錦」とこの一般カリフォルニア米ではこっちのほうがむしろ好ましいのである。これは米の銘柄を変えるべきだな。
(※)「錦」は無洗米というやつで、多分それゆえに水量にナーバスなんだろう(無洗米は炊飯器の目盛りより多めの水を要する)。しばらく保温していると底が乾いて黄色くなるのも嫌なのだが、これも無洗米だからだろうか。

 カリフォルニア米は全般に炊きたてはおいしいけれど、冷えると硬くまずくなってしまう。2日に一度萌のランチにおにぎりを作ってるのだが、朝暖かいのを作ってやっても、昼ごろには硬くなりあまりうまくなかろうと申し訳なく思う。どうしようもないのだが。

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 調べてみると、今日食べたカルローズ米は

> Calrose (Botan & Shirakiku)
> M401 (Nishiki, Kokuho Rose, Hikari) Tamaki
> Short Grain (Koshihikari, Hitomebore, Akita Komachi and Sasanishiki) Tamaki Gold

 と「錦」と品種が違うらしい。なるほど。いろいろと研究してみよう。しかしここ数年食べてない伝統北米米「国宝ローズ」のプライスを今日見たら、値段が昔の倍になっていた。しょえー。

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■09/06/02(火) □ お米の品種
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 今日も真夏日。バースデイなので萌はおしゃれに首が開いたドレスシャツを着たがり、首の周りに念入りにサンスクリーンを塗っておいた。

 中華スーパーで売ってる日本人向けライス5銘柄くらいを眺め、「錦」と同程度(9kg/$20 前後)という予算から日本食ブランド Shirakiku Rice という、昨日と同じカルローズ品種米を買ってきた。炊いてみた感じは昨日のカナダ人向け一般カルローズ米より粒立ちがよく、それでいながらパサつきはなく、中までふっくらと炊けいい感じ。もともとべちゃっとした米が嫌いなので好みの食感である。噛んでみると甘みもありおいしい。冷めても「錦」より柔らかく、釜の底にあたる部分が乾いて黄ばむこともない。
カルローズ米:中粒種。日本の米と発祥を同じくするジャポニカ種(短粒種)であるが、穀粒の長さはタイ米などの長粒種(インディカ種)と日本米の短粒種の中間である。特徴としては中粒種であるため、短粒種と比べると水分値が低く、ねばり気も少ない。逆にタイ米などの長粒種と比べるとしっとりしている。また、香りや味を吸収しやく、冷えた状態でも比較的味が落ちにくい。世界各地において地中海料理、西欧料理、アジア料理の中でパエリア・リゾット・スープ・カレー・ドリア・サラダなどに使われている。

 カルローズ米はこういう特徴を持つとされる。粒立ちがよくパサつかず、冷めても味が落ちにくいと、自分の食感通りだ。「錦」のごとく水量になど苦労せず一発でおいしく炊けてしまったわけで、これは当たりだな。このカルローズ米を1月味わってみよう。

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 夏が来てハッピーな萌は疲れることなく外で遊び、だんだんいい感じに日焼けしてきて、短く整えすぎた髪型も適度にざんばらになりよろしい。麦茶を飲むと萌は、あー、日本を思い出すね、夏はいいねーという。ああ去年日本でみんなが飲んでたあのお茶ね、爽健十六なんとか茶だっけ。思いだせんが。

 誕生祝いの携帯メールを萌にくれたので、久しぶりに母さんに電話する。おととい初めて箱根に行き、「やっぱり長野の田舎と違う、東京のお客がくる名門行楽地」を満喫したそうだ。箱根は俺と弟OKOもバイクでさんざ行ったよ、いいよね。「そうそう、OKOも箱根はいいよーって言ってたのよ。まったくあんたたちは東京でよく遊んだんだね。残りの人生はもう遊べなくても十分ね」とのことであった。はは。

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■09/06/04(木) □ 萌謹慎
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 萌が学校でワルサをし、校長に言われ謹慎になっており、当分休み時間に外に出られないとのことで本を大量に持っていく。オーバー30&極限UVの日々だから外に出られないのはある意味ありがたいが、なにをしたのかと聞くと、物置に傾けて置かれたテーブルを滑り台にして遊んだとのこと。それは実に危険そうで、見つかってよかった。

 しかしこの件について書かされたという詳細なレポートというのがなんだかいやらしい。「誰が関与したか」を書く欄があり、萌はその場にはすでにいなかった生徒の名前まで書いてしまったというのである。なんだそりゃ、警察の調書かよ。Mも話を聞いていぶかり、あたしは当分学校へ行く時間がないからトモがどういうことなのか問いただせと命じられてしまった。げげ。あの校長と俺が直接話すのか?

 今年きたあの校長は昔風の堅物で、つまらんことで生徒を叱りつけてるのを何度も見たことがあるし(というか生徒とコミュニケートしてるのは叱ってるところしか見たことがない)、こないだホワイトキャップスを見に行ったときには、子供に影響を与えるから親も喋るなと俺自身が叱られた(^_^;;)。

 Mらリベラル気質のPTA役員はあの校長の規律と体育重視、自由と知育軽視の方針と衝突し、ごっそりとやめてしまっている。残ったのは校長同様スポーツと競争と募金を愛すペアレンツばかり。全校挙げて体育と規律と競争方面に突き進んでいる感があるのである。あの人と話すのかー。気が重い。

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■09/06/05(金) □ カタブツ校長との対話
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 午後、早めにいって校長と話す。萌が罰せられた件について話したいんですがと切り出すと、ことがいかに危険だったか、誰も怪我をしないうちに私が発見できて幸いだった、でなければ大変なことになりかねなかったのよミスターサカータと、立て板に水でベラベラベラと喋りまくる。萌が叱られたことに俺が不服を持ちネジ込んできたと思っているらしい。そうじゃないんだけどな。この校長はなぜか俺の名前を知ってるのだが、それはおそらくスクールポリシーの件で自分といさかった「旧PTA役員Mの夫」として名簿かなにかで認識してるのだろう。それで俺を警戒しているのだと思われる。

 「いやほんとそれは危なかっただろうし、あなたが見つけてくれてよかったんですが、レポートを書かされたということにやや懸念を抱いておるのです。そのレポートを見せてもらえないですか?」。すると「レポートを書けば子供も危険を認識し、父兄にも周知徹底されるわけなのよ」とまた立て板に水。なるほど。

 レポートを読んでみるとやはり萌が言ったとおり、「誰が関わったか」を書く欄がある。これが問題なのだよ。「つまりですね、この『誰が関わったか』欄に不安を感じるわけです。萌はもうその場にはいなかった、つまりあなたに捕まらなかった子の名前も書いてるんですよ。あなたがそれを使ってどうこうするとは思わないけど、こういうものを書かされることは、自分の子が警察の取り調べを受け仲間を売ってしまったみたいな居心地の悪さを感じますね。僕個人の意見ですけど、それを知っておいていただきたかったわけです」。

 校長は、「なるほど。ご意見をいただけ感謝しますわ」という感じの答え。これで何かが変わるとも思えないが、俺は何も気づいてないであろう彼女に対し、これが不愉快だということをきちんと伝えておきたかっただけだ。これで話は済んだ。

 萌のレポートにはかわいい滑り台のイラストが添付されていた。こりゃ本人は校長に叱られても全然こたえてなかったなと思い、萌さ、校長に話を聞いたけど実際危なかったんだよ。反省しなさいよと改めて叱っておく。やれやれ。

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■09/06/06(土) □ ウオッカは国の宝
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 朝7時からウズベキスタン戦。4年前はまだ間に合わなかった、WC予選がネットで見られる時代がついに来た。ウズベクのスタジアムはうおおおとうなり声がこだましている。燃える。前線は大久保、岡崎。

 双方落ち着いた出だし、ウズベクは第1戦でも思ったとおりやはり強い。個の力があるしホームゆえプレイに力感がみなぎっている。この2戦のフレンドリーのように軽々とはチャンスを作れない日本。

 と憲剛のふわっとしたチップを岡崎が中山ゴン的に強引にねじ込んでゴール。岡崎は北京では普通の速い系FWかと思っていたが、あの大チャンスともいえぬボールをDFと競りつつ転ばずに打てるところがすばらしい。

 遠藤のFKが弾かれたところを大久保が詰めて2点目、と思ったらオフサイド。なんであのFKでオフサイドになるんだ、ありえんだろう(誤審?)と思ってるうちにカウンターでピンチと、ウズベクの攻撃陣には危険な速さと強さがある。

 20分経過:ウズベクが俊輔遠藤をつぶしにこないので余裕でボールを持て割合に楽な試合になっているが、華麗な日本のパスワークといったところもほとんどない。先制しているしアウェイだし、縦への仕掛けは無理せずポゼッション優先でいこうという流れになってしまっている。勝負としてはそれでいいのだろうが、せっかくチームはいい流れで来ているのだからただ勝つだけではなく、強い相手が必死に来るのを受け止め力でねじ伏せるという、これまでにない勝ち方をしてひと皮むけてほしいのだが。

 30分経過:攻められてはいるが要所は抑え、リスクは少ない時間消費が続く。怖いのは敵ゴールより接触による怪我だなという感じで前半終了。うーん。つまらん。キリンカップの大勝で代表人気が回復してるとのことだが、この試合は期待はずれといわざるを得ない。相手はキリンカップよりも強いのだろうが、それを明確に上回っていかなければ先の夢はないではないか。これが終わったらあとは消化試合とフレンドリーしかないんだぞ。

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 後半:守備にだけ貢献している俊輔を下げ本田を入れ攻撃にシフトしてくれんかなと願うが交代はなし。俊輔のところでボールが停滞する。「攻め急がずポゼッションを高めよう」というメッセージを発しているわけだが、そうやってボールを落ち着かせる役は遠藤がいるわけで、俊輔までペースを落としていてはまともな攻撃にならんではないか。守備でキャプテンシーを発揮し攻撃で仕事はせずと、俊輔は晩年の中田化してきている。それは日本代表にとっていいこととは思えないのである。欧州一線から身を引くことを決め、代表での役割もこうしてシフトし、彼は攻撃手としての自分の力の衰えを感じているんだろう。FKが最近全然いいところに飛ばないように、技能派サッカー選手ってキックの精度が衰えるんだろうか。

 フレンドリーでは成功したらしい憲剛トップ下も、相手が厳しいここでは機能していると思えない。憲剛にはスピードやドリブルはないわけで、ボールをもらい自ら勝負するポジションではやはり本職にかなわないだろう―――と考えていると憲剛に代わり本田。はーあ。俊輔も憲剛も期待はずれである。

 最後は押し込まれコーナーが続く。遠目からしか打たれないようある程度コントロールできているので松木があおるほどの危険は感じないが、反撃してしのぐこともできないまま時間は進む。最後にはまたも誤審で長谷部(岡田監督も?)が退場になり、この辺はさすがにもう守り切れないかと感じたが、楢崎の好守もあり完封で予選突破となった。

      ◇   ◇   ◇

 4年前と同じく今回も予選突破の感慨は薄い。WCでは今日の試合より楽な相手なんてないし、またこれからWCまで今日ほど必死の相手と戦う機会もない。これから1年間フレンドリーではまた華麗に勝ち、本大会になると必死の相手を崩せず終わりという、ジーコ時代をリピートするんじゃないかと思うような試合であった。岡田監督にとっては負けたバーレーン戦に次ぐしょぼい試合といえるだろう。

 まあ冷静になれば、まだアジアのAクラスの本気の相手をアウェイで凌駕するほどの力は、日本にはないということなんだろう。「フレンドリー/良好なピッチ/良好なコンディション」といった条件が揃えば日本は強い相手ともバリバリに戦えるわけだが、どれかの条件が欠けるとガタっと力が落ちる。WCで世界を驚かすにはその落ち幅を小さくするしかないわけだが、どうしたらよいものなのか。

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 【安田記念】ディープインパクトよりも俺を感動させる馬、ウオッカが出るレースは見逃せないぜと今日2つめのネットスポーツ観戦。前走のヴィクトリアマイル7馬身差は本当にすごかった。



 今日は中段内々を進んだが、直線で前が完全に壁になり、その前5~6頭の馬がみな強いので足が止まらず、直線半ばを過ぎてもまったく抜け出す隙間ができない。ああこれはいくらウオッカでも物理的にどうしようもないと誰もがあきらめ、残り1ハロンの先頭争いに目をやったところで、ついに彼女がわずかな隙間を見つけ割ってくる。―――来た! 来た! 来た! 残り100mで5頭をごぼう抜きゴール!

 「なんですかこの強さは!」と叫ぶアナウンサー。「歴史的名牝ですよ」と唸る井崎脩五郎、それにかぶせて「世界(世界的名牝だ)!」とつぶやく小島太。まったく同感である。すごい馬だ。君はオグリキャップなのかと笑ってしまうレースを何度も何度も見せてくれる、彼女は日本の宝だ。朝のサッカーはつまらなかったが、ウオッカ様のおかげで気分よく眠れます。

2009/06/01

日記「子供のコントロール」

「あんな小さな田舎の町で」「ソルトスプリングアイランド」「知るや君」ほか。

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■09/05/20(水) □ あんな小さな田舎の町で
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 NHK国際で「SONGS山崎まさよし」が放送された。敬愛するキヨシローの訃報を彼はツアー先の長野県須坂市(わが故郷)で受け取り、ステージでそのことを語りRCサクセションを歌ったそうである。30年前にRCも同じ須坂の市民会館でライブをやったのだ。「こんな田舎にヒトが住んでるのかと心配になったぜ」とキヨシローが毒づいて。

 私が山崎のライブホールにもしいたら、「キヨシローも大昔にここで歌ったんだぜ!」と大声で彼に教えてやりたかった。あんな小さな田舎の町にRCがきたのはブレイク直後のあの時期以外ありえなかっただろうし、山崎まさよしという人気者が来ることもそんなにはないだろう。偶然がピンポイントで交錯する不思議を感じる。

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 サッカー日本代表メンバー発表。こないだのガンバ戦でピッチ上で最高のプレイヤーだった浦和の山田直輝が入った。現時点ですでに中田が出てきたときのような「格」を感じさせる。あの2つのシュートが入っていればいずれ欧州移籍? と思うくらいのすごいプレイだったからなー。

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■09/05/22(金) □ ソルトスプリングアイランド
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 親族揃ってソルトスプリングアイランドへ。フェリーで島に着くと10時半でもう真っ暗だったので町の様子はよく分からなかったが、細くアップダウンの激しい道の脇にコテージが並び、その向こうに入り江や湖が見える。「なんか黒姫・野尻湖みたいだな」というとMもうなずき、これが典型的北米リゾートなのよ、だから野尻湖は日本に住む外国人に人気があるのよという。あ、なるほどね。

 道は期待したタイトコーナーというよりもとにかく細く、トラクションを云々するほどの速度は出せない。そんな低速ツイスティではエリオは本領を発揮し、クルクルと小気味よく向きが変わり楽しい。高いGをかけたときにいい味はしない車だが、Falken Ziex ZE-912 をフロントに回したおかげでグリップ感(=外輪のトラクション)とそれを探れる多少のコントロール性は出ており、どこを走ってもそこそこ楽しめるなというところで、カエルの声がげろげろと気持ちのいい湖畔のコテージへ着。カナダにもこんなにカエルっているのか。明るくなったら姿を見つけたいな。

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■09/05/23(土) □ Cusheon Lake Resort
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疲れていたのでよく眠れたが、慣れない明かりと物音で5時頃目が覚め、Mたちも6時半で起きてしまった。まあ天気はいいし目の前は絶景の湖だし文句ない。

まず町のフリーマーケットへ。虫型ステンドグラスなどいろいろと変なものが売っていて楽しい。小学校から高校くらいの地元の子供たちが小遣い稼ぎでクッキー販売だとかいろいろとやっていた。この高校生コンビはバグパイプのスタンダード曲にオルタネイティブ風ボンゴを加えてノリノリグルーブをかもし出し、大ウケ&大稼ぎであった。彼らはそれに値するパフォーマンスだったけれど、まだ音程も合わせられないバイオリンを弾く小学1年生ですらもケースに5ドル札を放り込んでもらっていた。世間は子供に甘い(笑)!

 コテージに戻り萌とともにカヌーを初めて体験する。最初は普通のボート(シングル漕手)に乗ったのだが、パドルが悪くてまったく進みやしないのでいったん戻り、これまで乗ったことがなくちょっと怖かったがカナディアンカヌーに乗り換えた。見た目のとおり幅がボートより狭いので、やはり相当な左右の揺れがある。左右の漕ぎタイミングが悪いところで一致したりするとグラっときてけっこう怖い。これに風と波が来たら転覆しても不思議ではないなあ。

しかし2人で悪戦苦闘するうちにコツが掴めてき、船体を操作できるようになって来た。急ターンをするときは前に座る萌がイン側にパドルを突っ込み固定し、俺が外側をガシガシと漕ぐ。進むときは互い違いに水面をかく感じで漕ぐと推進力が途切れず効率がいい。やっぱこの推進力の高さは普通のボートやゴムボートでは得られないよな。気持ちいい。初めてマウンテンバイクに乗ったときに、剛性が高く普通の自転車とぜんぜん動きが違うと感動したが、その体験に似ている。どんな乗り物もコントロールできると楽しさが倍増で、よしあっちへいこう、次はこっちだ、ADたちの船を追えと湖面をすいすい動き回り、すごく楽しかった。

 これで湖がハリソンみたいに大きいと、波も出るし風で流されたら「遭難」になってしまうし、ジェットスキーらが大騒ぎしていてリゾート気分どころではないのだが、こういう小さな湖はやっぱ最高だ。夏には泳げるとのことだし。カエルは昼間はどこにいるのか、まったく見つからなかったが。

やっぱリゾート地はいいな。湖だけを見れば隣町 Port Moody のビーチやレイクとほとんど変わりはなく、だから俺は遠出の前はいつも「BCはどこかへ行かなくてもいいところ」と冷めているのだが、近場は車を止めるスペースもないほど混んでしまう。こうして遠くまで来れば、これだけの静けさが手に入るということなのですね。朝のマーケットだって、もしメインランドだったら徒歩圏になんか車は止められないくらい混むわけだしな。

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 晩飯を食べに町に行くのに、ADのBMW330iに初めて同乗する。後ろに乗っている限りでは、想像通りすごく出来のいいレガシィという感じだった。35R という偏平タイヤでコーナーをキックして島のツイスティロードをグイグイ曲がりながら、ショックは吸収され不快感がまったくない。俺が乗ってたレガシィ96の場合ペースを上げるとGの立ち上がりがきつくなったり、アンダー解消にステア操作が大変になってきたりしたのだが、そこは当然万全なのだろう。

 総じてさすが世界最高峰セダンだなと思うが、一方でレガシィと大差はないのねとも思う。自分で運転すれば当然これまでのクルマ経験で最高の気持ちよさが味わえそうだが、想像を超えた「夢のドライビングプレジャー」みたいな特別な乗り物ではなさそうだ。これほどよくできた名車で曲がっても、モーターサイクルのような完璧なバランス感は得られなかったのである。四輪はやっぱり二輪にはかなわないな。それとも、ADはフェラーリをほしいと冗談めかして言うが、ああした純スポーツカーならば乗用車では手に入らないものが手に入るのかな。

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■09/05/27(水) □ 「知るや君」
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 いま TV Japan(NHK がメイン)で一番面白い「シャキーン」を毎週萌と見ており、今週も「笑いの Show 学校」など秀逸なコントに大笑いしたのだが、先週今週は「知るや君」というすばらしい歌が入っていた。


こゝろもあらぬ秋鳥の
声にもれくる一ふしを
知るや君

深くも澄める朝潮(あさじお)の
底にかくるゝ真珠を(しらたま)を
知るや君

あやめもしらぬやみの夜に
静にうごく星くづを
知るや君

まだ弾きも見ぬをとめごの
胸にひそめる琴の音を
知るや君
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作詞:島崎藤村
作曲:サキタハヂメ
うた:熊本野映
現代語訳:小山哲朗
監修:鈴木昭一(藤村記念館長)
アニメーション:坂井 治
イラストレーション:朝倉真愛
(参考: だいえっとん:シャキーンの新曲「知るや君」がすごい)

 これは誰の詩だったか、高村光太郎? と検索してみたら、島崎藤村だそうである。詩もメロディも楽器の演奏も歌う声もみな美しい。カナダの子供チャンネルはひどい騒音の巣窟なので、「シャキーン」や「みんなの歌」を聴くとほっとする。

 萌もこの歌を気に入り、この歌は文語バージョンと口語バージョンの2つがあるのだが、文語バージョンのほうが好きだという。「しーってるかーい」よりも「知ーるやきーみー」のほうがきれいと感じるのだそうだ。うーむ、そんな微妙なところがわかるとは。えらい。

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■09/05/29(金) □ 子供のコントロール
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 バンクーバーホワイトキャップスが萌の学校でサッカープレゼンテーションを行うというので、よおし平野に声援でも送ってやるかと日本語学校の先生まで誘って見に来たのだが、来たのはチームではなく男女2名の若手選手だけだった。ありゃりゃ。まあ考えてみればプロチームがシーズン中に近郊町村の営業には来ないよな。当たり前か。若手がいろんな基本スキルを見せ、子供たちを盛り上げキッズサッカーキャンプに勧誘するというだけのイベントだったのである。やれやれ。

 話をするユースプログラムの親玉おじいさんは、ミスター・レナドゥージと呼ばれていた。その名を聞いてえっと顔を見ると、そういえば90年代のカナダ代表監督ボブ・レナドゥージに似ている。さてはボブのお父さんか(※)。しかしそんなことを知ってたのは、あの体育館にいた人間で俺だけであろう。
(※)あとで調べたらお兄さんであった。そういえば80年代はサッカーのレナドゥージ【兄弟】がWC出場を実現してブームを巻き起こしたとMが言っていた。その兄弟がバンクーバーホワイトキャップスを運営しているわけなのね。

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 夕方は毎年恒例のスクールダンスパーティ。帰り際プレイグラウンドにいると、NKの息子が小さなキッズらと鬼ごっこをし、6~7人にからかわれてだんだんと我を失っていく気配がする。彼は自閉症で、興奮するとコントロールが利かなくなることがある。まずいなと思い、調子に乗ったキッズがウッドチップを投げつけ始めたところで止めに入った。で落ち着かせようと「えらい目にあったね」と彼の肩を叩いてみたのだが、放っておいてくれと手を振り払われる。

 まあこれで大騒ぎは静まったし俺にできるのはここまでだなと帰ろうとすると、興奮した彼とぶつかって転んだかなにかでやはり泣き出す子が出た。仕方がないので、「彼は興奮するとコントロールがすごく難しいんだ、自分がコントロールできないんだよ」と説明しながら泣く子を親のところまでおぶっていってやる。これは言っておいたほうがいいなとNKも探し、これこれでおたくの息子が興奮しラフになってしまい、俺には止められなかったよと説明しておく。

 子供らをコントロールするのは難しいよなあと、俺は落ち込んでしまった。静かな環境で個々と話すならなんとでもなるが、こういうケオティックな状況で多人数と意思を疎通するのはほんとに難しい。日曜は萌のバースデイパーティで、今年は間が悪くMが不在のパーティとなり、つまり俺が1人で9人を見なければならない。気が重いのである。

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■09/05/31(日) □ 子供のコントロール2
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 録画しておいた日本ダービーを朝見る。どの馬を応援していたわけでもないが、ロジユニヴァースが抜け出たときには、あっ、ノリだと胸が熱くなった。メジロライアン2着のダービーを府中で見てからなんと19年である。そんなにも長いことこのレースを勝たずにいたのか横山ノリ。おめでとうのゴールイン。

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バースデイパーティ@パーティ専門施設:2時間45分という長丁場のパーティなので、のどが渇いてないか、みながうまく楽しんでいるかなどといろいろと目を配り気を使い疲れた。みんな十分に楽しんでくれたと思うが、唯一の問題はクラスのワガママ娘ALで、萌が自分「だけと」遊ばないといってスネて萌を困らせる。これは予期していたので俺が早期に察知し、駆けつけて俺に任せろと萌を他の子のところに行かせ、So, 何が問題なのよALとこんこんと話す。

 ALは「今日は私(だけ)と遊ぶと萌が約束したのよ」と主張する。「しかし萌のパーティにみんなが来てるんだから、萌が君『だけと』遊べるわけがないだろう。行ってみんなと一緒に遊びなよ」「でもあたしはあそこで遊びたくないのよ!」「そんなこと言ってもどうしようもないだろう (there's nothing we can do)」といった塩梅。まったく、話し合いの余地もない。とにかく萌と他の子が不快な思いをしないようにと目を配りアシストを続ける。ALのことも、ほんとは放っておきたい気持ち満点なのだが(笑)、みんなと一緒に乗り物に乗せたりして楽しませてやった。

 JDも実はジム遊びをあまり楽しんでなかったのだが、これは学校でも公園のプレイグラウンドでも同じで、大人びてファッションに一番興味がある彼女は子供っぽいぎゃーっといった遊びがあまり楽しめないタチなのである。これは仕方がない。彼女は会話が始まると生き生きと輝くところがあり、食事になって俺が隣に座り話しかけてやると俄然機嫌がよくなった。

 ところがこの食事中またもALが、みんながまだ食べてる最中から自分のプレゼントを最初に開けろと萌のところに持ってくる。まだプレゼントタイムじゃないんだからちょっと待てと押し戻すが、しばらくするとまた同じことを繰り返し、さすがに二度目にはそこにいる一同 (やれやれ) という表情であった。



 ともあれそれ以外は問題なくすべてがうまくいき、いやー大成功のパーティだったねと片づけをしていると、萌が「でもALがね...」と自分で言い出した。これまでALの理不尽な行いを俺が指摘しても萌が自分から言うことはなかったのだが、今日はさすがに腹に据えかねたらしい。「まあALはいつもああだからサプライズではないよ。だから彼女がハッピーなときは一緒に遊んでさ、スネたら放っておくしかないよ」「うん」「あれは彼女自身とペアレンツが直さなきゃならない問題で、わしらにはどうしようもないからさ。とにかく彼女に何か言われても萌がしたいことを変えちゃ駄目だってこと、まあいつも見てる限り大丈夫だと思うけどさ」「うん」。

 ほんと、ALの親はあの性格を直そうとしてないのかなといつも不思議に思う。学校の送迎は英語がほとんどわからんおばあちゃんだから、友達関係でのあの素行の悪さはわかってないのかもしれんが、家でだって同じ人格なわけだろう? あんな性格でこの先のスクールライフが楽しいわけがないではないか。はーともあれ無事終わった。疲れた。