2011/02/28

日記「ドミニオンの結論」

「プエルトリコ最後の開眼」「ニッポン売れてる音楽問題」ほか。

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■11/02/18(金) □ 子供のカルカソンヌ
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坂道が気に入ってくれたノボリ君
最近イモリたちが元気で、盛んに散歩したり運動してくれる。いろんな地形ができるよう浅瀬を減らし坂道を作るなどレイアウトを変更したのがうまく行ったのもあるし、先月入れた活発な新イモリが刺激になってるせいもあるだろう。活動してくれるとイモリってほんと見飽きない。動きのユーモラスさとアナーキーさは、サル山の猿を見てるような楽しさがある。

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学校が休みで天気がいいのでHN兄弟を呼ぶ。萌とHNが速攻でガールズ盛り上がりに入ったので、俺はKTが退屈せぬようカルカソンヌに誘う。テレビゲーム小僧のKTはやはりゲームだったらなんでも面白さがすぐに分かるようで、町と道と修道院というメカニズムがわかるとさっそく修道院をぐるりと取り囲むレイクロードという美しく高得点の町を作り始め、これがクローズしたらすごいよと盛り上がる。実にカンがいい。俺が乗っ取り方法を指導して2つ乗っ取りにも成功して、彼が勝ち初回から非常に盛り上がった。

カルカソンヌはまこと偉大で、萌の友達の子供らにもこうして広めていきたいものだが、問題は萌がすでに強すぎて、子供同士でやらせたら1人勝ちになってしまうことだよな。手加減したらそれはそれで喧嘩になってしまうだろうし (^-^;。子供たちだけでボードゲームをやらせるなら、勝ち負けがないパーティゲームを探したほうがいいのかもしれない。


バルバロッサ
粘土を使った形当てゲーム「バルバロッサ」がどう見ても面白く、これは粘土さえあればできる遊びだというのでこないだ萌と簡易版をやってみるとまこと盛り上がったので、使いやすい多色粘土を見つけて子供らとやりたいものである。

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■11/02/19(土) □ プエルトリコ最後の開眼
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プエルトリコ(Tropic Euro)は COM (強) の港出荷を1人では止められないと結論が出たので、このPC版はもうお蔵入りかなと思いつつ、最後に COM (強) 同士で4P戦をやらせてみた。すると驚いたことに、俺がまったく勝てない港出荷野郎が最下位となった。えー!?

1) ギルホ (タバコ4枚集中取り→10 点建物2軒(ギルホ&砦))
2) 港2番手 (コーヒー農場→港・造船所)
3) 初手宿屋 (建設現場→砕石4→10 点建物)
4) 港一番乗り出荷男 (インディゴしか売れるものがなくジリ貧)

そうか。俺は単に金づくりが下手で、あるいは港出荷を止めようと力を傾注しすぎて、10 点建物を複数作れないから COM (強) 港出荷型に負けてるのだ。そうだったのか。まだあきらめてはいけないプエルトリコ。

この1位の手を参考に、タバコ農園から商館を作りこつこつお金を貯め、出荷は敵の出荷量を少しだけ削れるようにする程度でまったく力を入れず、無駄な出費を抑えて市役所→小倉庫→税関とこつこつ作っていったらロースコアながら1位! か、勝った。敵全員 COM (強) で初の建築勝ち。やっ・た\(^-^)/。自分が初期の金策をうまく進めれば、港出荷野郎にも勝てるのだ。サイコー。さすがボードゲーム史上世界2位の名に恥じず、見事にバランスは取れていたのである。このバランスを学ぶのに2週間もかかった俺がバカであった。

こうして《コーンは出荷型に渡さぬようできるだけ拾う、コーヒー工場は高価なので稼働開始が早いタバコ工場で資金稼ぎ》というベーシックな勝ち方が掴めると、勝てるならば必死こいて一本道で勝とうとせず、いろんな打ち手を楽しもうという気にもなれる。これからはさまざまな戦術バリエーションを楽しんでいこう。

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■11/02/21(月) □ ドミニオンの学習
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ドミニオン・クローン for Windows
絵柄はオリジナルにしてあるし
強いし、見事なデキです
プエルトリコは一段落した感があるので、家事と萌の相手の合間に大ヒットカードゲーム「ドミニオン」のルールを習おうとしたが、からきしわからない。取ったはずのカードが取れていない。何か根本的に普通のカードゲームと違うルールなんだと思う。

ネットをあちこち読んでPC相手に試し、やっと「取ったカードは手札に来ず、自分の捨て札に入り、後から使えるようになる」という変わったルールなのだと分かり、ゲームを進めることができるようになった。しかしそのカードの効能が超面倒である。
【泥棒】他のプレイヤーは全員、自分の山札の上から2枚のカードを公開する。財宝カードを公開した場合、その中の1枚をあなたが選んで廃棄する。あなたはここで廃棄したカードのうち好きな枚数を獲得できる。他の公開したカードはすべて捨て札にする。
【密偵】各プレイヤー(あなたも含む)は、自分の山札の一番上のカードを公開し、そのカードを捨て札にするかそのまま戻すかをあなたが選ぶ。

この調子で長文の効果を読まねばならない。しかも意味が分からない(笑)。ネットで検索し熟練者が意味を解読したものを読んでやっと効果が分かるのである。カードが持つ効果が非直感的すぎ文章が下手すぎるのだ(これは訳は直訳で、原文が下手)。プエルトリコの「市場=売却価格が1増える」はなるほど市場だもんなと一発で了承できるが、「【泥棒】他のプレイヤーは全員自分の山札の上から2枚のカードを公開...」などという言葉と効果に何のつながりもない人工的なルールは覚える手がかりがなく、理不尽さを感じる。

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ともあれルール解説を読みながらの5回目のトライで、山札と手札というややこしいシステムの仕組みがやっとわかった。つまり

◆山札、手札、捨て札は全部自分の持ち札で、それがサイクルする
◆その全部の持ち札の中から手札5枚だけを1ターンで使うことができる

これがこのゲームシステムの全貌なのである。説明書(原文)の一番最初にこの2行の説明を図入りで書いておけば一発でゲームの仕組みが分かるのに、8ページ目までテキストを読まないと捨て札がサイクルするということがわからない。英語圏の製品は電気製品でもなんでもこの体たらくで、説明書が滅茶分かりにくいのである。他人に何が分からないかが分からない人種なのだ。説明書を書かせて世界一は日本人だろう。

で、その5枚の手札内に+3カードなどのアクションがあればさらに3枚を山札から足してそのターンで使うことができる (アクションは+アクションカードがあればどんどん連鎖する)。使ったカードと手番で獲得したカードは捨て札に入り、あとで山札が尽きた時点でシャッフルされ山札となる。つまり買い物に支払った金さえも捨て札経由で戻ってくるのでケチる必要はない。持ち札はどんどん増えていくのだ。なるほど。やっとわかった。俺はなんて説明がうまいんだ。日本人説明バンザイ。

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あとはカードの効果を覚えれば徐々に戦術も立つのだろうが、現時点でそこまでやる気はしないので適当に。とりあえず中盤からサンクトペテルブルクと同じ要領で徐々にお金を勝ち点にしていく。勝ち点が増えるほど手札内のお金がなくなり買い物はしづらくなるが、手札の+金カードで足すことができるのでさほど不自由にはならない。1戦目は 75-59-[27]-25 で3位。初ものゲームにしては普通に戦えたほうだろう。やはりサンクト、サンファン、プエルトリコと学んできたボードゲーム学習効果は大きい。

アクション効果を継ぎ足していく感じはなかなか楽しい。連鎖だ。TVゲームみたいだ。しかし大ヒット作というほどの面白さは感じないので、あちこちのゲームサイト記事を読みながら寝よう。

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■11/02/22(火) □ ドミニオンを8戦連続
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【ドミニオン】初期カードセット以外で数戦やってみて、「堀」というカードが気に入った。これを買っておくと敵の攻撃を防御できる可能性が高まる。この《攻防がある》ところと、可能性が《高まる》というところで初めて、ドミニオンを面白いと思った。つまり手札は自分で選択できないので毎回「堀」を出し防御線を張っておけるわけではないが、2枚ほどデッキに入れておけば高い確率で攻撃を防いでくれる。それがデッキを強くするというこのゲームのテーマなんだ。なるほど。堀は敵の攻撃をことごとく遮り、しかも手番になったら手札を増やしてくれる。このカードのマメな働きには愛情を感じる(笑)。

そして「村の広場」セットで初勝利。カード連鎖で手札に金と銀を複数枚入れることができ、高い勝ち点カードをバンバン買えた。これでドミニオンはわかりました。面白いが、現時点では同じく金銭→得点のサンクトペテルブルクと同等という感じ。プレイしているうちに「堀」の他にも好きなカードやカードコンボが見つかり、柔軟性の高さでサンクトペテルブルクを超えるだろうが、そこまでやり込むかはまだ分からない。

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とか否定的な感情で始めておきながら、気がついたら夜中まで8戦もやりまくっていた。やっぱ面白いんである (^-^;。プレイが非常に軽いのがいい。デッキ全体としてこういう方向で点を取りたいというおおまかなグランドデザインだけを持ち、後はその場その場の自分の手札を見た最善手判断だけで進められる。このごく手軽でありながらちゃんと考えどころもある愉しさはカルカソンヌと共通している。

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■11/02/25(金) □ ニッポン売れてる音楽問題
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【NHK B'z の番組】サザンオールスターズより B'z のほうが売り上げ総計が大きいというのにはぶったまげた。俺は1曲も彼らの曲を知らないのである。海外暮らしとはいえ俺だって NHK や TV Japan でやってるタモリの歌番組で彼らを何度も見てると思うが、ほんとに1曲も記憶に残っていない。それが日本一のバンドなのだみたいに言われると、ちょっとちょっとと言いたくなる。

記憶にないのは音にも言葉にも興味を感じないからで、この番組を見てますます興味がなくなった....という言い方もヘンだが、興味を感じない理由がよくわかった。「(こんな僕に?)よくぞつきあってくれたね~」なんていう歌詞とメロディを発するセンスにはついていけないのである。

ギターの人がスタジオに篭りギターソロを何度も録り直し、ボーカルが節制し毎月医者に喉をチェックしてもらっているというこのドキュメンタリーが示すように、彼らの音楽は努力と鍛錬から生み出されている。努力と鍛錬はもちろん尊いが、それは音楽や表現のよさとは別系統の尊さであり、直接結びつくものではない。全くこの番組は音楽というよりも工業製品の苦闘する生産現場ドキュメンタリーのようであった。―――あ、あれだ、これは「プロフェッショナル 仕事の流儀」だ。俺はあの番組が苦手なのである。

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B'z とは関係ないが NHK の歌番組で毎週大騒ぎされている AKB48 とかの売れっぷりも馬鹿馬鹿しい。萌はこういうガールズグループを見ると「これって日本ぽいよね」と失笑するが、グーフィ(クールの反対)な格好をした女の子たちがえらい大勢でスキップして歌ってるだけなんだから、カナダの10歳から見たら児戯と見えて当然である。俺の希望に反し萌ががっぷりハマっているケイティ・ペリーなどの US ポップも全部くだらないけれど(マイケルジャクソンやマドンナやプリンスが一度は開拓したポップ音楽の土壌から出てきておいてその前時代的凡庸さはなんだ、と)、AKB48 とはさすがに比較されたら恥ずかしいくらいなもんである。

なんで日本ではこう幼稚性がもてはやされるのだ。こんなものは中学生の学芸会ではないか。学校でガールズがこれをやって同級生がやんやの喝采というなら話はわかるが、商業として大成功し、大人がすごいですねえとお追従を言うというのはどう考えてもおかしいだろう。

子供も大人も聴く音楽を間違っている。子供はシャキーンを、大人は「等身大の歌詞にすごく共感する」とかそういう努力と鍛錬レベルのことばかり言ってないで、思いもよらぬほど美しい言葉とメロディを届けてくれる本当に才能あるミュージシャンの音楽を聴いてください。

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■11/02/25(金) □ ドミニオンの結論
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【ドミニオン】はなんか俺はうまくならないなこのゲーム、と早くも盛り上がりが醒めてきた。《ゲーム中対戦相手が何をやってるのかよく分からない》のがどうも馴染めない。デッキを自他ともに見ることができないというシステムがドミニオンのゲーム性を生んでおり(※)、それは間違いなく素晴らしいのだが、それゆえに各プレイヤーの状況が分からないことにフラストレーションを感じるのである。

(※)デッキを見れるなら常時最強の5枚を手札に使う
別種のゲームになってしまう。

自分のデッキは無論「金が2枚と改築があり、庭園が2枚入っている」と見れなくても概要を把握しているが、敵全員のプレイ札と取り札を見て「誰がどんな戦略でスコアはどの程度」なんて推測し記憶しているなんて無理である。せめてスコアだけでも分かれば (得点カードと庭園だけは表を向けて横に置くとすればよい) 自分の戦術が他と比べうまく行ってるのか遅れてるのか分かるし、リードしてる人の打ち手に着目し思索も進められるのだが、このシステムではあーなんか俺はたぶん負けてるなーくらいしか分からない。

スコアが分からないのだからぎりぎりの勝負感など当然生まれてくるわけもなく、「この1枚をどう打つかで勝負が決まる」みたいなエキサイトする状況にはなりようがない。よってゲーム終了時にも「やっぱ負けた/あ、勝った」くらいの気持ちしか湧いてこない。ドミニオンについて皆が言う「ソロプレイ感」というのはこの「対人勝負感覚の薄さ」のことなのだと思うが、それはこのゲーム構造による戦況判断の困難さゆえだろう。

加えて、「このままじゃ負けるから大得点狙いのギャンブルに出よう」みたいな戦略が取れないのがやや物足りない。ゲームの終盤に「あれとこれをコンボにすれば大量に属州が買える」みたいな手が突如浮上したりはしないのである。そういう手があるなら序盤から終盤まで変わりなく存在している。それに絶妙なコンボを思いついて買った良手カードも間違って買った悪手カードもデッキの何十枚中の1枚なので、それらは後からじわりとしか効いてこない。無論そのじわり感がこのゲームの妙味なのだが、なにか戦略を変えての急追はできないメカニズムなのだ。

カルカソンヌやプエルトリコでは戦況はすべて見えているし、可能性は低くても逆転を狙う手があり、良手悪手は直ちに戦況に反映され明瞭である。その3点が、ドミニオンとは大きく異なっている。俺はすべて見えていないとダメなんである。ゲーム中スコアが分からないゲームはたぶん全部ダメだろう。

勝つときは「全体としていい感じにデッキが育った」というじわじわな喜びがあり、負けるときは「全体としてなんかダメだったナリ」という感じになる。美味なのだが、薄味。いいゲームだが、俺にとって勝ってガッツポーズというほど燃えるゲームではない。3~4日しかやっていないが、それが現時点でのこのゲームに対する感想となる。サンクトペテルブルクより上、サンファンと同等、カルカソンヌ・プエルトリコよりは下という感じかな。

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ドミニオン(評価8点7点)
《長所》
◆アクション連鎖さくさくは楽しい。3段4段と連鎖するとまるで TV ゲームのような華やかさ
◆生産をするゲームではないが、デッキがうまく作れた後半は拡大再生産ゲーム同様の得点加速感がある
◆カードセットから多様なカードのコンボを考え出すこと自体が楽しい
◆攻撃とその防御法があるのは素晴らしい。「堀」サイコー
《短所》
◆はじめはカードの効果説明を読むことが実にめんどくさくやる気を削ぐ
◆誰でも同じアクションカードが買えるので、苦労してほしい物を手に入れた的な喜びはない
◆システム上戦況がよくわからず、それゆえ人と競っている楽しさを感じにくい
◆ゲーム途中で戦略を変更しても効果が薄い
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というわけで、ドミニオンはひと段落。プエルトリコをやりつつ、また他のゲームを習ってみよう。

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