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■11/02/03(木) □ 豆まきゲーム
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日本語学校で節分について習ってきた萌が主導し、初めてうちで豆まきをやった。子供の頃なんとなく家の中の暗闇に向かって投げていたような気がするので、たぶんそういうところに鬼がいるのだよ、投げろと家族に指示。それでよかったのかな。
萌は、「豆まきというのは自分の心の悪いところやダークなところをふるい払うためにやるのだ」と学校で聞いてきて、だからそれを各自絵に書いて、そこに豆をまこうとゲーム化する。なるほど。萌は「心の弱さ」、Mは「怠惰」、義母BRは「自己中心性」と絵を描いた。俺は、うーん、最近のこのダウナー(欝)さだよなと、「ダウナーな鬼」を描いた。
そこに豆を投げてみるとみな盛り上がる。豆まきというか、よこしまな鬼たちの絵の上に大量の豆がズザザと山盛られていったという感じ。はは。この豆まきで俺は確かに少し気持ちが上向きました。
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■11/02/04(金) □ イスファハン for Windows
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イスファハンというフランス製の美麗なボードゲームの PC 版が見つかった。これはすごい。遊星からのフリーキック氏が「すばらしいといっていいのじゃないか」とメカニズムを称賛し、ジョーコデルモンド氏が「ボードデザインがよければドイツゲーム大賞に輝いてもおかしくなかった」とまで言う傑作が、PC 相手にできるとは。ありがたやありがたや。興奮ものである。
ルールを確認しつつ最初のゲームを終了。上記の解説通り確かに1ゲームが早い。サイコロを振って商店に品物を送り、時折ラクダに送って出荷ポイントも取りと手順を確認していたら初級で簡単に勝ってしまった。ありゃこれだけかという肩すかし感。2戦目はやることがわかったのでさらに早くプレイし2位。ふむ。ほんとめっちゃ短くて楽しいが―――サンファンより早く 10 分かからない―――、さほど高いゲーム性があるとは見えてこない。
しかし特殊効果がある建物カードを取り始めたらゲームがばーっと広がってきた。つまり商店コマ置きを我慢して金・ラクダ・カードに投資し建物を作れば、自分の能力を大幅に上げられるのである(コマ置き+1とか得点+1など)。そこにゲーム的決断と結果の明暗があり楽しい。
この大量9個ダイスシステムは素晴らしいな。高得点エリアに自分のコマを送る「いい目」はあり(当然確率的に出にくい)、ダイスを振った手番の人がそれを取るわけだけど、あと番の人が取る残り目にも何もできない「ハズレ」は1つもないのである。残り目で得点は低いが完成は容易なエリアにコマを送ることもできるし、コマは使わず金かラクダかカードを取ることもできる。キャラバン(後述)にも荷を送れる。チャンスが実に広く民に分配されており、そこが同じくダイスを使うカタンとはぜんぜん違う。選択肢のどれもがプラスになるチャンスなので、悩ましさが前向きで全然苦しくないのだ。
最後は相手の強さをミディアムにして接戦を楽しむ。うん、面白い。同じサイトで配布されているサンクトペテルブルクをもっとビジュアルに楽しく、悩みにくくしたという感じのゲームだ。さまざまな手段でポイントを最大化しようというサンクトと同じ系統のゲームで、残念ながら俺が望む生産開発ゲームではないけれど。
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■11/02/05(土) □ 面白いのに物足りない
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【イスファハン】ノーマルだと常に接戦になるので CPU を最強にしてみたら、驚いたことにダブルスコアで負けた。こんなに大量点が取れるゲームなのか。勝った CPU はキャラバン(画面右にあるラクダの隊商)にガンガン商品を送り込んでいた。あれがけっこう大事なのかもしれない。
このキャラバンのスコアルールは非常に分かりにくく公式ルールブックを読んでも計算法がまったくわからないのだが、日英ルールを相互参照し(※)、BoardGameGeek のフォーラム記事でのルール議論まで読みつつ得点を細かく計算しながらプレイし、やっとキャラバンルールが全部わかった。
(※)いろんなボードゲームの日英ルールブックを読むと、どれも翻訳も悪いが原文も同じだけ分かりにくい場合がほとんどで、翻訳者は苦労してるんだろうなと思う。
1) キャラバンに荷を送るごとにラクダに書かれた点(2/1/0)が入る。早めに送ったほうが点が高い。
2) 週末にキャラバン得点が入り(各自のコマの最高到達点x総個数、つまり x3 部分に置けば高得点)、しかもキャラバンはリセットされない
3) ラクダの荷がフルになるとさらに 2 と同じ得点が入り、ようやくリセット
どのルール記述を読んでも2と3がわからなかった。つまりキャラバンはフルになりリセットされない限り繰り返して点が入るわけで、変なルールである。週末の得点はなしで、荷物が満載になったら得点しリセットでいいではないか。この妙なリピート制のせいで、週末の精算前には荷物を送って便乗するか満杯にしリセットしておかないと、荷物が多い人と少ない人とでやがてえらい差がついてしまう。これだけは納得しがたい。
たとえばキャラバン隊列を半分コマで埋めたら18点入るが、週末前にリセットしなければこれが何の努力も要さず2回リピートされるわけだ。これをうまくやればキャラバンだけで勝ちが決まってしまう。ゲームのメインはどう見ても派手なサイコロによる見目鮮やかな町の商店占有なのだから、キャラバンは《ダイス運が悪い人がキャラバン戦略で点を補う》という程度のサブ得点源としておくべきだろう。リピートはいかんよ。
ともあれ、余ったお金を使うと黄色ダイスをさらに最大3個足して振ることができるのだが、このメリットもやっと分かった。メカニズム的に非常に出にくい壷エリアの目を出す確率を上げられるのだ。1つでも出ればおいしいのである。よくできている。建築物はどれも強力だが、完成商店+2点のバザールがもしかすると最強か。バザールがあれば1週間に6~8点くらい余分に稼げるのだ。
ルール=やるべきこと=戦術が全部分かると、このゲームのメカニズムの素晴らしさが身にしみてくる。大得点の町に置いていたコマをキャラバンに強制送付され得点が減り、それを防ぐために防御用ラクダを常に1つ手元に置いておくプランニングが必要なんだと知ったり(これで逆に敵の町を攻撃することもできる)。そういった駆け引きがどんどんわかり、俄然面白くなってきた。
面白い。これはいいゲームである。開発生産の楽しみはカタン・サンファンに及ばないが、その他全ての面で完勝だろう。
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イスファハン(評価8)
《長所》
・ダイス運を絶妙な塩梅でゲームに込めたダイスシステムは革命的
・どれほどダイス運が悪くてもカードは取れるのでハズレのターンがない
・メインの商店街占有はやることが一目瞭然できれい
・効果カードが強力かつサイクルするので皆に引くチャンスがある
・得点方法がかなり多彩でありながら選択肢がわかりやすく迷うことがない
《短所》
・キャラバンのスコア法がとにかくわかりにくい上に二重得点はバカげている
・ゲームがえらい短い。ひと要素加えてもう10分遊ばせてほしくなる
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というわけで、ボードを買ってやるならキャラバンのスコア法をハウスルールで改め、さらにコマを足してなにか拡大再生産要素を加え、もっと長いゲームにして遊びたいな。ここに何をどう加えたら面白いのかまでは思いつけないけれど、楽しいからこそ物足りなくなるゲームなのだ。こんなに面白いのにもう終わりかよと、もったいなさを強く感じてしまうのです。
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