2007/01/04

日記「フロリダ・ディズニーワールド(3)アメリカのモール体験」

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■06/12/22(金) □ アメリカのモール体験
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 本日は移動日。ホテルを出て買い物をし義父家について晩飯をいただき、クリスマスで実家に帰っている義父友人の別荘に泊めてもらう。別荘といっても家財が完備した普通の留守家であり、こんな主のいない家に上がり込むのは気がひける。まあタダなんだから仕方がない。

昼間モールで買い物をしたのだが、アメリカはやっぱりカナダと違うなあと思う。ディズニーランド内でもずっとそうだったが、コーヒーとかを買ってブツをもらい、客がサンキューと言っているのに店員は返事もしないというのがデフォルトの光景なのだ。今日くらいからさすがにわざわざ礼を言うのもやめたが、殺伐としていることだわ。あんまり笑顔を見ることのない土地柄です。

 SHがガールズ2人の似顔絵を描いてもらい、これを義父へのプレゼントとしていた。グッドアイデアです。

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■06/12/23(土) □ ワニ沼紀行
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残り日程が分かってきて、クリスマスがあるのでけっこう観光と買い物に忙しいらしい。萌はGRと庭でレモンを摘んでレモネードを作ったりして親戚訪問を楽しんでおります。この 25-26℃という気候はフロリダでも例外的な暖冬なのだそうで、俺は快適なパティオで読書ざんまい。

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 午後、ワニ沼を見に行く。フロリダというのは不思議な土地で、こんなに暑くてすさまじいスコールがバシャーンと降り、なによりもそこら中沼だらけなのにも関わらず、植生がすごくドライな感じがする。森はジャングルにはならず日本の河原にそっくりな松が転在し、砂地にサボテンが生えている。半島で水はけがよすぎるのだろうか。パームツリーが植えてあること以外、トロピカルっぽさはあまり感じられない。



 沼についてそーっと水面を覗いてみると、いたいたワニ。1つはただじっとしてるだけであったが、沼をつーっと泳いで鳥を捕らえようとしてる奴がいたのでおおと盛り上がった。鳥もワニが来てることは気づいているので10mで逃げてしまったが。

しかし州立公園の中とはいえ、隔離はされてないのでその気になれば岸から上がり人間を襲うこともできるような按配でワニが暮らしてるわけで、すごいなあという感じ。萌を水辺に近づけるのは少々緊張する。まあネイチャー系の観光は子供にはかなり退屈なので、俺は萌が飽きないようとずっと尻とりをしながら歩いていた。

 その他はおみやげを買ったりで穏やかな旅行中日でした。

 しかしフロリダリゾートという土地柄もあるのだろうが、アメリカは貧富の差が激しい。俺たちが泊めてもらっている家のごとくメルセデスと巨大SUVをガレージに並べた富裕層と、安く栄養の偏ったものを食べ太り健康をすり減らす人々ばかりが目に映る。今日この時点まで普通にフレンドリーな態度の店員というものにお目にかかっていないが、彼ら労働者は全て後者に属すわけで、馬鹿ばかしくて愛想よく働いてなんていられないというのも分かるのである。

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■06/12/24(日) □ クリスマス準備終了
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 萌のために小さなプレゼントを買って、クリスマス準備は終了。残りの一日はスイミングをしたりしてのんびり過ごす。

水から上がり1人でスパに浸っていると、中学生だという女の子が追いかけてきていろいろと日本のことを聞いてきた。先ほどから俺と萌のやり取りをニコニコと眺めており、興味を感じたらしい。「私のマムがハイスクールのときに交換留学で日本に行ったことがあるから、私も行こうかなと思ってるの。日本のガールズファッションってカッコいいわよね」と、まるでNHKの「英語で喋らナイト」みたいなことをおっしゃるノースカロライナのお嬢さん。交換留学のことなど何も知らんが楽しいに決まってるので、「君のような前途有望な若者が旅をするのは実によいことだよ、うんうん。言葉なんてこれからいくらでも覚えられるさ、うんうん」とくだらぬことを喋りまくる。日本文化の浸透は進行中だなあと実感した。

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 夕食はチャイニーズバフェットで。義父が俺に気遣って、唯一知っているアジア食店に連れて行ってくれたのだと思われる。味はともあれ米が食えただけでもうれしかった。

 ここもモール同様貧しい身なりの家族が多く、「今日は普段食えないカニなどを食えるだけ食う」という感じの、やや勝負がかった寡黙な雰囲気が全体に漂っている。外食で談笑という華やかさのないレストランだったのだが、クリスマスで久々に集結したらしい隣のテーブルの大家族が集合写真を撮ろうとしているのに気付いたMが、カメラ役を買って出た。すると満面の素晴らしい笑顔がばばっと花開き、レストランのトガった空気がスッと和らいだのであった。

 外に出るときにもその家族と一緒になり、さっきは本当にありがとうとMに礼を言いまくるもので、「写真がブレたりしてたらどうしよう。これが十年に一度の会合だったりして。責任を感じちゃうわ」とMはかえって恐縮していた。個々の人々と知り合えば、こうして誰もが当然フレンドリーなのである。そのフレンドリーさの境界がカナダに比べるとあまりにもクッキリしていることが、俺たちに居心地の悪さを感じさせているのだ。

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■06/12/25(月) □ 曇って風の強いクリスマス
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 曇って風の強いクリスマスとなった。しかし気温は 23℃で皆汗をかいています。



 朝イチでプレゼントオープンだったのだが、萌はこの旅行自体がプレゼントなので3点ほどしかプレゼントがなく、家主の義父にばかりプレゼントが集中してつまらなそうな顔をしていた。性格のポジティブさですぐに立ち直ったのだが、昨日小物を1つだけでも買っておいてよかった。

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 あさっての早朝移動を見越してMと昼寝をとろうと努力したのだが、眠れないでいるうちに猛烈なスコールになってしまった。ものすごい雨音でとても眠れない。家にたどり着くまであと2日、しのいでいくしかない。これだけ猛烈な雨が長時間降っても、道に水が出ることもない。やっぱりフロリダは砂の国なんだろう。聞けばこの雨で今日は竜巻が立ったそうである。

 外の大雨を眺めながら、Mとこの旅についていろいろ話す。カナダに生まれて本当によかったとMはいう。たしかになあ。昨日のレストランのように、人々は知り合ってしまえば世界中どこにいても変わりないのだが、フレンドリーさの境界線と貧富の差がこれだけ明確なところで暮らすというのは、ハードだよね。

 カナダはいいところなのだと俺もつくづく思うのであった。微笑みの国タイなどには負けるだろうが、実際日本よりもカナダの方が、店員などの愛想はいいわけである。

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■06/12/26(火) □ ニコンカメラ同好会かと思えば
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 昨日午後カフェインを絶ったおかげか、やっと12時間きっちり眠れた。明日未明の帰国に備え、泊めてもらったお宅の掃除と荷造りをする。

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 午後、Mのアメリカ在住のイトコがやってきて、皆でレストランに行く。カナダ・アメリカの人々は気が長いので毎夜片道小1時間もドライブしての外食なのだが、道中は義父が住んでるのと同様の、壁に囲まれた金持ちリタイヤピープルの別荘地ばかりであった。いったいここはどれだけ引退者比率が高いのだろうか、そしてこれだけ金持ちが住んでいながらそれ以外は貧乏人ばかりというのはどういうカラクリだ、この連中の落とす金は不動産屋とディズニーにだけ流れてるのかと苛立ちを覚える。

 レストランはフロリダ名物ワニ肉川魚料理ということで、俺は普通にシーフードにしておいたのだが、ワニ肉川魚フライを食べたSHによると、どれがワニなのか見当もつかないとのこと。まあ単なる淡水動物タンパクの一種に過ぎないのだろう。

 MのイトコAD氏の息子高校生のNK君が非常に感じのいい青年で、しかも俺と同じニコンのカメラ(L4)を持っていたのでカメラ話で盛り上がる。ところが後で聞けばこのNK君はなんと米国のサッカーユース代表で、欧州クラブからスカウトされてる選手なのだとのこと! だったらなんでその場でそう教えてくれなかったのだオロカな妻よ。

 ああインタビューし損ねた。来年のカナダワールドユースに来るに違いない。次のWCにも出るのかもしれない。そんな大選手と、ニコンのカメラの色はいいよねなんつー低脳な話しかしなかった俺という野郎は、いったいなんなのだ。ぐわー。もう俺の顔も覚えてないだろうなあ。彼の撮った写真に俺が写っており、「あああのときになんか感じのいいジャパニーズのおじさんがいたなあ、親戚だからスタジアムに入れてあげよう」といった次第になることを祈る。くくく(泣)。

 というわけで旅は終わり。昨夜寝すぎたせいもあり今夜は眠れないだろうが、家まで頑張るしかない。

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■06/12/27(水) □ またもや苦難の帰国行
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 またもやほぼ一睡もできないまま2時起きで空港へ。そしてまたもやというか、俺だけが理解に苦しむほど厳重なチェックを受けた。これはなにかの間違いに決まっているのだが、何を誤解しているのかがわからないので弁解もできずただ調べつくされる恐怖。たまらん。がっくりと疲れる。

途中ソルトレイクシティというところで乗り換えたのだが、周りをすべて雪山に囲まれた懐かしい風景のところだった。そういえばここは長野の次のオリンピックをやったところである。長野に風景が似ていても不思議ではない。

 ここでMは、「もうすでにフロリダとは雰囲気が違うわ」という。あ、確かにこの空港内はすでにBCあたりと何にも変わりはないな。やはりフロリダという土地が、貧富の差が激しすぎ、空気をすさませているのだろう。

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 そして帰宅。萌は家に帰ったことがうれしく、かつ楽しみが終わったことが悲しくて、わんわんと泣きながら眠ったのであった。

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