2012/04/12

日記「『梅ちゃん先生』のハズレ感」

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■12/03/31(土) □ お婆ちゃんのスクラブル
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今夜は電気を使ってはいけないアースアワー、ろうそくの光でやろうと始まった、うちのBRばあちゃんのお気に入りゲーム「スクラブル」に初めて参加する。これはつまり文字でやるクロスワード/カルカソンヌで、交錯する部分は縦も横も合わないとタイルが置けなくなるわけ(左の DICE/CHIVE が成功例)。それだけ聞けばなるほどなのだが、下から上、右から左は認められないなどさまざまな縛りが存在し、クロスワードよりもはるかに難しい。

ゲーム性上一番痛いのは、すでにある文字列の一部だけを使うことはできないというルールで、クロスワードやカルカソンヌなら

SEEDICE
CARUN

というように既存単語の頭文字だけ使って上方につないでいけるのだが、これが許されないのである。つまり写真のように盤面に言葉が偏って固まってしまうと上方・右方の広大なスペースを開拓する方法がなく、もはやゲームが続かなくなってしまう。これはダメだろう。

文字列の一部は使えないが、逆に人が作った単語に S や Y を足せば大きな点が入る。ORDER よりも ORDERS、SALT を作った人よりも SALTY にできた人の方により大きな点が入る。S や Y のタイルを引いた人はそれだけで大アドバンテージなのだ。文字x2 のマスにかかれば 3 文字の単語でも 15 点くらい取れたりする。ゲームバランスは悪い。

縛りが多いのでゲーム中盤からはもう全員えらい長考となり、それでもって制約の多さとスペースのなさゆえできる言葉は BEE とか WE とかのしょぼいものばかりとなる。つまり後半になるほど盛り上がらなくなる。面白いんだけどルールが粗いせいで考える割にできることが少ない、まあ昔のゲームという感じだな。こういうゲームなので勝敗などたいして意味はないのだが、スクラブル名人のBRが見事に勝利。

俺はカルカソンヌのほうがやっぱあらゆる面でいいわと思いながらやっていたが、しかしBRばあちゃんのような人は単語のスペルなど1つのことを考え抜くことは好きで得意でも、判断をテキパキとマネージすることはまったくできないので、以前やらせたカルカソンヌはあまり楽しんではくれなかったのである。年齢と嗜好によって、楽しめるゲームというのは全然異なるのであります。

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■12/04/02(月) □ 『梅ちゃん先生』のハズレ感
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「カーネーション」の次の朝ドラ「梅ちゃん先生」は、いつも通りの『うわ、遅刻ちこくー(ゴンと頭をぶつける)』の、ドジでかわいい子の青春記であった。すべてのシーンが「朝ドラ風小芝居」コントに見える。

「カーネーション」の最中に皆が感じていた《優れたドラマ・映像とは》というテーゼの全部逆をいっている。あの「カーネーション」の次にやるというプレッシャーを受け、「あんなのできるわけない、フツーにやろフツーに」と開き直っているとしか思えない。

しかし視聴者側はいいものを見て感慨の中いろいろと学び成長しているんだぜ。「カーネーション」の後なんだから、あれを踏まえたものを見せてくれるだろうとどうしたって期待してしまう。いや期待というよりそれが道理じゃないのか。新たな可能性が開かれた分野では、その可能性の上で創造を行うのがフツーだろう。ビートルズ以降に音楽を志すものは、かっこいいコードとリズムと言葉を探し作曲するのである。「カーネーション」がドラマで可能な表現の数々を、なにが気持ちよいのかの無数のコードを示してくれたのだから、ここから先はそのコードを使っていくのが当たり前だろうと見る側は思うのである。真似をしろといってるのではなく、ビートルズのコードがびしびし入った「シャキーン」音楽が気持ちいいように、カーネーションのコードを使えばいいじゃないか。

なのに「梅ちゃん」は定番ドジ娘へ行くの。ドジ娘のノリが、それほどいいの。この私の愛よりも。

ちなみに前のブログ記事で「アイコールユアネーム」替え歌を書いてて思ったのだが、歌詞だと勝手なことを言える。文豪渡辺あやにすら文句を言える。ロック&パンクは偉大だ(笑)。

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まあ「梅ちゃん先生」が日本のドラマとして他より特に悪いというわけではなく、日本のドラマ制作者とこういうものを見る人たちが長年かけて、こういうコントみたいな定番食品を作ってきたんだよな。

梅ちゃんに限ったことじゃなく、日本ドラマはかわいくて子供みたいな少女を、想像力貧しきヒトが思い描くファンタジーが多い。1回も見なかったが TV Japan でやってた東大出の美少女弁護士(?)ものなんて、その経歴でありながらドジでかわいい女子高生っぽいキャラになっていた。そんなわけないだろう。「こんな賢くてかわいいのに普通の僕を愛してくれるスーパーガール」というつまらんファンタジーを描いているだけなのだ。

それから首をフルフルと振るかわいい梅ちゃんとその幼馴染のチャライ男は、戦中戦後はおろか昭和にすら存在しなかった現代の若者だと思う。デーブスペクターが「日本のカワイイ女の子は首をフルフルと振る」と外国人女子に練習させるコメディがあったが、梅ちゃんを見て本当だと思ったわ(笑)。

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