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■12/11/01(木) □ 2年半ぶりの金魚
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BRのお医者待ちの時間つぶしにペットショップに寄ると、金魚が目に入った。うちのイモリ水槽でまた金魚を飼いたいなあと思い始める。最近イモリたちは健康でまるまる太り幸せそうだが、そうなると刺激がなくてあまり活動してくれんのである。
うちのイモリ水槽で金魚は前に試し死なせてしまい、繁殖に成功したアカヒレたちまでも絶滅させてしまったのだが、それは水に入れていたフロアタイルから溶剤が溶け出したせいだと今ではほぼ確信している。今なら普通に水質を保持して育てられると思うのである。
学校帰りに萌に話してみると乗ってきたので、小赤を5匹買ってきた。1年ぶりの魚、2年半ぶりの金魚だ。すぐにコケをついばみ始める。金魚はやっぱかわいい。そしてイモリたちが新入りにすごく興奮している。ここんとこずっと水上にいたのに、水に潜りじっと見つめている。食べようとしてるわけじゃなく、なんだなんだお前たちはと好奇心を持ち見に来てる感じ。かわいい。これで死なせずに育てられたら、手間が増すわけでもないし水槽を保持していて金魚を飼わない理由はないなと思うかわいさだわ。
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今日萌がカンナムスタイルに触発され K-Pop を聴いていたので心配し(「くだらないなと思って笑ってるだけ」と言うが)、俺が最近最もかっこいいと思った Jpop である「リーガル・ハイ」の歌(女神のキス)を聴かせたのだが、いい反応はなかった。萌が聞いてるアメリカンポップスにはない美しいコードと意外なメロディなのだが、そういうところには北米ティーンの感受性はまったく発動しないらしい。
「まあカンナムスタイルはいいけどさ、他の K-Pop なんてみんな AKB とかと同じ CD 会社がオーディションで作ったアイドルでしょ。日本は 50 年前からフォークとロックがあるけど、コリアのロックバンドなんて聞いたことがないよ」―――だから日本のロックはえらい、ロックを聴きなされと俺の見解を述べたのだが、馬の耳に念仏状態。やれやれ。
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■12/11/02(金) □ カルカソンヌ2は名作だった
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金魚は全員元気。初めてエサを少量与えるとアカヒレのようには食いつかないが、しばらくすると食べ始めた。育ちすぎないよう少しずつ食べさせていこう。この金魚たちは前回の奴らに比べると、ウィンドウ前面餌くれくれダンスを全然しない。水槽内のコケついばみだけで相当に満足してる感じ。
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この頃オンラインボードゲームサイト Yucata.de にはまっている。最初にやった「アルカディアの建設」は面白かったが、10 戦ほどやってこれは俺は全然うまくならないなとわかってきた。常人に良手悪手が見えず、プレイしていてうまくなる感覚が得られないゲームは、メカニクス的になにかが足りないのだろう。アブストラクトなゲームはキタ! 王手! みたいな決め手がないと、面白どころが薄いかなという感じ。最初は碁のようなプレイ感と感じたのだが、どう打っても決め手に欠けるあたりは5目並べっぽくもある。
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で最近やってるのが「カルカソンヌ2・原始の営み」。これはリアルで友人が所有してるので何度もプレイしそこそこだと思っていたのだが、オンラインで強い相手とやってみて改めて見直している。これは元版とは違った面白さがしっかりとあるわ。
同作者の元祖カルカソンヌでの華であるミープル多人数を送り込んでの敵陣(森=元カルの都市に相当)乗っ取りは、このバージョンでは悪手となっている。乗っ取りをかけ大きくなった森を閉じるのに必要な3面・4面森タイルが元カルより少ないので、巨大森を作るとなかなかクローズできず、多くの自ミープルがそこで完成を待ち多大な時間を無為に過ごす羽目となる(※)。このバージョンのミープルはたった5個(元は7個)しかないので、2個が足止めを食らうと痛い。このため敵陣への攻撃は1個のみで相乗りして得点をイーブンにする、つまり敵の単独得点機会を削るのみという地味なアタックとなる。
(※)この版は森を完成するとボーナスタイルが引けるという特典もあり、森の完成遅延は不利が大きい。だから相手の森を(破壊ではなく)広げてやり完成を遅らせるのも妨害となりうる。大きな森もやがては完成し敵の得点となるわけだが、その間ミープル不足で得点機会を削ることができるのだ。
このように森での攻防は元カルよりも淡白で盛り上がらないわけで、それが以前プレイした時の主な感想だったのだが、熟練者と何度も戦ってこれは森ではなく川の魚と草原の動物を育てるゲームなんだなとわかってきた。森では差がつかない。魚と象鹿で差がつくのである。自分の川と草原に獲物を増やしていき、そこを独占するために敵が入れないよう閉じていく。これが元版とはひと味ちがうパズルとなっており非常に楽しい。
↑これは 14 匹 14 点の魚を湛えた水系(つながった河湖)に赤が小屋を建て、端を閉鎖中の図。右上と左下から他のプレイヤーが入れないよういかに閉じていくかが考えどころ。水系所有に使える川小屋は2個しかないので、いつどこに使うかも決断どころ。
ミープルはわずか5個なので、草原の攻防も元版ほど豪勢にミープルを投入はできない。最少の1個の投資できっちり草原を取れるよう考えて地形をデザインし、侵入を許した場合はさらにミープルを追加するか、他の草原を探すかまた悩みどころとなる。元版だと勝負がかかった大草原には3~4個もミープルが置かれることがあり、そこでの勝敗がゲームを決めることが多々あったのだが、そういう争いはまず起こらない。つまり1つの大きな森や草原の攻防で勝負が決まることがなく、森と川と草原のあらゆるところからチマチマと点を絞り出すアイデアと技を競う、渋好みでスピーディなカルカソンヌとなってるわけである。
かように戦略が他の版とは違い面白い。いやーオンライン戦で見直したわ。カル2を買った時に店のおっちゃんが「これが実はベストなカルカソンヌだ」と言っていたが、拡張1・2入りの元カルカソンヌを BSW で 500 回はやり込んだ俺でも楽しめる新鮮さがあるのは間違いない。
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■12/11/04(日) □ ボードゲーム好きといえども
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昨夜から姪SFがうちに逗留。朝一で「あやつり人形」を紹介する。ゲーマーであるSFは前にこれをゲーム会でやったことがあるそうで飲み込みが早く、ゲーマーらしく初期に建てた安い建物を自分で壊し大型建物に変えるなどといった小技も駆使して初戦勝利。
2戦目は拡張建物を全部入れてやってみたのだが、例の「ありがとうございます閣下」と言わないと手番を失うというムスカのお笑いカード「舞踏場」をネタとして建ててみると、萌もSFもまんまとこれに引っかかり手番を失ってしまう。そしてこういううっかりミスで罰を受けると屈辱的で、若年の2人はそこからカリカリイラっとなり、俺が「ありがとうございます殿下 (Your Highness)」というと「いま閣下 (Your Excellency) と言わなかった!」と揚げ足取りに躍起になり、アツくなってしまい大変だった。
これはいかんと以後俺は王を取らぬ波風回避行動でプレイしたのだが、こういう暗殺が増えちゃうようなカードは危険だな。抜いておこう。もし入れるなら罰としては2金収入がなしくらいのほうがいいだろうな。
しかしやっぱりこのゲームは面白い。始まりはややシーンと静かだけれど、手番がすぐ回ってくる3人戦ならば十分に早く場が暖まるのである。2戦目は萌が魔術師の手札強奪を生かし勝利となった。
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午後からMKとその友人が当家に集まり、うちでゲーム会となった。MKが持ってきたのが「ユグドラシル」という協力ゲーム。何をするのか分からない感満載の抽象画のようなボードを見ただけで萌は退散し、俺も説明を聞いた時点でこれは俺が楽しめない「パンデミック」のバリエーションでめんどくさいと即思ったのだが抜けるわけにもいかず、後から来たBRに代わってもらうまで1時間ほど付き合った。
これはパンデミックと同じメーカーの同系ゲーム、つまり問題対策ドリルゲームなのだが、パンデミックは爆発的感染を防ぐために各都市に飛ぶという目的と手段が誰でも見ればわかるのに対し、これは見てわかるのは敵が迫ってきて、それをサイコロで押し戻すという最もプリミティブな(そして特に面白くもない)核心部分だけで、その他の「○○神の加護を得る」という名目でなされる『袋からチップを取る』『各所のゲージを進める』『カードを取る』というすべての手番選択肢が、ゲームをドライブするための人工的創作ルールで、ボード上に見える根拠がないのだ。根拠がないことは覚えられないので、その都度聞かないと行えないのである。
たとえば右上にあるゲージを最大まで上げると起死回生の神が降臨し全モンスターを2コマ押し戻すみたいなイベントがあったが、そうした無からゲームを作ろうとするご都合ルールはゲームメカニクスと呼ぶに値しないだろう。あとで検索してみるとこのゲームは「もぐら叩き」と評されていたが、その通りである。それはまあ「パンデミック」も同じだと俺は思うが。
新しく面白いメカニクスやアイデアを思いつき、その周りを固めてゲーム化するというのが理想のボードゲームの生まれ方だと思うが、これは北欧神話でゲームを作ろうと決め、特に新規アイデアも出ずソリッドなパンデミックでいこうとなったのだろうな。
その他のゲームもどれも聞いたことのないもので絵柄や雰囲気がアメリカンでやる気が起こらず、俺は見学と飲み物サポートに徹していた。MKは「グレンモア」や「あやつり人形」はそんなに熱中してないようだし他のドイツゲームもあまり知らんし、同じボードゲーム好きといえどもすり合わせが難しいなあと思う。
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