あけましておめでとうございます。晦日の雪で、庭の雪景色がきれいなお正月です。
では【紅白2021感想】を(長文)。
オープニングにイメージ映像が挿入され、なんだか東京五輪化している。1曲めは【鬼滅の歌】。元旦に電話した母が「紅白も知らない人ばかりで、もう分からない」と言っていたが、この歌がまさにそうだなと思う。アニメを見てない者には馴染みのない世界観を顔をしかめた女性がウネウネと歌うさまは、アニメ演歌といった感じに見える。バンドの音を絞ってるので歌と絵は実際演歌的なのだ。国民の多くが紅白で初めて聴く音楽としてこれは、どうなんだろうと思う。最初から大衆性がうすい。
その一発目失火感を続く【ヒロミゴー】の大衆性で立て直そうとするも、選曲に既視感が強い。NHK SONGSでやったヒットメドレー最新バンドアレンジ版が圧倒的によかったので(あの「誘われてフラメンコ」すらカッコよかった)、あれをやればいいのに。しかしホールにお客入っていて驚いた。大丈夫なのだろうか。
【SixTONES】紅白を見ると、ドラマで見たあの人もこの人もアイドルグループの歌手だったのかと発見する。モネのりょうちんもいた。今の朝ドラの真面目そうな稔さんは、まさかストーンズを名乗るグループの人だったのか(笑)。
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【まふまふ】命に嫌われている。46系など大人が若者たちの心情を汲み取ったかのように書く歌詞にはあざとさを感じるが、このネット発の歌の青臭さはリアルだと思った。
アイドルグループでいうとたとえば【NiziU】は写真撮ってよ、なんでもしてあげるといつの時代も変わらぬボンクラ男女のイチャイチャを歌い罪がないと思うが(親としては心配だが・笑)、ネット時代の悪意の流れ弾などというキーワードを出してくる秋元康46系は、いまどきの若者はこういうストレス感じてるんでしょという制作側の読みが的確すぎてイヤになる。あれが売れてるなら読みは当たってるんだろう。
【松平健】マツケンサンバ。間奏ダンスがとてもよかった。カメラワークも含めライブ感が高く素晴らしい。紅白はこうでないと。今は別撮りが多すぎお祭り感がない。水森かおりの紀行プロモーションビデオなんかここで見せられても困るよ(笑)。
【高橋洋子】残酷な天使のテーゼ。初めて生歌を聞いたがいい声! ちょっとユーミンっぽくもある。懐メロJポップとしてこの歌を好きな娘を呼んで見せた。アニメソングは見てないとピンとこないことも多いが、これはエヴァを知らなくてもいい歌だよね。
【BiSH】サビを歌う子のボーカルが圧倒的だった。そういえばバンド友テラがBiSHはいいと言っていたな。パフォーマンスすごいですからと紹介にチカラ入っていた川口春奈も、音楽好きが伺えてえらい。
【平井大】曲は今はもう忘れられた80年代ベストヒットUSAという感じだったが、ギターが驚くほどよかった。あんなクラプトンみたいなギターが紅白で鳴り響いたのは初めてなのではないだろうか。ギターソロ部分はグラミー賞中継感があった。
【ケツメイシ】「知らない人ばかりで分からない」と言っていた母がもし見ていたら、この曲がここまでで一番わかりやすかったのではないだろうか。自分の好みではないが、歌詞もラップも単純でいいなと思った。司会川口春奈も熱くていい。続くmillennium parade×Belleはわかりにくいが、単純にカッコイイ。
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【藤井風】2曲めAメロ終わりのコードが、スティービー・ワンダーとかの70's米ポップスっぽくてとてもいい。この70'sポップスの魔法が消えた80年代ヒット曲が、平井大という感じである。しかし自宅にいるはずがサプライズという作りは無用で、その特別扱いに演出としてノれない劇作のプロ三谷幸喜の無表情に同感であった。
【鈴木雅之】「ランナウェイ」も聴きたかった。こういう大歌手を、つまりSONGSクオリティの歌手をたくさん揃えれば、お年寄りも若者も知らない人でも楽しめるだろうになあ。
【BUMP OF CHICKEN】朝ドラ振り返りもあり今年の紅白のハイライトの一つとなるべき存在なのだが、ホールでのライブではなかった。残念。別撮りはよくない。盛り上がりが消える。
【さだまさし】道化師のソネット。これは名曲。すばらしい。
【東京事変】は本当にうまくいつ見ても気持ちいいが、椎名林檎の歌詞は何言ってんのか俺には全然わからない(笑)。
【布袋】さらば青春の光、これも名曲! ベースはルースターズ井上富雄だ! 「すべては明日の夢に、みちびかれた物語」というコーラスに泣いた。ボウイ解散後、あの歌を初めて聞いたときの気持ちを思い出した。――しかしホールでの客前でやってほしかった。俺は紅白とは演奏者と初見お客との合戦だと思う。ロック勢は歌謡曲客に圧倒的な音を提供し、歌謡曲勢は歌の大衆性でロック勢を感服させる歌合戦を見たい。
【MISIA】彼女は毎年うますぎtoo muchと思ってるのだが、今年もそうかと思ったら藤井風が入ってきて、このサプライズは音楽的で素晴らしかった。女声とデュエットするとあらためて太くいい声だなと思う。彼が今年の主役だったのかな。
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というわけで、近年の紅白は聴く側にアイドルファン/映画ドラマアニメ視聴者などある種の属性がないと楽しめない音楽が多く、初見視聴者にとってはわかりにくい。グループ多いがゆえ音程あやしい率も高く、歌番組としては残念と言わざるを得ない。SONGSに呼ぶレベルの歌手・グループを揃えたらいいのにと思います。――そうNHKはSONGSという看板歌番組があるのだから、SONGS予選を通過し好評だった選手を揃えた、『紅白SONGS歌合戦』にすればいいのだよ :-)◆