2025/03/18

【まとめ25年3月前半】60年代の音・レッキングクルー

「トランプ・ゼレンスキー事件」「春なんです」「トランプが曇らせる世界」「カメラ売り場の寂しさ」「驚かせつづける髙石あかり」ほか

■3月1日                   トランプ・ゼレンスキー事件

【トランプ・ゼレンスキー事件】こりゃすごい会見だな。やり取りの訳を読めば、ウクライナ戦争に関しトランプがほとんど完全に無知であることが明らかではないか。ゼレンスキーが屈服すれば終戦、それ以外トランプは何も知らないのだ。知ったこっちゃないのだ。 

英語の会見動画を見ても、ヴァンスが何を失礼だと言ってるのか支離滅裂でわからない。#ニュース7 でその前段が流れ、「外交が大事」というおためごかしの駄言に「外交でプーチンは止められていないじゃないですか」と返されたヴァンスが急に「米メディアと大統領の前で失礼だ!」とキレたのだとわかる。そしてヴァンスとゼレンスキーの論争中黙っていたトランプも、結局お前は現状に屈服し、俺に服従する以外の選択肢はないとキレたのである。酷いの一語。

NHKで流れた保守FOXニュースの「トランプ大統領に謝罪する必要があるはずですが(I thought you OWED the president an apology.")」というゼレンスキーインタビューもひどい。彼らは米大統領には不敬罪が適用されるとでも思ってるのだろうか。ゼレンスキーは当然ノーと即答。

「ゼレンスキーよりプーチンを信用するんですか」と空港の立ち記者からトランプに飛んだ声がフェアなアメリカ国民の声だろう。会談崩壊に至った「外交が大事」というヴァンスの戯言を引き出したのも、記者からの「トランプ大統領はプーチンに近すぎるのでは」という欧州記者からの質問だった。現代の裸の王様は、公の場で本当のことを言われたらキレるのだ。

トランプは戦略的無知の絨毯爆撃で、相手が呆れてモノも言えなくなることで持論を押し通していくわけで、あの場できっちり反論したゼレンスキーはすごい。まさに戦火の大統領である。停戦が遠のいたのは彼のせいではない。

■3月2日                    春なんです

今日は昼間16度、もう歩く人も半袖だ。道は埃っぽい。春なんです。

スーパーに行くとなにかの募金を募るガールズが声を上げていて、ああこういうのも春だわとうれし顔になってると見つかってしまい、「ハローー! こっちきてーー!」と一斉に大声をかけられてしまった。イヤイヤ急いでるのでsorry🙂

うちはみんなで春いちばんの本格庭仕事をした。フェンス際に敷石を並べ、奥様と娘が砂利を敷き詰めるとすごくいい雰囲気になった。砂利って美的に万能だなー。

今年はクロッカスの当たり年で、かつてないほど爆発的に咲いている。春なんです。

ひな祭りはもう何年もやってないんだけど、母の友人に掘ってもらった木彫りのおひなは毎年飾っている。飾りつけが数分で終わるのでありがたい🙂

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■3月5日                         トランプが曇らせる世界

カナダに対する #トランプ関税 がついに発動され、株価とカナダドルが下がり、朝からラジオは大騒ぎになっている。トルドーがまるで戦争が始まったかのような長大な演説をやっている。アメリカ国民に対しても「あなた方にも損失です」と呼びかけているが、彼の校長先生的演説は響かないだろうな…。トルドーのあの校長先生ぶりとトランプのいじめっ子スピリットは、まさに水と油だ。

天気が崩れ寒さが戻ってしまった。しかし保育園の子供らは元気に歩き、図書館の自動ドアに手をかざし「OPEN!!」と叫んでキャハハと入っていった。はは。世界がどんなときでも Kids Are Alright だよね。

「セサミストリート」をやってるアメリカの非営利公共教育チャンネルPBSで昨日討論番組をやっていて、このトランプ禍に社会はどう対処したらよいのだろうと識者たちが困り顔で話し合っていた。反トランプ等の思想ではなく、普通の理性が攻撃されてるわけだから困り果てる。うちのMは、We are, like, on the wrong side of the parallel world....とつぶやいていた。

#映像の世紀 で、兵士が死ねど市民が死ねど、自分は敗北を受け入れない二人の独裁者が3000万人を死なせたという最悪死の戦争の独ソ戦を見た。最後に映ったプーチンは今も同じことをしており、トランプは経済でそれを行っている。最終兵器はいつも独裁者なのだ。 

■3月5日                         クイックスナップカメラ

久々に見たな、ワンダーシビックの白黒のやつ。うちが2000年頃カナダで最初に買った車もあの世代のワゴンだった。当時でも80年代製シビックは老いてたから、よほど大事に乗ってるんだろう。40年落ちだからもはやクラシックカーだ。カッコいい。 

Enterさんが動画で「マイクロ4/3に小さなレンズはやはり最高」と語っていたけど、ほんとそう。PL5にLM1442PZとかつけてると行動中のスナップが捗る。写真を撮るための散歩ならGX9とロングズームで行くけれど、PL5なら忙しく立ち歩きつつ片手でサクッと撮りたくなるのだ。 ’

■3月6日                      春の月

夕方ゴミを出しに玄関を出ると、車に月が映っていた。見上げるとマロニエに三日月がかかり美しい。おお。月の下には明るい星も見える。あれは……ジュピター、木星か。わー。マロニエがもう芽吹いているのも写ってる。春だなあ。

■3月7日                   カメラ売り場の寂しさ

電気店に行ったので久々にカメラ売り場を覗いてみると、半分がドローン売り場になっていた。カメラというのはドローンやラジコンヘリくらい珍しい趣味になってるのかもしれない。

ちなみにこの電器店に残ったカメラ棚にあるのは3大メーカーとFUJIの1000ドル超級機のみ。俺は12年前ここで安価でかわいくよく写る #OLYMPUS に出会いマイクロ4/3というシステムにハマったのだが、そういうラッキーなビギナーの出会いはカナダではもう無理そう。幸運が量販店まで届かないのだ。 

娘にマイクロ4/3カメラを持たせるといい写真撮ってくるんだけどな。これはバンクーバーの映画イベントでカメラ係を任されて、私のOLYMPUS eM10m2+Lumix14140mmで撮ってきたもの。やはり画角自在でとてもいい。

この日撮った娘の写真が、バンクーバー国際映画祭のインスタに掲載されたそうだ。俺のカメラ写真が公式パブリッシュド! うれしい(娘の腕前だけど)🙂

■3月9日                 娘のカメラマン仕事

娘の映画祭オフィシャルカメラマン2日め。初回の結果を見て俺がカメラのAFポイント等を調整しておいたので、ヒット率が上がり今回もよかった。

こうして公式に人々を撮りまくるのは楽しいだろうなー。若い女子カメラマンはこうした行事に限らず、堂々と人を撮れるからうらやましい。俺たち男はかわいい子の写真を撮りたいという邪な心があるので、堂々とは撮れないのだ。

娘は公式カメラマンなので、上映後のトークステージからも撮っている。これはいい経験だなあ。ホールの外で堂々と歩くアジア女性が娘のカメラロールで目立っていたのだが、この人は主演監督でこの映画祭の賞を獲ったようだ。オーラあるよね。


娘よりずっと本格的なカメラマンもいた。他にもう一人M4/3を使う女子がいて、M4/3いいわよねと盛り上がったそうだ。その子は「だけどナイトショットは苦労するのよね」と言ってたそう。そう俺のズームみたいに暗いレンズだとSS落ちるんだよねえ。明るいズームもM4/3ならそんなに高くはないんだけど、中古ボディ2台分くらいはする。

しかしいい写真ばかりだよ、ボランティアお疲れ様。

■3月10日                あのこは貴族

Netflixで『あのこは貴族』。人生がまるで自分のものではない政治家跡取り幸一郎の虚無は、(だいぶ品下がるが)失策で失職した総理の息子を思い出した。そこに嫁いでしまった貴族の華子が、自分のスペースを自力で埋めていく美紀に惹かれるのはよくわかる。呼び止められた美紀のこの、無心な顔の魅力よ。


■3月11日                     雨宿り

週末雨で外に出られなかったので運動を兼ねて、スーパーまで歩くと大雨になってしまった。トホホ。空は明るいのに。傘がない。雨宿り。さだまさし。

雨が上がりまた歩き出す。

■3月11日                   311の黙祷

NHKのライブを見ていたら、雑踏の中黙祷の時報とともにはっと気づいて立ち止まる人たちがやはり映っていた。俺も震災の翌年にセットしたアラームでその時間に気がついた。ああそうだったねと気づくこの気持ちは、いつまでも変わらないだろうな。

311の翌朝娘を学校へ送っていくと、仲のいいお母さんが俺を見つけ「なんてことなの」と涙目でハグしてくれた。スーパーでは「あなた日本人でしょ。お気の毒にねえ」とレジのおばさんに話しかけられた。日系の子供らみんなで折り鶴を折り小学校に飾った。毎年思い出す。 




■3月12日                60年代の音・レッキングクルー

#レッキングクルー。60年代のUSヒットチューンのほとんどを演奏していたというこのスタジオ・ミュージシャンたちの写真に必ず出てくる女性ベーシスト、キャロル・ケイがやはりカッコよかった。

ビーチボーイズ「グッドバイブレーション」のベースが彼女なのだ。ブライアン・ウィルソンは「彼女は他の誰よりも先進的だった。世界最高のベーシストだったよ」という。「ブライアンの仕事が入るとうれしかったわよ。こんなベースライン思いつかないわよね。ブライアンが書いたのよ」とキャロルはあのAメロのベースを弾いてみせる。おお! 「このキッドはなにかすごいものを作ってるんだなって、みんな分かってたわね」

キャロル・ケイは「最初はギターでジャズバンドにいたのよ」とさらっとジャズギターも弾いてみせるのだが、これまたうまい。しかも美貌! こんな美人がスタジオにいながらも、「とにかく忙しかったし、セクハラとかまるでなかったよな、ミュージシャン同士だもんな」とみな笑っていた。

しかし彼らが携わった60年代ヒットの「知らないが聴いたことある」度合いに我ながら驚いた。自分が洋楽ヒットを意識したのはウィングス/クイーンくらいからだけど、それ以前の音楽も浴びてたんだろうなあ。アメリカのTV主題歌だとか。モンキーズのショーも子供の頃見た記憶がある。彼らの演奏もレッキングクルーだったのだ。

フィル・スペクターの録音風景という話も面白かった。コントラバスとエレキベースなど、各パートに最低2人通常4人計15人もの奏者が小さなスタジオに入り、Wall of SoundというよりWall of Musiciansだったよと #レッキングクルー は振り返る。エコーも深くかかってるんで合わせるのが大変だったと。

ブライアン・ウィルソンは「ビー・マイ・ベイビー」のWall of Soundをカーラジオで初めて耳にし、車を止め「なんだこれは! やられた!」と叫び聴いていたそう。「ものすごいインスピレーションだったよ」と。俺たちはすでにあるスゴイものを聴いてるが、なかった音を耳にするとそうなるわけだろう。

60年代はレコード会社の注文に応じ名人たち #レッキングクルー がアレンジと演奏を決め、スターが歌い歌謡曲的システムでミリオンヒットを量産していく。レコードに演奏者をクレジットする慣習もなく、名は残らない。「全演奏が彼らだと世間に知られるのはなにか恥だと思ったのかもしれない」と証言があった。近年ようやく彼らの功績が掘り出されているわけである。

やがて70年代「バンド」が出てくると当然自分のレコードは自分たちで演奏するわけで、会社と衝突が出てくる。そして本格的にバンドの時代がやってきて #レッキングクルー たちの仕事は激減し、時代は変わり、そこから先は「ローレルキャニオン」で描かれたアーティストの時代になっていったのだ。

■3月12日                  驚かせつづける髙石あかり

#アポロの歌 人間の心を知ろうとする合成人の王シグマの、わずかに人間とは違うイントネーションや表情の異様さ、よすぎる滑舌、妖しい魅力、すごいな髙石あかり。演技がうまい人は多いが、彼女は表現の多様さとその説得力とオリジナリティが只者ではない。 

#アポロの歌 このドラマは映像も演技も不要なBGMがほとんど流れないところも秀逸で、NHKの夜ドラのような静かなクオリティがある。「手塚治虫のディストピア感」はまさに。主人公も初回はまたアイドル俳優かよと思ったが(ごめんw)正直回を追うごとに良くなって、もはや良いとしか言いようがない。