「伊藤潤二うずまき」「思い出の遊園地」「廃材家具づくり」「笑っちゃう魚眼レンズ」「新レンズ2個め:中望遠42.5mm」「コンビニ人間」ほか
■4月15日 YAMAHA池袋東ショップの思い出
ブログ『80年代YAMAHA池袋東ショップの思い出』轟音パンクながらレコードデビューまでこぎつけた、わがバンドの回顧夜話往復書簡。優しかったヤマハ池袋東ショップに、一度くらい挨拶に行けばよかったと思う。Twitterに書き残しておけば、あの人々にいつか届くかもしれない。tomosakata.blogspot.com/2025/04/80yama…
当時ヤマハの有力店はいいバンドを発掘し、コンテストEastWestを通じ店から送り出すという使命と理念を持っていて、サザンオールスターズがその最成功例だった。EastWestも今はもうない。ヤマハと社会に余裕があり、 アマチュアと若者に優しい時代だったんだと思う。
■4月16日 石庭の春
庭のさくらんぼの花が咲き始めたので、ロックガーデンの冬用覆いを外した。うーんいい感じ。石庭と灯籠があるんですうちの庭。(LUMIX GX9+14140)
■4月16日 伊藤潤二うずまき
Netflix #うずまき を1話2話を見た。予想にたがわぬ怖さなのだが、絵とその動きの美しさに驚いている。伊藤潤二の描く女性は抗いがたいほど美しく、そのゆるい動き歩きに日本女性的な美があり、いかにも出口なしな田舎町の不穏さには吸い込まれそうだ。怖いが眼福なのである。
残念ながら3話4話と進むごとに絵が雑に、話が壮大に広がりすぎ、あまり面白くは感じなかった。1話は本当にこの絵が素晴らしい。伊藤潤二の魅力は1話2話の緻密で静かな絵と小さな狂気にあるように思える。
娘が友人たちから聞いたカナダ若者感想も、1話はクレイジー最高、徐々に落ちるとものだったそう。やっぱり絵が雑になるのはわかるよね。
SFパニック映画的な壮大な後半が好きという人もいるかもしれない。俺は2話までのこういう絵がなんともいえずよかった。
■4月17日 しあわせなピカ
今年最初の一日窓開けデイ。外のにおいが好きなピカは、春夏ここが定位置となる。お前は幸せだねえ。ずっとそのままでいておくれよ。
ブログ【まとめ25年4月前半】髙石あかりという役者の面白さ◇「傑作『アポロの歌』読み解き」「差別者たちのオフェンシブさ」「親戚もぼやくトランプ時代」「毎日のトランプニュースが信じられない」「ベビエブも大傑作であった」 tomosakata.blogspot.com/2025/04/254.ht…


『殺し屋杉本ちさとは「JK」ともアポロのあかり/歌手シグマともまったく違うことに驚いた。演技がうまいというより、どのキャラも自然と彼女に内在してるように見え、その表現力がすばらしく高いのだ。好ましい意外性を感じさせるような魅力が多様で、その出力が大きいのだ。』
■4月20日 思い出の遊園地
サタデー、モールのパーキングに春恒例の移動遊園地が建っていた。娘が小さなとき何度か行ったなー。観覧車の上は気持ちよさそう。


あの移動遊園地の回転木馬に乗ってる娘の写真を見たら、丸にXの電飾の形からして同じメリーゴーラウンドだ。あーそうだったか。あの頃ムスメは9歳だ。
はじめて買ってもらった腕時計をしてるよ、カワイイなあうれしげで。すぐにiPodやスマホの時代になって、腕時計やカメラにありがたみがなくなっちゃったんだよね。もうひと昔以上も前のことだ。
■4月20日 医療従事者へのリスペクト
BBCの #TheRepairShop、今日見たのは英国立医療サービスNHS特集だった。こども病院のナースが食事を運ぶのに使うトーマス型のカートを修理するという案件。「病院なんてthe last place children want to be(子供たちが一番いたくない場所)だけど、このトーマスが慰めになるのよ」とナースが話す。
そして修理を終えたトーマスが病棟に戻る。俺はカナダに来て付き添いで病院に行く機会が増えたので、ナースたちのカインドネスをほんと尊敬している。そもそも #TheRepairShop は親切のショーなので毎回目頭が熱くなるのだが、この回はカインドネス×カインドネスにたまらず、涙腺決壊であった。
■4月22日 廃材家具づくり
【廃材家具づくり】週末は庭で奥様と大工仕事をやっていた。物置を掃除したら出てきた大量の廃材で作業テーブルを作ろうという奥様のアイデア。完成図は彼女の頭の中にだけあるので、「図に書かんとわからんだろ」と桜の下で笑ったりケンカしたりしつつ、



作りながら設計がガラガラ変わっていく丸2日のプロジェクトの末、天板と学校の机的モノ入れを持つ立派なワークテーブルが完成したのです。


なんと使いやすいのでしょうか。これでバードフィーダーの補充とかが快適にやれるようになったのだ。
■4月23日 笑っちゃう魚眼レンズ
【Rokinon 7.5mm F3.5 MF M4/3】すごいレンズを手に入れてしまった。店頭で試し撮りしながら笑ってしまった、マニュアルフォーカスの魚眼レンズである。面白いー🙂
試し撮りの写真に自分の指がたくさん写っていた。それくらい超々広角なわけで、これは気をつけないとww
Rokinon 7.5mmは韓国製。距離目盛りが刻まれた見た目がオールドレンズ風でカワイイ。フードの上からカポッとはめるキャップのいなたさがまたかわいくて、おまえは茶筒のフタかと笑った。This is so cute とカメラ屋のおじさんにいうと、I know 俺もFujiで使ってたよと笑ってた。
八百屋の店頭で、日傘に包まれる私たちという写真が撮れた。イイ🙂 写りは昔持ってた高価なOLY9-18mmと同等、素晴らしい。純MFレンズは初めて使うが、無限遠にしておけばほぼパンフォーカスなので簡単だ。
無限遠/そこからチョイ戻し3m見当の使い分けでバッチリ合っていた。AFがないとこんなにスナップ早いのかと快感だ。他のレンズのストリートスナップでもMFを試すべきかもしれない。庭の桜を撮ると自分ちと裏の家の屋根まで写ってた。はは。空や強い光が入ってもコントラストが落ちず、驚きの写りのよさである。
しかしホントよく写るなRokinon 7.5mm。中央部を切り出し魚眼ぽさを削るとストレートなラインに快感を感じるし(左)、横長に使うとこの広さでどこまでも写っている心地よさを味わえる(右)。単焦点って安くてもすごいですねえ。
このレンズはマイクロ4/3専用、作ってるのは韓国 Samyang Opticsとのこと。こんなに遊べてマイクロ4/3ありがたい。いやーカメラレンズってほんとに楽しいですね :-) (本日のカメラはEM10m2)
■4月24日 魚眼の日々
朝の紅茶とスナック。小鳥たちにもご飯をあげよう。


合間合間にカメラを手にとり、魚眼Rokinonで遊ぶ。屋内でモノ撮りをするとさすがにオリLUMIXの単焦点で撮ったほうが線が細く端正だなと思うが、庭などでエイヤとスナップするとダイナミズムと精細さの詰まった写真になりほんと面白い。
急に半袖気候となった。デボラ・ハリーみたいな格好で学校に行ってるらしいパンク少女が道をわたっていく。カッコいい。BCの夏気候は徹底的にドライで、来週からは芝の水撒きにも制限がかかる。
■4月26日 新レンズ2個め:中望遠42.5mm
【待ち焦がれた中華レンズ到着】今週は2日連続で変わり種レンズを入手してしまった。2個目はなんと読むのかわからないメーカー名の中華レンズ、Yongnuo 42.5mm F1.7である。中望遠の明るいレンズで、手持ちのレンズでもっともボケる。おおという写りが楽しめる。魚眼にも望遠にも、人の目を超越するワンダーがある。
自転車マザーは車からのクイックスナップで惚れ惚れする写り。スーパーの店員さんは、ああ42.5mmでこういう写真が撮りたかったのだと満足を覚えた。町やストリートでこうして遠くからビューティフルな人たちを撮る小型で明るい中望遠がほしいと思ったのだ。
候補としては前に所有していたSIGMA 30mm F2.8などもあったのだが、マレーシアのM4/3インフルエンサー・ロビンさんが25/17mmを悪くないと褒めてた中華Yongnuoの廉価F1.7シリーズに42.5mmがあるのを知り、写りを調べてこれもイイぞとなったわけ。いいよねえこの立体感ある写り。
AFの速さ正確さも良好で、中景のカリふわが素晴らしい。傑作とされるOLYMPUS 45mm、そのライバルLUMIX 42.5mmにはかなわないが、それらの中古価格のさらに半額近い安さ。かつてポートレート用に使っていたM.ZUIKO 25mm F1.8を距離倍にした感じの良好な写りで、LUMIX 25 F1.7より明確に一段いい。期待通りである。
たまたま通りかかった【真夜中の遊園地】で #Yongnuo 42.5mm F1.7をテストできた。――①おお柵とかなくて入れるぞ。それじゃあお邪魔しますよ。誰かいませんかー? ②③うわこの角度から見ると観覧車スゴイ!
①いろんな角度から撮らせてもらいますよ―。きれいだねえ、灯りが灯っていなくとも。②真夜中の遊園地はなんだか興奮する。③いい感じの絵が描かれたトレイラーもある。④誰もいなかった。俺だけだった。楽しかった。こんな夜景を見たままに美しく撮れるようになるとは、明るいレンズってすごい。暗いズームでは撮れないクイックスナップを楽しめる。EM10m2の安定性ともども、Yongnuo 42.5mmの写りは文句なしである🙂
■4月28日 『コンビニ人間』
昨夜眠れず読みかけのKindle『コンビニ人間』を読み始め、面白さにそのまま読了してしまった。芥川賞を取ったのだからある種の画期性ある作品という評価なのだろうが、ASDであろう古倉さんの周りの人たち、特に白羽の言動には、ツイッターのクソリプ人間たちを見てるかのような強い既視感を覚えた。
『コンビニ人間』がツイッターと違うのは、古倉さんが理不尽や常識の強い圧に傷ついたり反撃したりの激情を描く話ではないことである。そこに大きな価値がある。
おすすめしようと娘に話すとすでに持ってた(えらい!)。英語版の帯には、「歓びと不穏を併せ持つ、不適合の祝賀である」という書評がついていた。その通りだな。

■4月30日 YN42.5屋内ポートレート
#横溝正史『悪魔が来りて笛を吹く』を奥様が今週ずっと読んでいる。『本陣殺人事件』もオチにえええと思ったが面白かったそう。角川映画見せてやりたいなあ。
Yongnuo 42.5mm F1.7は屋内でピカがよく写り気持ちいい。ピカを撮りこれまででもっとも手軽にいい絵が出るレンズだな。フォーカス精度とボケ具合でかつての当家ポートレートレンズM.ZUIKO 25mm F1.8を超えている。MZ25は高性能なわりに屋内で今ひとつフォーカスが合わず眠い写真を量産するので売ってしまったのだが、YN42.5はより被写界深度が薄いのにその弱点が出ないのだ。
画角の狭さに慣れねばならないが、Rokinon 7.5mmともどもこれまで撮れなかった写真が撮れて楽しいのである。