2006/10/25

日記「独裁校長」

「かなしいメリーさん」「日本語はクールなりの波が」「オシム3戦目サウジ・日本」ほか。
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■06/10/10(火) □ 日本 VS イエメン
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 掃除をしながら日本から届いた DVD でサッカー観戦。

 ◆日本 VS イエメン:前戦と違い、えらい遅いチームになっている。相手が弱くて下がりすぎているため、日本の選手はボールを持つたびにさてどうやって崩そうかと考えてしまっている。こういう相手がゴール前に構えているときこそ1・2で裏を突くなどのひらめきがほしいのだが。遠藤がゲームメイカーでは攻撃の仕掛けが遅すぎる。

 まったくのJリーグレベル、それも夏場の消化ゲームかと思うようなひどさでハーフが終わり、オシム監督もウンザリという表情。だったら途中で修正すりゃいいと思うのだが、相手が弱く失点の危険はないこともあって、選手による対応を待っているという感じなんだろうか。後半は交代選手の動きによって多少よくなったが、最初からあれくらいやってくれなければまじめに見る気がせんというのが正直な試合であった。

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■06/10/14(土) □ 大ロック論議
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 萌をKT家に連れて行きお茶をいただいていると、MSさんと大ロック論議になった。

 MSさんは彼が支援している友人のバンドがなぜ売れないのか、年輪を重ねたゆえの味わいはロックでは評価されないのだろうかと苦悩しておられる。しかしまあ、古今東西年寄りで見てくれが悪くてもいいバンドはいくらでもあるが、歌が悪くても若くカッコいいから最高なんてバンドは存在しないわけで(どんな美形バンドも才能がなければ必ず消える)、前者でさえあれば幸せではないですか。現代はアマチュア革命の時代で、プロを目指すなんて目標の意味は希薄だし。

 というわけで、とにかくサンボマスターのビデオを見よと力説しておいた。僕とあなたの時代は! ここまで来てるんですよ!

 その間子供らは楽しく遊んでくれており、よい日でありました。

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■06/10/16(月) □ 「かなしいメリーさん」
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 萌は昨日ひいた風邪の回復がいまいちだったようで休み。午後からは元気になったので外で遊んだりした。

 彼女はピアノで先週やった「かなしいメリーさん(の羊)」に凝っていて弾きまくっている。両手でオクターブを弾いたり、自分でベース音や和音を拾って足したりと、インプロバイゼーションであらゆるアレンジを試みている。右手で全音符を伸ばしたまま左手でメロディを入れたりするカンのよさが素晴らしい。ピアノで俺が一番心配する運指については、できるだけ234の指を均等に使ってくれ(全部の指がいずれ動くように)とサジェストすることしかできないのだが、リズムキープとコードという歌楽器的には最も重要な部分を自発的に身につけているのがよし。俺もギターで加わり、「かなしいメリーさん」バンドのレコーディングをした。

「かなしいメリーさんバンド」

オルガンとギターのアンサンブルがめっちゃいい(笑)。

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 夜、録画してあった映画「春の雪」を見る。三島由紀夫ってこんなもんなのかという感想だけが残る、普通のロミオとジュリエット型ストーリーであった。まあこれが三島の作品中いいものなのかどうかも知らないし、映画で原作を判断しては悪いのだが、ストーリー自体がつまらないし主役の2人にも何の感興も湧かない。太宰はこんな陳腐な話は書かなかったわけで、なんで三島ってあんなに高名なのかしらといぶかしむ。こないだデーモン閣下の朗読で聞いた谷崎潤一郎の盲人の話もつまらなかったし、どうも日本の昭和文豪趣味というのはよく分からんのであった。これらの文豪はエキセントリック性が突出しているが、エキセントリックなものに日々惑わされ神経を痛めつけられている現代人から見ると、それはげんなりさせられるのかもしれない。

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■06/10/19(木) □ 漢字で文通
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 今日も萌は体調不良で欠席。まあ調子が悪いときに終日学校にいる萌を心配するよりは、俺も手元に置いておいたほうが気楽なんだけど。

 いい機会なので漢字の練習をさせる。萌は最近中国系のALと漢字で文通したがっており、ネットで中国語会話のページを探して、「ニイハオ」の漢字を紙に写し取ったりして学びました。こうして興味があるうちに、日本語学校でも早く漢字を習わせてやりたい。

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■06/10/20(金) □ 夢の砂山
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NRさんの旦那さんがトラックでどーんと庭砂を持ってきてくれたので、最後の落ち葉かきをしながら萌を砂山で遊ばせてやる。大盛り上がり。砂山は最高の遊び場で、できることなら場所を変えて山のまま残してやりたい。だが砂場はどうやっても猫とラクーンのトイレになってしまうのだよなあ。



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■06/10/21(土) □ サーモンを見に行く
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 昨日は昼にコキットラムリバーへKT家とサーモンを見に行き、帰ってからはKT・HNを迎えて砂遊びとゲームをするという盛り沢山な日であった。天気もよく、サーモンたちが奮闘する川はなかなか美しかったです。



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 TV Japan で浦和・川崎戦。むっちゃくちゃ面白い試合であった。去年はガンバがらみの試合の放送が多くあまり面白い試合はなかったのだが、個人技と組織のバランスを個性的な形で身に着けている2つのチームの攻め合い守り合いは実によい味わいだった。Jの名勝負といえば98年前後の磐田鹿島時代がピークだったと思うが、浦和は金と人気をふんだんに使って非常に面白いチームを作ってくれたわけで、他チームは今日の川崎のごとく浦和を倒すために努力すればいいわけである。ありがたいありがたい。

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■06/10/23(月) □ 日本語はクールなりの波が
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 昨日は借りた一輪車でついに砂の運搬をし、今日はさすがに筋肉痛。だがまあたいしたことはないので、最近体調がいいなと思う。体調がいいのは毎朝食べてるバナナのおかげだと思われる。

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 夕方買い物。スーパーにパフィの人形が売っていてぶったまげた。アニメになって人気だとは聞いたが、カナダのおもちゃ売り場の棚一面にパフィがあるというのは、信じがたい光景である。

 しかしバンクーバーでライブを見た頃まではすごい期待感があったが、こうして本人たちとは全然関係のないところでアニメキャラとして人気を博している「パフィ」というものを見ると、音楽現象としては結局評価されているとは思えないし、もう奥田民生も作曲に関与してないだろうし、興味を感じなくなってしまったな。

 このアニメ「パフィ」はカナダではやってないと思うのだが、最近なんかTVからやたらと日本語が聞こえてくる。国際的な IT 商品などのCMで日本の顧客とのやりとりがそのまま使われていたり、日本のおもちゃのナレーションが「なんとかななんとかダア!」と字幕付き日本語になっていたりして、日本語の響きが面白がられているのだ。メルが見てるドラマ「ヒーローズ」なんか、日本人オタクとその友人が超能力ヒーローとして出てきて延々と字幕付き日本語会話で話を進めるし(日本人役者が素人だし、プロの脚本家が書いたとは思えない米国人役者の日本語セリフも不自然だしでなんか面白い)、どうもこれは日本語はクールなりの波が本当に来たらしいな。フフフ。

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 それから皆でチャイニーズレストランに行ったのだが、萌は意外にもカタ焼きそばを食べられなかった。「上海風」というソースが駄目なのだという。野菜炒めもダメ。まあ確かにこういう真性チャイニーズフードはうちで食う日本食&洋食とはまるきり違うぬたっとした味がするし(日本の中華料理とも全然違う)、化学調味料が多くて後味は悪いのだが、萌は好き嫌いが非常に少ない子なので普通に食べるかと思ったんだけどな。

 まあ好きじゃないものは食べなくてもいいのだが、最近は嫌いなものを口にするとうえーっうあっと吐く真似をする。前はこういうことをしなかったのだが、やれやれいよいよカナダの小学生らしくなってきたなあと思う。食べなくてもいいから、声を立てるのはやめなさい。

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■06/10/24(火) □ オシム3戦目サウジ・日本
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 サッカー日本代表の各世代の試合に客が入らなくなってきたらしい。これは黄金世代によるバブルが、WC惨敗という最悪な形で弾けたということだろう。ジーコ時代、俺は試合のテープが借りられそうでも「じゃまた今度機会があれば貸してください」という感じで日本代表のサッカーに対する関心を失い、ただただ本番でチームのいいところが出てくれと祈っていたのだが、日本のサッカーファン全体にそうした気分が定着したのだろう。

 こないだのオシムの2試合目のイエメン戦がジーコ時代みたいなゲームだったが、ああいうしょぼい代表戦を見るよりは浦和・川崎戦でどっちかを応援してるほうが圧倒的に楽しいわけで、今後オシム日本が成熟してエレガントさを身につけ大きな大会に臨むまでは、盛り上がらなくても仕方ない。

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 ◆サウジ・日本:というわけでオシム3戦目を見てるのだが、これもあまり面白い試合ではない。さすがにイエメン戦よりは日本もぴしっとしているが、率直に言ってサウジ選手のほうがうまいのである。きれいにファーストタッチでボールをコントロールし、浮きだまで相手を交わして進んで行ったりする。観客大盛り上がり。こうした意外性のあるプレイがまるで出ないから、オシム日本の試合は(今のところ)つまらないのだ。

 サウジはうまいのにあまり全体は押し上げてこないので、序盤のオタオタが落ち着いてマークが定まると危険なシーンは減り日本ペースにはなったのだが、相手のボールさばきのほうが見ていて楽しいのは悲しいことだ。オシム日本のこの不器用なサッカーを見ていると、日本人はサッカーに向いてないのかとすら感じてしまう。無論田中達也レベルになれば十分に華麗で、達也の突破→遠藤のダイレクトシュート→相手のGKの美技といった流れには満足できる味わいがあったが。

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 サウジが砂漠の省エネカウンターを仕掛け、勤勉な日本選手がそれをつぶすという展開で前半が終わる。今の代表と前の代表を比べてみれば、【見ていて楽しい選手=海外クラブが目をつけ買っていく選手=ジーコが好きな選手】という図式があったのかなあと思う。今はオシムの方針で海外組を呼んでないわけだが、そういう選手を除くとこうして労働者だけになってしまい、機能的だが魅力のないチームになってしまうのだろうか。前代表の海外(経験)組を戻せばもっと輝くのだろうか。わからない。

 後半達也が下がる。あー。巻の方がコンディションが悪く、体が切れず役に立ってないのだが(ヘッドで競っても全くクリーンヒットしていない)。残り25分あたりで全員の脚が止まってきて見どころがいよいよなくなり、こぼれ球を押し込まれる。残り時間は高校サッカーみたいにオーバーコーチングな大熊コーチの怒声とともにダラダラと過ぎておしまい。

 負けたことはたいしたことではないし(達也のシュートが入って勝っていても不思議はなかったし)、オシム戦術うんぬんも今はまだ語れる状態ではないと思うが、とにもかくにもJリーグのトッププレイヤーがサウジ選手よりもこれほど見劣りするというのは、ショックを受ける試合であった。今日出ている選手で、見ていて心地よいレベルの球捌きをしてくれたのは、達也と加地とトゥリオだけ。遠藤は判断速度とアジリティが低すぎて、パスを出す瞬間には方向も強さも全部わかってしまい、決定的な仕事をする攻撃的MFとしては使い物にならないし。

 まあしかしこれも現時点の我慢我慢。ひどいスケジュールでコンディションが悪かったんだし、なによりも選手たちは鬼のオシム監督に試されてるという意識が強すぎて、実戦で遊びの部分など発揮する余裕がないのだと考えよう。そうしよう。

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 しかしこのDVDでは「2011年で地上アナログ放送は終了します」というCMが頻繁に入るが、これは本当に既存のTVは映らなくなるという意味なんだろうか。本当にあと5年で1億台の中古TVをゴミに出すつもりなのか?チューナーを国民全員に買わせるのか? そんなことが可能なはずがない。中古電気製品を売ってはいかんという法律をこないだ作っていたし、日本政府のやることは無茶すぎる。どんな理由があろうが、かかる金と環境負担が大きすぎる。

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■06/10/25(水) □ 独裁校長
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 萌がよくできましたの表彰を受けるというので Recognition Assembly(生徒集会) に来たが、前より一層長く退屈になっている。前から子供よりも自分の出世が大事で、教師にならなければ政治家を目指してたであろうことがあけすけだった校長が、今年度は右翼性丸出しの独裁者になっている。子供の入場時から別にうるさくもないのにしーっと必要以上に静粛を求め、自分のスピーチ時には「なぜ静粛にするかというとそれが相手を敬うということだからです。わかりますか。人が話すときに静粛にしないことは失礼に当たるのです。わかりますか」などと延々と話す。それが教師にも徹底されており、各担任がクラスの子たちの私語に目を光らせているのであった。一言でも喋ればしーっと来るのである。こりゃやりすぎもいいところである。日の丸君が代に起立しない教師をリストに載せる東京都の教育委員会などを思わせる。

 そしてさらに、「11月の徳目は『思いやり』です」などと言い出した。「『思いやり』とは人の気持ちを理解することで....」などと、製作した『思いやり』ポスターを掲げて道徳的なことを延々と話し続ける。そんな話をこんな公衆でして、子供がそうだそうだと心を打たれるとでも思ってるのだろうか。こういう退屈な長話を子供にすること自体が『思いやり』の欠如といえる。だいたい子供のクラス発表と表彰がこの会の主旨じゃないなら親を呼ぶなよ。

 前からポーズがハナにつく校長ではあったが、どうやらこれは根本的に学校の方針が変わったらしい。Mは、「子供を管理(しやすく)することが教育だっていう方針を唱える愚人がこの地区の教育委員にいるんだけど、この校長はその女の崇拝者で、去年ミーティングにも招待したのよ。ついにそれを実行に移したってわけよ。最後は『ハイルヒットラー』とでも言いたいんじゃない?」と憤慨する。なるほどそういうカラクリか。

 その教育委員とMはそのミーティングで激論したのだそうだが、その人自体に現場の方針を決める権限はなくて、校長の方針でこうなったらしい。しかし校長がどう言おうが教師にも意思があるわけで、必要以上にしーっとやっている数人の教師は校長の方針に合意しているのであろう。カナダの教育理念は日本よりリベラルなのかと思っていたが、大差ないなあと思うのであった。MがメンバーであるPTAは、こうした方針を議論はできても、決定には影響力は薄いのだそうだ。やれやれ。

 まあ子供はこれで別段影響は受けないだろうが(―――イジメ気質の子は、こういう権威型の大人が回りにいるとよりカサにかかる傾向が強まるかもしれないが―――)、毎月の Recognition Assembly が生徒集会というよりは校長の説教傾聴会と化し、より長くより退屈になりただただ気の毒である。

2006/10/18

萌画伯の絵「悪役ミレディ」ほか


    「悪役ミレディ」

最近ピアノなんかに忙しくあまり絵を描いてくれない萌画伯ですが、これはかなり傑作。TV Japanで放送している80年代アニメ「三銃士」の悪役ミレディさんです。いじわるそうな表情と、ぷっくらした怪しい唇が見事に捉えられている。美しい。



    「わたしのカット」

8月の末に転んで怪我をしたことを詳細に記した日記。地面がデコボコ、ここで転んだらそりゃ痛いに決まってる。

グレイド1(小1)になった最近は、やはり学校で使う英語のほうが日本語よりはるかに上達しており、文章も英文和訳風になることが多いです。「くるまをパークした」とか「すべってころんでカットがありました」なんてのがそれにあたります。日本語教育担当の私もいろいろと努力をしておるのですが、やはり学習機会が足りないなあ。どうしたものか。



    「ジーナとわたし」

一番気に入っているジーナと名づけたぬいぐるみについて、もらった頃はちょっと遊んでなぜか飽きてしまったが、今はお気に入りであるということを書いています。内容はともあれ、こんなに長い文章を書くことは最近なかなかないので、よしよしとほめてやっております。これは絵もなかなかよろしい。

2006/10/08

日記「I'm Not Like Anybody Else(レイ・デイヴィス)」

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■06/09/27(水) □ 英日仏読み書きむすめ
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 今日Mが萌の担任のカリキュラム説明を聞いてきたのだが、音楽を組み入れたカリキュラムが秀逸だと絶賛している。もともと音楽が専門の先生らしい。すばらしい。

そして萌はすでにフランス語で短文を書いている。彼女のフランス語能力は、すでに本学年(グレイド1)読み書き目標に到達しようかという勢いなのだそうだ。担任によると、1つの言語で読み書きができる子は、他の言語もある時点でルールが分かればたちまち理解しできてしまうのだそうだ。たしかに萌はひらがなの書き方がまず最初に来て、やや遅れて読みがき、そして英語の読み書きはあっという間にできるようになったのだが、フレンチでも同じことが起きているということらしい。すごいな。まあそれよりも絵のクリエイティビティと音楽性のよさのほうが俺はうれしいのだが。

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■06/10/01(日) □ ディープインパクトの凱旋門賞
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 ディープインパクトの凱旋門賞を見たくて早起きするが、どこでも放送はなし。Youtube などにアップロードされるのを待ってる間に結果が分かってしまった。ふー。まあ仕方がない。

 やっぱ有馬記念で力を出し切れず負けたことがある馬なので、現地で一度もレースに出ずに本番を迎えたのが失敗だったのだろう。日本の一流馬は世界レベルにあるのはもういろんな馬が証明してくれているのでショックではないが、サンデーサイレンスという名馬の子供が日本から生まれ世界を制すというシーンは、どうしても見てみたかった。

 天才馬は負けるときはこういうアレレなことが多い。オグリキャップらは負けてもものすごい競り合いの上で負けていたのだが、それがディープには、まだないのである。オグリ中田とディープ俊輔という感じでしょう(←安直なたとえ)。

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 などと思っていたら、夜になって映像が見つかる。結果を知っているのに、最終コーナーからゴールまでは体がガチガチに堅くなってしまった。―――あいつがこんなに頑張ったのか。結果だけを文字で知り安易な想像をした俺は馬鹿だ。この映像をリアルタイムで見ていたら、泣いていたかもしれない。悔しい。あいつがこんなに頑張ったのに負けたのか。悔しい。

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■06/10/03(火) □ オシム第1戦・トリニダッドトバゴ戦
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 ピアノレッスン第2回:萌は課題のドリルが退屈であまり熱心にやらなかったのだが、そのドリルから始まった。やっぱりうまく弾けない。もっと課題をちゃんとやらせないと駄目だな。宿題はやれば終わることだが、課題は上手にできるようになること(&そこをパスしてサクサク次に進むこと)が目的であって、一回できれば OK ではないのである。反省。

 次いで「メリーさんのひつじ」。これは萌がすでに弾ける曲だが、正しい指使いでやるとなると話は全く別で難しかろう。俺自身が指使いはテキストでしか分からないので、家でどうして教えてやろうかと考えてしまう。

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 日本から届いたオシム第1戦・トリニダッドトバゴ戦を見る。をを、速い!選手の動きもボールもジーコ時代の 1.5 倍である。長谷部が素晴らしく強く速く正確なグラウンダーを送り、ピタっとトラップした達也がつなげていく。この 1.5 倍速が90分できるとは思えないが、トバゴがこのスピードにまだ対応できていないせいもあって、ありとあらゆるところからチャンスを生んでいくチームになっていた。素晴らしい。2点目が入ってからは日本のスピードが落ちトバゴも対応が定まったようで膠着してジーコ時代と同じになってしまったが、序盤の速さは今までに見たことがない日本代表だった。

 しかし個々の選手を知らないので見分けがつかないというのがあるのかもしれないが、遠めで見ていると全員が敏捷さを誇る似たような感じの選手で、小粒の粒ぞろい、「U-23?」という感じがしなくもない(笑)。全体にセカセカしている。これだけセカセカしていてもちゃんとボールがつながるので、日本にはこんなに速くてうまい選手がたくさんいたのかと驚くが、どこかちょっと味わいが足りない気もする。森島の全盛期をも上回るかと思う達也ら数人を除くと、トルシエ時代で言えば藤本や望月といった、好選手だが代表には定着しなかったレベルの選手が揃っている感がある。セカセカしたゲーム展開ともども、Jリーグ選抜という感じが濃厚にする。それは悪いことではないのだが。

 前代表、前々代表のスター選手たちと彼らとでは、いったい何が違うのだろうと考えながら前半の残りを見ていた。予測をはずすエレガントなプレイがないから見ていて飽きるのかな。みな読みと繊細なボールタッチで敵を交わしボールを奪うのではなくて、駆け引きは省略して常に脚力勝負にかけている感じがする。その動きはアスリートとしては優秀だが、特別なサッカー選手という感じがしないのである。中村を入れてほしいとは思わないが(※)、ここに私のアイドルの彼がいたらどうだったろうなあと思う。
(※)こないだのマンU・セルティックも見たが、点を取ったシーンの前後以外はジーコ時代の中村と特に変わりなしという印象であった。セルティックは想像してたよりもずっと中村を使うチームで常にボールをもらっていたのだが、俊輔自身がマンUの厳しいプレッシャーを避けてハーフライン付近でプレイするので、まったく前に危険なボールを出せなかったのである。T&T戦に関してはアレックスが攻撃的MFとして素晴らしいデキで、彼は前線まで走り抜く走力も守備力もそこそこあるので、中村が代表レギュラーに戻るにはあのマンU戦のFK1発では全然足りない。

 しかしオシム監督は、小手先の技を使わずまずは即断直球勝負で行けという方針なのかもしれないな。トルシエもここまで極端ではなかったがボールを持つ技巧派を嫌っていたのは確かだし、今はわざとジーコの正反対に札を張っているのかもしれない。

 中盤はややペースが落ちたが、交代選手が出始めると皆パリパリに張り切っているのでまたチームのペースが上がり、後半は佐藤寿人のワンタッチを中心にいいプレイがまた続出した。いいではないか。最初の25分が素晴らしくてそれ以後は駄目だったという評が多かったが、後半に作った数々のチャンスだって、ジーコ時代に出ていればうひょーこんなことができるのかと驚くような、見事なオートマティズムだったのは間違いない。時間をかけて、もう少しエレガントさも香る代表に育ててほしいものである。

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■06/10/06(金) □ 「タワーリングインフェルノ」
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 最近古い映画チャンネルを見つけて50~70年代映画をちょくちょく見ているのだが、今日はなつかしの「タワーリングインフェルノ」を見てしまった。何度見ても恐ろしい映画である。2階以上の家には絶対住みたくないと思う。

 しかし調べるとこれは俺が中1の年に公開されている。たしか長野の封切館まで見に行ったのだが、田舎の中学生がこんな映画をわざわざ見に行ったのはけっこう不思議なことだ。少年マガジンかなにかの雑誌で、このタワーのスゴさを知って見に行ったんだよなー。あの頃のマガジン等のマンガ誌は、サブカル情報誌でもあったのである。

 と思っていると夜NHKの趣味の番組「熱中人」に、少年マガジン・キング・ジャンプ・サンデー・チャンピオンを30年分保存しているという人が現れた。ゴダイゴのボーカルの人なのであった。俺が興奮した「タワーリングインフェルノ」特集号も持っているんだろうなあ。

 この番組は毎週最高である。若いアイドルの人が出ていて、この人が毎度毎度「どこが楽しいのか理解できない」という顔をするのが勤めとなっていて無用だが(民度の低い人が他人に無理解なのは仕方がないが、趣味人・無趣味人と極端と極端を並べるのは無粋で趣味が悪い)、どんな趣味の人も幸せそうでいいなあと思う。

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■06/10/07(土) □ 「I'm Not Like Anybody Else」
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 午前中萌とのんびり過ごし、午後は庭仕事を一緒にやり、休憩に入ったところでRBが誘いに来てくれた。よしよし。

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 夜、レイ・ディヴィスのショーがあった。字幕のおかげで歌詞がよくわかりありがたい。キンクスじゃないので名曲はあまりやってくれなかったが、非常にいいライブだった。「I'm Not Like Anybody Else」をやったあとで「Next Door Neighbour」というソロ曲をやったのだが、この歌のメロディと歌詞がすばらしい。レイは、本当に誰とも違うなあと思う。

"Next-Door Neighbour" (Ray Davies)

お隣の Mr.ジョーンズ
もう生まれたときから知ってるみたいだ
しばらく会いませんでしたね
皆さん元気? きれいな奥さんも?
夢をみんな忘れてなけりゃいいんだけど
踏みにじられてなけりゃいいんだけど

健康に気をつけて
お金も大切にね
しっかりしてくださいよ
ジョーンズさん、ぼくのお隣さん

 彼は誰とも違うのだが、みんなと同じ場所にいるのだ。スタジアムコンサートに特化してしまったストーンズ(90年代以降はその反省も見られるけど)、パーティ好きの芸能人と化してしまったその他のロックグレイツとは、作る歌もギターの弾き方もぜんぜん違う。イングランドの曇り空の下、家でギターを練習し歌を書いている光景が目に浮かぶのである。