「グレン・グールド」「ティーンのコンピュータ知識」「新学期はじまる」「バカ雨の季節」「『マッサン』への期待」
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■14/09/14(日) □ グレン・グールド
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階下のM母が大音量でクラシックピアノのソロ曲を聴いており、なんだか全然わからないがめっちゃいいなと思って誰かと聞くと「グレン・グールドのバッハよ」という。グレン・グールドって名前は聞いたことあるなと調べたら、カナダの生んだ天才ピアニストだった。すごくパンクなピアニストだったらしい。うわ、かっこよろしい。
ウィキによれば彼は「音色の興味に訴えるよりも音楽の構造から生み出される美」を追求していたらしい。この音を聞けばなるほどと思うな。昨日日本語TVで9mmパラベラムバレットというバンドを見て、この人らは音の感じ方が俺とは違うんだろうなと思ったが、そういう感じはある。
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夕方ガスを入れに行き、夕暮れの街を SIGMA で撮る。久々の SIGMA 19mm は距離が短くて心もとないが、やはり撮るといい絵が出る。
SIGMA をつけていれば俺のカメラでのベスト画質がいつでも手に入るのだが、今は 40mm-70mm くらいの距離の人々を撮りたいんだよな。なんせ俺が一番多く写真を撮るのが、信号待ちのときだから(笑)。左は 40-150mm の 70mm、右は標準ズーム 42mm をデジタルテレコンで2倍にしたもの。この距離がほしいのだ。つまり換算 150mm あたりの。
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■14/09/17(水) □ ティーンのコンピュータ知識
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iOS8 にアップデートした萌が「写真がほとんど消えた」と号泣。げげ。だからバックアップしてからやれと…しかしいくらなんでも OS がユーザーデータを消す理由がない、どこかにあるだろうと写真アプリ内を探したらあった。デフォルトで表示される「アルバム」では「Recent(最近)」というフィルタがかかり、古い写真が見えなくなっていただけだった。
iOS は音楽もそうで、ファイル名一覧ではなくこの「ライブラリ」「アルバム」というものを見せたがる。萌はその「アルバム」内におり、そこでは古い写真がフィルタアウトされた「Recent」しか存在せず、大事な古い写真が消えたと萌はパニックになったわけである。その目隠しされた状態の「アルバム」から一歩外に出ると、古い写真が見つかった。
つまりストレージに存在する写真を全表示する「ALL」というアルバムを iOS が用意しデフォルトにしとけば混乱はなかったのである。そういう気遣いなしに UI を変えたせいで、iPod を使って2年のユーザーが号泣したということは報告しておきたい。Google とアップルはなんでも勝手にやり過ぎる。
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自分はなんでもわかってると思っているティーンは親が iPod のことに口出しすると嫌がるのだが、実のところフィルタとかファイルシステムとか帯域幅といったコンピュータの基礎概念はわかっていない。だからこういうときにパニックになるし、友だちにビデオを見せるといって1ギガの動画をメールで送ったりして、家全体のネットをその間数時間遅くしたりする。動画は圧縮するとか、ちょっと学校でこのへんの基礎を教えてもらいたい。
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■14/09/22(月) □ 新学期はじまる
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BC 州は教職組合が夏休みをはさんで都合5週間もの長期ストライキを打っていて、今日ようやく萌高校の新学期が始まった。萌の希望で学区外の遠い高校になったのでこれから帰路の半分はバス通学になる予定なのだが(行きはMが通勤途中に置いていける)、学割定期を調べてみるとけっこう高い。電話代よりも高い。定期よりチケットのほうが安く上がる。どうせバスターミナルまでは迎えに行くのでもうひと足伸ばして山の上の学校まで行っても俺の手間はさほど変わらんのだが、まあガス代がかかるので金の節約にはならんか。いずれにせよ不便なところにある学校である。むろんフランス語科だから遠路はるばるまで行かねばならんわけだが。
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始業から帰った萌をピックアップして買い物へ。学区外からの特例入学だった関係でアート科目は希望の写真科に入れず陶芸科になったとのこと。まあ写真が好きって言っても最近は PEN など触らず iPod でしか写真を撮ってないわけで、楽してアートっぽいものがすぐ出来るカメラよりは手を動かし作る陶芸のほうがためになるとは思うけど(笑)。
しかし時間割が判明し、えらいバランスが悪いので本人ともども驚いている。社会、アート、英語、数学という同じ科目を週を通して毎日やるんだそうだ。これが前期で、後期は体育、科学、情報、その他を毎日やり1年が終わるという。つまり前期は体育がなく、後期は毎日走るですよ。なにこれ。
このバランスの悪さは一体何なのかと驚くが、途切れることなく同じ学科を集中してやったほうが生産的であるという教育メソッドで、カナダでは一般的なんだそうだ。しかし飽きるだろう。マンネリ化するだろう。社会と英語と数学が嫌いな生徒は前期死にたくなるだろう。そういう問題は生じないの?
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新学期でいろいろとあるので萌が珍しくよく報告してくれるのだが、スポーツの交流戦等でライバルだったムスメ中キッズと V 中キッズは折り合いが悪く、あちこちで火花が散っている模様。ムスメたちがはしゃいでると V 中の連中が舌打ちして通るのだそうだ。おおアメリカの学園ドラマっぽい。
この学科のアンバランスさやそうしたヒューマンリレーションのあれやこれやが入り混じり娘たちはストレスを感じているようで、「家に帰るとほっとする」などと殊勝なことを言っていた。まあ最初だけだろうそんなの。俺だって高校に入った頃気に食わなかったやつと、しばらくしたらバンドやってたよ。
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■14/09/24(水) □ バカ雨の季節
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ドライすぎた夏が終わったと思ったら突然記録的な土砂降りとなり、家のまわりじゅうに水が溢れ出した。このまま放置して浸水してからでは遅いので、まず裏の排水ポンプを確認し、雨樋があふれて壁際に大量の水がダダダと落ちている箇所に波板を置いて水を芝まで誘導し、デッキ雨樋の詰まりを直し(リスのせいで栗のカラが大量にたまっていた)、最後にあふれ始めたフロントドライブウェイの排水口を直す。
排水口があふれているということはフロントのポンプが機能してないかポンプまでの通路が詰まっているかなのでまずポンプをチェック。水量は通常通りで機能している。ならば詰まっているのだと棒を持ってきて排水管内をガシガシ突付くとすーっと水が引いていった。助かった。大雨の中1時間の作業であった。すでに全身ずぶ濡れ。
夏前に掃除はしたのだが、こんなに早く水流が劣化するとは。これはなんとかせんとならんなあと憂鬱な気持ち。まずはドライブウェイ排水口に入る小さめの予備ポンプを買うのがフェイルセーフ策として吉かもしれない。
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■14/09/25(木) □ 「マッサン」への期待
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【花子とアン】「赤毛のアン」出版にまつわるシーンで学者の茂木さんが出てきて台詞を棒読みし、ツイッターが失笑の嵐となる。この物語の一貫したテーマは「棒読み」だったな。役者たちがどれだけ心傾けようと、「花子とアン」にまつわる部分は脚本家によってあらかじめ一貫して棒読みされていた。その象徴として帝大生龍一と茂木さんが起用されたという(笑)。
脚本家は「蓮子とデン」に惹かれ花子に興味を感じず、「花子とアン」を書くのにほとほと飽きてたんだろう。だとしても客が入ってるのにこの手抜きはないだろうと、蓮子の駆け落ちからあとの話には呆れていた。恋も争いも戦争さえもこの物語では、花子の横をそよ風のように通り過ぎていっただけだった。脚本家に人気があればこんなことが許されるんだから日本の TV 界隈は馬鹿ばかしい。視聴者の時間と楽しみをなんだと思っているんだ。
花子が何をした人なのかをこの物語はついに描かないまま終わってしまった。何かが作り上げられるその様子こそがドラマチックなのにね。
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そして次の朝ドラ「マッサン」の予告を見る。マッサンもエリーも相手の母語が棒読みにならないセンスを持ち、身のこなしや表情や声に役者を見ることのプレジャーが宿っている。そして何かを成し遂げることの喜びがしたたり落ちそうな物語の背景と、俳優陣の強烈なユーモアと。これはすでにサイコーな予感が。「あまちゃん」と同じ、これまで長いこと辛抱いるもの見せてすいませんでした的ワンダーになる予感が :-)。
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■14/09/27(土) □ ビートルズセッション
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パーティに行く萌を SR 家で降ろし、晴れたので俺は自転車に乗りポートムーディの公園で写真を撮る。ここは自転車ロードではなく散歩の人が多くて走りにくく、景色も美しいが写真を撮るような景色ではない。それでもまあいい景色が目に入るとキッと止めて撮る。最近つけたハンドストラップのおかげでカメラが安定し、ブレないのでありがたい。
今日の発見は初めてやってみたカメラの肩掛けスタイルが優れているということで、公園を歩きながらおっと思ったらカメラを構え即撮れるのは素晴らしい。バッグにカメラを入れていたら間に合わなかったシャッターチャンスをゲットできる。加えて肩からカメラでストラップのテンションが取れるので、ブレにも強くなる。首からぶら下げはどうしてもカメラおやじっぽくなる…というかそうであることがバレてしまうので避けたいが、肩掛けならバレにくいはずだし。
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夜恒例ケルト音楽同好会の夕べに参加し、例によって知らないケルト曲を耳で追いかけコードを拾いつつアコギでガツガツと伴奏する。気難しそうなピアノ奥様がチラチラ見てるので俺のロック式コードストロークが耳障りなのかなとチト心配したのだが、あとで「ギターのおかげでリズムがすごく出てたわ」と褒められた。ヨシ。
で会がはけたあと、集った中で唯一俺と同じくケルト曲を知らないロック系ギターの R 氏とジャムセッションした。彼はとてもうまくて変則チューニングでツェッペリンの難解曲が弾けるのだが、人間が歌えるフツーの曲をからきし知らない。イエスの「ラウンドアバウト」とか「ムードフォーアデイ」も弾いてた。パーティなのにそんなの誰も歌えないし俺も合わせて弾きようがないって(笑)。
なので「こうでこうでこうね、OK レッツゴー!」と客を飽きさせないために1曲 30 秒でコードを教え、ビートルズを歌いまくった。All My Loving、Please Please Me、Nowhere Man などなど。「ワオ。なんていいコードなんだビートルズ」と弾きながら驚く R 氏。当たり前だよ :-) While My Guitar ではクラプトンっぽいギターを彼がちゃんと弾く。いいぞ。
やがて一緒に歌っていたレディから、「私バンクーバーでビートルズを見たのよ」と衝撃発言が飛び出した。まままマジですか。50年前だって。歴史だ。俺はいまヒストリーを目にしている。みたいな。
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