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■14/10/04(土) □ カナダ子供のつるみにくさ
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萌の友達の、あのパパサカタと俺を呼ぶNMが遊びに来たのだが、例によって俺を見て「細長い…フォリナーだし…笑ってるし…」とかいってウケている (^-^;。
萌との会話を聞いていると頭が良くおっとりとしたユーモアがありいい子であった。いい子だから俺の知らぬ俺の美点がわかるのか。そういえばこないだ萌が連絡してこないので心配してこの子の携帯に電話をかけたとき、見知らぬ番号からだったので出るなり「どなたかまず尋ねていいですか」って静かに答えていたもんな。頭がいいよこの子。
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しかし彼女も夏休み中萌と同様家で Youtube を見るだけの日々だったそうだ。だったらみんなもっと落ち合えばよかろうに、なんでそうしないんだろう。
まあカナダの子供生活はやっぱり、徒歩や自転車で行ける距離に友達が住んでいないがゆえのつるみにくさがあるよな。フランス語科のある学校は少ないので特に条件が悪い。萌の同級生の家はうちから最短で片道車 10 分、最長で 20 分かかる。この 20 分の家に送迎(ドロップオフ&ピックアップ)すると、それだけで親の週末の2時間弱がただ車の運転で消えてしまう。
今日NMはバスで来て、帰りもバスで帰ろうとしていた。いやもう暗いからと俺が車で送っていったが、カナダの一般的な親は高校生の娘が夜バスで移動していても心配しないんだろう。俺とMは萌にそんなことをさせられず、それが子供扱いだと萌は感じている。しかし彼女に炊事を手伝わせ手際を見ていれば鍋が吹きこぼれたら一瞬フリーズするくらいで、まだ想定外のことには対処できんのだ。
高校生といえどまだ14歳、日本なら中2だもんな。危なっかしくて大人扱いはできないすよ。このへんはカナダの学年制度や、自立を有難がるティーンカルチャーのバランスの悪いところだと思う。
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■14/10/08(水) □ カラオケよりバンドをやってくれ
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【SONGS◆クリス・ハート】日本の心を大事に日本のバラードをカバーしているとのことだが、アレンジも歌い方もオリジナルと変わりなく、こういうのをカバーとは普通いわないと思う。カラオケだよね。
彼は Youtube のカラオケ投稿で有名になったそうだが(近年そういう外タレが多い)、その頃と大要同じことをやってミュージシャンあるいはボーカリストといえるのかどうか。こうした人たちが何か新たな価値を作っているのかどうか。あるいは何を歌っても鳥肌立っちゃう玉置浩二のような特別な声を持っているのかどうか。
なんでも朝ドラ「マッサン」につなげてしまうが、エリーは単にカワイイ外国人だからツイッターで皆がきゃっきゃ言ってるわけでもないと思うのだ。彼女が日本で演じることでこれまでになかった楽しさが生まれていると感じる。外国人 Jpop 歌手からは、あまりそれを感じないのである。すでにあるものの互換品なんだもん。オリジナルなのはモンキーマジックくらいだろう。
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カラオケというのはおそらく最も少ない努力で成果が出る音楽アクティビティで、萌も楽器の練習はあまりしないが iPod に合わせてのポップス歌唱完コピはいつもやっている。うまいが、人前で人の表情を見ながら歌わないと人の気持ちを動かす声は出るようにならないと思う。
子供らには自分でやれるバンドサウンドを今のうちに聞いてほしい。楽器の音の良さを聞き分ける耳を養ってほしい。そして自分も音を出し歌ってほしい。君たちが聴いてるポップスはスターになって周りがお金で動いてくれないと作れないが、バンドサウンドは自分で作れる音なんだ。わかるかい。
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■14/10/09(木) □ Kids are All Right
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学校の写真クラブに入った萌が、初めて PEN を持っていく。そして撮ってきた写真が滅茶よくてまいった。ちょっとキミたちね。もう親にはこんないい顔を撮らせてくれんだろ。勝手にせよ :-)
子供がティーンになると、Kids are all right だなあとほんと思う。親の出番はない。衣食住だけ提供しておけばキッズ同士でよろしくやっている。親としてはあと3~4年はあれこれ教えガイドし共に遊び暮らしていたいのだが、一緒に何をやろうとしてもほぼ強制になってしまう。もう離れているのだ。そして Kids are all right、子供ら同士で楽しくやっていく。それがくるのが日本より早い。
Mも最近は俺と同じく萌が手を離れてしまったと寂しく感じているらしい。俺はまあもう慣れたよとMに話す。小さい頃の彼女の写真を見ると悲しくなるので見ないようにしていると。仕方がないわね。20 代になったら親のところに気持ちが帰ってくるわよと彼女は笑う。そう。そうだね。なるようになり、やがて頃合いなところに落ち着くだろう。They're alright、Kids are all right。
Kids are All Right (The Who)
I don't mind other guys dancing with my girl
うちのムスメが誰と踊っていてもかまわない
That's fine, I know them all pretty well
問題ないさ、どいつも大概知ってるし
But I know sometimes I must get out in the light
まあ俺もたまには外に出て
Better leave her behind with the kids, they're alright
ムスメのことは友達に任せとくべきなんだろうな
The kids are alright
キッズは楽しくやってるんだからね
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■14/10/10(金) □ YAMAHA GL1 探し
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萌が表の写真を撮ってきた。今年のうちのメイプルの紅葉はピークに達する前に半分散ってしまった。夏がカラカラの雨不足だったからかな。
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Mがウクレレを習いたいと言い出したので、いやゼロからやるなら弦が6本あるほうが面白いとヤマハのギタレレ GL1 をおすすめした。前に楽器屋で見てウクレレと大差ないその小ささに興奮したのである。
しかし昨日試し弾きしてみたら全然鳴らなかった。倉庫のパッケージから出したばかりだったからかな。梱包内では弦がゆるめてあったので、チューニングしてしばらく置かないと鳴るようにならないとかあるんだろうかガットギターって。それともたまたまハズレ個体だったのかなあ。
そして今日別の楽器屋でもう1本 GL1 を見つけて弾いてみると、これも倉庫から出てきたのだが(どうも長い間ヤマハの工場がストライキで生産が止まっていて、ちょうど再開されたところらしい)こっちはちゃんと鳴った。昨日のが音満足度 5 としてこれは 7。8 以上がある製品なのかこれで満足すべきなのか。わからぬ。コキットラムで他に楽器屋ないしなー。
理想は同じギターを2本じっくり弾き比べていいほうを選ぶことなんだけど、御茶ノ水の楽器屋あたりに行かないとそんな環境はない。もう1本別な個体を見つけて弾けたら、平均値がわかると思うのだが。
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【マッサン】第二週ラスト。MやLDと日本の映画を見ていると「そんなわけないじゃん」とご都合主義なポイントを頻繁に指摘される。日本はそういう部分に非常にゆるく、ハリウッド映画などはそういうご都合主義はおそらくシステムできっちり排除して作っている。
エリーが優子の罵倒を理解してショックを受けるところなんてのもそのうちで、日本に来たばかりの彼女に親不孝だの裏切りだのといった内容がわかるわけがない。優子にゴメンナサイと告げ飛び出すというのもシャーロットさん本人が Web で語っている通り、共感しづらい演技だろう。俺はそういう点は複雑であろうシャーロットさんの気持ちを思いハラハラしてしまう。
しかし今日の最後の泪橋シーンは、エリーが知っていてはおかしいレベルの言葉が出てきてもそこにつまづく気になれないだけの演技の力だった。すごかった。「スコッチブロス食べてもらえない、大丈夫。優子さんイジワル、大丈夫」には泣けた。「下手な日本語で、お芝居にしか聞こえへん」という優子の前言を完全に裏切るあの彼女の言葉の強さは、いったいどこから出てくるのかと魔法を見ているようだ。
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■14/10/11(土) □ YAMAHA GL1 ゲット
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【買ってきたよ奥様の新ギター YAMAHA GL1】。
美しい。ちゃんとヤマハの名に恥じぬクオリティのヘッドとチューニングペグだ。素晴らしい。そのサイズからは信じられないくらい低音が出る。サイズ比較用に一緒に写ってるのは日本のおばあちゃんが送ってくれた鳩サブレだ。娘と奥様はダッククッキーと間違って呼んでいる。
「倉庫から出したばかりだと音が出ない?」仮説は当たってたようで、試奏した2つのうち音納得感が5だったほうが二晩寝かせて7になっており、7が一晩で8になっていた。当然8をゲット。6弦が A なんだけど、ローコードはそのサイズからは信じられないくらい低音が出る。ギターはやっぱりコードを弾いて気持ちいいのが最高だからね。
普通のギターより強めに共鳴させてサステインを得る作りになってるようで、ミュートをちゃんとしないと共鳴した開放弦の不要な音が残るくらいボディが鳴る。短く細いネックに慣れたらたとえば「アンジー」なんかをちゃんと弾けて気持ちいい。最高のトラベル&TV 見ながら弾きギターでしょうこれは。
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超遅ればせで今日見た【おやじの背中 尾野・國村】尾野真千子の顔を見るだけでうれしくなる。宝もんやな。利発で裏がなさそうな、そのひっつめ髪のような単純さに俺は憧れる。しかしそんな彼女にももちろん悩みはあるのですという、ここまで見た中で初めて本当らしい父娘のお話。
尾野が「お父さんは健康で! ひどいよ!」と罵るところがつらかった。わかる。わかるよその理屈つけがたい不公平感が…糸子…いや尾野さん。しかし高級旅館に親子同宿したらあれもこれもきれいに解決してしまったので、高級旅館すごい。俺も行きたい。
父親のうめき声に「どしたの!?」とぱっと反応するときの声や顔が、尾野さんは本当にいい。演技がどうこうじゃなくて、美しいと惚れ惚れする。いい音がするアコースティック楽器のような人だと思う。あの顔を見たくって、つい手に取って鳴らしたくなる。
最後にかかる歌が親子デュエットで有名なあの曲だってのは、いつもながら砂糖かけすぎ日本ドラマだなと思った。花子とアンの「愛の讃歌」とかね。いい後味と砂糖の量は比例はしないよね。
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■14/10/12(日) □ 妻のための最小ギター
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買う前から薄々意識していたが、ギタレレGL1は既定のウクレレ式ではなくギターと同じチューニングで使ってる人が多い。知ってる曲を元のコードで弾けるなら当然その方がいいわけで、トライ(音を5フレット分下げる)してみると音はちゃんと出る。
しかしフレットを抑える指圧で音程が必要以上に上がってしまう。つまり開放 G の 2 フレが A と A#の中間くらいになってしまい、どうやってもきっちりとは合わない。そしてやはりネックも若干反る。むー。
いろいろ調べてみると、6~2弦を5~1弦に移して6弦を別途足せばいけるらしい。なるほど(「旅とメロディ」)。
6~2弦を移動し手元にあるアコギの 6 弦を足してみると(ガットギターの弦張りなんて初めてやったので超苦労した)、できた。6 弦だけは 5 フレ分テンションが低いので前記の音程問題が出るが、普通のコードでギターのキーが出る。これは気持ちいい。この小ささでほんとのギターですよ。これはスマホ並みにすごいこと。
そして6弦の張りがゆるすぎてチューニングが合わないので、楽器屋で一番太い(=張りが強い)6弦を買ってきた。ガット弦で太いのはなくアコギ弦。056 だから普通の 046 より一回り太い。これで開放から5フレまでギリ音が合う。やった。ギタレレ持ち主の妻も喜んでくれよう。
「まあ新しい弦! ダダリオなんて高かったんでしょ? いいの?」
「いいんだ。君のためだ」
「イシバシ楽器のショップブランド弦で十分だったのに」
「いや君にはアーニーボールとダダリオしか似合わない」
みたいな。
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