ピカ、男前だ。カッコいい。OM-D E-M10 と M.ZUIKO 25mm F1.8 を手に入れ2週間、新レンズ 25mm F1.8 の使い方がわかってきた。
F1.8 / F2.5 |
開放でこうして猫の鼻の頭に合わせると(左)、目が合わないわけ。これではピンぼけ写真にしか見えない。一段(F2.5)あたりまで絞ると、同じ鼻に焦点を置いても目もフォーカス範囲に入ってきて、ちゃんとピントの合った写真に見えるわけです。ここの神経質さがこれまで使ってきたズームやF 2.8 レンズとは違うのだ。
この塩梅がわかってきたので、花などを撮るときは一~二段絞るようにしている。すると1枚目のピカやこの花たちのように、ふわっとした全体の中にキリッとした面が浮き出て気持ちがいい。フォーカス点ではなく面が美しいのだ。ファインダー内でのマニュアルフォーカスが快感の OM-D E-M10、快調である。
屋内で人のポートレートを撮るときなんかは、開放のままでいいみたい。人の肌や輪郭はそんなカリカリじゃないほうがいいのだ。「街コロ」でいいサイコロの目が出てうれしげな奥様。全体にふわっとしていながら、彼女のまつげがきれいに写っている。いい写真が撮れたと見せたら喜んでいただけた :-)
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背が高くややゴツいOM-D、最小サイズのPEN E-PL5 |
いわゆる一眼レフスタイルであるファインダー付きの OM-D E-M10 は写真撮ってます感丸出しになるので、町中で使うのはちょっと気恥ずかしい(笑)。
ひと目があるところでは何食わぬ顔でカバンからさっと取り出し、スマホ見てますみたいな風情で街景をスナップショットしたいわけ。その用途には小さく軽く突起物のない PEN はやはり最強なんである。一眼レフはファインダー部の突起がある分背が高く、カバンからの取り出しやすさではこれがけっこう大きな違いになる。
絞りは F2.5 で固定。歩きながらパチパチ適当に撮って、シャープさとふわふわがいい感じに混じった気持ちのいい写真がどんどん出てくる。PEN は OM-D より小さく軽いが、センサーと画像エンジンは同等なので同じレンズをつければ撮れる写真のクオリティは同等なのだ。スナップショットに重要なフォーカスもコンデジやスマホとは比較にならないほど早い。こんな小さなカメラで M4/3 最高レベルの絵が出るのである。素晴らしい。
OM-D はこれにファインダーを加え手ブレ補正を強化した分ゴツいが、まわりを気にせず撮影に没頭できるシーンではその分楽しみが大きいわけ。やっぱりファインダーを覗いたままボケや明るさを確認し詰めて撮るのも楽しいのだ。
いやーやっぱりいいわこのレンズ。ズームより難しいけど、すごい絵が出る。愛する PEN E-PL5 もやっぱり最高。
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帰りにうちから2ブロックほど離れた家の前を通りかかると、静かなエレキギターのコードが聞こえてきた。
「――あ、お父さんコレ!」
「――レッドツェッペリン! なんだっけ、Ten Years Gone!」
俺たちは美しいコードに聞き惚れ、その家の前であの美しいギターフレーズを歌い踊ったのです。トゥットゥクトゥ・トゥットゥットゥクトゥ。
「そういえば昔バンド音が聞こえて見に来たら、この家のパーティでおじさんたちが演奏してたよね。あれはモサモサのアメリカンロックだったから、このギターは多分その息子あたりだね」
「覚えてない」
「あれはムスメが小学校の頃、10年くらい前だよ。まさに、Ten Years Gone。ははは」◆