2005/08/26

日記「SH姉さんの結婚式」

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■ 05/08/13(土) 13:14:20 X Coquitlam River
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 Coquitlam River: NRさんたちと川へ。2年前に萌と見つけた最高のビーチは去年の大雨で流れてしまい、去年も今年もまったくこの川には来てなかったのだが、NRさんが探求して水量がたっぷりとある遊び場を見つけてくれたのだ。もうちと木陰が張り出していてくれるともっといいのだが、敷きものが広げられる草むらも少しあり、なかなかいいところだった。今日は夏が戻り強烈に暑い。子供たちが焼けすぎないよう気を遣って遊ばせる。

 2時まで遊んで帰宅。ふいー、今日は暑い。

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■ 05/08/14(日) 15:49:02 X ボーイズとジャムセッション
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 SH姉さんの結婚式のためノバスコシアから来ているM父に会うためにBV家へ。M父もGRも変わりなし。

 BVボーイズのところには楽器が揃っているので、ベースのBT、ギターのMAを入れて、アコギの俺とドラムのSTでジャムとなる。しかしプロのSTと俺はなんでもできても、ボーイズは自分の先生からコードを教わっていないのでほとんどなんにもできず。俺がその場で基本中の基本3コードを教えてやったのだが、それでもできなかった。前にも書いたがこれは彼らの先生が音楽ではなく、「Smoke On the Water のイントロ」「Stariway to Heaven の1番まで」といった一発芸だけを教えているからで、音楽のツボをいまだ未知なためどう教えてもついてこれないのである。MAがギターで弾ける曲に俺がべースでSTと共に合わせたときだけはさすがにパーフェクトに決まったけど、それ以外はどうにもこうにもであった。残念。

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■ 05/08/16(火) 14:17:10 X へイへイPL
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ノバスコシアからうちに滞在中のMの学友PLのために、天ぷらを作った。IKEA 鍋での天ぷらは狙い通りには行かなかった。この IKEA 鍋は広口すぎるからか油温が上がらないのである。温度が低すぎてからっと揚がらず、時間がかかって衣が固くなってしまう。まこと天ぷらは難しい。というか電気ストーブでうまく天ぷらをやるのが難しいのか。

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 萌は毎日寝るまでPLと遊んでもらっているのだが、どうしてこんなにも盛り上がっているのか不思議だ。たぶんPLが甲高い声を上げてちやほやするタイプじゃなくて、落ち着いた声で萌の興味の行く先を先回りして喜ばせてくれるからだろう。萌のドローイングを見て、「線が子供の落書きというよりすでに『アニメ』の影響があるわね」と指摘したり、さすがに職業作家(処女作出版準備中らしい)は目の付け所が違うと思わせるPLさんである。

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■ 05/08/17(水) 09:25:56 X キッズサッカー
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キャンセル待ちに入れてあったKT・HNと一緒のキッズサッカーに入れるとの電話が朝イチであり、行ってみるとKT・HNが何故かいない。まさかキャンセルはKT・HNだったりして ^_^;。雨上がりで涼しい中クラスは始まった。けっこう本格的で、トラップ&インサイドキック、ドリブルで皆の周りをぐるりと一周といった、基本スキルの練習から始まった。女の先生が2人で10人ほどを見ており、なかなか楽しそう。萌も楽しんでいる。

 サッカーのあとプレイグラウンドで遊んでいると、プリスクールで一緒だったJSが現れ萌と遊び始めた。さらに知らないボーイズも加わりえらい騒ぎになる。端から見ているとみんな口調がキツイので、ハッピーに遊んでいるのか喧嘩しているのかよく分からない。こうして普通のカナダキッズ遊びを見ていると、萌に命令口調をやめさせようとしても無理というか、意味のないことに思われてきた。

 命令口調は嫌だがそれが子供間のスタンダードなんだし、そうした強い口調でなければこうしたカオス状況では意思が通じないのだろう。俺の目の届くところで遊んでいる場合はやっぱり直してしまうだろうが、それ以外はあまり心配せんでおこう。

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■ 05/08/20(土) 17:41:03 X SH姉さんの結婚式
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 本日はバンクーバー・ダウンタウンの立派なホテルでめでたくSH姉さんの再婚セレモニーおよびSFの養子縁組おひろめなのだが、長い。こんなに長いパーティなのだとは知らなかった。ふいー。

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 結局午後2時半から始まり6時半頃に残るは家族だけとなり、そこで散会。長かった。カナダの結婚式とはこういうものなのか、公証人によるセレモニーの後は食事もスピーチも演し物もなく、ただただ 100 人ほどの人々がワイン片手に4時間立って談笑するのみ。演し物はともかく、食べ物がオードブルしかないのには参る。飢えない程度にオードブルはあるのだが、クラッカーとか生カキとか食っても落ち着かん。まあ日本と違ってお祝い金(って、なんていうんだっけあれ、忘れた)などを取ってやる披露宴じゃないので、食事がないことに文句も言えないが。




 萌はお祖母ちゃんからもらった着物を着れてうれしく、皆にほめそやされてまたうれしくて、退屈せず子供らやMの友達とずっと遊んでいた。俺は知らない人と話をすることなど何も思いつかんので、手持ち無沙汰この上なし。パーティ会場で Pocket PC を出して読み物をやってるわけにもいかんし、いっそMKに萌を預けて外にタバコでも吸いに行ければよかったのだが、禁煙するとこういうところも不便なり。

 そういうわけで結婚セレモニーといっても俺にとってはただただ大勢の人々を眺めているだけのイベントで―――MK他親戚内のオトコたち全員もほぼ俺と同じありさまでボーゼンとしていた―――、何の感想もないまま終わる。

 ただひとつ、SFの養育家族(養子縁組には至らなかったがこれまで面倒を見てくれた人々)と、彼女を受け持ってきた2人のソシアルワーカーたちが、SFの縁組が決まって本当によかったという顔をしているのが印象的だった。恵まれない家庭に生まれながら気丈に明るいSFは、これらの人たちに愛され支えられてきたのだろう。

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■ 05/08/21(日) 12:02:33 X「Mojo Working」
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 今日は休みかと思ったら午前中突如ST家を訪問し、夕食は人々を大量に呼んで寿司を作ることになった。ヘェ。

 入居したばかりのSTたちの小振りな家は、隣町 Maple Ridge とはいえ郊外方面なので思ったよりもずっと遠かったが(片道20キロ20分)、築5年と全てが新しくいかにもケアがラクそうでうらやましい家であった。昔は人の家のことなど気にもしなかったが、家事がしやすい家かどうかが気になるこの俺(笑)。

 楽器はアコギとアンプなしのエレクトリックドラムしかなかったのだが、1曲だけ「Mojo Working(Muddy Waters)」をガ・ガ・ガーンとジャムする。エレクトリックドラムのパタパタというリズムが入るだけでもギター1本では味わえない強力な生バンドダイナミズムが出るので、萌が興奮して喜び、その後ずっと「I got my mojo working!」と歌っていた。ブルース教育効果高し。

あとから萌が、「ロックスター Tomo 」というかっこいい絵を描いてくれた。このSTとのバンド演奏により俺が尊敬を勝ち取ったのは間違いない。


 しかしやっぱ俺はギターアンプを買うしかないぜ。今アンプっていくらくらいするんだろう。今どきというか最後にアンプを買ったのが 85 年のアブスト解散コンサート時なので、あれ以後いろんな電気製品同様価格破壊が起きているのかしらん。そうであってほしい。

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 そして午後刺身のいいところを仕入れてきたが、予想通りADとSH以外は食べなかった。考えてみれば寿司を食べたことのない人に寿司を出したがるのはMの癖で、いつも出すほう出されるほう共にがっくりすることになるのである。これで今日の客には「あたしは日本食は駄目だ」というイメージだけができてしまう。ギョーザとかそういうはずれのないものにしとけば済むのに、つまらぬことである。このことであとでMと喧嘩になる。

 しかし金曜からADとSHは休みなく結婚関連行事続きで、かつまだ終わってなくて明日も続くというのに、往復2時間のここまで呼び出すのは気の毒なことだった。ノバスコシアから来てくれたSHの友達全員をここに連れてくるのだけが目的だったわけで、ADは寿司を食った後はただ庭で犬たちの頭をなでていた。「疲れてるでしょ」と声をかけると、「ああ、この週末は長いよ」とため息をついていた。お疲れさまという言葉が英語にないのが、実にもどかしいのであった。

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■ 05/08/22(月) 12:33:32 X お疲れ様でした
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 果てなく続く家族行事。今日は夕方またバンクーバーのダウンタウン。ヘェ。

 招待を受けたダウンタウンのレストランというのは、ベルギー王室で修行を積んだADの親友がやってるという、地元雑誌の「Best French Restaurant Award」とかを受けている有名な店なのであった。それでわざわざみんなをここまで足労かけて呼んだのね。

 で出てきたパテとかは皆見事にうまく、美味だがショックを受けるほど口内にケモノくささが広がるヤギのチーズも味わえ、カナダで最高の肉を最高のフレンチシェフが焼くとどうなるのかという興味で発注したステーキもうまかった。まあ肉はどれほどシェフが頑張っても日本で食うものにはとうていかなわないのだが、なるほどテキはこういうソース(ペパーとクリーム)で来るかという感じ。デザートもなかなかだったが、一番うまかったのは食後のコーヒーだった。「これはうまい!」とLDと共に唸ってお代わりをしてしまった。声が出るほどうまいコーヒーなんていつ以来だろう。

 萌は食べ物は先に出てきたオードブルとパンだけでお腹が一杯になってしまったが、皆が食べ終わるまで静かに行儀よくしており、談笑タイムになると皆の椅子をかわるがわる訪問してはちやほやされて喜んでいた。帰りの車で萌は爆睡。みんなこの結婚の儀、本当にお疲れ様でした。当人のAD・SHも、ノバスコシアから来てくれた友達も、そして俺たち家族も。

2005/08/25

日記「イトコボーイズに夢見心地」

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■ 05/08/03(水) 14:01:11 □ JK家のプール
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 朝から掃除をしていると昼過ぎに隣のJK家プールから水音がまた聞こえてきて、窓から覗いた萌がKTが泳いでいるよと興奮する。これを隣から眺めているだけというのは酷な話なので、JKにお願いして俺と萌もプールに入れてもらった。カナダの個人家プールは、こんな5x5m程度の小さなものでも深いところはきっちり2mあり、足がつかず恐ろしい。BVのところとおんなじ。ダイビング用なんだろうか。入る際萌にライフベストを着けるよう、JKとCLがかなり怖い顔で俺に推奨していたが、ここは確かに子供用のプールではないのである。萌はライフベスト着用の経験がないので浮き輪で入ったが。

 15分ほど泳いだら萌が満足したので、後は水に入っちゃ駄目だぜと言い含めて俺は家に戻り掃除を続ける。JKっていい人なんだけど、プールに浮かんで昼間からビールをかっくらってガッハハハと笑っているもー絵に描いたようなカナダのおっさんなので、何を話せばいいのか全然分からん (^-^;。まあ実を申せば近所の家はみんなガハハといってるのであって、うちだけが違うんだけど。

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■ 05/08/05(金) 10:00:43 □ Cliffhanger クライミングジム
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 今日からニコチンガムもなし。もう禁煙して1月を超えたのだが、タバコ吸いたさは実はここ1週間くらい前よりも強くて、ニコチンガム1日2個でも不足を感じるくらいなのである。7年も前にやめたMでもいまだに吸いたいことはあるのだそうで、まことタバコ中毒というものは根深い。肉体よりも精神的な依存なんだろうか。あまりそのことを考えないようにして過ごしている。普通のガムを噛んだら助けになるかなあ。

 夏休みでうちに滞在しているERも連れて、今日はクライミングジムへ行く。兄貴のBTは運動が嫌いなので留守番となる。BTは自分でも「生まれる家を間違った」と言ってるのだが、親父SCそっくりの 185cmx80kg 級のボディを持ちながら、スポーツ一家内のスポーツ嫌いで困っているらしい。

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 ◆13:23 Cliffhanger クライミングジム。Tomb Raider のララそのものの格好となった萌はERの手本を見てからいくつかの壁にトライする。かなり高いところまで見事に登り拍手。


だがじきに疲れてしまった。昼飯抜きゆえ萌のエナジーが枯れたせいもあるが、クライミングジムというのはやはり5歳には無理があるなあと思った。登ること自体は楽しくとも、それしかないのでよほど熱中しないとやがて飽きてしまう。壁を蹴ってロープにぶらさがってフリーハンドで降りるといった楽しみを覚えたらまた別だと思うが、このアクションが初回の萌には理解できなかったし(俺はクライミングのライセンスがないので手が出せなかった)。

 これは本格的なスポーツで楽しいのは間違いないが、楽しむにはルートを策定してチャレンジするスポーツマインドと、ロープにぶら下がっても壁に叩きつけられないだけのボディコントロールが必要で、敷居はそれなりに高いと思う。小児が定期的に楽しむような遊びではなさそうだ。

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 晩飯後ベースを持ってきたBTとジャムを試みたのだが、やっぱBTやMKは「Zep の Black Dog のイントロ」とか「ジューダスプリーストの△■□★のリフ」など、先生に教わったかっこいいリフ以外は何もできず、1曲通して弾ける曲は1つもないらしい。基本コードも知らないので曲を教えてジャムすることもできない。こういう子供だましの音楽教授法をやって金をとる教師というのはほんと腹が立つ。「これができるようになったよ」と弾いて見せられる曲は増えても、ベース&ギターを弾く力は1年前からまったく伸びていないのである。

 目に見える成果(=レパートリー)が上がらないと音楽教師は金を稼げないのかもしれんが、本当にやる気があるなら、もっと簡単な曲を1曲弾き通させてコードと構成を理解させるとか(1曲完璧に弾けると飛躍的に応用力がつく)、子供に音楽を教える方法はいくらでもあるわけで、要は手抜きなのだ。

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■ 05/08/06(土) 10:27:40 □ イトコボーイズに夢見心地
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 夏の最盛期が過ぎ涼しくなってきた。日は差してるので午後はそれなりに暑くなるだろうが、今は高原の朝という感じ。

 萌はうちに長期滞在してるイトコボーイズ(小学生)たちの仕事を手伝って朝から遊ぶ。会話を聞いていて気付いたのだが、萌はたとえば「Don't do that! You can do this instead!」とイトコたちとほぼ同じことを言っているのだが、トーンが堅くてえらそうに聞こえる。萌の命令口調に困って「Can you~?」を足せといっつも俺は言ってるのだが、トーンコントロールの方がより重要なようだ。

 英語は口の筋肉に力を入れないとちゃんとした発音にならず、幼児は口に力を込めて喋るゆえにトーンが硬直するのである。この傾向は英語だけの子にもあるわけで(SMなんかいまだにそうだし)、萌はその辺の力加減がまだ下手だということなのだろうな。いずれ直るのは間違いないが、どうしたら訓練になるのだろう考える。萌には一応トーンコントロールについて説明してみたが、当然分からず。

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 ボーイズのリクエストでハイドクリークセンターのプールへ。萌はボーイズと共に人口川を流れ遡り最高に楽しそう。浮き輪でこのプールに入ったのは初めてだが、浮き輪は最初からバランスが取れてるので体の自由度が高く、静水エリアでは脚でしっかり体をコントロールして自在に方向転換してキックで泳ぎ、川ではMKの介助でくるくると旋回している。見事なり。

 Mをはじめカナダの保護者には、「ひっくり返ると危険だ」と浮き輪否定論が強いが、いずれにせよ水中では大人の保護が必要なわけで、介助が前提ならば身動き取れなくなるライフベストなんかより軽快な浮き輪の方が楽しい。

 しかしイトコボーイズの滞在のおかげで萌はもう夢見心地というか、終日ほとんど萌を2階で見ることがない状態(笑)。たまに上がってきたときに声をかけても、もうロクに返事もせずに用を済ませてまた階段を駆け降りていく。俺はまるで休みをもらったかのように、ただ送迎と食事を提供するだけで毎日が過ぎていく。ボーイズがウンザリしてるんじゃないかと俺は心配してるのだが、Mは大丈夫大丈夫と言う。

 今日は最後に「ラピュタ」をERに見せている。もう何度も見た映画なのに、ERたちと見ているだけであのうれし顔(笑)。萌に兄弟がいればこんなふうに、いつも子供だけの世界へ旅立ち俺とMを休ませてくれるのだろうか。

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 夜萌を寝かせていて猫の話になったので、「あのさ、AIちゃんとこのチビがね、死んじゃったかもしれんってOKOおじちゃんが言ってたよ。いなくなっちゃったんだってさ。猫は死ぬときに森に行って死ぬことがあるんだ」と説明してやった。すると萌は、「じゃあ神さまにお祈りしてあげよう。猫の国にいけますように」と、うちの守り神である観音様に手を合わせてくれた。

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■ 05/08/11(木) 09:51:05 □ KT・HN来訪
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 IKEA に買い物に行く用事があるのだが、萌がKT・HNと遊びたいといって来てくれぬ。まあたしかにしばらくKT・HNと遊んでないしなと呼んでやることにした。

 KT・HN来訪、みなで楽しくやっている。うちは子供が一人なのでよその家よりおもちゃ系が不足しているのだが、やっぱ買い物遊びとかお母さんごっことか、子供はあるもので満足するんだなあと改めて思う。HNが前回うちに来たときよりも飛躍的に言葉が発達して、ままごとで「ですます」を使えるようになっている。「うつくしいこころがじゃあくなこころをうちやぶる!」とか、なにかのアニメらしいがよく分からない、かっこいいことも言ってます。

 午後はバックヤードで、MKのハンモック等で盛り上がる。昔ツリーハウスを作るという困難なプランをMKは練っていたが、このハンモックは充分な代用品になっている。KT・HNが退屈したらゲームをやらせてやろうと用意しておいたのだが、終始盛り上がっていて出番はなかった。呼んでやってよかったよかった。しかし今日は日陰ではもう風が冷たくて、半袖では寒いほど。日々秋の気配が濃くなっていく。

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■ 05/08/12(金) 11:48:46 □ 高性能な鍋たち
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 IKEA へ。今日のメイン目的は古くなった我が家の鍋一式を全取っ替えするというもの。こないだ行った大型調理器具屋にあったものは豪華で気に入らず、シンプルな IKEA 鍋にしようと決めてきたのである。が、サイズがどうも完璧ではない。今使ってるセットよりもわずかに大きいものが欲しいのだが、洋モノ鍋は容量が大きくなると深くする傾向があるようで、縦長の鍋というのは底までかき混ぜるのが難しく不便なのである。

 広口鍋も1つだけあるのだが、この鍋が今の鍋より約 1cm 浅い。今の鍋でも吹きこぼれに悩んでいるのに、さらに浅くなってしまうのは問題である。帯に短したすきに長し。

 萌をプレイエリアに預けて1時間、自分にできるあらゆる調理シーンを頭に描き、上記広口鍋が入ったセットにもう一つ中鍋をスチーム用内鍋と共に加えるとたいていのことはできると結論し、吹きこぼれはとにかく試してみないことに分からないので買ってきた。厚底で熱が均等に広がるため今よりは悪くならないかもしれん。とにもかくにもこの IKEA 鍋は、ほとんどキャンプ用品といったそっけないステンレス&電気ストーブに最適化された厚底溶接という単純な作りがよい。

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 で帰ってささっとブロッコリを中型鍋でスチームしてみると、完璧。これで野菜調理が格段に合理化された。そして続けてスパゲティを作ってみると、もー驚きの違いなのであった。いや味は腕前と材料次第なので器具がよくなってもよくはならんが(^_^;;)、スパのお湯はぐらぐら煮立っても吹きこぼれないし、ソースパンはぜんぜん焦げつかない。厚底による熱量の均等化が見事に効いているのである。調理器具ってこんなに性能の違いがあるものなのか。IKEA 鍋に感心するよりも逆に、今までそれほど性能の低い鍋を使っていたのかと呆れてしまった。

 そういえば買い替え前のあの鍋たちは、10年前お互い無職で結婚したときに、グランヴィルストリートの調理器具屋まで歩いていって一番安いセットを買ったのだと思う。あの頃二人のアパートは、裸電球まぶしくて。んで今まで特に買い換えを考えたこともなかったのだが、これほどまでに性能に違いがあるものなのだと知っておればとっくにそうしていたぜ。貧乏で無知であった。阿呆であった。とにかく調理の楽しみが増し後片付けがラクになって、よかったよかった。

2005/08/05

日記「日本語サマースクール」

「猫のちび失踪の知らせ」「サマースクール盆踊り」ほか。
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■ 05/07/25(月) 08:45:05 ■ 日本語サマースクール
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今日からB市日本語学校のサマースクール。「いいなあ、楽しそうだなあ」と盛り上げていると、「お父さんも来る?」と萌はいう。「いや大人は仕事してろってさ」「いいよ、大人だってそっと来れば分かんないよ」などとうれしそう。

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NRさんカーに便乗して来てみると、教室が足りないとかで上下級クラスが合併され、総勢26人という大人数になっていた。ボランティアのヘルパーがたくさんいるので面倒見の人員は足りているが。そして今年もあの先生は、朝イチでさっそく写真を撮っている(笑)。

で2時間のオフなわけだが、まあ時間も半端だし今日は掃除だな。

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サマースクール終了。なんか早起きと往復移動と掃除と炊事で、俺は疲れた。萌はあー楽しかったとさっそく踊りのおさらいをやってます。

日本にいたときにホテルの有線で聴いて覚えてしまった、「♪俺の話を聴けえ」という歌が NHK でやっていた。クレイジーケンバンド「タイガー&ドラゴン」という歌だった。あのオヤジだったのかー。なるほどー。これが 2005 年日本旅行の思い出ソングとなってしまったのである。

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■ 05/07/26(火) 11:11:11 ■ カーシェアリングはありがたい
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今日は萌とLさんをサマースクールまで送迎して一日が終わり。暑くて人間も車もへロへロだ。カナダは湿気がないので日陰はまったく大丈夫だが、日向とガンガンに熱せられた車の中はやはりしんどい。

サマースクールの後はジムナスティックなので、帰宅せずヨロヨロと松ずしへ向かってLさんを受け渡し軽食をとり、ジムへ。ナマケモノ先生たちもジムの暑さ(30 度無風)にラリっている。ナマケモノ先生はSTという先生と今日は組んでるのだが、こっちの人も仕事は半人前なので、2人でちょうど足りる感じ。もう今は萌もナマケモノ先生とでも快調にやっている。暑い。松ずしで冷たい缶コーヒーを買ってきておいてよかった。

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帰りは暑さもひと段落。萌はさすがに今日は疲れたようで、帰り道静かだった。帰ってからはずっと絵を描いてます。

しかし今日はバーナビー2往復でガスも時間も消費した。NRさんと日替わりで送迎をするカーシェアリング制にしてよかった。しなかったら5日で300km=37.5L 近辺だから、バカにならんエネルギーの浪費である。2往復で消える時間も2時間だし、子供たちの楽しみのためとはいえ、まじめに考えるとこんな距離を毎日通うのは馬鹿ばかしいものがある。地元幼稚園のサマーコースもこうした大イベント型だったらよかったのだが、ちらしによると「勉強のおさらい」だそうなんだよな。せっかくの夏休みなんだから、夏の思い出になることをさせてやりたいのだ。

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■ 05/07/27(水) 09:27:10 ■ ちび失踪の知らせ
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弟家の猫のちびがふらっと出て行き、戻ってこないとOKOからメール。ついにそのときが来たか......。井の頭時代から数えて満 16 歳だもんなあ。今年会えてよかった。ほんと。萌も「ちびちゃん」といって覚えてくれたし。ちび自身も俺の愛情を思い出して、膝に乗ってくれたしな。

ふー、萌を送り出しこれから夏の休日が始まるというのに、ため息とともに過去回顧モードに突入し 1989 年からの日記を読み返してしまう。ちびが俺たちのところに来た頃というのはやっぱり、バイクに MTB にキャンプにバンドに競馬に釣りに関東村警備と、俺たちの遊びライフ絶頂期だったから本当に思い出深い(関東村は遊びじゃないが)。ちびも井の頭や武蔵境で自由を謳歌してたしなあ。

もうトシだったので今年1年はボーナスだったとお前はいったけれど、ちびは体力のある若いときにあんないいところに住んで夜ごと駆け回り木に登り、老いてからは田舎で静かに暮らしたわけで、全体によい人生だったことだろうと思う。後半生はお前とMKさんのおかげだよ。礼を言わせてもらうぞ。


とOKOに書いて送った。ふー。同じことは俺たち自身にも言える。若いときにあんないいところに住んでスリルに満ちた青春を送り、老いては田舎で子供を育て静かに暮らしている。

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■ 05/07/28(木) 10:29:19 バーネット・マリンパーク
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サマースクールのフィールドトリップでバーネットマリンパーク。この公園は涼しいのでMも久々に一緒。萌は青森からきて英語の勉強をしているというお姉さんとパートナーになって、夏の海辺を楽しんでいる。このあたりは鳥のフンでバクテリアが発生して水に入れないのが残念。



KT・HNもあとから加わったのだが、プリスクール終了後しばらく会えなかったからなのか彼らがバチっと一目で盛り上がってくれなくなっており、萌が困っている。皆を盛り上げるために俺もつきっきりで遊んでやった。これから8月中はしょっちゅう会えるだろうが、9月以降は学校も空き時間も違ってしまうからなあ。フレンチスクールに進むために友達に会えなくなる萌を思い、気の毒さがつのる。

フィールドトリップが解散して自由時間になり、みなで砂遊びを続けて、KTとHNがいつも通りハッピーになったところで残念ながらも時間切れで帰宅。しかしやっぱビーチの砂遊びは楽しい。Parksville のホテルのビーチは、遠浅で水が引くのは楽しいがサンドビーチがなかったから海としてはつまらなかったなと今になって思う。

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■ 05/07/29(金) 09:51:23 ■ サマースクール盆踊り
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サマースクール最終日。今日は教室にちょうちんなどがすでに飾られ、午後は盆踊りで盛り上がること必至である。

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サマースクール最後は盆踊りの演舞で盛り上がるだろうなあと楽しみにやってきたのだが、なんかさっさと終わってしまった。先生たちが一生懸命やってるのは分かるが、子供たちは家でも練習するくらいその気になっていたのに、イザ始まると「決めたとおり遅滞なく」という大人たちの心持ちが段取りに現れ、子供のパフォーマンスを充分に引き出していないように思われる。

具体的にはラジカセの音量が小さすぎて盆踊りの歌が聞こえないのと、混み入っていて踊りの輪が半周も回らず、俺たちがいた位置からは萌も他の知ってる子もよく見えないまま終わってしまったのがつまらなかった。せっかくなんだからもっとステージの構成を考えて盛り上げればいいのにと思うが、まあこんなふうに考えるのは俺が昔バンドで、オーディエンスの反応を考え曲順などを真剣に決めていたからかしらん。

ともあれ工作も歌も踊りも萌たちは存分に楽しんだと思われ、NRさんカーにみなでガヤガヤと乗り込んで帰ってきた。お疲れ様でした。

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■ 05/08/01(月) 12:35:58 ■ 「海外子女・帰国子女」
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朝方豪音と共に大雨が降ったのだが、起きたら晴れていた。今日はそのせいで風が涼しい。BCの最も暑い日々はこの雨で終わったなという気がする。午後プレイグラウンドへ。なんとプールが閉まっていて公園にも誰もいない。まるで夏が終わったみたいだ。寂しくなってしまうなあ。

朝の雨で野球場の砂粒がきれいに揃っていることに気付いた萌が、木の枝で地面に絵を描き始めた。俺も加わったのだが、これが暑くてしんどいのに盛り上がってしまってやめられず、二人ともヘエヘエいって汗をかきながら巨大地上絵を描いたのだった。絵が好きなのはよいこと。

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TV Japan で「海外子女・帰国子女」という番組があったのでなんだろうと録画しておいてみたら、ビジネスで一時赴任の親というのは、日本に戻ったときに子供をどう適応させていくのかということをやはり心配しているらしい。そういう親のためのコンサルタントビジネスの自己紹介的番組だった。

まあそういうこともあるだろうなと思うが、日本から「帰国子女受け入れ校代表」とかで私立の中高の教頭格を何人も呼んで、「どんな帰国子女に来てほしいですか」「そうですね、自分でものを考え自主的に問題を解決するようなお子さんが......」なんて話をしているのでだんだんと腹が立ってきた。あんたは会社の人事係か。うちの学校は雰囲気がいいし教師も経験豊富だから、どんな帰国子女でも安心して任せてくれとか、そういうコトをいうのが教育者じゃないのかね。

それにだいたい「帰国子女受け入れ校」ってのはなんなんだ。「帰国子女拒否校」なんていう差別的存在が日本にはあるのか? ―――まあありそうなところが純血国家ニッポンの恐ろしいところだが、少なくとも公立中学では言葉ができれば受け入れを拒否するなんてできないはずだろう。どうして日本の学校関連のオヤジというのはこううさんくさいのであろうか。それに対して ESL を当たり前のものとして各小学校に用意してくれているカナダのえらさよ。

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■ 05/08/02(火) 11:01:12 ■ 避暑地の夏
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萌はKT・HN家へ。午後迎えに行くと以前の通りにバッチリ遊んでいた。よしよし。AYさんたちと涼しい庭でスイカをいただきながら、東京に住んでたときには山に行く日をもう本当に夢見て汗水たらして働いていたものだけど、カナダに住んでると最初から避暑地にいるようなもので、夏でもわざわざ海山に涼みに行こうという気にならんですよという話をした。MSさんも俺と同感だそうである。まあ海山はともかく、8月の残りの日々にイベントはできるだけ入れたいけれども。

2005/08/03

日記「バンクーバーアイランド Parksville へ」

「命令口調問題」「It's like we're in art」ほか。
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■ 05/07/12(火) 10:53:41 □ ジムナスティックス大盛り上がり
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 禁煙してから 10 日が経つが、朝や夜の皿洗い時にやってくるタバコ吸いたいフィーリングの強さは、前とぜんぜん変わりないように思える。したがってニコチンガムも朝夕1個ずつの状態から減らせない。まあガムの方は半年までは別に心配せず服用してよいとあり、健康には害はないのだろうが。それにまあ again、そういう禁断症状がないときはほとんどタバコのことを忘れているというのが大事なのか。ときおりそれに気づいて自分で驚くのである。タバコ依存は徐々に消えているんだろう。

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 ジムナスティックス:なんと信じがたいことに曜日とクラスを変えてもなおナマケモノ先生になっていた。このカナダビジネスのいい加減さにはもはや絶句するが、先生が目の前にいるので失望を表情に出さないよう必死に努力。まいった。

 今日から新しい先生だと言ってあったので萌もガックシする。別のクラスに行きたいと言うので、「仕方がないよ、萌は鉄棒をクリアしてないから次のクラスには進めないんだ」と説明すると、そうかゲームと同じなのねとすぐさま納得した(笑)。

そしてクラスが始まってみると、何の問題もなく萌は課題を楽しむのであった。火曜は生徒数が少なくて順番がどんどん回ってくる。萌は完璧なまでに Tomb Raider のララとなり飛び回る。平均台では横移動をし、マット上では後ろを確認しながらホップバックし、トランポリンからは「ララ・ダイビング」を決めて大盛り上がり。この夏彼女は運動能力が大きく伸びている。今日はトランポリンのお尻バウンスと膝バウンスを突如きれいに決めてしまった。Tomb Raider ごっこで毎日跳んでいるおかげで、イメージと体の動きがどんどん噛み合ってきてるのだと思う。一緒に体操してる子ともえらい仲良くなりずっと笑い話しながらやっていて、よろしいよろしい。

 まあもうこれでいいか。二度念を押して先生を変えようとしてダメだったものをさらにいう気はもはやせんし、ナマケモノ先生もバイアス抜きで見て熱心になっており、今日のクラスは体操そのもので充実している。この夏はこのクラスでいいかと結論づける。

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■ 05/07/13(水) 08:38:16 □ SMとLS来訪
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 午後LS来訪。ちょうど間が悪くSMもやって来てしまった。SMがまた意地悪を言うかなとやや心配してみていると、萌はLSと盛り上がっているので、いつものように大声でいばるSMの態度にぜんぜん気圧されず無視している。LSも英語が話せるのでSMがいばると口答えするし、こりゃ大丈夫か。SMが例によって自分のいうことを聞かない萌にいらだって「あたし帰る!」といったときにも、萌とLSは「OK、バイバーイ」と意に介さずであった。だんだんとこうしてたくましくなっていく :-)。

 しかし結局SMは帰らず強引に萌を独占して、LSをのけものにしてしまった。そういうつまらない状況になってもニコヤカに笑ってるところがLSのいいところなのだが―――じっさいLSは常時ハイパーで俺とまともに口をきいてくれんが(笑)、威張ったり気分を害したりするところが全然なくていい子である―――、せっかく来てくれてるのに邪魔されて気の毒だ。考えた末、SMがまた威張って機嫌をそこねたのをキリに、「じゃあ萌とLSは日本語の勉強せにゃならんからSMは帰ってくれる?」と家に帰した。

 するとLSと萌は即座に日本語に切り替わって盛り上がり、MKが加わるとまた英語に戻って、夕方まで延々と盛り上がっていた。よしよし。俺はその後買い物に出たのだが、LSは帰りたくないと最後は泣いてたらしい。そうかそうか。またいつでも遊べるよ。

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■ 05/07/14(木) 01:28:19 □ 命令口調問題
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 子供たちを午前中に遊ばせたいと向かいのALにいわれたことを思い出して、RBをうちに招く。向かいに住んでいながらALが引っ込み思案? なせいでRBと遊んだのは久しぶりなのだが、喋り方がえらいしっかりしていて大人みたい。いつもALといるからかしら。まあ英語キッズは日本語キッズよりも言葉は大人びるのだが。

 しかし萌は年少の英語キッズと遊ぶときにはSMやKTみたいな命令口調になってしまう。前からそうだが、英語がフルエントになったせいで最近は余計に押しつけがましくボッシーになっている。RBが無口なせいもあって話が弾まず、気まずくなりがちな今日。弱ったなあ。

 萌はもちろん威張ってRBをコントロールしようなんてつもりはないのだが、このトーンコントロールは実際難しい。後からこんこんと、「あれは日本語だったら『これやれよ!』『こっち見ろよ!』って言ってるのと同じなわけよ。分かるでしょ? もっと普通に、『Can you~?』ってやさしく言えばいいじゃん」と言い聞かせた。

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 午後はウォーターパークへ。久々にいい天気で水がまぶしい。水鉄砲を買ってきたので水中 Tomb Raider ごっこで盛り上がった。萌を遊ばせながら無線 LAN ポイントがないか Pocket PC でスキャンしてみると見事にホットスポットが。げげ。さっそく ICQ をつないでMKを呼び出す。「ホットスポットがあったぜ!」「どこに?」とそれだけだったが、外でつながっているということにけっこう興奮した。出先でネットはモバ時代からソフトウェア・ハードウェア的になかなか実用化できなかった野望なのだが、公園で歩きながらチャットだもんなあ。すごいことだわコレは。

 小さな Web ブラウザに美麗な写真とクリアフォントが映っていると、見ていて楽しい。後藤新弥が秩父の洞穴登りをしている写真記事がスポーツ新聞にちょうど出ており、Pocket PC を通してカナダのさわやかな夏の光の中に日本の蒸し暑い夏のアウトドアの匂いが漂い、胸が締め付けられるほどうれしかった。

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■ 05/07/15(金) 08:16:25 □ やってくれたわ名メカニック
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 この冬以来車が右にそれていくのを直すべく、アラインメントをやってもらうため雨の中 OK Tire へ。オーナーのおっちゃんがテストドライブして診立てをするんだそうだ。メカの兄ちゃんもタイヤを見てくれているが、異常磨耗などはないから見ても分からないだろう。しかしそうして自発的に見てくれるところが誠実なこのショップ。

 とりあえずコーヒーとドーナツを補給して戻るとインスペクションが行われており、すぐに説明がある。やはりフロントが狂っているが、一番直進性に影響の大きいキャスターはフロントショックのディメンジョンが狂っているせいで調整では直せない。穴に落としてフロントショックを傷めたんじゃないかとの診立てであった。身に覚えはないので、買ったときから直進性が今ひとつだった理由はそれだったんだなあと合点。

 現時点でできることはトー・インの矯正だが、それで右へのそれが直るかはおっちゃんにも分からない。何もせず検査代を払うよりは直るものだけでもやってしまう方が当然いいのでお願いする。

 それに加え、リアショックが疲弊して通常の入力ではほとんど減衰してないねとも教えてくれた。戻り側のダンピングが弱すぎてショックを減衰しておらず、フルブレーキング時にはリアが爪先立ち状態になってグリップが弱まってるんじゃないかと。なるほど。だがまあそこは前後輪が常時つながっているレガシィだから実感としてグリップの心配は全然いらないことは知っているが、強い加速時などリアに荷重がかかるとユラユラすることがあるのはリアショックの問題だったんだろう。やっと分かった。

 まあ10年17万キロの古い車だからOKになればいいんだよ、そこまで完璧にしたいとは思わないと言うと、分かる分かると賛同してくれた。このショップはタイヤ交換時の印象通り、正直でよろしい。

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 そして待つこと30分、おっちゃんは「まるで新車だぜ、もう全然それないよ!」といってテストドライブから戻ってきた。げげ効いたのね、ありがとー!トーがやはり内向き過ぎていて 1/2 インチ直したのだそうだ。

 車をぐるりと回すだけでステアの整合感が違う。やや重くなったステアから、左右の車輪がちゃんと同時に動いているのが分かる。今朝まではそこからしてヨレヨレだったんだなと改めて分かる。Lougheed を戻ってみると、たしかに右への引っ張り完璧になくなった。これまでにない「タイヤが平行です!」という音がしそうなびしっとした直進性。おー、やってくれたわ名メカニック。やったー \(^o^)/。

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■ 05/07/20(水) 13:46:42 □ バンクーバーアイランド Parksville へ
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 ◆16:26 フェリー乗り場。混んでいて目指した 5:10 に乗れるかどうか微妙なところ。駄目だった場合はメルたちは徒歩で乗り、俺が1人で車を運ぶこととする。

 ノースバンまでのハイウェイはパワー・ハンドリングともに申し分なく、特にアラインメント調整済みのハンドリングはシュアで非常によい。コーナー入り口でコブシをひねるだけできれいに旋回に入って行けて快感。

 しかし Horseshoe Bay までの登りは、毎度ながらしんどかった。フル乗車エアコン入りで急坂なので普段使わない領域の負荷がかかり、レガシィは震えている。がんばれ。2年前のウィスラー行きよりもさすがにパワーが落ちてるかもしれん。

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 目指していたフェリーは九分九厘だめであろうとの見通しで、俺一人残る。まあ Pocket PC もあるし食べ物もあるし、車の日陰サイドに座っていれば風はさわやかで、ゆっくりと待とう。ふー、タバコが吸いたい。それだけが不足。

 と思ったが車列が突然動き出し、ボートが増発されると連絡があり、50 分 程の遅れで乗ることができ、Mたちとも船内で無事合流。やれやれ。

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 そして島に着きモーテルまで30分。待っていてくれたSF&ボーイズとわーっと話をして、萌は満足して寝てくれた。明日はこの夏一番の夏日との予報。たっぷりと遊んでくれ。

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■ 05/07/21(木) 10:39:30 □「It's like we're in art」
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 朝イチでMと萌はビーチコーミング。俺は朝飯を食い、ずっと萌と遊んでくれているSFと初めて話をした。13歳じゃ大人の外国人と話したことなどそれほど経験がないだろうが、萌と一緒に絵を描いていて、「これは mythological な(神話上の)生き物でドラゴンっていうの。mythological って知ってる?」と俺に質問したりして、共通の話題を見つけて話をしようとするやさしさがある。

 そしてもう一度ビーチコーミングに行こうと皆で出て行ったのだが、やはり水辺は寒い。萌はSF・ADと一緒にいたのだが、波しぶきを浴びてすっかり冷えてしまった。寒がるので中断して俺たちは帰ってきたが、着替えて毛布に包まりじっとしている。この寒風の中泳いでいる子供すらいて驚くのだが、萌は基礎体温が低いんだろうなあ。

今回は親戚勢ぞろい。Mはこの Parksville が大のお気に入りで、来年のために隣の一番いいバンガローをいま予約しようなどといってるのだが、BVらは「はるばる来ても別にうちのホワイトロックビーチと変わらん」と言っているらしい。そのホワイトロックビーチは俺から見れば隣町のポートムーディあたりのビーチと別に変わらんので(ホワイトロックが遠浅なのは違うが)、BCの海はどこに行ってもあんまり変わらんというのが正直な感想だ。「海だ!」と胸が踊るような気持ちはさほど湧いてこない。でもまあこれは文句ではなくて、単に普段の生活環境が恵まれててありがたいので、バカンスで遠出しても大幅なありがたみ向上はないということなんだけど。

 そんなわけで、別に来年もここに来るならそれはそれで異論はないが、ここじゃなくてもいいというのが俺の気持ちであるのだが、あんま冷めたことを言うとMがかわいそうなので黙っていた。どっちかというとハリソン温泉の方がまた行きたいという気持ちがある。あそこに滞在中そんなに盛り上がっていたわけではないのだが(プールに入る以外やることはなかったし)、意外にもあそこでの旅情が胸に残っている。なぜだろう。単にお湯のおかげかなあ。

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 萌が暖まったので、去年も行った大きなプレイグラウンドへ。町中はジリジリと音がしそうな真夏の日差しだったが、この町は内陸部はどれほど暑くてもビーチは海風で常に涼しいらしい。バンクーバーアイランドが本土よりも素晴らしいとは別に思わないが、この風向きのおかげで夏は涼くて人気なのかもな。萌はSFと共に各種ジムとウォーターバークで遊んだ。

 そしてモーテルに戻ってちょっとだけ海に入り(波打ち際の海藻さえ我慢すれば海水は意外にも暖かかった)、寝る直前まで皆と一緒にキャンプファイア。


 というわけで、なんというビッグ&フル・オブ・ファン・デイだったことでしょう、モエ・サカタ。日没寸前8時半頃の海は素晴らしく美しく、海のかなたにBCメインランドの山々がかすんでいる。萌は「山が絵みたいだね。It's like we're in art」と詩的な感想を述べていた。この景色はさすがに島ならでは。

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■ 05/07/22(金) 08:46:46 □ 今年もなごみの Coombs
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◆10:44 片付けを終えて出発。MKの代わりにERがうちの隊に加わりミニゴルフ。萌は最初は楽しんでいたのだが、飽きて腹が減って機嫌が悪くなってきた。やっぱりビッグデイの次の日は疲れがあるのか調子が出ない。

 屋根の家にヤギが暮らしている Coombs というリゾート村でランチ。ERが一緒なのでこれで萌の機嫌もよくなった。ここは軽井沢みたいで今年もなごむ。日陰で1時間のピクニックでのんびりしています。コキットラム周辺にもこういうところがあればいいのに。


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 18:03 フェリー出航。萌はこの旅行でイトコたちにものすごい勢いで喋り続けて、また一段英語のフルエンシーが上がったのだが、どうにも命令口調が直らない。本人はイバっているつもりはないのだが、一番ダイレクトな口調が命令口調である英語の場合、適切なトーンで喋るというのは一つレベルが上の訓練が必要なことらしい。イトコたちは皆年が離れているので萌の命令口調を笑って流してしまい、トレーニングにはならないし。ERなんかは特に気立てが超やさしいので、今日なんか終日全く萌の言いなりで気の毒であった(笑)。

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 9時半帰宅、お疲れさまー。結局旅先でネットはチェックできなかったので、急いで相撲の結果を見る。琴欧州と朝青龍だけが2敗、これは優勝決定戦になるかも。