2010/12/29

日記「叱られクリスマスコンサート」

「LD家カルカソンヌ大盛り上がり」「クリスマス欝」「『原始の営み』感想」ほか。

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■10/12/14(火) □ クリスマスプレゼントいろいろ
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 クリスマスプレゼントで小型掃除機を買ってもらった。絨毯をやるときは今あるビルトイン(壁埋込み式)掃除機を使うのにやぶさかではないが、長大ホースの出し入れと扱いが大変で、もっと小回りの効く普通の掃除機が長年ほしかったのである。

 アメリカ・カナダの工業製品はなんでもそうだが、思いつきはいいがアプリケーションが悪い。ビルトイン掃除機なんてのも排気を屋外に出すというアイデアは素晴らしく文句ないが、ホースがあれほど長いと実に使いづらいし、そしてあれだけ長くても家の中にはホースが届かない場所がたくさんあるのだ。うちは上下階1つずつしか排気コネクタがないのだが、2部屋に1つくらいつけておいてもらいたい。


ロボット掃除機。赤外線センサーやら
オートチャージャーやらを動員して、
1部屋1時間もかけてノロノロお掃除
義母BRが1階で使ってるロボット掃除機も、オートでマッピングして床中くまなく掃除するというアイデアを思いつくのはいいが、実現されたロボットが1部屋の掃除に1時間もかかるのだからバカげている。人間がやれば3分で終わる仕事を、ギーコギーコというノイズを轟かせ1時間やってるのだから、作った人も使う人もアホかとしか言いようがない。BRは超耳が遠いので気にならないらしいが、あんなものが周りにあったらあまりの無駄とうるささに俺は気が狂うだろう。いくらロボットでも 10 分かそこらで終わるようにしとけよな。米加の技術者というのはかようにことごとく、作ってテストし改良するというマインドがないのではないかと疑うのである。

 ともあれデパート Sears の新掃除機だが、日本製に比べると大きさとノイズが 1.5 倍、吸引力とヘッドのデキは 50% といったところ。しかしカナダで手に入るものとしてはこんなもんだろう。今日はクリスマスツリーを入れたので、落ち葉吸い込みに大活躍であった。

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 夜、今度はLDに頼まれてプレゼント用のアコースティックギターを一緒に買いに行く。こないだ楽器屋で試し弾きした FG-200 はまったく昔の FG-200 と同じしょぼい音だったのだが、この店には FG-350 が百ドル台、FG-700 が2百ドル台である。ヤマハの価格構成は数字x万円と明確だったのだが、ポリシーが変わったのだろうか。

 聞けば中国製だそうでそれが安い理由なわけだが、ともあれこの FG-700S がなかなかいい音で、ぱらんと弾いただけでLDと俺の表情がぱっと輝く。低音のディープさに欠けるので俺みたいな乱暴な弾き方には合わないが、プレゼントするLDの兄貴はニール・ヤングやサイモン & ガーファンクルみたいのが好きだそうだから、こういうコードバランスがよく高音が繊細なギターは喜ばれるだろう。こないだの FG-200 とは2万円分くらい音が違う。LDは想定予算を超えていたので悩んでいたが、他の兄弟からもカンパを募って買うわと決定して購入を決定。きっと喜ばれるよ、これはいいギターだ。

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■10/12/15(水) □ 叱られクリスマスコンサート1
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 萌は今日クリスマスコンサートの第一部だったのだが、友達と後方でふざけていて観衆の面前で教師に痛罵されたのだとえらい動揺して帰ってきた。萌たちの態度がどれだけ目障りだったのかわからんからなんとも言えんが、「すぐにグレード5は下の子の模範なんだからっていうけど、そんなパーフェクトになんてなれないわ!」などと言う。

 「いや見てないからわからんけど、コンサート中に静かにしてろなんてパーフェクトというほど大げさなものでもないだろう、普通にちゃんとしてろってことだけでしょ」
「でも怖い顔で怒鳴りつけたんだよ!」
「いやたしかに教師っつーのはヒステリックな人が多いと思うけど(笑)、まあ子供がふざけて大人を怒らせるのは事実でさ、それはしょうがないんじゃないの? お父さんだって毎朝ちゃんと支度しろって萌に怒ってるじゃん、同じことだよ」

 萌はそれでも納得できないようだが、最近萌はつまらぬ口答えをするようになってきたし、やや反抗期に入ってきたのだろうな。ま、ふざけていたら叱られてくれ。そして反省してくれ。

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■10/12/16(木) □ 叱られクリスマスコンサート2
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 萌の学校のクリスマスコンサート2日目。「世界のクリスマス」という寸劇を曲間にはさんだ凝ったもので、その寸劇が長くて説明臭くて全然面白くなかったのが残念だが、とにかく力の入れようは前の学校とは大違いであった。音楽に熱心な先生が全クラスを指導したらしい。だからどのクラスの出し物も演出は似たり寄ったりではあったが、まあともあれどこもデキはよかった。

 しかしまた萌がどやしつけられて泣く。歌が終わった後バックステージで友達と談笑していたら昨日と同じ教師に萌だけが叱られたのだそうで、そりゃ昨日の件で萌はそのヒステリー教師に目をつけられているのだろう。「どの先生なんだ、昨日の件はちゃんと家で話し合って反省してるんだ理解してくれって話すよ」と萌に聞くも、萌は対立が怖いのかその教師のところに連れていってくれない。

 結局そのまま迎えに来たMの車に乗ったのだが、Mは「教師なんてそれくらいの誤解はいつでもするわよ、たいしたことじゃないわよ」と笑い飛ばしている。そうかなあ。俺はその教師のところに行って、「なるほど、友達と話して笑うことすら許されないのがあの、校長がコンサートでさかんに言っていた『クリスマスのラブと思いやりスピリット』ってやつですか」と言ってやりたかったぜ。まったく教師のいう思いやりなんて上辺だけだな、世界中どこでも。

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■10/12/18(土) □ LD家カルカソンヌ大盛り上がり
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 LD家のファミリーパーティへギターとカルカソンヌを持っていき盛り上がった。DVとその彼氏CKが熟練カルカソンヌ・プレイヤーで、初めてオフラインで大聖堂フルルールを使った本気カルカソンヌとなる。

 5人だと取れるタイル枚数に限りがあるので、大きな町を開いてしまうとクローズできない。だから俺は小ぶりの都市を作り、後半MKが作っていた大聖堂シティにマージしてシェアに成功する。しかしメインの大草原に俺だけが入っていけなかったので負けたと思ったが、うまくつないだロングレイクロードが効いてCKと1点差で俺の勝ちとなった。楽し :-)。

 俺はそれで疲れたMとBRのためにカルカソンヌを置いて帰ったのだが、その後はDVとKNも混じって大盛り上がりだったらしい。MKがメールで写真と実況を送ってきた。ああ俺も残っていられたらなあ。残念。

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 ちなみにこないだ頼まれてLDの兄貴KNのために買った YAMAHA FG700S は、ショップで指で弾いたときはバランスがよく粒が揃ったいい音だったのだが、ピックで弾くと音が想像したよりもかなり堅かった(店ではピックを使えなかった)。まあKNが弾き込んでくれたら馴染んでもっとよくなるだろうと思うが。ギターというのは自分の家とか、エレキならばバンドで使ってみないと本当の音はわからないものだ。楽器屋の試し弾きで選ぶのは難しい。

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■10/12/23(木) □ ハードボイルドな破壊者
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 BrettspielWelt オンライン・カルカソンヌで Tom.** という戦績やや格上の人と会い、開始数手でこいつは自分で町や道を作らない他人の町破壊専門業者だと判明。そこでトラップされないよう慎重に打ちながら、おもむろに話しかける。

「君は典型的なタイプだな」
「何が?」
「町を作ることに興味がない。ただ相手のコマをトラップしたいだけだ」
「そうかもね(笑)」


 このようなハードボイルドな会話で皮肉られても彼は全然めげずに破壊活動を続け、ついに俺の大都市の出口真ん前に障害物を置かれてしまう。くー。

 しかししばらくして、この障害物はこれはこれで町として完成できるなと気がついた。そこでさささとタイルを寄せてその町の外郭を閉じ、あとはこのシティを俺の大都市に切断か接続か、どちらかのタイルを引けば大得点という状態を見事に作り上げる。我ながら惚れ惚れする腕だ。

 そしてこんなダーティな奴とフェアに戦っている俺にカルカソンヌの神も微笑んだのか、たった1枚残った分割タイルが俺に出た。この1枚で 24 点+38 点の2都市が見事完成、大逆転勝ちとなった。この手の破壊業者に勝ったのは初めてである。うれしー\(^o^)/。

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■10/12/24(金) □ クリスマス欝
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 今年もクリスマスプレゼントを巡り欝になる。Mが俺に必要ないものを買おうとしたのでいらんと言いケンカになったのだ。クリスマスだからといって必要がないものを「買ってもらう」というのが俺は苦痛なのであって、人に買ってあげることは苦ではない。必要ないものを持ちたくないという俺のこの精神は偏屈なのだろうか。

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グリコのおまけみたいなコマがついてます
MKたちがクリスマスディナーに来て、「フォービドンアイランド(禁断の島)」という新しいカードゲームを持ってきた。「洪水を遅らせ宝を取って逃げる」というもので、これがまたこないだ彼が持ってきた「フォーミュラD」と同じで、「クレバーなシステム(複雑ながら論理的整合性がきれいに取れているルール)」だけがあり、ゲーム性がない。

 ゲームが進むほど洪水が早くなるルールシステムになっており、それで危機感を煽るのがこのゲームの「クレバー」さなわけだが、全プレイヤーがやることはまるでバケツリレーのように浸水扱いのカードを元に戻していく地道な作業ばかりで、教室で危機回避の図上シミュレーションをやってるような感じである(実際「パンデミック」という人気危機回避ゲームの簡易版らしい)。

 ルールもまったく直感的ではなく、ルールブックを読むMKの指示通りに皆が粛々と動くだけ、俺と萌が知恵を絞る要素はからきしない。思考と決断とその結果の報酬や失敗の味わいがゲーム性なのであり、リーダーの指示(―――というかルールの論理から導き出される最善手―――)に従うだけでは単なるドリルなのだ。どこへでも飛べる万能ヘリコプターカードなどが登場するいかにもアメリカっぽい格調の低さも合わせ、うーんという感じ。

 MKが盛りあげようとしてるので俺と萌も相槌を打つが、結局静かにゲームは終わった。こういう水が迫ってくる、逃げろというゲームはアクションゲームにはどうやったってかなわんだろう。MKってなんかゲームの面白さというものに対するセンスが俺とはえらい異なっているなと思う。「クレバー」ならばなんでも評価するようだが、クレバーで面白くなければ意味ないではないか。やっぱ Linux なんちうクレバーな傍流を本業にする奴は変わっとる(笑)。

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■10/12/25(土) □ 「原始の営み」感想
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イソップ童話をもらいました
クリスマスの朝。萌ももうほとんどティーンエージャーなのでおもちゃをもらうということもなく、例年通りたくさんの本と服と、友達とのディナー券(子供だけでレストランに行くというアイデア)などスペシャルイベントのチケットをもらった程度で、プレゼント的には静かなクリスマスだった。


カルカソンヌ2・城と道が森と川に
俺たちと同様にカルカソンヌにはまっているMK夫妻には、俺が「カルカソンヌ 2 - Hunters & Gatherers (原始の営み)」を贈呈した。さっそくやってみるとやはりオリジナルと絵柄があまりにも違いすぎて、どこがつながり終わっているのかよくわからずみな戸惑う。森というファジーな特徴が境界線を曖昧にしていてよくないのだろう。どういうタイルがあるのか全くわからないので、あまり野心的な建設はできないという感じで恐る恐る森を作る。1にはないので期待したボーナスタイルも別に盛り上がるイベントはなく、初回はルールを確認しながら淡々と終わった。全員「ふむ、なるほどね」という反応。やっぱオリジナル・カルカソンヌがあったらいらんかなあというのが正直な感想である。

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 しかし1回じゃよくわからんのでMKとサシでもう一度やってみる。するとこれはやはりカルカソンヌで、地形が見えてきていつも通りの思考が働き始め、MKも俺も盛り上がってきた。やっぱりカルカソンヌには、絵柄やルールが変わっても変わることはないほど強靭な面白さのメカニズムがある。

 そしてこの2は川(オリジナルの道に相当)が最高で、川の両端が池になっており、その両方の池の魚の数だけポイントが加算される。だから魚4匹とかの肥沃なレイクを引くと非常に盛り上がるし、得点した後も池は次の川につながるのでつないでいけば同じ池の魚からどんどん点が取れる。このおかげで双方に手頃な得点機がこつこつと途切れず、1よりも非常に生産的なゲームになる。水系に置く魚取り小屋ポイントも含め川が楽しく思考が進むのだ。

 草原も動物の多いタイルを自分の草原に集めていくという、オリジナルとは違った方向での開拓が面白い。ボーナスタイルもゲームを左右する強力なイベントは2つだけだと分かってしまえば当初の期待はずれ感もなくなり、出たタイルを「建築士」ルールのエクストラタイルと同じ感覚で自分の町や草原の得点アップにサクサクと使える。

 2回目をやって、これは大丈夫だ面白いと確信した。絵が好き好きとはいえベース・カルカソンヌより間違いなく面白い。俺は拡張セットを持ってるのでこれを欲しいとまでは思わないが、家族パーティにMKが持ってきたら俺はどんどんやりたいと思う。

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 【追記】(Jan 2011) その後MKと何度もやったのだが、やや弱点も感じられる。まず、誰が勝ってるか盤面から全然わからない。おそらく絵柄的にどこにどのサイズの町ができているか見えづらいことに加え、池に池をつなげばタイル2枚で8点とか取れたりするので、プレイしたタイル数や戦術的積み重ねと得点にかなりのズレがあるのだろう。考えてみると川は最短2枚で点が取れてしまうのだから、運だけで点が取れすぎるような気もする。もうちとレイクロードのように自分の工夫戦術努力によって点を取ったほうが面白い。

 その戦況の曖昧さに加えタイル5~6枚以上のでかい町があまりできないのが、このバージョンが楽しいけどやや盛りあがりに欠ける原因だろうな。タイル構成を見てみると3面タイルがオリジナルよりはるかに少ない。だから町が拡散せず3~4タイルですぐ閉じてしまうのだ。これは川同様サクサク点が取れクローズ不能が起きにくいというメリットはあるが、森を完成したときの達成感はなくあっさりしすぎているし、閉じるのが早いのでマージや乗っ取りの機会自体が少なく丁々発止のやりとりが全然発生しない。

 川の点は上記の理由でランダムだし森の争奪もないとなると、どこで知恵を絞り相手と競っているのかが微妙で、だから全体に平和的で楽しいけど個々が黙々と点を積み重ねる静かなゲームとなってしまう。

 こうして見るとやはりオリジナル・カルカソンヌの、でかい町と豊穣なファームが一目瞭然に育っていき、それを巡る攻防が自然と発生し明暗がクッキリつくというシステムは、シンプルで本当に偉大だなと実感するカル2感想であった。

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【追々記】(Nov 2012)その後オンライン戦で熟練者と戦い、考え直しました。これは名作です。これは森ではなく川の魚と草原の動物を育てるゲームなのだと。追記事「カルカソンヌ2は名作だった」

2010/12/14

日記「カルカソンヌ:デーモンとつばぜり合い」

「新学校最初の通知表」「『呪いのミイラ』発注」ほか。

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■10/12/01(水) □ もっと競技カルカソンヌを
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 萌と盛り上がる花札カルカソンヌ(手札3枚持ちルール)に初めてMを誘ってみると、計画乗っ取りの面白さに目覚めた萌がMにどんどん乗っ取りをかけてしまう。最初はみな笑ってたのだが、Mはスポーツや競技でのがつがつしたコンペティション自体が嫌いで平和的にやりたいのに萌がやたら突っかかってくるので、途中からやや機嫌を損ねてしまった。萌はMの機嫌が心配なのと興奮とで感情が入り乱れる。これはゲームで胸踊る 10 歳に競技性を抑制せよというほうが無理なのであって、萌には俺にだけアタックしろと言っておくべきだった。

 後半萌は俺が2コマ置いて守っている大聖堂シティにきれいに2コマ送り込んできた。素晴らしいテクニックである。こういうクリエイティブなプレイに興奮するのがゲームというものだ。攻防なしに各自町を築くだけならばカルカソンヌの面白さは半分も出てこない。Mや親戚とやると楽しいねで終わってしまい盛りあがりに欠けるのは、みなプレイ回数が少なく乗っ取り/マージという競技方向での創造性が発揮できないからだ。カルカソンヌは競技になったとき、ドイツ(=実質世界)ゲーム大賞に輝いたその面白さのすべてが出まくるのである。

 だから人と競合せず大きく美しい街を作りたいというMの方針は分かるが、美しい町を敵から守り完成させて勝つという方向に進んでもらいたいものである。町の防御にも創造性は生かせるのだ。

 しかしハンデありとはいえ 10 歳の娘とやってもこうして白熱するくらいの腕前なんだから、俺がBSWでなかなか勝てないのも当たり前だな(笑)。オンライン勝率は 40~42% あたりからまったく上がらない。勝率 50% あたりの一般プレイヤーとならばいつでもいい勝負になるが、60~70% の達人がごろごろいる世界だからなー。

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■10/12/02(木) □ 新学校最初の通知表
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 萌の1学期通知表がきた。なんと ABCCBC という感じ。これまで萌は言われたことだけ普通にやっていればAをもらっていたわけだが、そういうシステムをよしとする教師の下での数年の学業のせいで知的レイジーさが身についており、物事を強く深く考えようとしない態度が顕著になってしまっている。だからMが担任に「萌が言われたことだけやったならばCにしてくれ」と依頼し、その通りになったのである。

 これは萌には気の毒かなと思うと、彼女もお母さんにミニマムだけやってたら駄目とつねづね言われているから分かっているようで、「これが現実的な評価よね、もっと努力して上げないと」と悔しさを隠している。まあそうしてくれ。物事を考え抜くのだ。

 やはり普通の小学校に通い(フレンチだと教師の水準が英語よりも低い)キッズチャンネルを見ながら暮らしていると、子供のセンスが鈍麻していくのは当然である。俺とMがそうはならないようにと猛烈に働きかけてはいても、学校とTVの影響はものすごく強いのだ。

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■10/12/10(金) □ 「呪いのミイラ」発注
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 今夜うちにスリープオーバーするCHを送ってG夫妻がやってきて、お茶を飲み歓談となった。話をすればするほどハイソサエティでアーティスティックな夫妻である。俺たち夫婦など下世話な俗物に思える(汗)。


友達が完全に役になりきってるのに
照れる娘
 CHはうちに来る回を重ねるごとにハメの外し方が強烈になってきており、ものすごくエナジーとパッションが詰まった子なんだなと思う。萌と組んで芝居をするときの表情の変化なんか、すごい演技的才気に溢れているなあと感じる。萌はキュートだが、照れてしまうし芝居のセンスはあまりないようだ。


盤の向こう側から磁石でミイラが
ズイズイと追いかけてくる仕掛け
 プレゼント用に探していた「呪いのミイラ」が京都のゲーム屋で見つかり、これを日本の甥姪に送れることになった。ピラミッドの中で探検者が宝を盗んで逃げ、ミイラがヒントを頼りにそれを追いかけ捕まえるというゲーム。子どもがひゃ~と逃げ大人がウガオオオと追いかけたら、こりゃ盛り上がらないはずがない。うちでもほしいのだが、なぜか北米じゃ通販でも手に入らないのだ。残念。

 これを小さな子供たちに、中学生の甥っ子たちには当然ながらカルカソンヌを送る。年末年始ゲームで盛り上がってくれますように :-)。

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■10/12/11(土) □ デーモンとつばぜり合い
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  ┃ 久々のデーモン戦 ┃
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 オンライン・カルカソンヌ BrettspielWelt で、初回対戦時俺のコマ8個全部をトラップした悪魔的名手デーモン Her**ma に2週間ぶりに会う。俺もあれからやはり成長しておりそう易々とトラップされることはないし、乗っ取りも許さない。そしてこちらからも逆襲し奴のコマをトラップしてやる。攻撃されるとこの人は逆上するようで、タン! タン! タン! と打つのが異常に早くなる。こわー (^-^;。

 かくして中盤まで五分の試合を展開していたが、しかし人の大聖堂シティをクローズ不能にする彼の悪魔的手腕はやはりすさまじい。自分が引いた町タイルをどんどん俺の都市の開口部近辺に置いてくる。こちらは彼が都市にマージ(接続して点を強制シェアすること)できないようにタイルを配してるわけだが、Her**ma のような拡張破壊者は点が目的ではなく都市のオーナーが困ればそれでいいわけで、どんなタイルでも障害物として置けるのだ。

 置かれた町タイルをシティに接続してしまうと、その分開口部が広がる上に完成できるタイルの選択肢が狭まり、完成が難しくなってしまう。俺もそこは学習しているので、その妨害町タイルをシティから切断するタイル(大聖堂セットで5枚)が出るまで待つしかない。

 辛抱強く他の場所で小さな得点作業をし、切断タイルが出ると置かれた分を切り離してクローズ作業を再開する。するとまた拡げられる。あと2手でクローズというところまでは行ったのだが、また拡げられ、さらにダメ押しで完全に完成不可能になるタイルも置かれてこの町は破壊された。結局彼はこのシティを潰すためにタイルを6枚くらい使っていた。相変わらず徹底しておる。

 しかしまあこれで勝ち目は消えたが、前のように手も足も出ないという状態ではまったくないので知恵比べは楽しい。さらにもう1個 Her**ma のコマをトラップし、攻守とも互角のままゲームは進むが、俺が新たに町を作り直すほどタイル枚数は残っておらず今回も大差負け。【×85 / Her**ma 132】(16 分 54 秒)

 しかし相手はどう思ってるか知らないが、あのデーモンに十分に対抗できたのだからゲームとしては楽しかった。点差はついているがこれは得点リソースを大聖堂建築に使い破壊されたからで、何事も作るより壊すほうが簡単なのである。知恵くらべではまったく負けた気はしない。だんだんオンライン・カルカソンヌで自信がついてきた。引き運が悪かったりバカな悪手を打ってはボコボコ負けてるが、しかし運がよく悪手を打たなければ俺は誰とでもいい勝負ができるぜ :-)。

2010/12/04

日記「花札カルカソンヌ」

「ダルマ落としサイコー」「娘もカルカソンヌに目覚める」

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■10/11/24(水) □ ダルマ落としサイコー
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 週末萌が軽い風邪を引き、学校からの帰路夕方の日本語学校(1時間半)は休もうかと言ったのだが、どうしても来たいという。萌は学校で友達と会うのがなによりも楽しいんだろうな。


打たれた胴コマが宙に浮いてます
 で行った甲斐あって、こないだ萌が勝った気持ち悪いお化けコンテストのお絵かきコンテストの賞品として、ケン玉とダルマ落としをもらってきた。これは素晴らしいと大盛り上がり。ケン玉はよほど才能に恵まれないと楽しめないが、ダルマ落としは誰でも楽しいのである。

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■10/11/25(木) □ スクール芝居「キャッツ」鑑賞
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 起きると 5cm ほどの初雪となっていた。オールシーズンタイヤなのでずるずるのスラッシーに苦労して萌の送迎。今日はスクール芝居の「キャッツ」がある。


全員黒猫装束の「キャッツ」
 この「キャッツ」は萌が定員オーバーで入れなかった子供ミュージカルレッスンなのだが、緊張した面持ちのCHら総勢25名ほどの子供たちが頑張って歌い、なかなかよかった。ソロを取った5人くらいの子も、声が震えたり上ずったりすることもほとんどなく持てる力を出しきっており感動的だった。あれが萌だったらちゃんと歌いきれただろうかと想像しながら俺たちは眺めていた。

 萌はダルマ落としを学校に持っていったのだが、特にボーイズに大受けだったそうである。迎えに行くと一緒に遊んだらしいボーイが俺に駆け寄ってきて、「あの日本のオモチャで前も遊んだことがあるよ、サイコーだよ!」と俺に興奮して喋りかけてきた。そ、そうか、そんなに面白かったか、よかったよかった。

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■10/11/27(土) □ 花札カルカソンヌ
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 夕方萌が花札をやろうという。うちには世界最上級のタイルゲーム・カルカソンヌがあるのに花札かよとがっくりきつつ一度だけ付き合う。どうして萌はカルカソンヌに熱を上げてくれないのだろう。

 しかし久々にやってみると花合わせはお手軽で、やはりけっこう楽しい。こういう手札を持つゲームにはいい札を隠し持ちフフフと策略を巡らせ、ここぞというところでバシっとそれを打つ愉しみがあるなと気づく。カルカソンヌはタイルを1枚めくってその場で置くゲームなので、手札がないのだ。―――む? もしやこれか? 萌が花札を好きなのはこのフィーリングか?

 そこで萌に「花札みたいにカルカソンヌをやってみよう」と説明し、ドイツでオプションルールとして一番人気があるという【手持ち札3枚ルール】(※)でやってみた。するとやはり萌は自分のカードを眺め目を輝かせ、都市をプランニングしサクサクときれいに作り上げていく。そして「私の番だよね、じゃココ!」とすました顔でバシッと俺の都市に乗っ取りをかけてきたりする(俺はデカコマ(大ゴマ)を使わないハンデ戦なので、乗っ取りはデカコマを使う萌が絶対的に有利)。これまでとはエライ違いの積極性だ。やはりなにごともプランするのが好きな萌には、この手札を隠し「自分だけが秘密を知っており計画を立てられる」フィーリングがすごく合うのだ。間違いない。

 逆にいえばノーマルルールで萌があまり盛り上がらないのは、計画があまり立たず出たタイルを点につながる建設に使えず、ただ置くという状況が頻発するからだろう。慣れた人が草原ルールありでやればどんなタイルでも草原をつなぐ手段や相手を妨害する用途で配置できるわけだが、うちは草原ルールなしだからな。

 そして非常にフェアで生産的なゲームの結果、萌の快勝で終了。こりゃいいぞ。このオプションルールによって萌が一時の花札ほど熱を上げてくれれば、俺はデカコマなしのハンデでちゃんと力を入れて戦えるようになるかもしれない。そうなったら最高だ。
(※)サカタ家「花札カルカソンヌ」ルール(「大聖堂と宿屋」拡張セット使用)
◆各自手札3枚を持ってスタート、置いたら1枚補充
草原ルールは省略(草原取り合いは子供とビギナーには複雑すぎる)(その後しばらくして草原もアリに変更、10 歳ムスメも完璧にマスターし草原争奪をやってます)
大聖堂は普通のタイルとして扱う(大聖堂3点ルールは完成しないとゼロ点になるため、未完成大聖堂都市へのシリアスな妨害を招き険悪になるので排除)(その後しばらくして大聖堂3点ノーマルルールに変更、10 歳ムスメも完璧にルールを駆使してます)
◆修道院は4枚中プレイヤー数分だけ使用(偏りを低減するため)
◆俺はハンデでデカコマなし

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■10/11/28(日) □ 娘もカルカソンヌに目覚める
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 Mたちが外出し、俺はのんびりと映画を見る。映画は「二十世紀少年」映画三部作の1で、映画単体として見ると粗が多いが、天才絵師浦沢さんの思い描くイメージを実写映像化したのだと思えば楽しめる。後半のロボットSFXはかなりすごかった。

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 夜「怪物くん」を見つつまた萌と手札3枚持ちカルカソンヌ(萌は花札カルカソンヌと呼んでいる)をやると、やはり手札でプランニングできるので双方都市建設がサクサクと順調に進む。萌が狭いところに都市タイルを置いたので俺が「そこはクローズするのが難しいよ」というと、「だって...」と困った顔をする。おーそうか、なるほど、クローズするタイルを持ってるのね。段取りを決め計画的にやっているのだ。えらい。

 萌にはこのほうが絶対面白いだろうし、俺もこっちのほうがお手軽で楽しい。計画が立つのできれいに大きな町が作れ、運による不公平感(相手にばかり使えるタイルが行く的な)が激減するし。それにやはり俺だけデカコマなしというのは絶妙なハンデで、俺にとっては攻撃も防御もほどよく難しい。


1、2、3ときれいにマージされ
赤シティを奪われる
 竸ったいい試合となって、最後は俺が 20 点ほどの街を完成しギリギリ逆転かなと思ったところで、空き地を挟んだ対岸から萌がデカコマでマージ(相乗り)してきた。―――あーっ! 俺にはその手がまったく見えていなかった。素晴らしい。敵ながらその手の見事さに快感を覚える。まるでBSWオンラインのドイツの達人のような華麗な打ち手だ。萌も Yahoo! と雄叫びを上げる。

 これで俺の頼みの綱が消え、萌がまたもや快勝となった。これは当家のカルカソンヌ史上、間違いなく一番面白かったな。サイコーだ。ついに萌10歳もカルカソンヌに目覚めたのであります。