2011/08/09

「『ゼルダ・大地の汽笛』の素晴らしさ」

「涼しすぎる夏」「ダンジョンズ&ドラゴンズ見学」「アクション映画不感症」

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■11/07/31(日) □ 「ゼルダ・大地の汽笛」の素晴らしさ
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寒い日となってしまったが、萌は今日もツリーハウスで DS。前から欲しがっていた「ゼルダ Spirit Tracks (大地の汽笛・英語版)」を中古屋で見つけたのだが、これが素晴らしい。ゲームキャラの芝居のかわいさ、「うっ、はっ」と入るボイスや高音質効果音の気持ちよさ(DSi XL はアコースティックが DSL の数倍いい)、テキストの適度な分量と挿入タイミング、繰り返しがまったく気にならない絶妙な音楽。これらすべての高品質要素が相まって、物語に入り込み自分が役を演じ謎を解く楽しみを味わいまくれる。萌がやってるのを見ているだけでワクワクする。


ゼルダとリンクの演技がキュート
リンクたちが移動しアクションをするゲームステージ上でカメラアングルが切り替わり、アップとなったゼルダたちがシームレスに芝居を続ける。これがなんとも自然で気持ちいい。DS の画面の中にリンクとゼルダがいるミニ 3D 世界がしっかりと存在することが感じられる。

どれくらい物語に入り込めるかというとたとえば、ゼルダを先導して城から脱出する際、リンクが監視の兵たちに話しかけ、その間にゼルダが兵の背後を通るという楽しいシーンがあるのだが(超楽しい2人同時操作)、ここで自然と

「(萌)ハローソルジャー、えーと、奥さんは元気?」
「(俺)ん? 俺は結婚してないぞ?」
「えーと、えーと、娘さんは元気?」
「いやだから結婚してないって、なんだお前は?」
「(ゼルダが背後を通過したのを確認し)さよならーw」


といった按配に、テキストに書かれていない部分を萌と俺が即興で演じてしまう。「炎の魂の裏切りの底の裏側の...」といった意味不明なテキストを延々と読まなければならない FF 等の RPG の正反対で、話が単純なのでプレイヤーがたちまち合点し、よっしゃわかった俺に任せろと演技をしたくなってしまうのだ。これこそ至高のロールプレイング体験だろう。画面上でタッチパネルを使う操作感も前作よりいい。汽車で爆走するのも前作の船より行き先が明確になり楽しい。

さらにセリフの和英訳が素晴らしい。原文日本語では「どうしたらよいのじゃろう」といったセリフだと思われる部分が、「いかにせんとや思いもよらぬ (I am at a loss as to what to do)」といった古文調英文になっている。王朝ムード丸かじりで、声に出して読んでいると俺でもエセ格調高い英国訛りになってしまい、音読することがとにかく気持ちいい。ハリーポッター好きの萌もそうなのよーと同意見(※)。

(※)これの反対のうーんな翻訳がそのハリーポッターの日本語版で、リズムが悪く音読しにくい。なんだこりゃ読みにくい本だなと呆れて英語版ハリーポッターと対比してみると、原文は前述のような音読が気持ちいい英語で書かれていたのであった。英語って音読の歴史で底力があるのかな。これを説明すると萌は、「ハリーポッターもこのゼルダの人がトランスレートすればよかったのに」と残念がる。ほんとだよね。

ゼルダで残念なのは、せっかくきれいな町や城に来ても宝探しと物品売買の楽しみはないことだ。細部まで描きこまれた町や家は、そこにいる人の話を聞くためにしか存在しない。ドラクエ的センスでは家々の全ての引き出しを開けたくなるのだが。ゲットしたきれいな宝物も、使い道もなければ(現時点では)売ることもできない。謎とパズルを解く楽しみには大満足だが、RPG としてはそこだけが惜しい。


ちなみに任天堂DSの英語版は「リズム天国ゴールド」もデキがすごい。どこでこんな日本アイドル声の英語ガールを見つけてきたのだと驚く完璧な声に、完璧にカワイイ和英訳。「かもね」が「I suppose」となるところが、I think より自信なさげで胸ワシ掴みのキュートなシャイさなわけです。これは英語圏ゲーマーを有無を言わせず日本アイドルオタクの猿ハピネス境地に送り込んだに違いない。任天堂英語化部門にはすごい人がいるんだろうなー。

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■11/08/04(木) □ 涼しすぎる夏
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今年の夏は本当に暑くならないのだが、このままじゃ夏休みがあんまりだと月曜にバーネットマリンパーク行きを決行。行けばもちろん最高に気持ちがいいところなのだが、やっぱ平地でも暑くはない程度の気候24℃だったので、水辺に降りると寒く長居はできなかった。

そして今日は今年一番の暑さ26℃との予報なので、もう一度トライだとCHを連れて再度同じマリンパークへ。やっぱ暑いというほどではなく風はひんやりなのだが、ともかくサイコーの海日となった。やっぱり子供同士で来たほうが百倍盛り上がる。よかったよかった。

あと1週間で萌とメルはイングランド旅行に出る。これがこの夏最後のサマーリーデイ(夏らしい1日)かもしれない。留守番の俺は1人でキャンプに行きたいのだが、どこに行っても夜は寒いだろうなあ。

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■11/08/06(土) □ ダンジョンズ&ドラゴンズ見学
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友達の誕生パーティに行く萌をポートムーディで降ろし、ちょうどその町のゲーム屋で定例ダンジョンズ&ドラゴンズ会をやっているMKを訪ねる。すると無愛想なオヤジたちがテーブルを囲みダンジョン&ドラゴンをやっていた。あとでMKに聞いたらうち2人は大学生だったそうで、カナダのオタクは日本と違い恰幅がいいゆえ年齢不詳だ。俺の意外な来訪にMKが驚き友達に紹介するといったこともない、静かなゲーム屋の片隅。

ダンジョンズ&ドラゴンズ(テーブルトーク RPG)というのは地味なゲームで、ボードゲームのような豪華なボードはなく、ぺらぺらの紙の上に例の小さなフィギュアのコマがずらりと置かれている。

ゲームはサイコロを振りなにか数値を読み上げて、各自自分の手元のチェックシートに何ごとか操作を加えるという感じ。パラメータを確認するためなのか、各自分厚いリファレンスブック的なものも開いている。見ていても何をしているのかはわからなかったが、まあ RPG の数値のやり取りをアナログでやってるということなんだろう。RPG って数字のやり取りだから、グラフィックがなければああなるのね。

これはやっぱボードゲームとはだいぶ違う。ボードがないから華やぎに欠けるし、メンバーの口調からしておそろしく地味で、彼らは「おおイエス」かなんか言って盛り上がってるのだが、目に見える現象は数値の移動だけだ。MKが言うにはこれは「ゲームマスターがシナリオを作って、プレイヤーはその世界観の中でプレイする」のだそうで、たとえばストーリーライティングが趣味の萌がシナリオを作り家族全員がプレイするということも可能なんだそうだ。しかし戦闘部分はあの紙とコマとサイコロで納得できるが、RPG に不可欠のストーリーはどうゲームに反映するんだろう。そこは見当もつかない。

短時間でキャラを育て買い物をして強くして旅をする「RPG ボードゲーム」がもしあれば楽しいだろうなと思うが、ダンジョンズ&ドラゴンズはそういう夢想から出てくるものとはまったく違うものだった。見た印象はボードゲームよりウォーゲームにより近い。

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ここを出て、あとは萌のパーティが終わるまで2時間待ち。夕飯時になったのでなにか軽く食いたいのだが、カナダというところはバーガー類を食うかちゃんとしたレストランに入るかしかなく、バーガーだって安くはない。海外在住日本人は誰もが日本の安い飯屋を恋しがる。

適当な軽食が見つからず仕方なく缶ジュースを購入し(カナダには缶コーヒーもない)、公園で Pocket PC 読書をしつつ待っていた。固いベンチに座っているのは苦痛だし腹が減った。それに風が冷たく最後は冷えた。今年の夏はまったくロクでもないぜ。汗をかくほど暑くないのに紫外線だけが無闇に強く、しかも短いんだからね。

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■11/08/07(日) □ アクション映画不感症
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ツリーハウスにハシゴがついて、ついに完成。あとは使いながら細部をちょいちょい良化するだけ。設計施工のMKが「子供のときこんなのがほしかったと思わない!?」と興奮して聞くので、「いや子供のときというか、お前がここに住んでる間にこれができて、お前が使えていたらと思うぜブラザー」と答える。ほんと奴はうちに10年も住んでいたんだから、5年前にでもこれを作っていたら自分も楽しめただろうにな。もったいない。

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TV Japan で「K-20 怪人二十面相・伝」を見ていて、すごいスペクタクルなのだが面白さを感じず視聴中止。これはこの映画がつまらないということではなく、俺にはアクション映画というものがつまらんのだと気がついた。ハリウッド大作アクション映画はくだらん過大評価極まると常々思っていたが、日本映画でもまったく同じことだ。いったいどこで撮影したんだろう、日本にこんなすごい明治建築風景があるのかなとそればかり気になった。

アクション映画というのは役者の躍動に胸踊らすものなわけだが、どわーんとバットマンみたいに役者が飛んでも、スポーツでアスリートの動きの美しさに感じる快感に匹敵するものが俺には感じられない。そういえば俺がアクション映画を見なくなったのは、バイクレースや競馬やサッカーなど、自分が超スポーツ観戦好きであると意識するようになった20代以降だろう。関連は大ありだ。

その俺の目にも快感を感じさせるのが宮崎アニメの動きなわけである。「ハリーポッター」を見た時、あのホウキに乗り戦うシーンのしょぼさに呆れたが、それは日本人の目が宮崎アニメの飛行シーンを覚えているからだろう。ジャッキーチェンなどのカンフー映画にも快感を感じる。「マトリックス」はその点でダメであった。

というわけで、宮崎監督には長生きし、もう何本か映画を作っていただきたいいものです。アリエッティの米本監督にも頑張ってほしい。

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