秋恒例のバンクーバー日系センター祭りで、バンクーバー・ホワイトキャップスの工藤に会ってきた。まず細っ! と驚いた。TV だともっとがっちりして見えるのだが、ぴちっとしたトレーニングスーツ姿を見ると陸上中距離選手を思わせるしなやかさである。俺より体重ないんじゃないかと思った。
屈強な選手を好むカナダのサッカーメディア界隈で工藤は MLS のストライカーとしては軽いのではという見方があるのだが、この細さがそういう見立てを生んでるんだろうなと思った。ハータードのように DF に体重をかけ動きを止められる重いストライカーじゃないと MLS では通用しないという戦術軽視が、ホワイトキャップス監督の無策への批判の欠如となって今季のチーム壊滅につながっているのだが、それはまた別の話。
順番が来ると娘は日本代表ジャージにサインしてもらったのだが、俺はもうのぼせていて「あのあの、試合全部見てます。それでそれで、ツイッターでたまに話しかけたりして」と言葉がわらわらと脈絡なく出てくる。そして工藤の言葉に驚いた。「ああ、わかります、tomosakata さんですよね」。え! 俺も娘も息を呑む。
「いつもありがとうございます。それと(日本語新聞インタビュー←の)英訳、ありがとうございました」。これで工藤が俺のホワイトキャップス関連ツイートをときたま目にしていたとわかり、父娘感激にクラクラ卒倒でありました。
俺は勢いづいて、「今の状況で工藤さんキツいのわかります!」とあれこれ言い立てる。「ドリブルで運んできてくれる選手がいないですもんね、FW はつらいですよね。あのインタビューを読んだら、やっぱり工藤さんも同じこと考えてるなってわかって。そりゃそうですよね」。立場上具体的なことは答えられない工藤もハハハと楽しげに笑う。俺たちの話が弾んでるので娘もうれしそう。
そして「とにかくバンクーバーで長くプレイしたいんで、頑張ります!」と工藤は誓い、「ですよね!」と握手して、熱きファン交流は終わったのです。
◇
で工藤が奥様(超かわいい)に「あのツイートの人だよ」的に俺を紹介してくれ、サインを続ける工藤を眺めながら彼女とも言葉を交わすことができた。ここで若干冷静さを取り戻した俺は、「ホワイトキャップスはもともとカウンターのチームなんで、パスサッカーが苦手なんです。だから工藤さんに出せばいいって誰もが思うタイミングでもナカナカ出てこない。足下にボールをもらえれば彼は絶対やれるのに」と、工藤に伝え切れなかった熱い思いを奥様に思い切り伝えてしまった、すいません(笑)。でも奥様も、「そうなんです!」とつよく同意されていました。
まあでも私ら見てる者はわかってますから。工藤さんにそう伝えてください。「ありがとうございます!」。それが今日俺が工藤に伝えたいことだった。
ああ来てよかったねお父さん。いや全くだ思ったよりもたくさん話せた(奥様と)。俺たちはおいしい日本式サンドイッチを食べ、機嫌よく帰っていったのです。
ちなみに友人のバンクーバー柏サポ氏(柏市出身)は工藤にサインをもらうときに、柏のなつかしいあの店この店のことを話していたらしい。ホワイトキャップス存亡のこの危機に。千葉県柏市の地域密着話って。激励になってないではないか。
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