「ロンバケよかった」「バカリズムは現代の太宰」「ごちそう多すぎるクリスマス」「昔のデジカメが若者に人気」「驚愕のネット3D地図」「紅白史上最高の盛り上がりを見た」ほか
■12月16日 搾取というもの
#海に眠るダイヤモンド 「石炭を掘り当てたい、本気で笑って生きたいんだ」と玲央が走る8話。日本のTVはイケメン偏重の価値観を社会に刷り込み、ホストクラブという日本にしかない搾取稼業を強く承認してると俺は思うのでこのドラマの現代部分に忌避感を感じていたのだが(早送りして見ていなかった)、ホスト設定はこの回のためだったか。ラストの女の子のあの表情。さすがは野木亜紀子。
ほんと日本のTVは顔や若さというものに傾きすぎた価値感と搾取への無自覚性を社会に刷り込んでいると思う。現代B級民放ドラマの多くはその点で見ていられない。魅力的なちゃんとしたヒロインが、顔がいいというラベルがついただけの紙のような薄っぺらな男に振り回されるのである(男に演技者として魅力がなく演技もできないのでアイドルグループの人だろうと検索すると、案の定となる)。搾取というものが嫌悪される北米ドラマでは、顔がいいだけの男に女が惑わされる話なんて1話完結のコメディ以外存在しないだろう。
◇ ◇ ◇
先日「学生がそんなに働く社会が幸福か」と国民民玉木氏に書いたら『上の世代が好き勝手してたツケを下の世代が払ってるんだ』と脇からリプが来た。世代間闘争煽り型ポピュリストがそんなイメージ振りまいてるのかなと思った。庶民は好き勝手な贅沢なんてしてないよ、社会を貧しくしたのは世代ではなく政治である。
昔の学生も金はなかったが、時間はあった。今は社会に余裕がなさすぎて学生がヒマにすらしていられない。ならば勤労時間を増やしてやるというのは幸福な方向性とは感じられず、政治家がはしゃぐような明るいビジョンとは思えないという話である。玉木氏のビジョンには一発逆転感だけ出す貧者のアベノミクスといった趣がある。学費を払ってる学生に働かせて社会を回すのは富の浪費であり、無自覚な搾取のひとつなのだ。
■12月18日 海外のデジタル化
旅行のためアメリカの渡航認証ESTAを取得する。最初にパスポートの写真をアップすると情報を読み取り、氏名その他をフォームに自動入力してくれるという仕組みがよくできていた。日本の省庁よこれがデジタル便利化ですよ。(この後あらゆる個人情報を延々と聞かれウンザリしたけども🙁)
■12月18日 ロンバケ大詰め
#ロングバケーション 9話、瀬名がピアノを売ると聞いた南の憮然とした顔がよかった。あの想い出の曲はコンクールに挑むピアニストが弾くような曲ではないと思うが、だからこそ南が奇跡を起こせたわけでもある。瀬名はバンドのピアノマンになればいいのに。
二人の想いのすれ違いがクラシカルに良いドラマだ。10話では顔を合わすと本音を言えない南が、瀬名にパーンとお守りを叩きつける腕のスピードがすごかった。カンフー映画かという音がした。朝ドラで「あのロンバケの」と言われてた頃は俺に分からなかった良さが山口智子にはある。南以外の役ではあのスピード感の活かしどころがなかったのかな。
しかしほんとこのドラマの音楽は良い。8話では日本語の、9話では英語歌詞を書いてもらい日本人が歌ってるらしきグルーヴィーな歌が流れていた。どちらも明らかにDeeper & Deeperにインスパイアされた「洋楽っぽい習作」と俺の耳には聞こえ、そこが未完成な恋と合うなあと思った。
■12月22日 ロンバケよかった
#ロングバケーション (終)とても情熱的な娘なのに、最終回に至ってもつなぎたい手がつなげなく左手がこんなんなってる南。いいこと言うときは言う前からニヤけてしまう瀬名ともども、感情が言葉より体に現れるところがお似合いの二人だったな。結論も結局言葉がぜんぜんなかったしね。楽しかった🙂
ロンバケの続編(直接ではないかもだが)っぽい「ラブジェネレーション」も始まっていて、しかしロンバケ瀬名と涼子ちゃん(的な二人)の恋という続編的な話なのかと思ったら、キャラもタッチもぜんぜん違った。ロンバケ北川悦吏子という作者はやっぱり特別なんだな。2作品の間はわずか1年とあるが、キムタクもだいぶ少年っぽさが消え、今の偏屈な男っぽくなっていた。
■12月18日
ブログ【まとめ24年12月前半】LUMIX 14mmで撮るカラオケクリスマス◇「戒厳令のAKIRA」「ロンバケは音楽がいい」「レンズを売る日(さよなら35-100、9-18mm)」「昭和のドラマのすさまじさ・岸辺のアルバム」「LUMIX 14mmを買ったわけ」ほか tomosakata.blogspot.com/2024/12/akira3…
■12月19日
#映像の世紀 ナチ親衛隊。見ている間ずっと、「これは今イスラエルがやっていることなのでは…」と連想せずにはいられなかった。ドイツ民族の優秀性を科学的にルーツ探しといったくだりでは、日本すごいの人たちも連想したな。似ている。
■12月20日
ウォルマートでクリスマスカードを探す人たち。◇毎年かわいいクリスマスカードを送ってくれる日本の親戚から、今年も送ったんだけどカナダの郵便大ストライキで返送されてきたとLINEが届いた。あー、手間をかけて悪かったなー。彼女がくれた22年の松飾りのカードは毎年飾ってるよ。
■12月19日 バカリズムは現代の太宰
いま #架空OL日記 というドラマも見ていて、「ブラッシュアップライブ」もこれもバカリズムはすごいなと思う。あるあるな話では全くなく、こんな話をするOLたちがいるのか、世の中って面白いなと思わせてくれるのだ。現代の太宰治かというくらい女性たちの実在感がある。役者も皆うまく、佳いです。
■12月21日 ノンレムの窓
これもバカリズム脚本だそう。やめさせてくれないサブスクという話は、思い当たるフシあるあるw NHKの藤子不二雄ものもそうだけど、われわれはみな星新一デストピア風味のショートショートが好物である。中でもバカリズムはさすがに現代的だ。◆ #TVer tver.jp/episodes/ep4rz…
■12月23日 カナダで最高のピザ
日曜日、「イタリアの食専門誌が選んだカナダで最高のピザ」と新聞に出ていたSpacca Napoli のピザをテイクアウトしてきた。クリスマス前だからかすごい混み方で、ピックアップ窓口にもラインアップができていた。一つ前のお母さんがサンタ姿でカワイイ🙂(PL5+LM14mm、やっぱり単焦点14mmいいわー、このクリーンさ!)
Spacca Napoliのピザは野菜、トマト、生ハムやアーティチョークと具沢山で、クリスピーではなく食べる頃にはペナペナになっている。その渾然一体となったものを口に放り込むと旨味がフワっと広がりまあうまい。チーズとソースのブレンドが特別なのだ。これはたしかに他では味わえないものがある。
■12月24日 ニッサンの凋落
日産とホンダの経営統合が決まってしまった。NHKニュースを見て、あまりの笑顔のなさにお通夜会見かと思った。カナダでもこの会見記事は流れており、顧客に希望のなさが伝わるだろうなと心配になる。東芝の次は日産かという感じだが、意外や意外と革新的ヒットが出てほしい。愛すべき日本メーカーよ。
カナダの道を眺めていて先代ニッサンLEAF/NOTEまではかわいいし売れてるなと思ってたのだが、2代目でデザインがジェネリック日本車となりガタッと見なくなり、未来感や生き物感あるテスラ/ヒュンダイetcに一気に存在感を奪われたように思う。デザイン大事ですよね。
希望ないですねえジャパン…。中学生が希望なき日本を見捨て独立国を作るという、希望の国のエクソダスって小説があったな。村上龍。
■12月24日 奥様のベーキング
クリスマス準備は奥様のベーキングがおお事で、週末からマフィン、クッキー、ケーキや特別なブレッドを7~8種類焼いていた。いくらなんでも種類が多い。メインはレモンクリームがしたたり落ちるこの星型のケーキだそう。おーこれは美しいねえ。
■12月25日 ごちそう多すぎるクリスマス
【クリスマス】朝からムスメが落ち着かない様子が聞こえてきて目が覚める。大人になるとなんでも自分で買えるのでもう大きなプレゼントはないんだけど、クリスマスが楽しみで仕方がないことには変わりないんだなと考える。
とにかくベーキングの種類と量がすごい。フライパンにはフォッカチャも。
■12月28日 民放ドラマに思うこと
最近民放ドラマをたくさん見ていて、東京が写るたびに懐かしいと思うのだが、よく考えると俺が東京に住んでたのなんて30年も前なので、今の渋谷なんて別に懐かしくもない。娘が今年東京に住み写真や動画をたくさん見せてくれたので、俺は一緒にトーキョーNOW生活を体験してたんだなーと思う。
日本のドラマを大量に見ていると、知らない一般人のツイートみたいなモノローグが頻繁に出てくる。多部未華子(ゴージャスな大人の美人になっている!)と松下洸平という配役最高に好みなドラマがあったのだが台詞はそんな感じで、そうですかいろいろ大変ですね…という感じになってしまう。
その点昨日見終えた「架空OL日記」はよかったのである。これも知らないOLの話でバカリズム子のモノローグも頻繁に出てくるのだが、一般人も皆それぞれスペシャルだなと伝わってくるわけ。みんな仲良しなOLたちというのはファンタジーなのかもしれないけど、みんな違って、みんないいはリアルだと思えるのだ。
俺は夏帆と多部未華子がとても好きなのだが、二人は一般的な人気女優ではないのか、見ている範囲ではひねった役柄でドラマに出てくることが多い。しかし夏帆はこのバカリズムドラマで上司の悪口をいう銀行員が最高だった。「ブラッシュアップライブ」もよかったし、ひねりがないところが魅力的なのだ。
多部未華子は俺から見るとすごく魅力的なのに、少女時代の「ヤスコとケンジ」以外軽妙なヒット作に出てるのを見たことがない。シリアスだと上記モノローグが重いドラマとなり、コメディでも役柄にひねりがあり実在感が薄い。結局美貌が重いのだろうか。美人だけどヒット作がない女優って多いですよね。
■12月29日 映像の世紀に涙
#映像の世紀 はいつも重い気持ちで見終えるが、今回は感動した。「テニアン島を奪取した米軍の日本語情報士官がいい人で、学校を開き日本語で民主主義を教え、沖縄に帰った子供らの多くが教師になったっていうんだよ!」と家族に話していて、嗚咽で話せなくなってしまった。感動を喋ると泣けてきちゃう。
テニアンから日本を空爆した兵士たちがその学校の子供たちから癒やしを得ていたという話も(ペコリと頭を下げ、体操が得意な子供たち!)、占領軍のサイデンステッカーが佐世保で復興に励む人々を目にし日本人とその言葉への愛情を覚えるくだりも、心打たれた。人間の切なさ愛おしさよ。
#映像の世紀 「太平洋戦争“言葉”で戦った男たち」という副題だけはミスリーディングだなと思った。スパイ戦争、陸軍中野学校的な内容を思いスルーする人もいたかもしれない。あの地獄の中でも、言葉がつないだものがあったのだという内容だったから。
■12月29日 昔のデジカメが若者に人気
「昔のデジカメが若者に人気」という話が家族で出て、うちにもあるよと2006年製キャノンPowershot A530をクリスマスに娘にあげた。感想を聞くときれいに撮れすぎて今のカメラと変わんないという。たしかに昼間屋外は昔からさすがのキャノンだよね。18年落ちでも全然きれい。
しかし夕方になるとガタッとシャッタースピードが落ちてブレ、いい感じになる。屋内のフラッシュ写真もいい感じの暗さ。こういう低性能とポケットに入るサイズを活かし、若々しい写真を撮ってくれ。娘が7歳からローティーンまでを撮ってくれた思い出のカメラが再起動してくれてうれしい。PowershotA530
これがキャノンPowershot A530を買った頃の写真。うちのリビングが子供部屋だった時代だ、なつかしい🙂 ムスメ跳んでるじゃん、どこから跳んでるの?w こういう動きのある写真は、今はむしろカメラを勉強してフラッシュ光量などを調整しないと撮れなくなっていると思う。
娘は友だちと外出するといつも食事に行っており、ただ友だちと会うだけで交通費と食費とチップで1日30ドルとかかかっておりバカバカしい。今の若者は部屋にTVがないから、友だちの家でダラダラすると間が持たないのだと思う。子供の頃みたいにこうしてなにかしながら、TVも見て話をできたらいいのに。
■12月31日 驚愕のネット3D地図
NHKの趣味沼で地図好き高校生が「ネットの3D地図で見た吉祥寺」を眺めていて、そんなものがあるのと調べるとGoogleマップに【超3D俯瞰機能】がいつからか搭載されていた。(地図の詳細>地球表示>3Dボタン)
すごい。俺が暮らした井の頭のアパートから駅への通勤風景が見える。感動。
今年同じく井の頭で暮らした娘と一緒に、大盛り上がりで吉祥寺を空中散歩した。「アパートからサミットに行くと、竹藪と大きな畑があるんだよ」「ほんとだ!」「このOdakyuでTちゃんが買い物してた」「ハハ」。いやーすごい。こんな地図があればとかつて想像したものが、もう我らのPCにあるんですよ。
中央フリーウェイ、調布基地を追い越し。山に向かっていけば。◆90年代俺は米軍調布基地跡の警備員だったのである。俺が廃墟カメラマンたちを捕まえては追い出してた森と廃墟が、今は立派なスタジアムと外語大になってるんだね。◇ブログ「追憶の調布関東村」tomosakata.blogspot.com/2005/11/blog-p…
中央フリーウェイ、右に見える競馬場、左はビール工場。◆あの頃は高速代を減らすため国立インターから中央に乗ってたから、八ヶ岳に向かうバイクでこの景色を実際に見たことはなかったな。はるかカナダから今日見れましたよ。ほんと歌のとおりだ。
これまで特に地図を見たこともなかったのだが、オアフ島の有名なダイヤモンドヘッドって巨大なクレイターなのね。ダイヤの形の岬なのかと思ってた。Google 3D俯瞰地図を眺めていると、風景のイメージがガラリと変わるなー。すごい発見だ。教えてくれてありがとう、#NHK沼 に出てきた地図青年。
■12月31日 紅白史上最高の盛り上がりを見た
#紅白2024 後追いで見る。【ME:I】名前も初めて見たグループだが、なつかしのアメリカンポップを引き継いだ音(ジャネットジャクソンじゃん)が出るとああKpop関係だなと思う。。――しかしググると吉本興業とあるので、あの音のキャッチーさを日本の音楽興行関連も分かってきたのかも。
ILLIT もジャネットジャクソンっぽい。アメリカ本国からは聞こえてこなくなったあの80年代USポップテーストが、Kpopで復活してるんだよね。
tuki。日本の深夜ラジオCMでこういうラブソングというより君と僕世界観の歌が多く流れ、歌詞に共通したトーンを感じる。社会や人間関係から自主隔離している感じの言葉たち。15歳女子がこういう歌詞を書きヒットするほどそのトーンは一般的なんだなと思う。
一方ギリギリダンス、ブリンバンバン、キツネダンスなど反復ノイズ的な音が流行るのは日本だなーと思う。この2曲ってサビの音符ほぼ同じなのでは。譜割りが違うが3連の音だ。ドドンがドンと同じだ。
Vaundy「踊り子」。Vaundyは過去の紅白でオブノキシャスな個性を発散して、この歌の繊細なよさと本人はえらい違うんだなと思った。いま爆笑問題のラジオで、どこにでも顔を出しキレ散らかす「バウンディくん」という投稿コーナーが笑えるよね。
椎名林檎ともも。椎名林檎と並び立つ歌と存在感このももさんどなた? と驚愕して巻き戻した。チャランポランタンの人か! 椎名林檎は毎年音楽クオリティすごいね。この強烈な爽快感が花火のように残り、歌詞もメロディも俺の記憶から消えてゆき、毎年「ほぼ水の泡」なのだ。
B'z これはすごいww 紅白史上最高の盛り上がり。紅白の大物バンドは客のいないスタジオで演奏しがちでそれはSONGSですよといつも思うが、バンドはホールの客のためにやるんだよというパフォーマンスの極めつけであった。演奏もすごかったわ、女ベースと腕振り上げドラムのかっこよさ!🏆️
カズマ tomosakata 9歳の頃からずっとファンなんですけど、なんかこう、やっぱり最高だな今年もがんばって生きててよかったなって思える演奏でした。稲葉はちょっと不調そうでしたけど不調なりのベストを尽くしてくれてるのもまた良かったです
NHKは紅白で事前に曲目発表するからサプライズなくてダメとこないだ書いたのだが、最上級のサプライズだった。紅白にストーンズが出てもあそこまでは盛り上がらないと思う。ウルトラソウルは日本のブラウンシュガー、お客の声が曲の一部なのだ。
南こうせつ・イルカ。筋金入りのフォークソングハモリ芸だった。THE ALFEEも筋金入り。このバンドの一番の売りは桜井の衰えぬツヤある声だと思うのだが、ギターソロになると予測より2倍くらい速い高見沢の速弾きもドラムも桜井ベースもノリノリになって盛り上がりますねえw
虎に翼。回想シーンかと思ったら長髪男が出てきて、あっと思った瞬間あの歌が始まった。信州の祖母宅で朝ドラを見てた娘を呼び一緒に見る。彼は複雑な曲を作りがちなんで基本的に作曲家なんだろうと思ってたけど、フェイクも軽くキメるいいシンガーなんだね。驚いたよ。痺れるものがあった!
後ろで大好きな俳優陣が踊ってるのに、私の目を釘付けにした米津玄師のシンガーとしてのフィジカルの軽やかさと魅力は一体…まったくの予想外で驚きました(日陰者キャラだと思ってたw)。
毎年最後の曲はメーター振り切れててトゥーマッチで俺は見れない。矢野顕子が伴奏していても見れなかった。「紅白のトリは有馬記念のあとのフェアウェルステークス」という比喩ツイートがぴったりである。盛り上がらないとわかっていて儀式のようにみな甘受する。
矢野顕子と上原ひとみなら見たかったな。というか矢野顕子出すなら、YMOのトリビュートを1曲くらいやってほしかったですよ。誰か思いつかなかったのだろうか。
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