2025/03/02

【まとめ25年2月後半】サタデーナイトライブ50年史

消費される少女のささやき」「SNL:アメリカンコントの愉しさ」「関西TVの女優無駄遣い」

■2月15日                          俺の目標に嘘はない

わがバンド友が主宰するアングラカルチャー紙『共犯新聞』はバレンタインズデーに寄せ、コステロのラブソングを評論している。「パンクムーブメントが起こり、誰もが言いたいことをシャウトする中、コステロだけがそれを小さな声にして、耳元でささやいていった。その切実さはパンクそのものだった」

本文中、『ロック少年たちは「My aim is true」を、それぞれがバラバラのまま聴き、今も忘れない規範にしている』って、本当にそうなんだよね。俺には本当の本当のところで世界はわからない。しかし世の中がおかしいことだけはわかる。知識の浅い左翼が社会の実情知らずに勝手を言いやがると批判されることもあるが、世界がどうにかよくなってほしいという「俺の目標に嘘はない」のだ。

朝夕は寒いんだけど、窓の光がだんだん春っぽくなってきたな。◆GX9を手に入れて以来あまり使ってなかったE-M10mk2にLM14mm F2.5という組み合わせが最近気に入っている。ヌケがいいなやっぱり。





■2月17日                   消費される少女のささやき

マルちゃんのうどんCMが話題になっている。そこにはこれといった興味も賛否もないのだが、日本からいつも聞こえてくるああした若い女性のウィスパー声のほうが俺は気になる。深夜ラジオで流れてるCMも、NHKドキュメンタリーでさえも、ああしたウィスパー声は多い。

TBSラジオで流れる某お笑いコンビのシリーズCMがまさに若い女性のウィスパー声で、

「仕事を頑張った自分へのご褒美に、お笑いライブを見た。元気が出た」
「チケットは取れなかったけど、お笑い好きな男性と一緒に配信ライブを見た。これはむしろラッキーだ」

みたいなことを言う。このシリーズを聞くたび俺はイラッとする。そんな量産型癒やしイメージじゃなく、自分の言葉でチケット売れよお笑いならと思うのである。

ささやかな幸せに満足し推しに課金する声の小さな労働女性というのは、エンタメ供給側の男たちの描く偶像だろう。彼女は「給料安くてムカつくが、お笑いライブで気が晴れた」とは言わないし、お笑い供給側が社会的な覚醒に目を向けることもない。

ラップトップの映画で泣きマルちゃんうどんに満ち足りるアニメのかわいい女の子も、よく似た構造に思える。

■2月18日                     サタデーナイトライブ50年史

土日の夜、アメリカの名物番組『サタデーナイトライブ50年の歴史』という特番をやっていた。コント編は出役のコメディアン/俳優/文化知識の足らぬ俺には笑えたり?だったりまちまちなのだが、音楽編がとにかくすごかった。名のあるアーティストで出てない人はおらず、歴史的名演が次から次へと出てくる。

中でもドキドキだったのがコステロがリハとは違う曲をやった事件で、会社と番組に言われたミディアム曲を演奏し始めた瞬間、「1000万人がいま見てるんだぞ、なにダルい曲やってんだ俺は」というパンクな天啓がコステロに訪れる(本人談)。「STOP! 紳士淑女の皆さん申し訳ない!」と曲を止め、「ラジオは本当に素敵だったけど、今や俺たちをコントロールしてくるのさ」というこれぞ初期コステロなハイエナジーチューン「Radio Radio」をキメたのである。前の曲に引っ張られスローに始まり、イントロ中にテンポを上げエンジンかけて走り始めるという、鳥肌もののスリルだった。


SNLのライブはあの小ホールサイズのステージがなんともいい。元はクラシック演奏用に作られたスタジオだそうで、狭く音が良く客が程よく入り親密感がある最高の条件で、全米が注目する中人生かけて2曲をキメるというシチュエーションが奇跡を生むのだろう。NHKもSONGSは客入れてやってくれ。

■2月19日               【SNL】アメリカンコントの愉しさ

#SNL50 『サタデーナイトライブ50年』2日めはコント編。歴代名コントシーンが流れるが、SNLの芸人ってめっちゃフィジカルで痛そうなコケをやってたんだなと驚いた。パンツ丸出しでパイプ椅子に倒れ込んでいく。これはドリフやイッテQどころではなく、怪我人続出のプロレス団体並みだ。


月曜にコントの脚本が届き、水曜から読み合わせ・修正・リハが始まり、土曜を迎え生放送のショーが終わるまで何が起きるかわからないという。つまり紅白歌合戦を毎週やってるようなものらしい。メイクを落とす間もなく歌だよとミックが笑っていた。全員集合の沢田研二やキャンディーズですよ。

アメリカのお笑いはコンテキストを知らないとわかりにくいが、脚本と演者の芸だけでも何度も大笑いさせられた。女性が肌を見せても明るく能動的で、アメリカのお笑いは女性への搾取感がないなと思った。美しすぎる膝を見せコントを演じるマドンナとマイクマイヤーズがお互いの脚に触れ合い、マドンナがセックスシンボル視されてないことに爽やかな感動を覚えた。コントではバーブラは神! ってやってたw 


#SNL50 911後最初の、消防士たちを招いた回の終わりに番組PがNY市長に聞く。「笑いを取ってもいいかな?」。一瞬絶句した市長が「今さら急に?」と絶妙に突っ込み笑い、「ここからNYC全体が立ち上がっていったんだよ」とコメディアンが回顧していた。ああわかるな。311でもそういう気持ちがあったよ。

もう一本録画されてた#SNL50 の3時間コンサートにはこれといった目玉バンドはなかったが(俺が聴いてたバンドなど皆隠居している)、おじいちゃんとなったデビッド・バーンがアーケイド・ファイア(なぜここに?)らとカバーを3曲も歌っていた。 

客席は当然トーキング・ヘッズを待ち受けてたわけだが、最後ついに出たのがこの超脱力佳曲 This Must Be The Place。40年ぶりに聞いたが実に良かった。あの力抜け切ったピィピピィピというイントロを聴いて、80年代はこんな曲が聞こえてきたよき時代だったなと思った。youtu.be/FurlZCn7uRQ?si…

娘に聞くといまTikTokでこのトーキングヘッズ This Must Be The Place が流行ってるのだそうだ。「なぜ?」「I don't know, it just is」。特に理由もなく昔の曲がリバイバルする世界なんだね。早見優「夏色のナンシー」もちょい流行ってるつってたw

■2月21日                   PCメモリ増設

最近使いはじめた写真編集アプリがメモリー不足でクラッシュしまくるので、愛機のRAMまわりの仕様をAIに調べてもらい買ってきた。倍の16GBで安定した。ラップトップ裏開け作業は前もやったこともあり簡単だったが、パーツ代がわずか20ドルとは思わなかった。部屋が広くなったような快適さ、これはやらない理由がないですね。

ブログ【まとめ2月前半】初めての写真エディターON1◆ 「マイクロ4/3界騒然の新型OM-3」「写真にLUTをかけていく」「1969年の紅白」「トランプのファシズム」ほか tomosakata.blogspot.com/2025/02/2on1.h… 

 

■2月27日             春が来た

暖かな日。庭に出るとクロッカスが今年も同じ場所に咲いていた。春だなあ。◇玄関に置いている庭カメラ、わが初代M4/3のPM1はさすがに長いこと使ってなかったので、動作がおかしくなっていた。シャッター押して1テンポ置いてから切れる。ちゃんとこうしてきれいに写るんだけど。

今日はコートを着ずジャケットで出られた。寒くないのって本当にありがたい。夏も冬もつらそうな道路整理のバイトお姉さんも、ニコヤカな感じです。#OLYMPUS #XZ-2

■2月27日                関西TVの女優無駄遣い

 

朝ドラヒロインになるのかと驚いた髙石あかりの、「墜落JKと廃人教師(2023)」が楽しい。ボッチなJKを岡村靖幸風のC調な教師が気にかけ追いかけるという話。教師のジョークめかした誘いを髙石あかりがテンポよくサクサク断ち切っていゆく。ラブコメはこうでなければ。タイム感と身体能力高いなー。

髙石あかりは実際この頃Tverのドラマで見る若い女優では抜群の存在で、『墜落~』の早口も、『アポロの歌』で生まれ変わるにつれ変化する口調にも強烈な魅力がある。

彼女がこれらのライトドラマから映画、NHK朝ドラとステップアップしていくのは当然だが、Tverの関西ライトドラマにやたらと多い性的シーンを演じる他の若い無名女優は、ただ安易に消費されてるのではないだろうかと感じる。若く魅力ある女優が俳優としての魅力の薄い、高確率でいわゆるアイドルグループの人、あるいは30~40代の仕事ができる類型的イケオジ=国民民主党首みたいな男に心奪われ、下着姿で胸を触られ股の間に相手の顔が入るなどという、東京発のドラマじゃ見たことがないような際どいシーンを演じているのだ。

そこまでしても関西ローカルじゃ単発でキャリアアップにはならないだろうから、消費されて気の毒だなと思ってしまう。せめてもっと魅力ある男たちを相手に、類型的でなく面白いストーリーを演じさせてやってほしい。ほんと何人かは世が世なら、活かす環境があればと思う女優なのである。俺はとにかく搾取がつらい。すべての人たちに報われてほしいのだ。