「ついに萌が終日スクールの日々」「萌の英仏力」ほか。
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■06/09/06(水) □ ついに萌が終日スクールの日々
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ついに萌が週5日フルタイムでスクールの日々がやってきた。初日はなんか、俺が夏休みになったみたいな気分。とりあえず掃除をし、仕事関連であちらこちらに連絡を取る。PCも絶好調だし頑張ろう。
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午後萌を迎えに行くと、仲のよかった子の多くと離ればなれらしく、あんまり望み通りとはなっていなかった。だがまあ熱心そうなおばあちゃん先生が担任となり(Mの大学院でのクラスメイトだとのこと!)、それがなによりである。
帰りに校庭でNCに会い、萌とDIのクラスが離れてしまった残念だという話をし、放課後に遊べるよう話をつける。NCは離婚に伴う引っ越しで、夏休み中は大変だったらしい。いい人なのにほんと気の毒。
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■06/09/07(木) □ 精神の波長
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萌は学校が始まった前後から英語での物言いがぞんざいになってきていて、特に俺に対してきついことをいう。「萌、おもちゃを片付けな」「No, YOU do it!」という感じ。
それをとがめて、今のは日本語で言えば『いやだ、お前がやれ!』ということだろうと直訳してやり、「日本語ではそんなイジワルな言い方を絶対にしないじゃん。なんで英語だとイジワルになるのよ」とたしなめる。「ごめん。わかってるんだけど、スクールがあるとエキサイトしちゃって、コントロールできなくなっちゃうんだよ」だそうだ。まあ英語キッズ同士のものの言い方が乱暴なのはそういう文化で仕方がないのだが、萌の精神の波長は新しいことの始まりに、ガタガタゆれているようである。
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■06/09/09(土) □ レガシィ・ラン
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萌は金曜で毎日学校のペースに心身が慣れたらしく、無駄な高揚が収まりちょうどよくなった。よしよし。去年の今頃は終日学校の水曜は放課後疲れ気味だったのだが、今はさすがに体力的にも問題ないようだ。
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ディナーに呼ばれSH家へ。着くとま新しい BMW 325 ステーションワゴンが。聞けば3年落ちの中古だが、ディーラーに行って試乗もせずに「これください」と買い、今日納車されたのだそうだ。お金がある家はうらやましい。BMW など欲しくはないが(中身は最高なのだろうがスタイルはうちのレガシィのクラシカルさが勝つ)、俺も燃費のいい車を「これください」と買いたいぜ。
しかし今日は久々にレガシィの走りを楽しめた。最近乗り心地に不満があるのだが(※)、タイヤが堅くなった分、アウトサイドに必要なだけの荷重をベストなタイミングでかけて曲がるといったコントロールが効く。運転手が下手なのでいつでもできるわけではないのだが、うまくいい姿勢を作ってコーナーに入ると、ボディにピーンとテンションがかかって4輪がビシっとつながり均一に路面を掴む、絶妙の気持ちよさがある。この完全バランス状態が作れると速くコーナーを回っても乗員がラクだし、バイクのコーナリングに近い気持ちよさがある。今後の人生レガシィよりも速い(2.5L よりも大きなエンジンの)車に乗るとは思えないので、今はこの味を楽しみたい。
(※)最近はエア圧を上げていないのにゴツゴツと乗り心地も悪いし、Kumho ECSTA HP4 716 タイヤが2シーズン目にしてすでに劣化が始まり、あの絶品の乗り味が失われてるのだとしか考えられない。初期性能はよくても2年弱で素人にわかるくらい経年劣化があるのでは、歴史のない韓国製の弱さとしか言いようがない。もう1つの美点である対雨雪性能だけは落ちないことを祈るぜ。
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今日はなぜかSTが俺や萌と話をしたがって、自分が興味のあることや学校のことをペラペラペラと話しまくっていた。俺も適当に相槌を打つのだが、ティーンエイジャーというのはたいてい喋り方がモゴモゴして早口であり、何を言ってるのか半分くらいしかわからない。たまに相槌のタイミングがずれたりして呆れられた。すまんすまん。俺にはティーンエイジガールの扱い方なんてまだわからんのだよ。
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■06/09/11(月) □ 単独大買い物行
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久々に単独大買い物行を挙行したのだが、いろんな探し物が見つからなかった。カナダには雑貨屋がないので、大手スーパーにないものはどこを探せばいいのかすらわからない。きっと都会に行かないと見つからないのだろうなあ。田舎の買い物は難しい。
とりあえず買えたのは萌と遊ぶ Silly Putty という粘土と車洗い用のホースをつなげるブラシで、このブラシを試してみると5分で汚れがほとんど取れ、とりあえずワックスがけはもう1月先でいいやという感じのクリーンさになってしまった。しゃがまずに洗えるので膝がラクだし、これは典型的なもっと前に買っておけばよかったシリーズの1つである。
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■06/09/13(水) □ 萌の英仏力
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学校が始まりグレイド1でついに本格フレンチの書き方を開始した萌が、先生に作ってもらった「今日私はALの家に行きます」という宿題の例文を書き読み上げている。俺にはフレンチはちんぷんかんぷんだが、あの喉にひっかかる音がきれいに出ているのだけは分かる。あれは英語のLと同様ネイティブの人にしか出ない音なので、すごいなあと感嘆する。
また、フレンチで書けない単語は英語で書いてるのだが、もうスペルを俺に聞いたりせずに「Heart」なんていうややこしい単語をすらすらっと、しかも文頭をちゃんと大文字にして書いてるし。日本語力もすごいが、英仏力もうーんと唸るしかなくなってきた。
しかし毎日萌は弁当を残しており、聞けば先生に「早く食べ終えて遊びなさい」と急かされるのだそうだ。急かすなよ、体に悪いではないか。プリントにも「15分で食べ終え残りの休み時間を遊びに使う」と明記されており、萌は元々食べるのが遅いので間に合わないのだ。だいたい俺は毎晩手間隙かけて、15分で食べ終わるような弁当など作ってるわけじゃないのである。子供が15分で確実に食い終わるものなんて、ピーナツバターサンドイッチとかの軽食しかないだろう。よそのお母さんはそうしているのかなあ。どういうことなのか先生に聞かねばならぬ。
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■06/09/14(木) □ 日本語学校2年生
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昨日の夜から雨になり、寒い。ついに電気ストーブを導入し小仕事。
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午後、日本語学校2年生クラスが始まる。萌のクラスの先生は前に見たことのない女の方であった。KTとYJがいて、萌は興奮しすぎている。別室で Pocket PC で仕事をしながらときおり窓から覗くと、教室の前に出て一人ずつ朗読かなにかをしているようで、なかなか盛り上がっている。よしよし。
HNも久しぶりに会ったが、意外に問題なくキンダーに行ってるのだそうだ。プリスクールのときは泣いて泣いて大変だったのに、成長しているのであろう。えらい。
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■06/09/17(日) □ 放浪者の悲哀
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俺の週末の風邪は本格化せず過ぎたのだが、萌が風邪をひいた。夏の始め以来2ヶ月以上ぶり。やっぱり夏の間は風邪をひかないが、寒くなるとてきめんだ。たいしたことはない鼻風邪だが、一日静かに過ごす。最近萌は絵をあまり描かないが、クラフト力が上がっており、まったくの単独で美しいものを作ったりしている。
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父さん母さんが今日金婚式だというので、久々に電話して、いろいろと近況を聞いた。カナダサカタ家は超平穏無事というか変化がない日々だが、日本の親戚にはいろいろとあるらしい。うーん。うちの親戚はドラマチックだからなあ。
母さんは、2階に積まれた俺の荷物を整理したいという。とにかく次に帰るとき俺がいらないものを大々的に捨てるから待ってくださいと懇願する。子供の頃から母さんの手にかかると、大事な雑誌などが捨てられて泣いたものなのだ。
しかし「あたしらが死んだら置いておけないよ」という話になって、そうすねえショボンという感じ。あそこが俺の「実家」なわけで、それがいずれなくなると思うと、心寒い。衣類家財はもうあきらめるとして、本や楽器やテープやレコードやキャンプ道具、日本に残したままのそれら愛したものたちを、将来どうしていいのか実際分からない。これは放浪者の悲哀である。
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