2013/08/04

日記【東アジア杯】Jリーグばんざいの勝利

「楽しい東アジア杯」「見る目があるとかないとか」「【豪戦】Jリーグ愛おし」「最高バイクライド」

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■13/07/21(日) X 楽しい東アジア杯
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 俺はザック日本の永久固定スタメンに飽き飽きしてるので、Jリーグ選手だけで戦う東アジア杯が楽しみすぎて、起きるつもりはなかったのだが朝4時に目が覚めてしまった。

【東アジア杯】vs 中国:
GK:西川、
DF:駒野、栗原、森重、槙野
MF:青山、山口、高萩、原口、工藤
FW:柿谷

 序盤は ACL でフィジカルの強い相手に苦戦するJチームという感じの立ち上がり。国際試合の中盤ってやはり、経験がないと攻守で仕事ができないんだな。プレスが効かず中国DF陣から日本のゴール前まで、何の抵抗もなくするするとつなげられてしまう。栗原が抜かれ先制される。

 相手の早い詰めに慣れ交わせるようになると皆攻撃センスがあって面白い。しかし攻撃は高萩と柿谷が通ればあわやという意外性のあるワンツーでチャンスを作ろうとするが、やはりタイミングが合わない。みんなうまいから前に走ってるターゲットがいると一発を狙っちゃう感じ。ドリブルでワンテンポ持って待って選択肢を増やしてから確実につなげばきっともっとよくなるはずなのだが。

 CKで追いつく。守備はアラアラだが面白い。守備力がなくても攻撃力を買われているのであろう中盤が、もっとガッツのある攻めをしてほしい。しゃにむにつっかけ上がっていく槙野の勢いが中盤選手にほしい。

◇

 後半は守備が修正されプレスが効くようになり、中国の脚が止まったせいもあるが、それ以上に日本の各選手がなぜ選ばれたのかがよくわかる素敵な能力を全開にした楽しいサッカーを展開中。Jリーグオールスターですな :-)。いつもの代表よりもこのチームのほうがアイデアがあり速攻が速く、見ていて楽しい。槙野のクロスを柿谷がきれいに流しこみ逆転。

 オリンピック代表を見ても思ったが、球離れが早くカウンターがうまいというのは若手J選手たちの世代的特徴なのかな。皆ドリブルで運べるのもいい。香川はボールをもらうとDF前でいったん止まり考え攻撃が止まるが、今日の攻撃陣はもらった瞬間前に進むのでチームも前に進む。同じ攻撃不発でもかかる時間が短ければ何度でもトライできる。高萩の縦ポンを柿谷が持ち込み工藤がクールに決めた3点目は美しかった。

 最後はベテランの駒野と栗原がなにやってんだという守備で追いつかれ、呆れた終わり方。Jリーグダイジェストを見るたびに思う、どこも攻撃はブリリアントだが守備が軽い(簡単にシュート、クロスをさせてしまう)という特徴がやっぱり出てしまった試合であった。しかしJリーグ選手たちの活躍は楽しいよね、ほんと。強い相手と戦えば、前が岡崎先生らの足元にも及ばない守備力なのでボコボコにされてしまうだろうが、この選手たちに国際経験をたくさん積ませてやりたい。

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■13/07/23(火) X 見る目があるとかないとか
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 サッカー東アジア杯関連のコラムをあちらこちらで読んでいると、「見る目がない」と揶揄するコメントを目にすることがあり脱力する。有名な評論家に対しても個人ブログにも同様のことをいう人はいる。サッカー論を説く論客に「自分は考えが違う」といってチャレンジすることは健全なことだけれど、「見る目がない」とか言い出すとキリがない。どこにサッカーの正解があるのかって話ですよ。評論家が書いたものが正しいとも限らないし、代表監督だって間違ってるかもしれない。当のプレイヤーが感じたことすら大局から見れば的外れかもしれない。それがサッカーではないか。いやサッカーに限らず、論評というもののすべてがそうなのよね。

 俺は自分が気づかなかったことを書いてくれるコラムやツイートを面白いと感じる。好きなブロガーやツイーターの言葉は、好きな歌手の歌のように気持ちよく感じる。個々の論に納得するか同意するかは是々非々の世界の風であり、それぞれに「あーそうかも」or「それは違うだろうな」と思うだけである。感じ方・解釈が違うのは当たり前であり、その「違う」ということを元に人を否定してなんになるだろう。世の中が、サッカーが、その分少しだけつまらなくなるだけではないか。

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■13/07/25(木) X 【豪戦】Jリーグ愛おし
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GK 権田修一
DF 森脇良太 千葉和彦 鈴木大輔 徳永悠平
MF 高橋秀人(cap) 扇原貴宏
山田大記 大迫勇也 齋藤学
FW 豊田陽平

 コンディションが整い練習ですり合わせが進んだのか、つながりは初戦のチームよりもずっといい。ボールを持つと攻め手を探す余裕を感じさせる多彩な攻めは悪くないんだけど、しかし日本の攻めが豪DFが引くよりも遅いので大迫と豊田にスペースがない。攻めの速さでは中国戦チームのほうが一歩上か。

 齋藤学のメッシというより森島っぽいPKエリア横断ドリブルからのループが決まる。横ドリブルはよかったけれど、ループシュートが入ったのはDFとGKのヘボさが大きい感じ。そして大迫が豊田の落としを持ち込んでためてためてためてゴール。大迫のあの落ち着きはなかなかすごいものがある。あの1点だけでも前田以上の才能を感じる。しかしトップ下としてのプレイはそんなにうまくもないので、今日はお役御免として他の選手に託したほうがいいかも。

 しかし終盤、フルパワーで来た豪を止められずまた追いつかれる。国際試合で敵にがーっとフルパワーで来られると事故を起こしてしまうのは、JリーグDFの弱点なんだろうな。事故を起こさなかったのはACLとWCでの闘莉王だけ。「ガーッとフルパワー」というのがつまりインテンシティ=強度なのであって、そこがJリーグでは鍛えにくいところなのだろう。「このオーストラリアは強くない」というツイートが流れていたが、それでも彼らが塊になってがーっと押してくるパワーと迫力はJでは味わえないものだろうし、中国以上だった。

 それが試合終了まで続いた中、前田よりも明らかにシュートがうまい大迫に救われ突き放したのだから、このJリーグ代表チームはたいしたものである。海外に住むJリーグ厨の俺から見ると、今大会呼ばれた選手はみんな素晴らしいよ。森脇はプレイが意志的で顔がいかつく八重のお父さんで素晴らしい。期待した山田大記はキープもクロスもよくゲームを作っていたが、自分が点を取りに行く選手なのかと想像してたのでトップ下でまた見てみたい。山田がトップ下なら攻守ともにもっとシャープになっただろうと思う。豊田陽平は明らかにハーフナーよりも現時点ですべてがうまい。今日3点を取れたのも彼の働きがあればこそだった。Jリーグ愛おしい。日本に住んでたら絶対見に行く。

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■13/07/27(土) X 最高バイクライド
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このトンネルにはうわあと声が
家にいると iPod ばかりいじっていて俺に叱られやがてケンカになる萌を引き連れて、車に自転車を積みコキットラムのマンディパークへ。Coquitlam Bike Routes というマップで見つかった丘の上の平地にある2キロ四方弱の森の公園で、地図から想像したとおりにいいところであった。

GPS で調べると一番低いラージレイクで標高 158m、高いコモレイクロード側で 198m と、勾配はどこも緩く、自転車から降りて押す必要があるほどの長い坂はほとんどなし。上手のコモレイクロード側を登り切ったところでランチをいただき、あとはのんびりと周回した。こんな人里に近いのに、この景色があるんだからカナダはすごい。真夏でも日陰で自転車を漕いでいればまったく暑くないし。恵まれているよなあ。家ではなんか不機嫌な俺たちも、こうして外にいるとご機嫌になる。

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 帰りがけにモールに寄ったら、夏休み短期留学に来てると思しき同年代の日本の女の子を萌が見つけた。日本の子は遠くから見てもどこかわかるので、萌はすぐに見つけてくる。なんでわかるのかというと、なんかフワフワで大丈夫かなという感じなんだよな。別に悪い意味じゃなくて、保護したくなるような、vulnerable(無防備な、傷つきやすい)という言葉が一番合う。保護者はいないのかと心配になるような感じ(見ていたらホームステイペアレンツが店内にいてほっとした)。

 うちの娘がストロングスタイル独立独歩なカナダティーンになってしまったのは俺は実はそんなに喜んでなくて、もうチトゆるふわ方向に戻ったほうがいいと思ってるのだが、でもああしたふわふわな日本の子を見るとやっぱりあれはあれで心配だなと思う。日本とカナダの子の中間地点のどこかがやっぱりよろしい感じ。

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■13/07/28(日) X Jリーグばんざいの勝利
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【東アジア杯】サッカーを見るために夜中に起き、日本の民放をネット中継でチューンイン。ネットで日本の TV コマーシャルを見るとなんか幸せを感じる。日本に旅行しているような気分になる。メンバーは1戦目と同じか。よし。

日本スタメン:西川、駒野(C)、槙野、栗原、森重、山口、青山、高萩、工藤、原口、柿谷

序盤韓国のロングフィードにDFが脚力勝負を挑まれ苦しむ。相手はラインを下げさせようとしている。高萩原口工藤がプレスをかけ、セカンドボールを拾いドリブルでキープしないと苦しいのだが、このチームは攻撃力が高い分そういう労働仕事が実に弱い。しかし韓国は遅攻になるとそれほど怖くない。速攻もまあ柿谷ほど怖いわけではないが、DFが脚力勝負を挑まれるとミスが出そうで怖いだけ。

 20分、やっと韓国の攻勢が収まってきた。日本の中盤へのファウルが出てきた。そして柿谷が抜け出しゴール! うわ! なんという、なんという大カウンター\(*o*)/! すごい。柿谷はちょっとこれは、ここ10年日本代表にいなかったレベルの、全盛期のカズ並みの決定力だな。韓国に見事なミドルで追いつかれ前半終了。まああれは崩されたというわけではない。

 高萩があまりにも守備ができない。コンディションが悪く駄目な頃の俊輔のようだ。後半は山田大記をお願いします。

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 【後半】げげ、高萩を代えないのか。このまま相手が止まるか日本選手が自力で打開してくれるのを待つのだろうかザック。こういう押されて局面を変えられず、やがて押し切られるのではメキシコ戦と同じザックジャパンなのだが。日本が「本田がトップ下じゃないと機能しない」と言われるときの典型的な展開。

 槙野に代わり徳永が入りサイド守備が落ち着き、そこからようやく盛り返し攻撃場面が出てくる。相手が疲れたのもあるのだろう。ここまで逆転されずに来てるのは、韓国の攻撃のぬるさが大きい。最後の局面で日本DFにあんなにことごとく1対1を抑えられてしまうのは、まあ普通の韓国代表じゃあり得ないよな。

 24 分、ようやく山田。しかし交代は工藤。うーん。たしかに工藤も今日は守備ばかりで力の出しどころがなかったけれども、守備ができそうな山田がセンターに入ればそれで問題はあらかた解決だと思うのだが。そう思うまもなく期待通り山田が相手をチェイスする。相手の速攻を二度に渡り止めた。素晴らしい。あれを高萩にやってほしいわけである。

 41 分ようやく高萩が下げられ豊田。遅い。しかし原口が渾身のトラップで敵を抜き独走、シュート、GK が弾いたボールを柿谷がボレー、ゴール! 原口よくやった! 柿谷天才! 柿谷はキングカズ! そこでフラッグまで出てきて一緒にカメラに入ってくるな高萩w ゴールシーンには山田大記と豊田も絡んでいた。走れる選手がどれだけ重要かということである。

 今日の韓国と日本の違いは、この攻撃陣のタレントの質の差であった。いつもは韓国FWの個の力で日本DFがやられてしまうので、逆転したかのようだ。

◇

 Jリーグばんざいの勝利ではあるけれど、しっかしこんな耐えて耐えてカウンター2発で劇的にしのぐなんていう試合となる必然があったのだろうか。それでザックのテストが最大化されるのだろうか。連れて行った選手の持ち味を最適化すれば、もっと面白い試合をやれただろう。

 柿谷はほんと、あれだけ当たり前にチャンスボールをゴールに放り込めるのは、FWではカズ以来だろう。チャンスを作れ点を取れるFWがこうして見つかった以上、プレスし香川と本田の仕事場所を作れるという長所をもって前田を使い続ける意義は薄い。スピードがない香川本田に得点機を与えるのではなく、長駆上がってくる長友を待つのでもなく、香川本田がFWに点を取らせるより高速なチームを作るべきなのだ。そこにコンフェデで見えなかった得点道がある。

 原口と柿谷の走力を生かせばこんなに押されたヘボ試合でも点が取れる。豊田大迫らももちろん力になるだろう。既存戦力にこの得点力を組み合わせる方法を見出だせなかったら、ザックは無能である。しかしそうなってくると不安は、WC前に柿谷が海外移籍し、調子を落とすことだな。

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【最高の離婚】最終回。噛み合わない2人のダイヤルをぐるりカチと合わせてくれたのは、温泉ビデオ出演の危機と沢田研二の名曲であった。ジュリーとは似てないがそういえばグループサウンズっぽいミツオの容貌とか細い声が「君をのせて」に合い、歌に気づいたユカと酔っ払いたちの中で微笑みを交わす。

【最高の離婚】交わす微笑みで、パートナーとしての暖かな気持ちが二人の間にお湯のように満ちていく。夫婦というものはいつでもケンカばかりするが、こうして他の人々の中にいれば二人は誰よりも分かり合っており、そう、微笑みを交わし夜の海を渡っていくわけだよね。猫も帰る。めでたしめでたし。

2013/08/02

日記「カナダ東海岸旅行記③鯨と鳥の楽園」

「シグナルヒル」「帰宅ハイ」

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■13/07/13(土) □ 鯨と鳥の楽園
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今日はついにホエールウォッチング決行。天候は曇り、気温は20度。霧は出ており鯨見に最適な気候ではないが、日程的にもう待てないのである。

 クジラは前に一度ノバスコシアで見たことがあり、至近距離であの巨体を見ればもちろん「おお」と声は出るが、その巨体のすべてを見れるわけでもないので俺はそんなに高揚はしない。

 しかしこのウィットネス湾のクジラたちは見られることに慣れ、人にほとんどなついているらしく、まるで近所の猫のようにボートの近くにやってきて愛想を振りまいてくれる。口を突き出したり、腹を上にしてゴロゴロと寝返りを打ったり。これは可愛いわ :-)。

 クジラたちはボートの真下をくぐり抜けていく。近い! 鯨の息がむわーと臭う! うっぷ(笑)。これを俺たちに見せたくて、滞在初日からうずうずしていたERさんも、俺たちの反応に満足気であった。彼は週に何度も、飽くことなく来ているのだそうだ。

◇


(クリックして高解像度表示必見です)


 そのクジラたちもよかったのだが、ツアー最後のバードウォッチングが衝撃的だった。クジラを追っている最中にも霧の中を遠くからものすごい数の鳥の声が聞こえていたのだが、霧が晴れると1キロほど離れた孤島が鳥の島だったのである。崖一面に鳥・鳥・鳥。ボートで近づいていくともう、空も海も崖も四方八方、上から下まですべて鳥・鳥・鳥。鳴きまくり飛びまくり泳ぎまくる鳥のサラウンドシステム。うわー。すげえ。「すげえというのは日本語で awesome という意味なのよ」とMがERさんに説明する。そうなんですよ、すげえとしか言いようがない。



  数キロも続くバードサンクチュアリ島のあらゆる側面に、星の数ほどの鳥たちがいる。何万何十万という単位だろう。あとで知ったがこのウィットレス湾は、北米最大のパフィン(ペンギンに似たウミスズメ科の海鳥)の生息区なのだという。パフィン 20 万、ウミガラス 30 万、保護区3島全体で二百万もの海鳥がいるとのこと。そんなすごい湾に俺たちはいたのである。出発前にちゃんと話を聞いとかなかった俺がバカでした。



 低騒音のモーターボートでしずしずと進んでいきながらうわーんとかしましいツイートに包まれ、俺はうわーと声を上げすごい爽快感を感じていた。自転車で森の中を駆け抜けていくみたいな気持ちよさ。視覚聴覚一体となったサラウンド効果。こないだの遅々として進まないカヤック体験に欠けていたのは、この駆け抜けていくスピード感だった。



 俺は鳥というもの自体にはそれほど興味はなく、いろいろ説明してもらっても種別などは頭に入らない。しかしただただ気持ちがいい。鳥を体に浴びてるという感じ。鳥浴。ニューファンドランドで最も有名な観光名所である世界有数の鳥名所セントメリーズにセントジョンから片道3時間かけて行く気はしないが、それに匹敵するような体験をここで簡単に提供してもらえて本当によかった。お手軽バードウォッチングは素晴らしい。

 ボートを降りると事務所でピンを渡され、壁の世界地図にどこから来たのか刺してくれと言われる。日本から来てるのは俺だけだった。まったくファーイーストから見たら地の果ての、ファーファーウェストの島である。



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 この鳥と鯨ウォッチングはこの旅のメインイベントとして申し分ないものだったので、明日は博物館訪問等の軽い市内観光で後悔なく旅を終われそう。あさっては帰宅である。長い旅だった。毎日イベントだったので長く感じるんだろう。

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■13/07/14(日) □ シグナルヒル
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 ニューファンドランド最終日、セントジョンズ地質学センター。ニューファンドランドはパンゲア大陸分裂の形跡をいろ濃く残す地質学者のドリームランドだそうで、石がたくさん飾ってある。よくできた展示だが、本物の石を見それがどうできたかという地質学的考察があっても素人にはどうということもない。


シグナルヒルから港を見下ろす姫。
「またつまらぬものを撃ってしまった。」

この世に戦は尽きぬのか……
どこのミュージアムでも思うが、書物で読めるような情報を旅行中に半日使って読むのは時間の無駄だよな。すべてのミュージアムは移動を止めずに読めるツイートみたいな 140 字以内に説明を収めるべきである。まあおとといの州博物館 The Rooms でも歴史部分は興味が湧きすぎて長い説明でもけっこう読んでしまったが、コンサイスにうまくツイートされていたらもっと多くを読めただろう。

◇

 そして 1901 年に大西洋間の電信に初めて成功したというシグナルヒルを見て観光は終了。ここはセントジョンズが一望できる絶景だった。町全体を眺めていて思うが、俺が住む西海岸は東海岸よりも雨が多く温暖なおかげで、景色に潤いがある。セントジョンズは住民の努力で庭木や街路樹がきれいに整えられているが、基本高い木は育たない気候で灌木ばかりなのだ。BC は緑に恵まれている。

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■13/07/15(月) □ 帰宅ハイ
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 長い旅の終わり、小さなエアポートに日焼けしたアジア人バックパッカーがいる。「あれはきっと日本人ね」とM。たぶんね。なぜわかるのかと萌が聞く。バックパッカー、貧乏旅行はヒッピー文化で、中韓は国としてそういうものを経験してないからね。後でもう一度すれ違うと彼はやはり日本人だった。俺はバックパッカーだったことなどない軟弱なツーリストですが、頑張ってください。

 帰宅。東海岸から帰ってくると、BCは山があり緑が濃く本当に豊かだと思う。そして家に帰り荷物を解くともう快適すぎ。2週間ぶりのNHKがしみじみ気持ちいい。取るに足らぬ番組を流し見していると、外国から日本へ帰ったみたいな擬似帰朝フィーリングで心がウキウキしている。帰宅ハイだなこれは。自宅ハイ。

 東海岸では日本食はスシしかなく(アジア人自体が少ない)、肉+ポテト or 魚+ポテトばっかり食ってきたので、白いご飯が食べたくて仕方がなかった。今日はとにかく米のご飯となにかテキトーに作ろう。納豆もいただこう。

2013/07/25

日記「カナダ東海岸旅行記②カナダの歴史に打たれる」

「ニューファンドランドの英国人」「寂寥の海」「カナダの歴史に打たれる」

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■13/07/10(水) □ ニューファンドランドの英国人
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人口は右下の一部に集中
ノバスコシアからさらにさすらい、今日からニューファンドランド。正真正銘の地の果て、カナダ最東端の島であります。もはやカナダ本土よりもグリーンランドやアイスランドのほうが近所といっても過言ではない。こんなところにほんとに人が住んでるのかと不思議に思うような土地だが、実際人が住んでるのは右下の州都セントジョンズがあるニューファンドランド島だけで、州の大半を成す左上ラブラドール島はムース(大へら鹿)と熊しか住んでないとのこと。今年数十年ぶりに 30 度を超えニュースになったんだそうだ。





「憧れのイングリッシュガーデン」ですよ。

 ここで軽井沢のペンションのような美しい家に、美しい英国英語を喋る教養深い老夫妻が住むという、ノバスコシアの女流小説家邸に続きこれまたすごいお宅に泊まっている。

 普通英国人の喋りは俺のようなカナダの外国人には半分も聞き取れないのだが、ERとVR夫妻の英語は普通にわかる。不思議に思いどこ出身の夫妻なのかとうちの奥様に聞くと、2人はどちらもM母と同じ訛りのきついヨークシャー出身なのだが(奥さんVRはM母の幼馴染とのこと)、まったく訛ってない。これは教養によって得られた上流アクセント、つまりキングズイングリッシュ、BBC 英語なのであると解明してくれた。なるほどー。すっげー。


(北米最東端灯台、ケープスピア / 湾を挟んでシグナルヒルの岬もすごい)

ついてすぐに行ったのが、北米大陸最東端の岬ケープスピア。北米大陸最東端の灯台があり、湾を挟んでセントジョンズの名所シグナルヒルも遠望できる。スペクタキュラーな眺め。ニューファンドランドは島全体がこうして岩でできており、「ザ・ロック」と呼ばれている。この島は鯨の名所でもあるそうで、セントジョンズ市内のこの岬からですら見えることがあるとのこと。案内してくれた旦那さんのERは、「風がやんだら耳をすませなさい。鯨の息吹が聞こえるかもしれない」と言った。あ、あなたは詩人ですかというとニッコリと笑っていた。

 Mはこれを見ただけでニューファンドランドにきた甲斐があるわと感嘆していたが、VR家とこの風景のセットはたしかに強力である。VR家は写真を撮り忘れたが、隅々まで瀟洒なペンション風であった。逆に軽井沢などのペンションは、こうしたイングリッシュハウスへの滞在経験を元に誰かが作りスタンダードとなったんだろうな。

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 初日の晩飯は当然のように英国式フィッシュ&チップス(ポテトフライ)だったのだが、ポテトフライがなんだこれはと声が出るほどうまい。業務用みたいな温度計のついたでかいフライヤーにたっぷりと油を入れ揚げてるだけらしいが、さすが英国人はこれ一徹なだけある。

 夕方散歩に出ると気温はもう15度を切り、息が白い! すごいところだわニューファンドランド。

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■13/07/11(木) □ 寂寥の海
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 観光初日。天気がよければご主人のERいち推しのホエールワッチングが入るはずなのだが、天候の移り変わりが激しい土地で、特に霧がすぐに出る。霧が出て視界が落ちると鯨は見えないわけで、これは船長の判断待ちとなり、決行なら連絡をもらうということにして、俺たちは車で1時間ほどの景勝地フェリーランドというところをおすすめされて向かう。この島最初の入植地とのこと。

運転しながらこれを操れという無理難題
今回のレンタカーは希望の日本車またはフォーカスがなく、ミドルクラスのフォード・フュージョンというでかい車となった。重い。ガスをどんどん食う。

 おまけに各種コントロールが「アメ車はついにここまで来たか!」と思うほど使いにくい。コントロール類がすべてスマホ的フラットパネルになっていて、エアコンスイッチすらどこにあるかがわからない。パネルをよくよく見るとファンのアイコンがあり、その横にある+または-のアイコンを押すとエアコンの風量がコントロールできるらしい。しかしどこが+/-かは指で手探りしてもわからんので、押すためにはどうしても進行方向から目を離しパネルを凝視しなければならない。危険極まりない。よくこんなんで安全認可が下りるな。

 現代の自動車事故の大きな原因となっている携帯操作というのはつまりこのフラットパネル操作のことで、前方を見たままブラインド操作できないから事故を招く。それを車の操作体系に持ってくるフォードは、「スマホを使ってない人でも運転中にスマホの危険を味わえます」という仕様なわけである。

 低圧ターボでトルクがにゅるーっと出てくるエンジンも、荒れた路面でのボディコントロール感もあまりよくない。しかしハンドリングだけはいい。拳をほんの少しひねるだけできれいにノーズがイメージした方向に向き、荷重が自然にかかりきゅーっと気持ちよく曲がっていく。これはヒュンダイ・エラントラ GT ではまったく得られなかった気持ちよさで、実用性でいえばコリアはすでにアメリカの先を行っているなと感じたが、ハンドリング快感方面だけは歴史がモノをいうのだろうか。フュージョンの旧型はハンドリング自慢のマツダ・アテンザとシャシーを共有していたらしいが、やはりそれを受け継いでいるのだろう。基本的に豪快アメ車的なブイーっという乗り味の車なのだが、峠に入るとしゃきっと気持ちいいのである。

 このハンドリングを味わいながら海辺のワインディングを流すのは、久方のドライビングプレジャーであった。道からときおり見える港港が美しい。

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ニューファンドランドらしい風景

イヌシュクをつくる娘
目的地フェリーランドにつく。なかなかすごい景色のさびれた岬。着いたはよかったのだが、パーキングからすさまじい風の中を延々歩いて灯台に達し、ランチを食いさらに強風の中を散策していると、俺はこのやむことのない風にだんだんうんざりしてきてしまった。もう見るものは見たからさっさと引き返そうぜと思うのだが、萌とMがイヌシュクを作り始めてしまい強風の中待ちとなる。やれやれ。

 石を積むMと萌を待ちながら考えていたのだが、俺はカナダの海を見てもそんなに興趣を感じない。これはカナダで初めて行ったノバスコシアのペギーズコーブからそうで、植生限界的な寂寥感あふれる風景はまあきれいだなとは思うが、基本岩と水とコケの3種バリエーションなのでやがて飽き、そこをずっと眺めていたいというような気持ちにならない。川が流れる景色のほうがなぜか落ち着く。カナダの海は魚と鳥のものであり、人は漁師以外は居場所がないという気がする。

 今日はホエールワッチングが延期となり、そのままゆっくりと帰宅。晩ご飯はカレーだったのだが、トマトとレーズンが入った甘ーいフルーツソースにカレー粉をふりかけたという感じの食べ物であった。これが英国式カレーなのか。何といえばいいのか分からない味がする。

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■13/07/12(金) □ カナダの歴史に打たれる
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(まっすぐ町を抜けたいのに、一方通行と交差点のわかりにくさでこんな風に迷ってしまう。 / 運転手と助手席ナビゲータ険悪の図)

本日は州都セントジョンズの州博物館、The Roomsへ。この町は古いせいか道が極度にわかりにくい。メインストリートと呼べる目抜き通りが一本もないのがマジでつらく、「ここまで大きな道で行って、あとは地図を見ながら注意して移動」というふうな普通の移動ができないのである。旅行者は地図を頼りに六叉路やらロータリーやら一方通行に阻まれ手探り移動をすることになり、運転手とナビ役とのケンカとなる。

 結局この町ではMが運転し、俺がアンドロイドの GPS でナビすることとなった。これ以外にこの町を抜けていく方法が見つからない。アンドロイド上の Google マップは完璧ではないが(ルート検索が保存できないというのは致命的欠陥)、旅先では命綱だ。セントジョンズの町をツーリストが GPS なしで迷わず抜けていくのは不可能だと思う。


こういう街の景色ってかっこいいよなあ

高台の博物館から見下ろす町

京都博物館も見習うべき
素晴らしい歴史展示

しかし道はわかりにくいが港町なのでアップダウンがきつく、街の作りにはとても趣がある。1本横の通りまで階段で行くような場所がたくさんあり、どこを向いても石造りの六叉路などもあって、その景色は欧州、ローマみたいだなと思った。

◇

 町の自慢らしい州立博物館 The Rooms のメイン展示は、この州の歴史を興味深く描いていて実に面白かった。ニューファンドランドは 1949 年までカナダじゃなかったんですよ! 知ってましたか知らんでしょ。BC に住んでいるとカナダの歴史というのは、「まず先住民族がおり、あとからヨーロピアンが入ってきて駆逐した」と2行で済んでしまうような単純なものと思ってしまうのだが、東海岸から眺めればなかなかに複雑怪奇なのである。

 まずバイキングが散発的に来訪し、バスクが鯨を取りに大挙押し寄せ、16 世紀に欧州人の本格入植が始まり、他の先住民族よりかなり進んだ技術を持ったベオスック族を圧迫し、ベオスック族は 19 世紀に絶滅する。やがて英仏戦争の余波がカナダ東岸に及ぶ(これがボードゲーム「数エーカーの雪」の舞台設定)。

 そして英領として第一次、第二次大戦に英軍に兵士を大量に供給し、第二次大戦中に欧州へ飛ぶ連合軍(米軍)空軍基地ができたことで一気に貨幣経済が始まり、そこからカナダよりも米国との関係が強くなる。そうした新たな時代の波が訪れるごとに、その前の世代の文化がどう影響を受けたかということが展示のテーマとなっている。目からウロコですよ。説明を読みながら俺は「そうか、そうだったのか」と激しく納得していた。面白い。俺はこれまで失礼ながらカナダの歴史など面白いと思ったことがないのだが、俄然興味が湧いてきた。銅鐸ばかり何十個も展示するという薄い展示物に説明過少で去年俺たちを激しく失望させた国立京都博物館は、ここを是非見習ってもらいたい。

 カナダ加入への住民投票は賛成わずかに 50.5% だったとのことで、いまだにカナダへの帰属意識はあまり高くないらしい。カナダへの統合に伴い廃村となった村々がゴーストタウンとしてそこかしこにあるという。廃村は「ロスト・ニューファンドランド」と呼ばれている。ロマンチックな響きだ。

◇


David Blackwoodの最も有名な絵
「Fire Down on the Labrador」。
さすがにこのクラスのものは買えないとのこと。
「素晴らしい博物館だった、カナダの歴史に突如興味が湧いた、併設のギャラリーの絵もいいものがいくつもあった」と帰ってきて英国家主ERさんに報告すると、彼はそうなんだよフフフと知的な笑みを浮かべ、自らのニューファンドランド画家絵画コレクションを見せながら歴史講義をしてくれた。

 この家はあらゆるところに絵画がかけられており、その数およそ 30 枚ほどもあるかと思うが、その中で最も高価なものがニューファンドランド出身の鯨画家 David Blackwood のエッチングらしい。ギャラリーにもその人のクジラの絵があったよと話したら、「君の寝てる部屋にかかってるのが彼だよ」と言われた。も、モノホンですか。いくらするんですかハウマッチ大橋巨泉。

 ブラックウッドの絵は実際のニューファンドランドの海難悲話などをモチーフに描かれたものが多いそうで、解説を聞きながらその絵を見ると迫ってくるものがある。今日のギャラリー部のメイン画家だった Mary Pratt すらも、ERさんは本物を持ってなすった。





カナダで最も著名な古大家 Maurice Cullen の風景画「Misty Afternoon」と、地元画家 Mary Pratt のスーパーリアリズムが画廊のハイライトだった)。「Misty Afternoon」はまさしくこの島の寂寥の海。




彼の話に俺が前のめりに興味を示すもので ER さんはさらに興に乗って(奥さまが笑っていた)、最後は「これは僕が作ったんだ」とハープシコードを見せてくれた。「ハープシコードを作った」て、意味がわからない(笑)。どういうことかと聞けば、ハープシコードを作りたい人のために図面を売るショップが英国にはあり、それを買って木を切り組み立てたのだという。英国はやっぱ日本同様クレイジーな趣味人が多いのねというとアッハハと笑っていた。

 ハープシコードがあるからには、これはもう「インマイライフ」の間奏を弾かねばならない。アイマストプレイ。俺はこの美しい楽器の前に座り、左手で A のコードを押さえてはみたものの、しかし右手は1音もあのソロを弾けませんでした。音楽は難しい。いやしかし楽しいお宅にお邪魔しております。ありがたや。

2013/07/20

日記「カナダ東海岸旅行記①ノバスコシア・PEI」

シーカヤック講座」「英国フットボール話」「赤毛のアン観劇」「案外なるグリーンゲイブルズ」「ファーム&ビーチ」「天才ウクレレ先生と子供合奏団」「うなぎのゴム焼き」

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■13/06/25(火) □ シーカヤック講座
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Photos of Rocky Point Kayak, Port Moody
(C) Rocky Point Kayak
昔からカヤックに憧れるMのたっての願いで初のシーカヤック講座。ありがたくも雨はきれいに上がって気温も上がった。まず実物のカヤックを使った1時間弱の座学がある。海に出るのは怖いが、野田知佑のファンだったのでカヤックには興味が実はすごくあり、実艇をいじりながらあれこれと説明を聞くのは楽しい。プラスチック艇(1人乗り)は思ったよりもはるかに重かった。

 狭いハッチに入り、脚元にある乗馬鞍のアブミ状のフットペダルに足位置を合わせ、おしりと膝とペダルの3点で体とカヌーを固定する。陸でやってみると脚を外に張るので不自然な筋力を使うが、確かにこれで重心が人間の頭よりも下に来て安定する。なるほどー。バイクのコーナリングで外足のステップとタンクでグリップし、人車一体となるのと同じですね。しかし水に入るとやはり怖い。ただ座ってるだけなら予想したよりも安定しているのだが、漕ぐとグラリと揺れる。うわ。こんなんで本当に海に出るんですかという感じ。

Photos of Rocky Point Kayak, Port Moody
(C) Rocky Point Kayak
海に出て5分ほど漕ぎ、慣れると揺れは収まり恐怖心はなくなった。これはベタ凪の入り江という好条件のおかげもあって、遠くを通る船から波がくるとやはり揺れてやや緊張した。これで波立つ外海になど行けるものなんだろうか。

 しかし意外なことに、カヤックというのは案外進まない。あの喫水の浅さとボディの狭さで夢のように抵抗が少なくスイスイ進むんだろうと期待していたのだが、パドルは水車の先端のように浅くバタバタへらーと水を切り、ボートのようなグイしゅぱーという推進力が出ない。それにビギナーは漕ぎ方がどうしても左右アンバランスになるのでカヌーは常時首を振っており、それで相当のパワーをロスしているのを感じる。

 講師の漕ぎ方を見ていてもそんなに見るからにうまい、速いとも感じず、俺たちよりはロスがないらしい程度しか違いがわからない。言われた通りにしても進まないものは進まないし、首を振るものは振る。これにはMも俺同様苦しんでおり、萌だけがきれいなフォームで速度に乗り、俺とMをどんどん置いていった。萌だけ型の違う高級そうな挺だったので、単に挺の違いかもしれない。ビギナー設定ということでラダー(舵)を下ろしてなかったので、直進性の悪さはそのせいもあるのだろうか。

 足を前に投げ出した姿勢で腕と腰のひねりだけで漕ぎ続けるというのは運動として効率がやや悪そうで、普通のボートのほうが距離は進むだろうなと思う。全3キロほどの旅程の 2/3 あたりで相応に疲れ、途中からは正直こりゃ小さな電動エンジンがあったら最高の乗り物だろうなあと考えていた。ほんのちょっとでいいから推進力にアシストがほしい。小さな帆でもいい。

◇


こういう感じのツーリングでした。
2キロほどでこの港で唯一の砂浜ビーチに上陸し、アシストしてもらって上陸と乗船の練習をし小休止。途中何度も出てきたアザラシがかわいかった。「お前ら何なの?」と好奇心で水面に顔を出しこちらを見に来るのである。舟でしか近づけない場所にある鳥の巣などもかわいい。こういう楽しみはやはりシーカヤックならではだろう。またやるなら防水カメラを借りてくるべきだなと思いながら黙々と漕いで帰港。

 というわけで楽しかったが、今後もレギュラーにやりたいかとMに聞かれるとメイビーとしか言いようがない。水に浮かび動き回るのは楽しいが、思ったほど自由に動けないフラストレーションがある。楽しいが自転車で山を駆け巡る自由さには及ばないというあたりが率直なところ。自転車みたいに上り坂がないのはプラスだが、腕だけに疲れが来るから自転車ほど無理は効かないなとも感じた。

 転覆するリスクが高すぎてやる度胸はまったくないが、スポーツとしては川下りカヤックのほうが自転車/モーターサイクル的で面白いだろうな。昔ゴムボートでチャレンジした奥多摩渓谷で、激流をわーと抜けたり清流を静かに流されて行くときの気持ちよさは、喩えようもなかったのである。

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■13/06/28(金) □ 英国フットボール話
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今日はイングランドから来ている親戚がうちに1日滞在。ルーニーみたいなこのお父さんはフットボール狂なのである。前に会った 2001 年に「いまジェラードっていう若い奴が出てきてな、こいつが天才なんだ。我がイングランドの未来は約束された」と言ってたので、「あれから WC と Euro を全部見たけど、全部駄目だったじゃん」というと、「そうなんだ。なぜだかわからない」と悄然と答える。

俺「いつ見ても個々の選手はいいんだけど、チームが噛み合わないよね」
英「そうなんだ。なぜだかわからない」
俺「それになんで外国人コーチを雇っちゃ失敗するの?」
英「国内コーチはもっと駄目なんだ、なぜだかわからない」

俺「しかしまあクラブチームはいいよね。俺はスペインやバルサみたいなパスパスパスパスなんてサッカーより、行ってこいドログバー! ふんがー! っていうチェルシーみたいなほうが好きなんだよ」
英「そうなんだ、それがイングリッシュスタイルだ!」
俺「地元のハルシティはまたプレミアに戻ってくるんでしょ」
英「そうなんだ。だけどそれに備えていい FW を買わなきゃならない。DF と MF は根性入れてバーンと敵に当たっていけばなんとかなるけど、点を取る FW だけは才能だからね」

――と、これが一般的英国人のサッカー気分みたいです。根性ね(笑)。

 香川について聞いてみると見たことはないそうで、「まあアジアの放映権関連もあるんだろうな。あれくらいのチームになるとファーストチームとセカンドの差は大きいよね。でもマン U は若い選手をちゃんと育てるから、カガワもものになるだろうね」とのことであった。まだこれからですな。

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■13/07/03(水) □ 赤毛のアン観劇
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昨日からカナダ東海岸の旅。ノバスコシアの田舎ニューグラスゴーに住むM父夫妻を訪ね、そこから夫妻と共にフェリーでプリンスエドワード島へ来ております。赤毛のアンの島ね。名高いじゃがいも畑の丘が美しい。シャーロットタウンも小さくきれい。赤毛のアンの時代の人がこうして歩いていて、写真撮影に応じてくれる(笑)。西洋はどんな田舎にもすごい教会がある。M父は 80 歳にしていまだかくしゃくとしていて、重い食事をパクパク食いゴルフをスタスタやっている驚異の健康体である。


グリーンゲイブルズのセット。こういうものが数種類
組み合わされ天井から吊られ降りてきて舞台が
できあがるのが楽しい。

「赤毛のアンでございます」
そして強制的に連れて行かれたミュージカル「赤毛のアン in シャーロットタウン」が感動であった。アニメのダイジェスト版だけ見て「キュートだけどまあミュージカルを見に行くほどでは、ね」とやや小バカにしてたわけだが、――実際ミュージカルらしい冗長な歌唱シーンも多々あった――、アニメ版ともおそらく原作とも全く違うスピード感でダイナミックに切り取られたストーリーと、マシューさんマリラさんアンさんの魅力のおかげでもう、引き込まれる惹き込まれる。最初の暗転時に「こりゃスゴイね」と俺はM萌にささやいていた。

 声が完全にイメージ通りのマシュー、マリラ、アンが交わす無償の愛に感動したのはアニメと同じなのだが、マシューとマリラがそれぞれ違う場面で同じ歌を歌うのだ。アンを愛してるとかそういう歌ではなく、心のすれ違いをして「自分はこんなときにふさわしい言葉を持っていない」と嘆く歌を。その歌が二人によって別々の場面で重ねられることによって、過剰なほどに言葉を持って飛び込んできたアンを彼らが愛した理由が、問わず語りに痛いほどに胸を締め付ける。泣けた。ミュージカルというのはつまりこういうことなんだなとよくわかった。すごい。拍手。

 見終わったあと、過剰な言葉を持ちうるさいよ黙れとしばしば思わせるキミをオレが愛してる理由がよくわかったと妻に言おうかと思ったのだが、マシューならいわないなと思ってやめといた。これからはマシュー&高倉健でいこう。

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■13/07/04(木) □ 案外なるグリーンゲイブルズ
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ゆっくりと走り抜ける丘が美しい



モンゴメリー女史の生家跡。
こういう林の奥にあの家が建っていれば完璧

有名な、あまりにも赤いPEIの土。
シャーロットタウンを出発し、有名な PEI ポテトやコーンの畑風景を眺めながら島を横断し、アンの邸グリーンゲイブルズへ。グリーンゲイブルズはアニメ版では大幅に美化されているらしく、想像とは大幅に違った。敷地内にあの美しい樹木がないし小川もない。中はストーリー通りに家具が並べられているのだろうが、この程度の古民家は博物館やヒストリックサイトとしてカナダのどこにでもあるので、ありゃこれだけですかという感じ。

 裏庭のストーリー上の由緒あるらしい散歩道も、由緒を知らなければ普通の茂みであり俺たちはざっと見るのみ。アンに扮したガイドがやる「アンを探せゲーム」みたいのがあったのだが、英語が不得手ならばあれにフル参加することもなかろうし、日本からの観光客はこのグリーンゲイブルズで満足するんだろうか。

そこから1ブロックほど離れたモンゴメリー女史の生家跡は、建物はもう残ってないのだが森の中を家へと続く前庭の小径が美しくて、こっちのほうがロケーションはずっといい。―――あそうか、モンゴメリーはこのロケーションにあのおじいさんのイトコが住んでいたというグリーンゲイブルズを建てて物語を創作したんだな。なるほど。これでようやくじわじわしてきた。

つまりアニメがあの家を美化したんじゃなくて、グリーンゲイブルズとはモンゴメリーの知るあちらこちらの美しい場所をつなぎ合わせた創造上の場所なのだ。だからどちらか片方を見ると拍子抜けだが、両方見ればおおと感じるものがある。こういう「アンの家・グリーンゲイブルズ」を構成するサイトがこの地方に点在するんだろう。なるほど。

 しかし、グリーンゲイブルズ家が博物館になったのは 50 年も前のことなのだそうだから、だったらあそこに白樺を植え桜を育て小川を引き、物語のイメージ通りのグリーンゲイブルズを構築しとけばいいではないか。もともと「本物のアンの家」は実在せず作者の親戚の家を見せているわけだから、美化しても虚構にはならんだろう。モンゴメリー女史の祖先から始まる写真、遺品、歴史を語る映画、そしてモデルとなった家という実物だけ揃えても、感動にはつながらない。それらを使い物語を眼前に再現してくれたら感動するのである。実際いま俺は脳内で断片を合成しじわじわと感動している。これを事前にやっといてもらいたかった。

このキャベンディッシュという土地はつまり物語上のアヴォンリーなのだが、グリーンゲイブルズと墓場とレストランが数軒あるだけの町、というより交差点であった。あとで調べると「アヴォンリー」というそのものずばりの再現村があるらしいけど、世界から観光客が来る場所なのに町はないのである。これも案外であった。

◇



全長13km、建造時世界最長の橋
そこから 4 時間ドライブで帰宅。PEI と本土をつなぐ世界最長クラスの橋はなかなか壮観であった。防風壁があり横方向はなにも見えないのだが、橋が延々と伸びていく前方はスペクタキュラーである。

 俺はこの旅に「赤毛のアン」の日本語版ダイジェストを持ってきていたので、その夜一晩で読んでしまった。舞台やアニメとほぼ同じ内容で、文体が古臭いが面白かった。もし持っていたら本編も読むだろう。これは現代カナダでは意外と読まれていない本で、今回旅をした5人中読んだのは俺だけである。カナダの思春期の子供はもっと大人びたものを読みたがるからだろうな。

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■13/07/05(金) □ ファーム&ビーチ
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M父のファームを見に行く。農業をやってる友人の畑を間借りしてるとのことで、必要ならばマシンを借りられるらしい。理想の趣味農業だなそりゃ。素晴らしい景色。

 この往復は 10 キロほどの穏やかなワインディングだったのだが、借りているレンタカー、ヒュンダイ・エラントラ GT はフラットで快適だがあまり面白い車ではないと判明。曲がっていってもコーナリングフォースを感じず電車のようだし、エンジンは非常にリーンでトルクが出ず路面を蹴ってくれない(燃焼セッティングが選べるのかもしれないが、見つからず)。

大西洋の水に震え上がる私
このエラントラは Mazda3 のライバル車と想定されてるそうで実際この完成度なら売れて当然だが、スポーティなのはムードだけであり、実質は燃費と車内の広さが素晴らしい優秀な実用車だな。ハワイで乗ったフォード・フォーカスと同じ感じである。うちのガタゴトなスズキエリオに比べたらフォーカス/エラントラの方がはるかに安楽だが、ワインディングではエリオの方が楽しい。


そして海へ。ノバスコシアはヒートウェイブが来ると湿気が増すそうで、屋外は毎日日本のように暑い。しかしさすがに全身水に入るには大西洋の水は冷たい。2時間ほどMと交代交代で萌と遊ぶが、水に入らぬ親とではさほど盛り上がるはずもないので萌は帰路憮然としていた。この年頃になると、友達がいない家族旅行は何をしていてもそんなに盛り上がれんな。





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■13/07/07(日) □ 天才ウクレレ先生と子供合奏団
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 ノバスコシア州の州都ハリファックスで世界最大の軍楽隊イベント「ハリファックス・タトゥー」を見てきた。このイベントはカナダに来た年(なんと 19 年前!)に見て、5カ国から集まった各国選りすぐりの精鋭軍楽隊が音とマーチを繰り広げ腕を競うという内容に「スゲエ軍楽隊かっこいい!」と感動させられた大イベントなのだが、年々商業化しているらしい。


《2010年のカナダ対英国(?)バンドバトル。これが今年はなかった。》

 最も残念だったのは招待軍楽隊の数が減りそれぞれが小規模になっていたことで、前は5~6カ国のフルバンド(100 人規模)が音楽的にも音量的にも鳥肌の立つような演奏をしてくれたのだが、今年は3カ国の中規模バンドになってしまっていた。1バンドが 50 人規模になったので単純に音が小さいし、演目もバラエティに欠ける。盛り上がりどころだった国別対抗バンド合戦すらなくなっていた。

 そしてバンドが減った分プロのポピュラー歌手やらドイツ警察のアクロバットバイク隊やらオーストラリアのダンスガールズやらを呼んで、ショーは明らかにエンターテイメント方向に振られていた。軍楽隊の祭典だから笛と太鼓が聞きたいのにセリーヌ・ディオンみたいに朗々とうたい上げやがって、うんざりだぜ。軍楽魂はどこに行ったんだい。数百人のアマチュア楽隊を呼び寄せ滞在させるより、少人数の歌手のほうがはるかに安くつくのだろうが、音楽好きはこんなものをもう一度見たいとは思わないだろう。

音楽的に一番よかったのはなんと軍楽隊とは関係ない BC から来た高校のウクレレ部で、指導の先生が作ったのであろう天才的アレンジにより、ウクレレでバグパイプの定番曲とロックンロールをやりまくってみせた。すごい。アレンジも演奏も神業的なクオリティ。この期間中にハリファクスの町でやったらしい↓このパフォーマンスを見ればそのクオリティがわかる。


《ラングレー・ウクレレ合奏団。天才先生と子供たち!》

 ロックンロールやバグパイプ曲やクラシック音楽の特徴を捉えウクレレでちゃんと鳴らしてしまうアレンジと演奏力もすごいし、子供らの歌唱も鍛えられ、声量とハーモニーと声の伸びやかさが半端ではない。タトゥー本番ではウクレレのネックを振ってのステージパフォーマンスまで皆板についていた。指導の先生がヘッドマイクをつけ喋りと振りで客をあおっていたのだが、この人は只者ではない。音楽指導の天才だな。ここまではそりゃ望めないとはいえ、うちの学区の音楽教師ももう少し音楽がわかった人が来てくれないかと思ってしまった。

◇

 ショーの休憩前に、「場内にもし軍人、退役軍人、警察官、海上保安官などの方がいたら、どの国の人でもです、どうぞ立ち上がってください。そしてみなさん、彼らに拍手をお願いします」というアナウンスがあり、あちらこちらでポツポツと立ち上がったオッサンたちに盛大な拍手が送られたのに感動させられた。「どの国の人でも」というのがいいよな。ノバスコシアは産業が少なく軍基地が多いので、軍関連の職を得ている人がMの友人にも多い。そうした軍人が人々のために存在していること、公僕性が信じられているのである。

 帰りの車の中で俺はあれに胸を打たれたとMに話し、日本では今尖閣にいる海上保安庁の忍耐だけが戦争を抑止していること、その勇気と忍耐を俺は尊敬せざるを得ないことを話す。日本もこういう危機が訪れて初めて、軍人たちの公僕性が際立ってきている。

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ここでM父家を離れ、今宵からMの大学友人宅へ。オランダ出身の農夫SMと小説家の妻PLが住む郊外の農園という、どえらいロマンチックなお宅である。旦那がサッカーを見てたのでなんの試合かと思えば CONCACAF ゴールドカップ(北中米選手権)だった。メキシコ-パナマ戦。そうだこのオランダ旦那は当然サッカー好きなのであった。

 「最近のカナダ代表はいいんだ、コーチが変わって果敢なアタッキングサッカーをするんだよ。このゴールドカップでは相当やってくれると期待してる」と俺は力説し日程を調べたのだが、なんとカナダはすでに初戦負けていた。しかも相手はフランス領の、国ですらない小島マルティニーク。がっくし。

 そして次戦はメキシコ。しかもそのメキシコに勝ったらしいパナマが最終戦。うーむ。メキシコはコンフェデに出てた主力が出てないのだろうが、よわったことである。カナダ式アタッキングサッカーが完成する前にコーチがクビになり、また協会職員が監督代行になると困るのである(結局旅行で1試合も見れなかったが、2敗1分けで敗退となった、がっくし)。

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■13/07/08(月) □ ハリファックス・ウォーク
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MとPLが青春を過ごした大学の町、ハリファックスへ。昔俺たちが暮らしたあたりを散策するのだが、全く覚えてないな。自転車で大学まで通ったあの道が懐かしい程度。

 ハリファックスの町を雨の中延々と歩きながら、メルの旧友に会っていく。ハリファックスは半年住んでいたが改めて再訪するときれいな町で、入ったことがなかったダウンタウンの真ん中にある旧墓地(子孫も絶えているらしく市が公園として管理している)などに入ってみるとみると、1700 年代からの墓が残ってるのである。その墓に「ボストンへの航海中事故に遭い 23 歳で死亡。弟の○○は両親の腕の中で、19 歳で死亡」などと詳細な歴史が刻まれていて、その深い歴史に打たれる。

 ちょうど自衛隊の練習艦が入港していて、子供みたいな幹部候補生たちが楽しげに町を闊歩していた。地元の人達も「今日は日本の戦艦が来てるのよね」とニュースで知っていて、歓迎ムードを感じる。みんな行儀がいいんだろうな。日本の自衛艦はどれか聞けと妻に命じられ幹部候補生お嬢さんに尋ねると、「え? ええ…」とお茶を濁され教えてもらえず。軍事機密だったのだろうか。潜水艦までいた(笑)。すごいな軍事港。

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■13/07/09(火) □ うなぎのゴム焼き
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ざっくりクールにウナギをさばく男

失敗作ゴムうなぎ
この家の旦那、農夫のSMは農場内の沼でうなぎを養殖しているというカナダには珍しい人で、「うなぎを日本風に料理してくれ」と1匹捕まえて任されてしまった。そんな無茶なと思いつつとりあえずうなぎをシメて内蔵を取ってもらい、骨を抜く技術は双方ともないのでぶつ切りにし、俺がタレを作りそのまま蒲焼にしてみる。するとなんだかうまそうではないか。

 でランチに食べてみるとコレは! うまいもなにも鰻というよりもゴム! 異様に肉がしまって堅いうなぎとなってしまった。一応みんな味はいいといって食べたが、食えたものではない出来だった。一応みんな食べてはくれたのだが、それは苦行であった。これは締め方が悪かったのか、調理法が悪かったのかわからない。

 調べてみると「うなぎは魚の中で最も肉が固く、蒸さないとゴムのようになる」と判明。そうだったのか。蒸すっつてもどうやったらいいのかわからないが、とりあえず「そうなんだって試してみてね」とオレは日本の秘伝をオランダ農夫に伝授しておいたのである。

◇

 夕方あちこちから人が集まりMの大学同窓会。みな四半世紀経っても何も変わらないのだろう、本当に楽しそう。ノバスコシアは今日まで、明日からはさらに北のニューファンドランドへ。

2013/06/27

日記「【メキシコ戦】しぼんだ気持ち」

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■13/06/18(火) □ イタリー戦を前に
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 【コンフェデ杯】イタリー戦を前にブラジル戦をもう一度見ちゃったのだが、中3日と移動と時差で最後は皆の脚が止まるくらいの状態だったのだとわかっていて見ると、そーんなに悲観することもないような気もしてきた。コンディションが上がり本田、香川(これまで見くびっていたがやはりいい選手!)、清武の閃きに全体が連動すれば、美しいゴールが見れそうな気がしてきた。

 みんな個の力を1年で上げるとか中学生とプロの差だったとか観念的なことを言ってないで、どう連動しイタリーから点を取るかを考えてくれ。プロスポーツ選手が観念的になりがちなのはわからんでもないが、観念はたいていよくない方向にリキが入っちゃうことになるような気がする。自力で抜けないなら1-2で、1-2が読まれるなら1-2-3でと、できることで最も有効なことをやるんだ。ブラジル戦の香川はそういうプレイをしてたので見直した。いつものように可能性の低いシュートに強引に持ち込むのではなく、ボールを絶対に取られないよう集中し、少しでもブラジルゴールに近づこうとしていたからね。

 みんなできないことは今は置いといて、できることで最も有効なことをシンプルに全員でやるんだ。そうすればどんなチームにだってトラブルを与える力がある。

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■13/06/19(水) □【イタリー戦】ゾーンに入った日本代表
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 【イタリー戦】あー、日本は不動のスタメンに戻ってしまった。乾、清武を見たかった。うーん。まあともかく前戦から時差だけはない。コンディションは上がっているはず。そしてブラジル戦で自分たちができることできないことが見えて、アタマもクリアになってるだろう。頑張ってくれ。

 【前半】みんな落ち着いている。パス回しもボールを大事にして安定している。チャンスになっても焦っていない。いいぞ。クールに行こう。序盤リズムにまるで乗れないイタリー。客が退屈気味だが、このくらいの静かなゲームのほうが日本は助かる。20 分、PK! ―――ほれみろ、日本を舐めてるからあんな安直なパスミスをする。よおし\(^-^)/!

 30 分、香川伝家の宝刀を振り抜いて2点目、最高\(^-^)/。さすがに火がついたイタリーが猛プレスしてくるが、クールなままスイッチが入り日本のパススピードが上がっていく。素晴らしい!

 40 分、1点返される。まだまだ安心はできない。とにかくハーフまで耐え切った、よし。ふー。

◇

 【後半】早々に DF 陣のミスと誤審 PK で逆転されるも、岡崎のスーパーなヘッドで追いつく。今日の岡崎は素晴らしすぎる。いつもにも増してアグレッシブな守備に加え、ここで戦える喜びに技術がブーストされているのか、見たことがないほど足技が切れている。ドリブルでモントリーボらを振り回し、隙さえあればドリブルシュートに持ち込むぞという気迫を漂わせている。イタリー相手にあんなことができる選手だったとは。チームでは今季出番に恵まれなかったらしいのだが、誰も知らぬ間に進歩していたんだろう。これが常時できるなら、とてもドイツ下位チームのサブにいる選手ではない。

 逆転を狙い延々と攻め続ける日本。日本はいわゆる「ゾーンに入っている」状態で、高速に判断し体がスイッスイ動き、イタリーがプレスをかければ一気にパススピードを上げ交わしていく。本田がドリブルシュートにトライし、岡崎のシュートが枠を叩く。すごい。

 しかしやがてイタリーが PK ボックスを固めてしまうと、どれだけボールを回してもシュートコースが開かなくなってしまった。ゴール前は小柄な香川でさえ足を振りシュートするスペースがないような満員電車状態で、こうなるとやっぱり誰かが敵を引きつけないと隙間は生まれない。

 となれば策は自明だ技術系のアタッカーだと外野は思うのだが、交代は 27 分内田→酒井、33 分前田→ハーフナー。なんでだよ。ハーフナーが体格同等のイタリー DF に競り勝てるはずがない。それに相手は足を止め PK エリアを埋め待っているんだから、そこにクロスを放り込めば相手は一番走らずラクに守れるではないか。乾か清武を投じて相手を走らせてくれよ。とほほ………。とザックがいつもの無為無策状態に陥っているうちに再度 DF ミスから勝ち越され、ゲームセット(ため息)。

◇

 ブラジル戦からチームのマインドを立て直したことについては、ザック監督がちゃんと仕事をしてくれた。ブラジル戦後「ネイマールのように3人抜いてゴールを決める効率よりも、組織として連動して崩すことで世界に勝っていく」と監督の訓話があったそうで、やはり「できることを全員でやる」という気持ちに持って行ってくれたようである。

 今日の敗因は明らかに、凡ミスで2点も無駄に与えてしまったことである。強敵を相手に 90 分間凡ミスせずに守るというのは、同じ敵から点を取るのとほとんど同等に難しいことらしいと学ぶ世界大会の厳しさ。

 しかしそれにしてものザック采配はなんなのか。イタリーの3点目(PK)、4点目を取ったのは、プランデッリが前半早々にサブで投入した小兵アタッカー・ジョビンコである。なんでこういう普通の攻撃カードを打たず、ここぞというところでサイドバック交代なのかうちの監督は(ため息)。挙句の果てに 46 分に憲剛を投入するというのはなんなのか(ため息)。

 敗退が決まり、最後のメキシコ戦はイラク戦同様サブに任せてもいい試合のはずである。中2日なのでこの試合のイタリーのように疲れが抜けないメンバーも多いだろう。しかしザックは最後ももちろん、不動のスタメンで行くんだろうな。はあ。

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■13/06/22(土) □ 【メキシコ戦】しぼんだ気持ち
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 【メキシコ戦】イタリー戦で新たなステージに上がったかに見えた日本代表は、たった1試合でそこから降りてしまった。虚しい。

 今大会はあまりにもコンディションが悪かった。WC 本番は当然ちゃんとしたコンディションで3戦まとめてくれるだろうが、それ以上の希望はしぼんでしまうようなメキシコ戦だった。このチームはジーコジャパンと同じで、ベストメンバーで全員のコンディションがよければどことでも戦える。コンディションが落ちると監督がなんの助けもしてくれず、抵抗できず崩れていく。

 連れて行った戦力を使い切り、刀折れ矢尽きてメキシコに負けたのなら「まいりました。来年また頑張ります」と引き下がれたのだが、またもやコンディション不良の不動のスタメンで行き(本田も香川も岡崎もみな姿勢が棒のように立ってフレキシビリティがなく、脚に張りがあるのは明らかだった)、攻撃陣を全部ベンチに残したまま負けたのだから気持ちは収まらない。最後の 15 分憲剛が入り遠藤と今野が攻撃に上がればメキシコをクリーンに崩せたのだ。脚が止まった本田・香川を下げちゃんと走れる MF 2 名を投入していたら、どれだけ戦えたことだろう。負けてもすっきりしただろう。日本の評価も本田の市場価値もこの試合で相当に下落したんじゃないかと思う。イタリーは悪い状態でも個々の機転と監督の采配でなんとか試合をまとめたが、日本は本田を含め状態通りにボロボロになったのだから。

 とにかく現実としてザックは2年半かけて、「日本のベストは不動のスタメン 11 で、それ以外は下がるだけなのであまり期待しないでください」みたいなつまらない采配しかできないチームを作ったわけである。そんなことはない、サブを出せばもっと戦えるとファンは思っているが、彼は明らかにそう信じていない。そんなチームを世界大会に連れて行ったわけである。WC2010 でベスト 16 に進んでも岡田監督が最高の仕事をしたとは誰も思わなかったように、今後ザックが新メンバーを加えよりよいチームを作っても、日本が今日味わったこの悔しさが変わることはない。

 現スタメンが好コンディションでやれる上限はイタリー戦でわかった。彼らは優秀だがあれだけじゃ WC を勝ち抜くには足りない。あと1年でザック監督自身が信頼出来る 22 人を揃え、そしてちゃんと使ってもらいたい。使わなかったらそれは何故なのかと、マスコミは圧力をかけてもらいたいものである。

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■13/06/23(日) □ スターマンは待っている
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 カーステでかけた「Life on Mars」からうちのムスメがデビッドボウイにはまり、今朝は「It's No Game」をかけて「シルエットや影がー! 革命を見ているー! ……カクメイってなに?」と歌ってた。素晴らしい。

 萌はうらやましいことにボウイの歌詞が聞き取れちゃう。で「Life on Mars」や「Starman」を歌いながら「このリリック、doesn't make sense! (意味不明)」と笑い、ネットで検索して読んでいる。ボウイは歌詞難解で有名だからな。で俺も歌詞を読んで、これはこういう意味じゃないのと一緒に解釈しとるのです。



 「Starman」を萌に解釈してもらったら美しかった。

There's a starman waiting in the sky
スターマンは空の上で待っている
Hed like to come and meet us
みんなに会いたいけど
But he thinks he'd blow our minds
そうしたらみんなの心が吹き飛ぶかもって
There's a starman waiting in the sky
スターマンは空の上で待っている
Hes told us not to blow it
降りていくけど心を鎮めてね
Cause he knows it's all worthwhile
だってそれはとても大事なものだから
He told me:
彼は言うんだ

Let the children lose it
子供らがそれを忘れたり
Let the children use it
それを生かすことができるよう
Let all the children boogie
すべての子供らがブギーできるようにしてください

日記「沈鬱のブラジル戦(コンフェデ杯)」

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■13/06/11(火) □ サブの出ぬイラク戦
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 【WC 予選イラク戦】を劣悪映像ながら少し見れた。左ウィングに入った清武がやっぱりいいなと思う。仕掛けの決断が早くて気持ちいい。ぱっと中を見て即アクションを起こす。クロスの質が素晴らしい。24 分、弧を描いて中に切れ込みながら香川に渡し絶妙な位置に走り込みで折り返しをもらい打ったのは、豪戦とこの試合を併せて最も創造的な崩しだった。

 清武はドリブルもうまく決断の早さが効いていて、がっと大きく方向を変え一気にコースに入っていくので相手の大きなリアクションを呼び、敵のファウルやギャップを招きやすい。完成はまだ先だろうが、見るたびに自分も周りも動かせるいい選手だと思う。

 香川はウィングではチャンスを浪費するばかりなので本職のトップ下に期待したのだが、全体の動きとピッチコンディションが悪くてちょっと参考外という感じであった。しかしやはりうまいので技術でアタックを交わしボールをキープでき、技術で周りを生かせる。「俺は点取り屋」などと自己規定し PK ボックス内に入ってばかりいず、ウィングにいても味方にシュートを打たせる工夫をしてほしいと思う。

◇

 清武はなぜか早めに下げられ(コンフェデに向けての温存か?)、その他は特に見所なし。……しかしこのあとの日程はさらにきついのに、なおサブ勢を使わないザック監督(ため息)。ここを憲剛、清武、乾ら全員サブ組で戦ってマイナスなことが、なにか1つでもあるだろうか(たとえイラクに負けてもオーストラリアは自力で2位を取れる)。たとえ噛み合わずより苦戦しても、サブ勢のモチベーションを上げ貴重な経験と戦術学習が得られるではないか。

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 清武を見ていたら懐かしくなって、中田のビデオをまた探してしまう。全盛期の中田はやっぱほんとすごい。俺はメッシやイエニスタを見てもよくあんなハンドボールみたいに点が取れるなと曲芸的な驚きは感じるが、全盛期の中田ヒデを見るときのようなスポーツの躍動の根源的喜びは感じない。他に似てるプレイヤーも思いつかないが、カカーの柳に風の止められなさが似てるかもしれない。

 本田はぶつかっても揺るがず進む体幹の強さが武器だが、体調が万全でもこのアジリティとバランスはない。中田はぶつかりに来る敵の動きを予測して受け身を取り、合気道のようなタイミングで相手を弾き返している (2'00 からの数プレイ)。アジリティ(※)と思考の速さですべての動きが敵の予測の裏を取るか、予測させないプレイになっているところが素晴らしい。

 香川・清武ら日本攻撃陣にやってほしいのはこうして思考の速さを追求しアジリティを使って敵を欺くことで、中田のようにドリブルで敵を引きつけ味方にスペースを与え敵陣を切り裂いてほしい。まあ中田も日本代表じゃペルージャみたいな切り裂きカウンターはそうそうできなかったのだけれども。
 (※)このアジリティが中期からなくなってしまったのが中田の謎なのだが、

「本田△はあと少しアジリティが欲しいんだよなあ。あれはヒデと同じような、筋肉つけすぎのせいなのかなあ(ケット・シー氏)」

というコメントをツイッターで発見した。

「カズもイタリアに行った当時、筋肉つけたためにスピード落ちました。それがためにW杯に行けなかった訳です。トレーニングを変えて、その付けた筋肉が完全に落ちたのは、2003年頃だったそうです(いたう氏)」

 中田の当たりの強さはペルージャ時代から驚異的だが、セリエのあまりの当たりのきつさに体重をつけることで対応してしまった部分があるのかもしれない。


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 「あまちゃん」春子のビンタに怒るアキ。アキは赤ん坊みたいにぬぼーっと登場して、大丈夫かと思っていたらどんどん世界への反応がよくなってきて、言葉遣いと態度がオーバーシュートしてきたぞと思ったらあの涙のまなざしで完全に個人として完成した気がする。すごいな。あそこでやってることのすべてが、役者能年さんを急激に育てているみたい。

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■13/06/15(土) □ 沈鬱のブラジル戦
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【GK】川島永嗣
【DF】内田篤人 吉田麻也 今野泰幸 長友佑都
【MF】長谷部誠 遠藤保仁 本田圭佑
【FW】清武博嗣 岡崎慎司 香川真司

 【コンフェデ・ブラジル戦】やった清武が出る。するとトップは本田? 岡崎? ドキドキ。カナダの TV は「日本はあなどれない」と過去のタイトル、WC での戦績を紹介している。実際「過去4回中3回のアジアカップを制覇」と紹介されると、この実績はすごいなあと実感。看板倒れにならぬよう戦いたい。

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 【前半】ところが開始早々ネイマールが柏戦同様何もないところから点を取ってしまった。どうしろちゅーねんという得点。いやしかしまあいう事故は仕方がない、次いこう次。トップは岡崎と本田が並んでいる感じ。本田の動きは1週間前より良化している。

 香川がシザーズでタックルを交わす素晴らしいドリブルで持ち上がり(初めて見た運ぶドリブル!)、右サイドで受けた清武がためてループで守備陣の頭越しに逆サイドへ送り、走り込んだ本田が打つ。枠を外れたが素晴らしい速攻だった。攻撃の遅い日本代表で、こういう相手に戻りながら守らせるコンビネーションを見たいと思っていたのだ。よしよし、こうしてトライしていけば点は取れるぞ。ブラジルが持つと歓声がすごいから身がすくむ。頑張れ。

 日本は無理なプレスはせずブロックを作りクレバーに戦えているが、マイボールになるとわっとプレスされる。それを交わせるのは日本もなかなかなものなのだが、やっとこ前に持ちだす(あるいはファウルを受けてリスタートする)頃にはブラジルは余裕で待ち構えており、崩しようがないという展開でゲームが落ち着いてしまった。ブラジルMF陣はそんなにプレスに走ってるようにも見えないのに目の前にいるので、攻撃に上がった選手が戻らずうまくすっと寄せてるんだろう。これを交わしながらどんどん前に運べなければ、このレベルではチャンスを作れないわけだ。頑張れ。

 清武もケアされてるようでドリブルでは進めず、攻め手がだんだんなくなってくる。クロスの質は相変わらずいいけれど、中に1人しかいないのではそうそうミートするもんではない。もう少し攻撃で遠藤がなんとかできないかな。ボランチより前の選手はマークがきついのである(あとから録画で見返すと遠藤の淡白なパスミスが序盤から多く、イラク戦の疲れがあった様子)。

 というわけで攻めあぐねて前半は終わる。しかしブラジルにも攻めさせていないのだから悪くはない。ブラジルに対しブーイングが起きている。このブラジルは実際、これまで日本がやった中では最弱だろう。攻め切る力は今日の日本にはないが、守るだけだったら最少失点でいけそうな程度の圧力に見える。

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 【後半】きれいな1-2-3コンビネーションで長友が抜け出すがクロスの精度が悪い。長友はいつも裏取りはできるが左足のクロスに威力がないので、さほどの脅威となっていない。長谷部がドリブルで突っ込むが止められる。なんでそこで攻撃陣は連動しないんだ、パスかシュートのコースを作れよ。なにをぼーっと見てるんだ。―――うわ、何もないところからまた決められた。シュート力がある連中にはかなわん。あんなシュートは CL だってそうそう決まらないので、あの一瞬にシューターに与えられる圧力が足りないんだろうなあ。仕方がない仕方がない、勉強だ頑張ろう。

 清武のグラウンダークロス、DF に抑え込まれ岡崎が流し込めず。惜しい。ここで清武→前田。なぜ代えてしまうのかわからないが、清武には本田・香川とは違うアイデアとクロスがあり効いていた。いつもの日本スタメンは本田と香川の1-2ばかりで攻めるアイデアに乏しいが、清武が第3の決断メーカーとなることでよくなったと思う。

 10 分、香川→前田のシュート。正面。悪くない悪くない。この試合まだ誰も決定的なことはできていないが、香川は俺がこれまで見た中で一番いい。ボールを持つと相手が脚を差し込み奪えないよう地を這うような低い姿勢で懐深くドリブルし、無駄なことをせず早めにつないでいる。こういうプレイをしてくれると、初めて彼に日本代表 MF としての信頼を感じる。交代で入った前田はすごいプレスをかけている。

 しかし本田が疲れた、憲剛おねがいします監督! それとドリブラー枠で乾を! このまま行っても何も起こらない。さっき長谷部が仕掛けていったように誰かがドリブルでチャレンジし、それをトリガーに全体が連動しなければ相手の守備ブロックは永久に崩れないだろう。しかし何もしないザッケローニ。ザックはジーコ化が激しい。疲れた主力を使い続け、フレッシュなサブがフィットし続けず経験が積めないのである。

 77 分、遠藤→細貝。直後に本田がパスミス、本田ももう無理だってばザック。中盤があまりに劣勢なので内田が司令塔になってきた。これは岡田監督時代によく見た。内田がいいのは、他の選手が余裕ないときでも表情が柔らかで、格上を相手にしても実力が出るところだな。

 87 分、本田→乾。遅い。遅すぎて実験にもならない。でも乾はやはり前進力があり、直後に半突破からシュート。香川・乾が近距離で細かいドリブルとパスを交換し崩そうとする。この左サイドトップのキープ力を生かしたミニマルサッカーは可能性を感じさせてくれる。そこからもう一発カウンターを喰らいゲームセット。

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 まあ仕方がない。この試合はコンディションも悪かった。この結果を資料として、残り2試合で可能なことを考えてほしい、ザッケローニさん。とにかく攻めのバリエーションを増やしてほしい。本田と香川の即興コンビネーション+αじゃ単調で豪戦でも点は取れなかったわけで、選手たちがピッチ上で見つけられないゴール図をザックが示してほしい。今日マークの緩かった長谷部が突っ込んだり、内田がキープして起点となったり、まだまだ鉱脈は掘れるはず。

 それとサブ使わない采配はいい加減かんべんしてもらいたいが、これはもうそういう人なのだろうなあ。やれやれ。