2015/10/24

日記「ティーンとカメラ@図書館(ティーン写真クラブ2&3)」

「農場のオレンジカラー」「文学パンクなゲスの極み乙女」「紅葉の町で」「ギタレレ猫」

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■15/09/20(日) □ ティーンとカメラ@図書館
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 萌のティーン写真クラブ第2回は、雨だったのでバンクーバー図書館へ行ったとのこと。ここはローマのコロッセオ風の壮大な建築で有名なところだ。



 女の子が GoPro カメラを使っていて、知らなかったがすごい魚眼レンズになっている。写真を見ると思ったより画質がよく、iPod よりはよさそう(ソニーの 1/2.3 型素子らしい)。萌は「500ドルの価値はある!」と騒いでいる。あんな魚眼でセルフィーが撮れるんだから子供が夢中になるのは無理はないというか、子供のアイデアを掻き立て夢中で写真を撮るためのカメラだな。まさに iPhone カメラの上位互換。世のカメラはこっちのほうに発展していくんだろう。



キッズは吹き抜けとなった図書館(スペクタキュラー!)の2つの橋に分かれお互いに同じアングルで撮り合ったり、周りの風景と同じポーズをするなどさまざまな試案を思いついては試している。周りを見渡しこういう写真を撮ろうと思いつくところが、若い写真マインドは素晴らしい。

 今回も子供らは写真サービス Flickr に全写真をフルサイズで上げている。アップに時間もかかるしあそこは閲覧性も低く面倒だと思うのだが(撮影カメラとレンズ情報が見れるのだけがカメラマニア向き)、聞けば皆お互いの写真を1枚1枚閲覧などしないのだという。サムネイルをざっと眺めよさそうなのだけダウンロードするそうだ。ならば Google Photo のほうが簡単で早いと思うのだが。まあ子供というのは頑固でやりたいようにやるものなので致し方なし。



 しかしいったん彼らが Flickr に上げた数ギガバイトの写真のほとんどはつまり、見られることもなくそこに眠り続ける。デジタル世代はそういうディスクスペースの無駄とかネットの帯域幅とか全然気にしないんだよな。各自テラバイト級のジャンク写真やビデオをあちこちに死蔵していそう。実際萌のラップトップの HDD はあと何年かでいっぱいになると思う。120MB のハードドライブを数万出して買った DOS パソコン世代には隔靴掻痒の感がある。

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■15/09/27(日) □ 農場のオレンジカラー
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 ティーン写真クラブ第3回は農場。萌の写真のオレンジが飽和している。見るとホワイトバランスがフラッシュ用になっておりそのせいらしい。前回の撮影でフォーカス枠がずれてたのを機に AF 枠、ホワイトバランス、露出補正という3大基本補正のやり方を教えたのだが、それでかえって間違えたのかな。



 そう尋ねるとわざとやったのだという。ああ、色をつくろうとしてるんだ。パンプキンオレンジを強調した写真にしたかったんだ。なるほど。狙ってやってるんならそれでいい。人肌なんか不自然な色になってるのが多いが、ヒットしたものはたしかにふんわりとやわらかく秋っぽいいい感じになっている。



 このブタ君なんかいい色だな。ヤギも悪くない。子供が撮る写真は外れも多いけど、ヒットしたのはやっぱり素晴らしい。

 娘のインスタグラム写真には友だちのコメントが多くついてるのだが、ティーンエイジャーの話って半分くらいしか意味がわからない。面白いけど。上の豚写真に萌が、「彼がスマイルしてくれたよ。まるで自分が食べられちゃうなんて知らないみたいに」とキャプションをつけていた。ヒドイ(笑)。

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■15/10/08(木) □ 文学パンクなゲスの極み乙女
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「ぶらっくパレード」

【本日のゲスの極み乙女】今朝萌がかけた「ぶらっくパレード」で、「刺し違えてもしょうがないから」「本当ならあんたら最悪ですねと目と目で言い合いたい」とつき刺さる言葉が聞こえてきた。「これって萌がこないだ書いてた作文と似てるね」「Yeah!」。怖い話を書けという作文課題で彼女は、「ポケットにナイフを忍ばせたティーンエイジャーが…」てな物騒なものを書いたのである。そういうトゲトゲしいものが青春には当然あり、ゲスの音と絵音の切迫した声がそれを捉えている。歌詞がわからなくても萌にはそれが通じている。

 音はプログレでジャズで歌詞は青春の攻撃性に満ちた文学パンクでちっともポップじゃないのに、声とメロディが少年なので日本の姪の小学生までもゲスの極み乙女を歌っている。実に喜ばしい。

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■15/10/09(金) □ 紅葉の町で
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 車のメンテ待ちで、となり町ポートムーディを歩き写真を撮る。港町なので高低差があってきれいな町だよな。



 ポートムーディに限らず、秋でどの町も紅葉が美しい。うちの町の図書館横の歩道には、野球のボールほどもあるりっぱなキノコが生えていた。BC は雨が多いので町場で見るキノコも珍しくないんだけど、これは珍しいくらい見事な一本。テングダケ関係かな。キノコって予想もしないところに生えるよな。うちの前の芝で一番乾いて芝が枯れたところにたくさんニョキニョキ生えていたこともある。



 町の中心にある老人ホームはメイプルに囲まれとても美しい。図書館やコミュニティセンターや駅が100m圏内なので、こういうところに住む人は活動的な老後を送れるんじゃないかと思う。プライベート(私立)なので費用が高そうだけど。





 オリンパスは伝統的に赤が強すぎるようでカメラ設定をずっと「アンバー -1」にしてたのだが、この秋はさらに下げて「アンバー -2 グリーン-1」としている。これで色は好調で、メイプルがちょうどいい色になったと思う。

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■15/10/10(土) □ ギタレレ猫
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 愛するミニガットギター YAMAHA ギタレレ用に弦を買ってきたのだが、小袋に1本ずつ入らずごちゃっとまとめて入っていた。有名メーカーダダリオなのに。これが普通なのかな。巻き弦3本とナイロン弦3本をそれぞれ見比べて、太さを判別するしかない。

 まあ気をつけて張っていこう。ガットギターの弦張りも実は初めてでけっこう難しい。――ん?



 ――んん? んんんん?



 あああやめろピカ、やめてくれえええええええ俺の大事な新品の高価な高価な弦を噛むなあああああ!!

2015/10/20

ゲスの極み「サリーマリー」



【本日のゲスの極み乙女】掃除をしようとムスメの部屋に行くと、「オトナチック」の歌詞が窓ガラスに大書されていた。『大人じゃないからさ 無理をしてまで笑えなくてさ』。いい歌詞だ…けどお前コレ水性だろうな。油性ペンじゃないだろうな!

娘はアルバムを手に入れ、Youtubeにはない曲も俺に聞かせてくれる。「サリーマリー」という歌が最高で、Aメロ、小サビ、中サビ、大サビと怒涛の盛 り上がりの中マリーという子の名前を叫ぶ。エモーショナルで泣きたくなった。そういうと彼女はYeahと激しく同意してくれた。

もっと大切な話がしたい
もっと救われる言葉聞きたい
もっと愛されるようになりたいと願った

サリーマリー 届かせて
鐘の音をさ サリーマリー
揺さぶって あの美しいはずの声で

マリーという子が出てくる歌 は俺たちも昔やっていたなあ。

ゲスはほんと衝撃の存在で、あんな先鋭的な音を出してちゃんと売れてるバンドは他のどこにもないと思う。彼らは海外進出もしたいらしい。声が日本の少年っぽすぎるので外国じゃウケないかもしれないけど、あの冷たいエモーションは案外突き抜けるかもしれない。

2015/10/19

娘ゲスギター開眼



ゲスの極み乙女の「私以外私じゃないの」のイントロギターを弾きたいと娘がいう。あんな天才的ギターは俺だって弾けないよ無理だと思いつつ、探したらギター教室の先生がタブ譜にしてくれたのを Youtube で発見。あーそうかカポを使えば開放弦が使えるのか。開放弦を使えば難易度が大幅に下がり、弾けるかもしれない。




これを見てカポを買ってきて(いまどきのカポは性能がイイ!)娘が半日練習すると、テンポを落とせば弾けるようになってきた。おー。すごいじゃん。あとは徐々にテンポをオリジナルに近づけていけばいいのだ。

彼女はこれまで弾けないフレーズがあるとすぐ諦めてたので上達しなかったのだが、やっぱり本当に好きなバンドができてその曲が弾きたいとなると粘り強さが出るみたい。頑張りなさい。

2015/10/17

日記「ティーン写真クラブ」

「30mm レンズを買おう」「SIGMA 30mm 最強」「君の歌がいつまでも」「ボートクラブ撮影」「その雑な性能のアンテナで」「イッツア・ラグビー・ミラクル!」

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■15/08/20(木) □ 30mm レンズを買おう
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被写界深度が超薄い(つまりボケる)オリンパス
25mm F1.8をつけて撮ったテストショット
沖縄のカメラ屋で M.Zuiko 25mm F1.8 の絶品のボケを体感しこれがほしいなあと考えていたのだが、自宅で日本旅行の写真を眺めていると俺の SIGMA 19mm F2.8 もボケは弱いが画質は素晴らしい。25mm F1.8 は欲しいが、しかし俺程度のアマチュアがレンズ単体に PEN 本体+SIGMA1本分 ($400~500) の金額を出せるかと考えると、まあ出せないよなあ。俺のカメラやレンズの扱いは雑だし。

 と考えてて思いついた。この廉価な SIGMA の姉妹品、SIGMA30mm なら F2.8 でもボケるはずではないか。レンズは焦点距離が長いほどボケる。30mm で屋内を撮れば標準 MZ ズームの F4.8 だってボケる。MZ の 30mm ではシャッタースピードが足りなくて実用にならないが、30mm F2.8 ならしっかりボケて屋内でも使えるはずである。そしてこのレンズなら価格的に手が届く($150~)。探してみよう。

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 あー、やっぱ近辺にはないな。日本で買ってくるべきだった。吉祥寺に出た日M萌を中央線に乗せホテルのある国分寺を示し、俺は逆方向の新宿カメラ店等へ行けば行けたのだが、中央線は三鷹止まりとか特快とかイレギュラーな電車が多い。そういうのに乗ってしまうと二人が高尾山に行っちゃうとかえらいことになる可能性があり、無茶はできなかったのだよな。ああ中央線よ空飛んで、おいらの胸までレンズくれ。

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■15/08/23(日) □ SIGMA 30mm 最強
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ブログ【カメラ日記】新レンズ、SIGMA の30mm(購入のいきさつ)


 なんと SIGMA 30mm F2.8 を日本で買ってきたが使わないから売るというバンクーバー青年が見つかった。そりゃ買うでと駆けつけてみると5月に渋谷で買ってきたというド新品だったので、最短距離でフォーカスが合うかどうかだけチェックして即決。E-PM1 につけた見た目はかなりかっこいい。



 とりあえず開放でモール内とバンクーバーを撮りながら帰り、家に戻って見てみたら撮れてる絵はシャープさとボケがほどよく混じり惚れ惚れする絵になっている。信号待ちで通り過ぎる人や自転車を撮るのが楽しい。標準レンズとされる換算 50mm より 10mm 長い分、目で見てる景色よりわずかに近く、それが風景を撮るのに適している。



 いろんな人の作例を見ると背景の点光源がふわっとボケずうるさい感じになってるのが目につくのだが、自分で使ってみた感じは気にならない。どこにもフォーカスが合わないうちにシャッターが切れてしまった写真がおっと思うほどきれいだったりする。これは俺の M4/3 史上間違いなく最強だ。やった。

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■15/09/05(土) □ ティーン写真クラブ
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 萌が「バンクーバーで写真を撮る」と PEN を持っていこうとする。じゃあズームをつけるよというと、「いやその新しいレンズでいい」と SIGMA 30mm をつけて。おお。彼女も今度のレンズは別物と感じてるんだな。Mによればこれまでとは別の写真好きな友だちと行くらしい。



 撮ってきた写真を彼女らの共有サイトにアップロードしてやりながら見てみると、お互いにモデルになって撮り合っており楽しそう。いいなあ。俺の新 SIGMA 30mm も本領発揮している :-)



 3人は学校で特に話をしたことはないが写真が趣味だと SNS で判明し、今日初めてカメラを持ち集まったらしい。男子のほうは Nikon D5200 というごっつい APS-C 一眼を持っていた。お前そんな高そうなカメラを持ってダウンタウン裏通りに行って大丈夫だったのかよと心配になるような。女の子のほうはネオ一眼(一眼風の高倍率一体型カメラ)と GoPro。



 Nikon 君はグッドルッキングで、自分がモデルになることを楽しんでいる。GoPro ちゃんは見るからにシャイだが、D5200 を借りて萌と Nikon 君のいい瞬間を捉えている(↓)。趣味を通じて新しい友だちができるのはすばらしいな。





 「少なくともこの子のネオ一眼よりはうちの PEN のほうが高い」と俺は説明したのだが、E-PM1 は小さいので信じてくれなかった(笑)。だけど新レンズ SIGMA については「これはいい。マムでもレンズのクオリティがわかると思う。シャープだけど硬すぎず、とにかくパーフェクト」と絶賛していた。だよね。

 実際男子の Nikon D5200 写真と比べても、相手はズームなのでレンズは勝っている。画質はやはりセンサーが大きい(約 1.4 倍)分 Nikon のほうがきめ細かな感じがする。等倍にしても M4/3 と違い粒子が見えないのだ。なるほどなあ。しかしデカくて俺は自分で使う気はやはり全くしないな。一眼を買うなら OM-D だよなあ。

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■15/09/07(月) □ 君の歌がいつまでも
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 SFのパーティへ。年に一度ノバスコシアからやってくるM父は、何年経っても見た目が変わらない驚異の健康老人である。今年も変わりなかった(笑)。日本から持ち帰ったうちの親戚信州湯田中関谷の志賀高原味噌を、3年前に訪ねて以来関谷味噌ファンのADに無事届ける。



 SIGMA 30mm でパーティを撮る。ゲームにフォーカスして姪のSFや彼氏をぼかしたやつなんかいい感じになった。SFのボーイフレンドはゲーマーで落ち着いてて話しやすいいいヤツだった。またゲームをしようぜ。

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 車の中でビーチボーイズをかけていたら、God Only Knows で LD が一緒に口ずさむ。あ、好きなのか。こないだ見たんだよ、予想以上によかったよと話すと「聞いたわよ。ちゃんと歌ってたっていうじゃない、すごいわね。でもどうしていまだにやってるのかしら」と直球クエスチョンをいう。「(日系の)会社の人が興奮してたんだけど、ホール&オーツもPNEに来たんでしょ? どうして彼らはいまだにツアーをやってるの?」

 どうもこうこっちの人はベテランバンドに冷たい。こちらの人は老後に十分なお金がたまると若くても仕事をすぱっとやめ悠々自適になったりするので、バンドのことも同様に捉えているのかもしれない。「観客の愛を受けることが何事にも代えがたいんじゃない? 会場の盛り上がりはすごかったわよ」と奥様。

 古いバンドがいまだにやってるのは、自分たちの音楽への愛情が大きいだろう。ビーチボーイズなんか特に、若い(というても40代~の)サポートメンバーにリードボーカルを取らせてまで演奏を続けているんだからそれを強く感じた。オリジナルメンバーがリードを取ってないと観客はさすがに自分が何バンドを見ているのかと我に返りそうになるけれど(笑)、マイク・ラブがコーラスで加わるとああと満たされる。

 それを見ていて、マイク・ラブたちはこの歌のよさと音楽のクオリティをどんな形になろうとキープしていきたいのだろうなと思った。オリジナルバンド度は薄まっていても、なつかしいだけの同窓会バンドではなかった。それを見たくて観客はまだ集まるわけだろう。

 胸がキューとなりうあーと大声を上げてしまうような、音楽への永遠のあこがれ。フォーエバーヤング。君の心がいつも喜びに満ち、君の歌がいつまでも歌われ、君がいつまでも若くありますように。メイユーステイ、フォーエバーヤング。



May your heart always be joyful
And may your song always be sung
May you stay forever young

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■15/09/12(土) □ ボートクラブ撮影
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奥様ボートクラブの夏の恒例行事、入江を一気に12キロ漕ぎきって対岸のドーナツ屋に行って帰るというドーナツランを見に行く。車で40分ほど走ってドーナツ屋側の町ディープコーブで待ってたのだがこれがまあきれいなところで、BCすごいね。



BCがすごいのは景色もそうだが、こういう水辺に健康でスポーティな人々がわんさか寄ってきて体を動かしものを食べ経済を動かしてるところで、底力あるなあと思う。日本だときれいな水辺があっても、こうして水にザブザブ入ってウォータースポーツをやろうという人はそんなに出てこないと思う。



 今日は SIGMA 30mm と MZ40-150mm を使ったのだが、マイクロフォーサーズで撮る風景は素晴らしい写りだ。ちなみに地図につけた×印は、俺がカヤックで出たときに「疲れた帰ろう」と引き返したあたりです(笑)。

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■15/09/17(木) □ その雑な性能のアンテナで
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ゲスの極み乙女。 - ラスカ

 娘にこれを聞かされ、「ゲスって歌詞はわかんないけど音と声と『嫌なことばっかり』っていう言葉がすごくロックだ」と感想を言った。友だちにもゲスを聞かせ好評らしい。ベイエリアからトキオから、世界のティーンのアンテナがキャッチするナンバー。

キヨシローが予言したように、たくさんの音や言葉や気の合う友だちが今はアンテナをかすめすれ違っていく。あの国会での奥田くんの言葉は全部、彼のアンテナがキャッチした言葉だと感じて俺は感動したな。

安保法案が可決しようとしている。隣国その他の脅威をアンテナがビンビンにキャッチしてる人々の意見はもちろんわかる。しかし反対意見を無視し圧殺し機動隊を動員し平和的なデモの若者たちに排気ガスを吹きかけるなんて政府のやり方はどうかしていると誰もが思っている。

 あの「採択」時の国会の琴奨菊議員らのガブリ寄りを指して「護憲信者も結局最後は暴力じゃん」てなしたり顔のツイートを見るけれど、いま自民党がやってることの全部がとんでもない暴力であると思わないアンテナじゃ、やっぱ性能低すぎて駄目だろう。

 こういう冷淡な世間と圧迫政権に押しつぶされている国会前の若者に、「くそったれ馬鹿野郎満足だろう、ふざけるんじゃねえよ今に吠え面かくなよ」といま頭脳警察の歌を歌ってほしい。だけど誰も知らないだろうな。

「塗装の剥がれた舳先から 傾く夕日を追いかけてると
隠れてた苛立ちが蘇る 20万トンタンカー
おれを待ってるクソったれの街、シビリアン・シティ
(「マラッカ」パンタ)」

も、突き進むタンカーのように止められない権力とそれを赦す世間に向けた言葉だ。

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■15/09/19(土) □ イッツア・ラグビー・ミラクル!
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【ラグビーW杯】南アを相手に日本が頑張ってるというのでラグビーを見てみたら、南アのすごい波状攻撃を食い止め日本がボールを奪ったところでハーフタイム? 「いい試合です! スタンディングオベーションが起こっています!」とアナウンサー!

すごい追いついた! 英アナ「日本の健闘に涙ぐんでいるジャパニーズファンが観客席にいます!」 いやーラグビーって身体が硬くなっちゃうな。肉体がガツっとぶつかることへの決断がすごい。決断がすべてを決するという感じ。全員がすごい決断をしている。

 あ! あ! 行った! 行ったートライ! やった! 勝った!

「――ジャスト、ジャスト・インクレディブル! この素晴らしい結果に値する日本の勇気!」
イッツア・ラグビー・ミラクル! 日本ラグビーの祝日です!」
「ラグビー史上最大の大番狂わせの一つでしょう! 日本はペナルティを狙わずトライを狙い、取ったのです。このスポーツの偉大なる瞬間です!」


最後の右サイドから左サイドまで振り切って決めたトライは、美しかったなあ。体格的に日本にラグビーは厳しいんじゃないかと思ってたんですが、あんなファンタスティックなトライを決められるなんてすばらしい。素晴らしい、すばらしいジャパン!

 喜びの声を撮りたくて英 BBC が日本ファンを探しているという。試合中ずっと歓喜の涙にくれていたあのラガーおじさんを見つけてほしい BBC。どれほどの思いか想像するだけで泣ける。

2015/10/11

【猫日記】臆病なピカ(最初の2週間)

「猫が来た」「猫写真は難しい」「テリトリー拡大にトライ」「親戚キッズ」「家猫、外猫」「猫用品高い」「爪切り成功」

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■15/09/26(土) □ 猫が来た
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 Mが突然(まあ前から飼おうかしらとは言っていたが)猫をもらいに保護センターへ俺たちを連れて行く。俺は猫なんてそんな、病気したらどうしようとか旅行時はどうするんだとか心配ばかりが湧いてくる。

保護センターでいろいろと説明を聞いていると、ピカチュウという名前の猫が中にいるという。その名前を聞いただけで萌は姿を見る前からメロメロな感じで、会ってみたらこの猫がすばらしい。初対面なのでまず手を差し出し臭いをかがせてやると、ペロペロ舐めて膝に登ってきてゴロゴロいう。ふ、フレンドリーすぎるだろお前とこれでもう全員のハートメロメロ。

 保護センターは高校生くらいの若いボランティアが多数常駐して、動物たちを世話しトレーニングし遊び相手になってやっている。だから人間好きの動物たちが育つんだろう。カナダの高校生はボランティアが義務付けられているので、こういうところは彼らにとっても人気の施設なんだろうな。

 ただちにペットショップに走りトイレその他一式を取り揃え、取って返してピカチュウをアダプト(養子縁組)してきた。ただの捨て猫ではなく保護され予防接種その他をなされ登録された猫なので、それらの費用をカバーするための諸費用を支払いうちの猫となる。


もらった段ボールの運搬ボックスに大丈夫だよと声をかけつつ家にそっとドライブし、箱からそっと出すとダダーッと逃げる。当然ながら見知らぬ環境にフリークしてあちこち隠れるところを探し、やがて TV テーブルの後ろに潜り込んでしまった。これはまあ猫は仕方がないなと放置していると、やがて寝てしまった。フリークアウトしてても寝んのかよかわいいなお前(笑)。

 それにしても水くらい飲んでトイレの場所も教えたいので指を差し入れて起こすと、指をペロペロなめてゴロゴロいう。そのうち引っ張り出すことに成功したのだが、どうしても水は飲んでくれず、トイレにも行ってくれず1日が終わってしまった。大丈夫かなあ。

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■15/09/27(日) □ 臆病なピカ
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朝、ピカが見つからない。あちこち探しに探して、カウチの下に隠れているのを発見した。あそこに入れるっかなーと検討するとは猫の発想飛躍してるとしか言いようがない。出られるのかと恐れたが音を立てるとダッと飛び出しベッドの下に隠れる。やれやれ。

 保護センターの遊び場兼廊下では驚くほどフレンドリーで、今も指を伸ばしてタッチしてやるとゴロゴロと超喜ぶので人間は好きな猫なのだが、ベッドの下からは出てこないところを見ると家が怖いんだな。物音とか。ケージと廊下しかない施設で育ったからだろう。もともとは捨て猫だったらしい。現在生後半年ほどで保護センターには6月くらいからいたらしく、つまり生後1~2ヶ月で拾われてきたわけだ。それ以前は人家にいたのだろうが、覚えてないんだろうな。

 ピカは俺の掃除が行き届かない物陰に潜り込んではクモの巣やホコリを身にまとい出てくる。俺の家事能力がチャレンジされている(笑)。後追いでピカが潜り込んだ物陰を全部掃除していく。掃除しきれない箇所は入れないように塞いだり、猫が嫌いそうなデオドラント類を振りかけてみる。その間もピカは俺を見ているのだが、ふといなくなって探すとまたもや新しいホコリ物陰を探し当てて潜り込んでたりする。やれやれ。

しかし猫がやってきてみると家中このままではまずいなと主夫は思い至る。猫に落とされたら危ないものが棚やテーブルに乗っているし、戸棚なんか開けとけばきっと入ってしまうし、台所の棚や食材置き場も同様。猫と暮らすことなんか考えたことがないのでぜんぜん猫プルーフ(安全対策済み)じゃないのだ。



 ベッドの下に隠れたピカに腕を伸ばして一日なでてやり、ようやく引っ張り出してトイレに行かせることができた。←夜には歯磨きする俺を追いかけて見に来た。これで大丈夫だな。


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■15/09/30(水) □ 猫写真は難しい
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 ピカは俺には慣れて膝の上でくつろぐようになった。かわいいじゃないのよ。しかしMと萌からは逃げてしまう。というか場所に激しく依存する猫で、俺がいつも座っているPC机のそばならMにも萌にもデロデロなのだが、リビングに行くと俺の手からも逃げる。結果として俺にだけなついてる感が激しくて、なんか家族に申し訳ないのです。

ピカはオスなのだが、家族の誰もが Where is she? と She で呼んでしまう。見た目のかわいさで脳にバイアスがかかってしまうのかな。





俺のカメラ(オリンパス PEN M4/3)は動物を撮るとどうもフォーカスがすっぽ抜けちゃう悪癖があるのだが、そのおかげでメイプルの美しさが撮れた。あと猫がプランターの草を噛んじゃうので猫グラス買いました。これは即ヒット。

動物フォーカスがすっぽ抜けちゃうのは、毛皮のフワフワした凸凹というものにコントラスト AF が合焦しにくいからなんだろうな。マニュアルフォーカスする技術も時間もないので、猫のすぐ横、手前にあるものにフォーカスしてなんとか対処するしかない。

台所仕事をしているとピカが見に来るので、いろんな音を立てて見せてやる。ほらね、これは皿。ガシャン。これは鍋ガツン。水道、やかん、換気扇。みんな私らの出してる音なんだ。怖くない。怖がることはないのさ。

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■15/10/03(土) □ テリトリー拡大にトライ
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新しく戸棚などを見つけるたびに、ピカは「え! そこ開くの?」と瞠目する。開くって、見りゃ分かるだろ(笑)。「ちょっと入っていい?」。ダメだって(笑)。

 ピカが来て1週間、今日はトイレの位置を手近な2階トイレから当初予定していたベースメント(階下)の物置に移動してみる。トイレの臭いを確認して、使いはしなかったが位置は把握してくれたと思う。元の場所は掃除して消臭スプレイをふりかけ、もうここじゃないんだよアピールを振りまいて。これで様子を見てみよう。

 ピカは無事トイレを発見し使用してくれた。だんだんと環境が整っていく。よし。

1週間経っても俺のデスク下にこもり、そこにいれば誰にでもゴロゴロだけど他のエリアではビクビクという状態から進歩しないので、テリトリー拡大を促すためこのように段ボールをデスク周りに張り巡らせ入れないようにした。

これは効果あり、夜には皆のいるリビングで遊んだり横になって眠るようになる。よしよし。しかし見張ってないとデスクに入ってきてしまう。どこから入ってくるのか観察していたら、積み上げた本やらなんやらの上を乗り越えていた。そこも塞がねばならぬか。

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■15/10/04(日) □ 親戚キッズ
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今日はM萌が親戚の子供たちを預かって遊んであげた。俺も写真班として手伝う。自分の子供がこれくらいの頃から十年経ってるので、やっぱ子育てって大変だわとつくづく思った。なんでも用意してやって片付けてやって、おしっこももらしちゃうし、いやはや ^_^;。

子供らが来てるあいだうまく隠れていたピカは、静かになると出てきて水槽のイモリを追いかけていた。イモリは猫に水槽をバンバン叩かれても平気なのです。人間の子供に比べたら、ネコや両生類は世話が楽だなー。


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■15/10/05(月) □ 家猫、外猫
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 ピカは昼間、窓から外を飽かず眺めている。小さいときに兄弟たちと捨てられているのを保護されシェルターで育ったそうなので、落ち葉や陽の光もまた珍しいんだろう。鳥が来るとすごく興奮し立ち上がる。

引き取るときに係員はうちの家庭・住居環境を事細かに尋ね書類を埋めていったのだが、「外に出すのはおすすめしないわ。コヨーテが狙っているから」と言われた。うちと超仲良かった隣家のティガーも、目撃者はないがコヨーテにやられたらしいんだよな。あれには泣いた。


(思い出のティガー、2008)

昼間は大丈夫だと思うが夜になるとコヨーテは里に出てきて猫を狙うらしい。アライグマも凶暴で猫を追い回すので、俺はティガーがアライグマどもに追いかけられるのを何度も助けに夜走り出た。アライグマは本気で走ると鬼のように速いのである。ケモノなんである。

ピカはとにかく臆病なので外に出たらどういう反応をするかまったくわからない。パニックになってフェンスの外へと走り出たらえらいことなので、今後も外に出すかどうかは決めかねている。昼間だけ、人が一緒の時だけでも出してやれるくらい落ち着けばいいのだけど。

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■15/10/06(火) □ 猫用品高い
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 買い出しのついでにネコ用品を見に行く。思ったより高いなー。暮らすって物要りね。推奨されたキャットフードが $37(他社の倍)、爪とぎが $64、そんなもん買えんて。もっと安いのを探し、なければ爪とぎなんか自作しよう。

吉祥寺のアパートで猫を飼ってた頃はただ世話をし遊んでやってただけで、こんなにいろいろ情報を集めたりしてなかったと思う。今はキャットフードの成分表まで読んでるからおかしい。猫2件のあいだに人間の子供を育てたことで、俺の心の責任感まわりのメカニズムが変わったんだろう。

 地域で3軒目のペットショップが一番安く店員の応対もいいと発見して、ここでメンバーカードを作りキャットフードと鈴のついたネズミのおもちゃを買ってきた。ネズミおもちゃはさすがに効果が高く、手が届く高さのひもに吊るしておいてやると長時間遊んでいる。よし。

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■15/10/10(土) □ 爪切り成功
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 膝の上で撫でるだけでピカの爪が俺の腿に当たり痛くなってきたので、これはやらねばなるまいと爪を切る。神経質な猫なので暴れるかもとジーンズに厚めの長袖とフル装備で作業にあたったのだが、嫌がりもせずあっさりと切れた。やっぱちゃんとした施設で育ったのでしつけができてるんだな。

 Mが「ピカは大きくなったわよね」という。たしかに 2 週間でふっくらしてもう子猫には見えなくなってきたな。食べる量が減ってきているのだが、猫は育ち盛りを過ぎると食べる量が減ることもあるようだ。どちらかといえばアクティブではない猫なので、ちょうど食べきる程度に餌を減らしていこう。俺が間食も与えすぎてるかもしれないので減らして。間食は量的にはミルクをスプーンいっぱいくらいだが、やっぱり味的にクセになってはいかんからね。

 しかし依然としてM萌のことは怖がっている。まあピカが落ち着いて遊ぶエリアに二人が来てゆっくり遊べばいいのだが、Mは忙しいし萌は落ち着けないので待つしかないな。二人がキッチンにいればなんかくれと足元にまつわりつくし、ヘッドホンをつけ廊下で踊ってる萌を興味深げに見つめているのだから、怖い人たちではないとピカもわかっている。He knows。いつの間にか He と She を取り違えなくなったな、みんな。