2006/01/28

日記『ごくせん』に熱狂

「新年なべ」「ジャマイカの風」ほか。

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■ 06/01/18(水) 11:12:16 □「ごくせん」に熱狂
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こないだPさんに Lunascape という RSS リーダーを兼ねたブラウザというものを教えてもらって試したのだが、よくできているけどもうこんなに情報をブラウザに盛り込まれては脳が情報処理できんという感じで、将来はともあれ今はあんまり追求できなかった。ありすぎる情報の中から読む価値のあるものを、どれだけ少ない時間と労力で選りすぐり処理していくか、そこが20世紀末からコンピュータがぶち当たっている課題なのだと思う。そこにアドレスしているのであろう RSS リーダーも、今のところ試した範囲ではピンとこない。

これに啓発されページ更新チェックをいかにラクにするかという試みで、 diffbrowser というのを導入してみた。前回チェックから変化した部分だけを抽出して表示してくれるというもので、これが期待以上にすばらしい。走らせるたびに、更新分だけがシンプルなテキストで表示されるのである。ページによって細かい設定が必要になる場合もあるが(というよりも細かい設定で表示される情報をよりピンポイントに指定できる)、えーと前回どこまで読んだっけなと目で追う労力が、いつも読んでる20数ページに渡ってバサっと消え去ってしまう。コンピュータを使う根源的な快感を久々に味あわせてくれる。すばらしい。

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夕方萌と「ごくせん(1)」第2回を見る。萌はアニメ以外のドラマを俺とこうして見ることはあまりないのだが(旅行や音楽番組はよく見る)、ストーリーや言葉が分からないと何これ、どういうことなのと聞きまくる。いつもメルとTVを見ながらこうして聞いてるんだよな。こうしてTVを一緒に見ることで言葉が増えていくのねと実感した。

そして番組が終わると萌は、

「あたしのすてきな生徒たちに.....手を出すんじゃねえ!」

あとから萌が描いた「ごくせん」の絵。すばらしい。
と叫んだのだった。ちょっと違うが、かっこいい \(~o~)/。かなり熱狂しています。

このドラマには何か懐かしい風景がよく出てき、どこだろうと気になる。昔ポスター張りで歩いた世田谷のはずれあたりかなあ。あの辺だったら緑も多く残っているし。

バスに「京王バス大和営業所 大蔵」と書いてあるので検索してみると、稲城の裏あたりの「大蔵」という町あたりらしい。昔バイクの練習をしに行っていた鶴川街道だ。なーるほど。なつかしい。



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■ 06/01/22(日) 10:32:23 □ 新年なべ
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本日はまた Tswassen SH家へ。新年会とLDの誕生祝いを兼ねて。年末の4週連続家族行事も強烈だったが、今回も昨日からLDのためにケーキを作り文字を入れるなど2日がかりの仕事になっており、Mの家族行事への力の入れようはすごいものがある。考えてみれば喋ることが何よりの楽しみであるMにとってみれば、近所に古くからの友達がいないのは気の毒なことである。俺にとっても同じことで、学生時代を過ごした街から離れて暮らせば、誰でもこんなものなのだろうと思うが。

そして新年会は、AD入魂の海鮮鍋であった。寿司まで握っているからこの人には驚く。味はまあそれなりでしかないにしても、見よう見真似ででかい体をすくめて寿司をにぎにぎと握るというその意欲がえらいしかわいい。彼がビジネスで成功するのは、こういうチャレンジ精神と愛嬌を併せ持っているからだろう。

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■ 06/01/25(水) 08:50:51 □ ジャマイカの風
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まるひと月以上ぶりに雨がやみ晴れたので、萌を早めに学校に連れて行って外で遊ばせてやった。帰りも同様。萌は最近SNと仲がいい様子で、今度彼女の家で遊ばせてもらうということになった。プレイグラウンドで一緒に子供らを見ていたSNのお母さんに、「ついに晴れましたねえ、あなたはジャマイカから来てるんだからBCの雨は最悪でしょ」というと、「Oh it's awful. Bloody awful」と激しく同意していた(笑)。

「夏もジャマイカほど暑くないだろうし」と続けると、「いやBCの夏は暑い。ジャマイカは島風があるのでさほど暑さを感じないのだ」とのこと。たしかに俺もBCの夏の日差しは、湿気がないゆえ直接紫外線が届き、日本に比べてもイタイ感じがする。しかしジャマイカは暑くていつも風があるのか。そりゃ楽園だなあ。まあそこでは暮らしが成り立たず移民してくるんだろうけど。

萌はSNに招かれたようで、「いつかジャマイカに連れて行ってもらうの」という。そりゃいいよなあ。

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「ごくせん」第3回をまた萌と見たが、1回2回の好評に応えてなのかもう完全にマンガとなってしまっており、軽薄味が増しすぎて絶妙だったバランスが崩れてしまった。まあ仕方がない。

2006/01/16

日記「遠い味の道」

「Polly Pocket 城」「先生が変わるらしい」「韓国ドラマと「ごくせん」」ほか。

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■ 06/01/01(日) 15:33:33 □ まずまずのお正月
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夜中に始まったさだまさしの新年特番のおかげで、かなり日本の年越しっぽい気分になり新しい年を迎えてから寝た。だらだらとしたトーク番組というのが、日本の深夜番組っぽくて懐かしかった。

萌の風邪のせいで年越し買い出しに行けなくて家には何もないのだが、BRが新年だからとクロワッサンを朝焼いてくれて、昼は日本から母さんが送ってくれたおしるこを萌といただき、夜は残り物を使ったお好み焼きが好評で、何も準備ができなかったわりにけっこうよいお正月であった。めでたしめでたし。

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■ 06/01/03(火) 13:04:02 □「Polly Pocket 城」
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萌の体調がなかなか良化せず、一日付きっ切りで遊んでやった。こんなに丸一日遊んでやったのは俺も久しぶりで、疲れたが楽しかった。ダンボールで美麗な「Polly Pocket 城」を作る。


最近萌は完璧に日本語で俺と話しており、複雑なことを俺がつい英語で説明すると、お父さんお父さんと指摘してたしなめるようになっている。構文的に難しくなってもあきらめて英語で言わずに、日本語で最後まで話そうとしている。俺と話すときは日本語スイッチに完全に戻ったようだ。よしよし。

萌は朝から、ドリカムのあの紅白の歌を歌っていた。「It goes in your head, doesn't it?(頭にこびりついちゃう)」だそうである。

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■ 06/01/09(月) 11:57:38 □ 学びの園
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今日はたまっていた各種用足しで一気に4軒を回った。こないだ踏みつけて壊してしまったメガネを直すためにMが昔働いていたDカレッジのメガネ科付属ショップ(眼鏡屋を目指す若者が技術を習うところ)に行ったのだが、フレーム取り付け部が割れていて直らないそうだ。がっくし。

しかし学生がたくさんいてガヤガヤとやってるところに何年かぶりに行くと、その若やぎがなんか実に新鮮で、いいなあとしみじみ思った。Mがまたここの先生になれたらいいのだが、空きポジションがない状態が延々と続いている。

魚を買って帰り、萌と飯を作った。フライドポテトもどきをオーブンで作ったのだが、焼いてみるとなかなかおいしい。萌はナイフでポテトスティックをていねいにカットし、それが焼けておいしかったのですごい達成感があったらしく、たいへんに喜んでいた。萌のラブリイさが一家の灯りだ。

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■ 06/01/10(火) 14:16:07 □ 先生が変わるらしい
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萌のキンダーのA先生が出産休暇で、年次の残りは別の先生になると聞いて驚いた。「妊娠してたのに気づかなかったの?」とMに呆れられたが、もともとそういう体型なのでまったく分からなかった (^_^;;)。そういわれてみればA先生がどこか生徒たちに冷淡だったのも、どうせ年明けまで4~5ヶ月の付き合いというのが態度に出てたのかもしれない。

そうか別の先生か。「昨日来てたサブ(代理)の先生が感じよかったよね、あの先生ならいいね」などと萌と話す。あまり盛り上がるとA先生に向かって萌がいらぬことを口走るかもしれんので抑えたが(汗)、そうかそうか。

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学校の帰りにDNという子のお母さんが萌を家に呼んでくれた。前から校庭などでよく声をかけてくるフレンドリーな子で、うちの近所に住んでるらしいし一緒に遊べたらいいなと思っていたのでうれしい。お母さんはなんか鼻にピアスをしたロックスターみたいなかっこいい人で、明るくて話しやすいし。萌のスクールライフはよりいっそう快調になってきた。

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■ 06/01/13(金) 09:33:29 □ 砂時計遊び
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昨日料理用に砂時計を買ってきた。萌が喜びそうだなと思ったら予想通りで、宝探しとかかくれんぼなど遊びのあらゆる場面で3分を計りまくり、今朝になってもまだやっている。ちょうど今日は学校の Show & Tell(好きなものを持っていってこれはナニナニですと発表する)なので、この砂時計を使えばいいよと盛り上がる。

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Show & Tell 砂時計は、誰もそれを持っている子はおらず大成功だったとのこと。よしよし。萌を送っていったときに車の距離積算が18万 km を突破した。ブレーキで修理はいったが、それ以外はしっかりした車である。20~23万 km は余裕だろう。

バンクーバーはレコード長雨28日を突破するのは確実という雨続きなのだが(長雨は普通なので今年が特別雨が多いとは別に感じない)、今日は雨量も多くあちらこちらで土砂災害の警報が出てきている。昨春浸水を起こし修理したうちのドレインパイプをずっとチェックしているが、規定位置から上には水が上がっていないのでパーフェクト。壁の防水もタールコートで完璧になっているはずだ。大丈夫。

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■ 06/01/14(土) 11:44:35 □ 韓国ドラマと「ごくせん」
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昼前にSMがやってくる。何ヶ月ぶりか。もう萌はキンダーで年上の子にももまれているので心配しないが、いじめっ子だったSMもなんか前とだいぶ違う。前には興味を示さなかった萌のおもちゃや楽器で遊び、ささいなことでゲラゲラと笑うようになっている。おお成長しとるやんけ。結構楽しそうにやってます。ちょっと双方興奮しすぎなので、適当な頃合を見て切り上げさせねばならんが。

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TV Japan(NHK 国際)で先週始まった韓国ドラマ「オールイン」を昨夜見たのだが、ギャンブラーの一生を描くドラマらしく、少年時代から丹念に長々とストーリーを追っている。かなり気長な「大河ドラマ」である。内容は昔の日活アクション+韓国的純情友情激情という感じ。冬ソナでもそうだったが、韓国ヒーローは何か傷心するとすぐアメリカに渡ってビジネスその他で華やかに成功してしまうのがおかしい。日本のドラマで主役級が外国へ移住するなんてのは聞いたことがないので(オレゴンで農民をやり苦闘するいう文化衝突自体が副主題のものはあったが)、韓国人は日本人よりも海外生活への憧れが強いのだろうか。

比べても意味はないのだが同時にやってるのでつい比べてしまうと、少女マンガ的ギャグセンスを散りばめた「ごくせん」の方は、より現代的なファンタジーで楽しい。言葉遣いの悪さがうつったらまずいなと思いつつ、再放送を萌に見せてやった。萌はどうしてみんなバッドボーイズなのと心配していたが、この先生はすごく強くて最後はみんな先生のことが好きになるんだよと(そうでないとストーリーにならないので推量して)教えてやると、安心して楽しみ始めた。

この女優さんはきれいでうまくて実にはまり役だが、べらんめえ調でタンカを切るところは声量的に無理がある。がここで声量があって本当にドスが効くと、頭の悪いツッパリ女学生的雰囲気がずずーんと出て女優としての魅力がはなはだしく損なわれるわけで、逆にこの方が良い。ドスが足りない分を、「...だが。あたしはそんなお前らの担任になった。これもなにかの縁だ」とささやくような声音のコントロールで演じるあたりが、実にかっこよろしい。ドスが効くとはつまり恫喝的威圧的であるということで、そういうものを愛でる日本マンガ&TVのセンスはたいがいにしといてもらいたい。 この女優さんはそうなってないところが好ましいのである。

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■ 06/01/15(日) 17:50:36 □ 遠い味の道
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新年恒例のP家まいり。おいしいお餅とおでんをいただき、おみやげを多数いただいて幸せに帰ってきた。俺は毎日自分が作っているご飯にまあさほどの不満はないのだが―――乏しい食材とMが食べられるものに限るという縛り(乳糖その他体質的に使えないものが多い)がある割にはまあまあ食えるものを作っているという意味で―――、今日のおでんなどの微妙な日本的おいしさを味わうと、ああ俺にはこれは作れないなあと考え込んでしまう。

バンクーバーと違いコキットラムではいい材料が手に入らないしと言い訳すると、「いや10年前ならともかく今はどこでも必要なものは手に入ります」とNK様に一喝されました。じっさいその通りで、やっぱ俺に足りないのは熱意と才能だよなあ。こういう微妙な味付けをやっていて、何かが足りない、何かが違うというときにさてどうしたらいいのか、それが分からないのである。Mはレシピの通りに作ればいいというが、料理とはそんなに単純なものではないのだ。

帰りにMの好きなインド料理屋で夕食。4品目中3品目が文句なく、1つだけラムカレーがうまくなかった。がこれをどうしたらもっとうまくできるのか、そういうところが俺にはイメージできないのである。味の道は遠い。

2006/01/07

日記「ドリカムで日本音楽を思う」

「『ハルとナツ』のシャウト」「Lost in Translation」ほか。

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■ 05/12/26(月) 11:31:35 □「ハルとナツ」のシャウト
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 静かなボクシングデイ。NHKの年末特番でドラマ「ハルとナツ」というのをやっていた。これも、「世界の中心」や「冬ソナ」式アジア闇雲症候群の産物としか感じられない。途中で見るのをやめたが、「おしん」などと何も違いはないものを、21世紀に森光子と野際陽子を使って作るというのはどういうセンスなんだろう―――と調べてみたら、その「おしん」と同じ橋田寿賀子脚本なのであった。いつまでやってるんですか。

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 これを見て思い出したが、バンクーバーの日系移民1世だったばあちゃんが晩年(70年代?)に書いた戦中回顧録を見つけたから読解を手伝ってくれと、こないだLDがハリソンに日記帳を持ってきたのだった。教育を受けられなかった昔の人が全篇カタカナ書きで書いたものなので、文法書き方が無茶苦茶で超難解だったのだが、苦労して読み進めてみるとびっくり。「わたしの隣の家には手の長い人(盗癖のある人という意味らしい)が住んでいて、米やしょうゆを盗まれた」「なのにパウエル(日系人街)の世話役はまともに取り合ってくれず、本当に悔しい思いをした」「そんな隣人でも病気になれば放っておけず、看病してやったりもしたのに、恩知らずである」といった具合に、昔の愚痴だけが延々と書かれているのである。

 今から見れば、うーむ昔はいろいろと本当に大変だったのねえと、それだけしか感想は湧いてこない。「秘められた家族の歴史が今白日の下に明かされる」とワクワクしていたLDはそんなわけで、内容(のなさ)にえらいがっくりしていたのだが、この「ハルとナツ」というのもその回顧録とほとんど変わらないのである。昔はいろいろと本当に大変だったのねえ。

 だがしかし当事者にとっては個々の苦労話が、語らずには死ねないほど大事な事柄なのだろう。そうした沸き起こる声、すなわちシャウトする魂の迫力はばあちゃんの回顧録から伝わってきたので、俺はそう言ってLDを慰めたのだった。世界中の「ハルとナツ」たちにとってもそれは同じことなのだろうと、TVのスイッチを切りながら思った。


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■ 05/12/27(火) 10:32:32 □「Lost in Translation」
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 夕方MKと萌がクリスマスライトを眺めつつ、2km 向こうのLD家まで行ってしまった。迎えに行くと萌は夜散歩して夜LDのところへ訪ねてきたのがえらい楽しかったようで、興奮していた。

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【Lost in Translation】

「Lost in Translation」を夜見る。DVD+英語字幕は最強だ、セリフが全部分かる。コッポラ監督が街を見る目はすばらしく、外国人でありかつ映画であるゆえの日本に対するデフォルメはかなりあるが、彼女が写し撮った東京とそこでの恋の美しさがそれを許させ、甘い時間を味あわせてくれる。

 低すぎるシャワーとか部屋に娼婦が送られてきたりとか、英語の通じなさとかゲームセンターやパチンコ屋の騒音など、誇張部分をピックアップしていくとけっこうくだらない。が、日本に外国人スターを使ったろくでもないCMや、電車の中でポルノ漫画を読む男たち、がなりたてる選挙カー、「マシュー南」のようなものがわらわらと存在するのは事実なのであって、映画ゆえに自動的にボブ・ハリスと同じにセットされたシニカルな視聴者の目線と心象はそんな日本を、奇怪な「パッション」「テンション」を持つ国だとつよく感じ取る。なにか本当のことを言ってるような気がしない通訳によるコミュニケーション・ストレスなどもリアルだし(※)、カルチャーショックを受けたボブが一刻も早くここから逃れたいと願うのはよく分かる。
(※)同時にこの通訳の人の、「こんなCM監督の言ってることなど英訳しようがないし、逐一訳しても価値がないから要点のみ手短に」という気持ちも、俺はやったことがあるからよく分かる(笑)。通訳さん名演。

 そのボブと、異国で孤独さに耐えかねているシャーロットが、旅先で時間を共有するパートナーを得たことでカルチャーショックと折り合いをつけていくあたりが心地よい。「チャーリー・ブラウン」と共に夜の町を走り遊ぶシーンは輝いている。カラオケでセックスピストルズ、エルビスコステロ、プリテンダーズ、ロキシーミュージック、そしてはっぴいえんど(風をあつめて)と豪華5曲が歌われる。その音楽センスのよさにしびれ、本当にそんなクールなカラオケが楽しまれているのであろう日本音楽カルチャーの面白さも感じさせる。この映画は、美しい絵といい音楽に満たされている。

 ここからはそれぞれが単独で日本の他の場所を旅してみたり、レストランを巡ったり、半分ジョークで病院に行ってみたりといった余裕が生まれ、ボブはかたくなに拒否していた「マシュー南」ショーにも出てしまうほどリラックスしていく(※)。
(※)すでにこの映画を見ていたLDと後で話したのだが、やっぱりLDにとってもあの「マシュー南」は、「あれって本当にニホンよねー!」と強烈な印象を残していた。こういう人やゲイの格好のコメディアンが子供のいるお茶の間に登場する、日本はそういう国なのです。こういうのを見るのも聴くのも嫌だから、今年日本に帰ったときに俺はTVを見なかったのだ。

 ボブが国を発つ前夜から当日は、すべてのシーンが美しかった。なにごとも起きなさが古い日本映画のようであった。空港に向かう車中で、去っていく東京を見るボブの顔つきがすごく柔和でいい。つかの間の思い出とその舞台となった街をいとおしむ顔。車が首都高に上がる。夜の首都高を走ったことなど数えるほどしかない俺も、懐かしさに胸が焦がれる。たぶん俺は同じ顔になってスクリーンを見つめているのだろう。東京が暮れていく。街が美しく浮かび上がる。夜の光に浮かび上がる

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■ 05/12/28(水) 12:45:02 □ ボクシングデイ・セール
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 モールに買い物に行くとクリスマス前とほとんど同等に混んでいて、DVD-RWディスクを買いたかったのだがレジ前の長蛇の列にあきらめた。ボクシングデイセールというやつなのか、モールは当分大混雑が終わらないようだ。

 戻ると同時にL・KD姉妹がやってきた。萌とKDはずっと英語で喋っている。もうこの段階になると日本語のキープアップの方が家庭では重要だと思われ、「家では日本語を喋ってよ、英語はみんな学校で喋ってるんだから」と俺とMが促すのだが、KDは嫌だという。子供同士で遊ぶときには、テンポがよくきっぱりとものが言える英語のほうを喋りたいらしい。微妙な子供心理なり。

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 絵が好きで奇怪なモンスター絵を描いたりもする甥BT15歳がうちに泊まってるので、そういえば完璧に彼の趣味に合うではないかと気がついて、夜「ナウシカ」を見せた。字幕のデキがやはり悪いのだが(キキよりはマシ)、半分見たところでもう「こりゃ最高だ」とつぶやいて見入っている。よしよし。

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■ 05/12/29(木) 13:44:46 □ 萌体調急落
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 朝からBTは、ナウシカのオームの細密画をかりかりと鉛筆で描いている。後からもう一度全篇を見直していた。よしよし、これでまた一人宮崎ファンが増えた。

 俺は昨夜からのどが痛いのだが萌の体調もあまりよくなさそうで、それもあって午後は二人で静かにしていた。Mが戻る頃には萌は機嫌がよくなってくれたがHNをすすり始め、俺はそのあと飯を作って食ったらがっくり疲れた。風邪だ。

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■ 05/12/31(土) 14:43:43 □ ドリカムで日本音楽を思う
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 萌、久々に熱が高くつらい風邪。昨夜は二度熱で目を覚まし、かなり大変であった。夜が明けて元気はあるのだが、熱が下がらない。夜疲れたらまたしんどくなりそう。

 昨日今日と萌の世話をしていたので買い物にいけず、年越しも新年も何も食べ物がないということになってしまった。まあ仕方がない。あけましておめでとうと母さんに電話すると、キャベツがある限り最後はお好み焼きという手があるわよとサジェストをいただいたので、そのアイデアをいただこう。


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 朝録画しといた「紅白歌合戦」を見ると、もうNHKが若年層に気を遣って面子を揃えすぎ、民放を見ていない人(俺みたいな境遇の人やじいさんばあさん)には出てくる人がまるで不明な状態になっている。名前も知らない人がレコード大賞やら北島三郎の対抗格になっているのには驚いた。別に知らなくてもなるほどと思わせてくれるならいいのだが、ごく普通の取り替え可能なポップスだしなあ。今年も早送りなしには決して見ていられないが、でもまあ去年よりは聞きたい歌が多かった。

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【個々の感想】
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森山直太朗:レコードで最高の演奏をしているバンドを見たかったのだが、レギュラーバンドは持たないのかカラオケ歌唱だったのであまり興味を持てなかっ
た。
平原綾香:喋るとけっこう現代っ子であれれと思うが、歌う姿は姫のようでよい。
スキマスイッチ:芸能界にフィットしそうな性格が歌と微妙に合わず、そこがいまいち好きになれない。
森山良子:企画ものを超え価値のある息子との共演だった。
倖田來未:レコード大賞? のあなたは誰?
氷川きよし:この人がジョークではなく本当に人気があるらしい国の不思議さよ。
ゴリエ:何者....と知りたい気持ちも別に湧いてこない。
一青窈:この人の声には1年かけて慣れ、今は気色よい。
松任谷由実:変わらぬヘナヘナ音程でありながら、横にいる上海超級技能歌手たちがただののど自慢の人たちに見えてしまう、横綱の存在感と声。
ドリカム:すべてのラッパーが打ちのめされるべき、鳥肌立つ音楽力。このバンドをトリにするという、日本にとって最善の決断がなぜできないのかNHK。
和田アキコ:なぜラップかは不明だが真剣でよかった。
中島美嘉:トリ前で北島三郎の対抗であるライブハウス歌手みたいなあなたは誰?
スマップ:木村氏を除きあんなに音痴なのに、こうもしつこく主役扱いで歌わされるのはつらかったろう。
司会:なにゆえにみのもんたがあんなに大物司会者になってるのだ。謎だ....。
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 Dreams Come True は趣味に合う音楽じゃないのでちゃんと聴いたことはないのだが、飛び抜けたワールドクラスだと改めて思った。すべての音に丹精が込められ、グラマラス米国ポップ臭も貧相Jポップ臭もないワールドミュージック的無国籍性を持っている。超絶技巧に(ほとんど)おぼれない吉田美和さんの美しい歌唱、そして「俺はこの音楽が好きなんだあああ!」と言ってるみたいなベースの人の顔がサイコーで、Mと萌にも見せてやった。萌は熱血アニメみたいなベースガイの顔と歌のかっこよさに大喜びで、皆でこれが見られてよかった。

 アジアでは大物ミュージシャンというと、いまだに今日松任谷さんと共に歌ったようなのど自慢歌手しか出てこないわけで(「ポップジャム」等に出てくる韓国若手歌手も一様に「ゴスペルズ」みたいな70年代歌謡センス)、60~70年代からすでにそうしたのど自慢性と決別したバンド・ミュージシャンを産出し続けているところが、日本が他のアジア諸国と異なっているところなのだと思う。

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 さらに「紅白」とは関係ないが昔と比べて、音楽の周辺人材も聴衆も育っているのは明らかだ。たとえばサンボマスターなんていう規格外の才能が出てくれば、昔の Who みたいな無茶苦茶なミックス(ギターソロで他の音が聞こえなくなったりする)でレコードを作らせてやる物の分かったプロデューサーがちゃんと存在し、その音が熱狂を持って聴衆に迎えられるのである。健全なり。

 サンボマスターみたいな「なんだこれは?」という画期的な音が、カナダで生活していてTVやラジオから聞こえてくることはない。たとえば小学生以上若年層に猛烈人気の Green Day も、歌詞はいいが音楽的にはびっくりするほど平凡なのである。日本は「紅白歌合戦」の 75% を占めるイモ音楽に満たされ、「マシュー南」や「ゴリエ」が氾濫して気恥ずかしい国だが、健全なロック桃源郷もそこにあるのであった。

2006/01/02

紅白歌合戦 2005 (NHK国際映像) の感想 (ちょっと追加)

森山直太朗:レコードで最高の演奏をしているバンドを見たかったのだが、レギュラーバンドは持たないのかカラオケ歌唱だったのであまり興味を持てなかった。
平原綾香:喋るとけっこう現代っ子であれれと思うが、歌う姿は姫のようでよい。
スキマスイッチ:芸能界にフィットしそうな性格が歌と微妙に合わず、そこがいまいち好きになれない。
森山良子:企画ものを超え価値のある息子との共演だった。
倖田來未:レコード大賞? のあなたは誰?
氷川きよし:この人がジョークではなく本当に人気があるらしい国の不思議さよ。
ゴリエ:何者....と知りたい気持ちも別に湧いてこない。
一青窈:この人の声には1年かけて慣れ、今は気色よい。
松任谷由実:変わらぬヘナヘナ音程でありながら、横にいる上海超級技能歌手たちがただののど自慢の人たちに見えてしまう、横綱の存在感と声。
ドリカム:すべてのラッパーが打ちのめされるべき、鳥肌立つ音楽力。このバンドをトリにするという、日本にとって最善の決断がなぜできないのかNHK。
和田アキコ:なぜラップかは不明だが真剣でよかった。
中島美嘉:トリ前で北島三郎の対抗であるライブハウス歌手みたいなあなたは誰?
スマップ:木村氏を除きあんなに音痴なのに、こうもしつこく主役扱いで歌わされるのはつらかったろう。
司会:なにゆえにみのもんたがあんなに大物司会者になってるのだ。謎だ....。

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Dreams Come True は趣味に合う音楽じゃないのでちゃんと聴いたことはないのだが、飛び抜けたワールドクラスだと改めて思った。すべての音に丹精が込められ、グラマラス米国ポップ臭も貧相Jポップ臭もないワールドミュージック的無国籍性を持っている。超絶技巧に(ほとんど)おぼれない吉田美和さんの美しい歌唱、そして「俺はこの音楽が好きなんだあああ!」と言ってるみたいなベースの人の顔がサイコーで、Mと萌にも見せてやった。萌は熱血アニメみたいなベースガイの顔と歌のかっこよさに大喜びで、皆でこれが見られてよかった。

アジアでは大物ミュージシャンというと、いまだに今日松任谷さんと共に歌ったようなのど自慢歌手しか出てこないわけで(「ポップジャム」等に出てくる韓国若手歌手も一様に「ゴスペルズ」みたいな70年代歌謡センス)、60~70年代からすでにそうしたのど自慢性と決別したバンド・ミュージシャンを産出し続けているところが、日本が他のアジア諸国と異なっているところなのだと思う。

2006/01/01

日記「クリスマスは映画の日々」

「楽器はマインドゲーム」「千年女優」メーターの振り切れた「世界の中心~」ほか。

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■ 05/12/16(金) 12:07:12 □ クリスマスショッピング
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昨夜、萌とMは今学期最後の学校行事、体育館でのスリープオーバーに行った。寒そうだなあ、もっと暖かい時期にやればいいのになあと心配していたが、もちろん楽しかったそうであります。萌は興奮したことであろう。


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今日は買い物とドクアポがあり、帰りにビデオ屋に寄ってきた。Mのバースデイとクリスマスプレゼント連結で DVD プレイヤーを買うことに決めてるのだが、改めて興味を持って眺めてみると DVD は安いなあと思う。高校のときに \4000 だかをはたいて決死の思いで3枚組アルバムを買った「ラストワルツ」の映画自体が $10 で売ってるんだから、こりゃもう昔の子供に対してアンフェアすぎるではないかと腹さえ立つ。まあいまどきの子供はザ・バンドなんか聴かんか(^_^;;)。まあとにかくいろんな映像が安いのです。

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■ 05/12/18(日) 09:23:53 □ 楽器はマインドゲーム
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クリスマスディナーでSH家へ。ブレーキ修理の終わったレガシィの調子がよい。New Westminster のラフで狭い2車線路でレーンをキープするラクさ、急坂のハイウェイブリッジを一気に降りていくときの揺れと怖さのなさ。4輪にトルクがかかっているおかげで、路面がどんな状況でも一定で均等な推進力がかかり、そのおかげで進路が乱れないのだろうと体感できて面白い。Mもこいつを気に入っていて、次に買うのもスバルでいいわよねという。いや総合的に次は昔乗ってた軽バンみたいに小さくて燃費がいい車がほしいけど、でもやっぱ今はこの車に乗れてうれしいのである。

SHたちが年末フロリダに行くとかでクリスマスを前倒しでやったのだが、一番若い萌は皆にプレゼントを配達する役回りなので大盛り上がり。そして女の子を持たないBVがえらい勢いで萌にかわいい服を買いまくり、萌は踊り上がって喜んでいた。


STがBT15歳に先輩ミュージシャンとして、「楽器とは一生を捧げるに価するものだ、今でもドラムを叩いていて面白くて仕方がない」と伝道師のようなことを喋っていたので、俺も会話に混じる。「俺ももうバンドをやらなくなって10年以上が経つけど、これが今でもなんと上達しているよんだよ。自分のコントロールが昔よりできるからなんだと思う。楽器というのはほんとにマインドゲームなんだよね」と話すと、STもそうだそうだと相槌を打っていた。

BTはベース歴1年にしてようやく、右手でボ・ボ・ボと安定したタッチで弦を弾けるようになってきた。うまくなるかどうかはまだ分からんが、やっと楽器経験者の手になってきている。

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■ 05/12/19(月) 09:40:15 □ DVD プレイヤー購入
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午後ついに DVD プレイヤー購入に出る。行って調べてみたら韓国製 Zenith/LG の製品が DVD プレイヤー+VCR のコンボで唯一 DVD-R 上の DivX ファイルを再生でき、うちにある萌のアニメ資産を万全に生かすことができるため、これに決定(店員の説明は信じず自分で目当てのブツの箱を探して効能書きを読み確認した)。

帰ってから試してみると見事に CD や DVD 上のアニメ avi/mpg を読んでくれた。萌がさっそく「未来少年コナン」を見る。これでアニメ鑑賞で萌が俺のPCを占拠する時間をゼロにできる。めでたし。

DVD も、スクロールが弱いなどアナログ映像時代に劣るところもあるけれど(DVD というより mpeg2 の弱点か)、日本の BS 映像みたいなクッキリ感があり、そしてなにはともあれ便利である。そして最後に VHS 機能を試して特に不満はなく、これは完璧に期待通りのマシンを手に入れた。今まで買った家電の中でもトップクラスの満足度である。3年前に買った俺の VCR と同じ値段で DVD+VCR なのだからすごい。

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しかし家族みなが使う DVD プレイヤーだけでMへのプレゼントとするのもナンなので、何か買う意義のある DVD を見つけてやろうと3軒くらい必死に探したのだが、レンタルビデオ屋にあるハリウッド映画以外はまーったく何も売っていなかった。カナダ人は本当に外国映画や古典を見ないんだなと呆れる。そういう需要が少ないものはネットショッピングで買うしかないらしい。間に合わぬ。はあ。

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■ 05/12/23(金) 09:31:11 □「千年女優」
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なんかもうクリスマスホリデイみたいな感じのする日々。ナウシカ以外ジブリ映画の英語版を見たことがないMのために、香港製ジブリ映画詰め合わせという怪しいものを借りてきたのだが、「キキ」を見ていて、英語字幕のデキが悪すぎてほとんど読めないことが判明。出るタイミングが悪く時間が短すぎて(1秒で 10 ワードとか出す)、頻繁にずれるし省略も多い。字幕がこれではどれほど集中しても半分しか内容が読めないので、Mは字幕を追うのをあきらめた。がっくし。

字幕時間の短さはおそらく、情報量が多い漢字と同じタイミングで英語文字列を機械的に挿入するとこんな風になるのだろう。そしてずれは単に仕事の質の問題である。いいものを作ろうという気があるかないかの違いなのだ。英語の分かる日本人(またはその逆)にチェックしてもらえば済むことなのに、やってないのだから。はーあ。

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俺自身も夜新しい DVD プレイヤーで、あまりにも面白そうなので見ないでずっと保留にしておいた「千年女優」をついに見た。半分くらい見て寝ようと思っていたのだが、ヒロインが雪の中で絵描きと会うシーンからは、もう止められない状態で最後まで一気に見る。こんなにグリッピングな(夢中になる)映画は俺にとっては「千と千尋」以来である。映画と現実・夢かうつつか、アニメでしか表せないその入り混じり具合が実にすんばらしかった。こういう映像芸術が発見されず、大量生産ハリウッド映画だけが消費されている北米映画事情というのは、むなしい。


調べてみると BESTBUY というところで「千年女優」英語字幕付き DVD がなんと $15+送料無料で買えるので、すぐさま発注。クリスマスには間に合わないが、これをもってMへのプレゼントとしよう。

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■ 05/12/24(土) 11:16:47 □ メーターの振り切れた「世界の中心~」
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夜 TV Japan で、「世界の中心で、愛をさけぶ」という映画を見る。日本文学史上最大のベストセラーの映画化なのだそうだが(映画もヒットしたらしい)、悪くはないものの何も特別なものは見て取れない。何故超絶ヒットなのか分からないという点で、俺にとって「冬ソナ」と同列に並ぶ。前半の恋愛ストーリーは普通に楽しめたのだが、後半はげんなりしてしまった。なんか冬ソナもこれも、現代アジア人は死とか失明とか記憶喪失とか、そういう劇的なものだけを闇雲に追い求めてるんではないかと感じる。

映画は死んだ恋人のテープレターを聞きながら進んでいくのだが、そのテープに収められた言葉がなにか高校生の恋人というよりも、何十年も連れ添った夫婦の言葉のようであった。橋田壽賀子にもまさるかという古風な脚本である。恋人だけが世界であって家族友人は描かれていないところも(原作がどうなのかは不明だが、今にも死にそうな彼女の病室に家族が現れないし、彼女も家族のことを考えているフシはない)、非常な違和感を感じる。劇的なものだけを抽出して描きすぎ、メーターが振り切れていると思うのであった。

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■ 05/12/25(日) 12:59:51 □ ハッピークリスマス
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プレゼントを次々と開ける朝。萌がもらったのは、数々のドレスや服、ポリーポケット人形、日本の文房具、寿司の形の精密消しゴム、巨大ジグソーパズル、Mが古着屋で見つけてきた大袋いっぱいのトーイフードなど。ハッピーそのものです。

その後皆でゲームをし、よいクリスマスであった。何年かぶりにKVと一日一緒にいたのだが、反抗期を抜けて超好青年になってるので驚いた。みなと楽しく会話をし、萌とずっと遊び、後片付けまで率先してやっている。「お前なにそれ、なんでそんなにきれい好きなの? (兄の)MKとえらい違うじゃん」というとMKが聞きつけて怒っていた。

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【有馬記念】ディープインパクト2着。菊花賞のひやひやを再現すまいとユタカが注意深くゆっくりと1周をまわし、3コーナーを万全の勢いで上がってきたのだが、1頭だけ捉えきれず。勝ったのはJCで2着だったハーツクライ。JCはこの番組で初めて見たが、ハーツクライはそこで勝ちに等しい素晴らしいレースをしており、この馬を捕まえられなかったのは仕方がないという感じ。ルドルフでも古馬との初対戦では勝てなかったのである。

リプレイを見ると最後の最後にユタカが期待したもうひと伸びがなかったんだなと分かるが、あれだけ見事な走りをした相手をさらに差し切るというのは相当な力の差がなければ無理であり、それはなかったのだろう。ハナ差の勝負をしてきた馬と、ここまで抜けた能力で勝ってきた馬との違いが出たのかなという競馬だった。トウカイテイオーが負けたときに似た気持ちに包まれる。だがディープインパクトはテイオーほどいいところなく負けたわけでもないし、怪我をしたわけでもない。これからもっといいレースをしてくれればそれでよし。